スケベ提督と元ブラック鎮守府   作:ルフレオ

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伊26と夕立

 

【舞鶴鎮守府で一番提督の事が大好きな艦娘は誰か?】

 

 

 普通に考えれば、絶賛提督と交際中の神通一択だろう。

 

 

 だがしかし、青葉主催で秘密裏にアンケートを取ってみた所、意外にも票が割れたのだ。

 

〈神通さんしかいない!あんなに提督が好きな気持ちが漏れてる人他にいないもん!〉

〈榛名は金剛姉様を推します!〉

〈神通さんが強そうだけど…僕は夕立を推すよ〉

〈浜風さんではないでしょうか…?提督こそが私の運命の人とまで言ってましたし〉

〈神通さんと迷ったけど…やっぱり弥生に決まってるぴょん!〉

 

 そんなこんなで意外と人気が拮抗している提督だが、その提督大好き争いに最近、超新星が追加された。

 

 

〈一番提督の事が大好きなのはニムだもん!!〉

 

 

 

 

 〜〜〜

 

 

 

「ねえねえねえ提督!

 ニムと一緒に遊ぼうよー!!」

 

「こらひっつくなって!ご飯食べづらいだろ!」

 

 新しく舞鶴鎮守府に着任した唯一の潜水艦である伊26 通称ニム。

 人懐っこい性格のニムは着任してから数分経った時には、提督にベッタリと懐いていた。

 

 俺とニムが出会ってからまだ僅か数日しか経っていない。

 なのに、ここまで懐くとは…。

 単にニムが度を越して人懐っこいだけなのか…、俺の身体から艦娘を惑わすフェロモンの類でも出てるのか…。

 

 ふと頭に浮かぶ。動物は、生まれて初めて見た相手の事を母親だと思い込む事があるという。

 ニムの異常な人懐っこさは正にそれだ。

 生まれたての子犬でももうちょっと警戒心持ってると思うぞ。

 

「ねえねえ提督提督!!早く遊ぼーよー!!」

 

「分かったからそんなぴょんぴょん跳ねるな!」

 

「えぇ〜?どうして?」

 

 ニムはきっと自覚していないのだろう。

 お前がぴょんぴょん跳ねるたびに、二つのメロンがプルンプルン揺れている事を。

 

「どうしても!!分かったらちょっと離れなさい!

 お父さんまだご飯食べてるでしょーが!!」

 

 いつお父さんになったというツッコミは受け付けません。

 

「やー!ニム、提督とずっと一緒にいたいのー!!」

 

 ニムがとうとう俺の背中にムギューっと抱きつく。

 必然的に背中に押し付けられる二つの双丘。

 ニムの乳房がニムニムと…いやムニムニと押し付けられてその柔らかさがダイレクトに伝わってくる。

 

「だからくっつくなって!!」

 

 背中に抱きついたニムの手を掴み、無理やり背中から引き剥がした。

 ニムは不満そうに目を尖らせ、頬を膨らませる。

 そんな顔してもダメなものはダメです!

 

「せめて俺が食べ終わるまでいい子にしてなさい!」

 

「ム〜〜ッ!!じゃあニムにもいい子いい子ってして!」

 

 なんだよいい子いい子してって…。カワイすぎん?

 あれか? 初めて会った時に球磨が頭を撫でられてるのを見て羨ましくなったとか?

 だとしたら、なんと愛らしい事か。

 そしてなんと警戒心のない子なのか。

 

 ニムの頭を数回程軽く撫でてやると、ニムは途端に嬉しそうに顔を綻ばせて『えへへ〜♪』と満足気に笑う。

 まるで子犬を躾けてるみたいだ。

 ニムに犬の尻尾が生えてる幻覚が見えた気がするが、気のせいではなかったかもしれない。

 

「あああぁぁーーーーーーーー!!!!!!」

 

 突如食堂に悲鳴が響き渡った。

 びっくりして思わず声の方を見ると、夕立が『ウ〜〜ッ!ウ〜〜ッ!』とワンコの唸り声を上げながら涙目になっていた。

 おや?いつから舞鶴鎮守府で番犬なんて飼ってたんだ?

 

「時雨〜!!提督さんがぁ〜!!提督さんがニムちゃんにいい子いい子してたっぽいぃー!!!」(泣)

 

「う、うん。そうだね」(なんで僕に言うんだろ)

 

「提督さんが寝取られたっぽい〜!!夕立の事裏切ったぽい〜!!」

 

「そもそも俺はお前のものじゃない」

 

 どちらかと言うと神通のものだ。

 

「提督はニムのものだもーん♪」

 

 ニムがまた腕に絡みつく。

 必然的にニムのニムニムとした乳房…いやムニムニとした乳房が二の腕に当たる。

 いや何これ柔らかぁぁっ!!!

 

 形のいい豊満な乳房に触れる二の腕がその感触を決して忘れまいと全神経を集中させている。

 スクール水着越しでも確かに感じる高い体温とどこまでも沈み込みそうな柔らかさが俺の理性を容赦なくハンマーで殴りつけてくる。

 

 ただでさえスケベな俺にはあまりにも刺激が強すぎるのだよ女の乳房というものは!

 こんなに悶々とするならば神通と初夜を過ごした時に片方の乳房もぎ取って来れば良かった。そうすれば一日中神通のおっぱい揉み続けて少しでも耐性つけられたのに。

 

 

 

 

 ゾクッ

「な、なんだか寒気が…」

 

「神通どうしたの?風邪?」

 

「い、いえ、でもなんだかすごく不愉快な気持ちに…」

 

 川内と共に日々の日課である訓練に勤しんでいた神通の背筋を悪い予感がよぎった。

 

 

 

 

「こらニム!む、胸が当たってるからちょっと離れろ!」

 

「あぁぁぁーー!!!ニムちゃんが提督さんに色目使ってるぽいぃーー!!!」

 

「ニム、色目なんて使ってない!!」

 

「つーかどこで覚えたそんな単語!?」

 

 純粋で可愛い駆逐艦を汚したのはどこのどいつだ!?

 天龍か!?球磨か!?それとも青葉か!?

(正解は如月)

 

 

『ウゥゥーー!!!』とワンコの唸り声を上げる夕立。

 俺の腕に抱きつき、ご機嫌そうな笑顔のニムにとうとう怒りが臨界点を突破したのか、夕立が弾かれたように俺にダッシュしてきた。

 

「提督さんは渡さないっぽいぃー!!」

 

「ゴフゥァァ!!!!」

 

 突撃してきた夕立が俺のへそに頭突きを喰らわす。

 人より頑丈とはいえ、駆逐艦の突撃をモロに受ければ流石の俺もダメージが大きい。

 

「あぁァァー!!提督さんごめんなさいっぽい!!」

 

「ゆ、夕立…。もう少し加減というものをだな…?」

 

「ニムも混ぜて混ぜて〜!!」ズンッ‼︎

 

「グボェアァァ!!!!」

 

 ニムまでもがわざわざ距離を取って助走をつけてから腹に突撃してきた!

 瀕死の腹を気遣いながら昼飯食べてなくて良かった…と心底思う。食べていれば間違いなく二人の頭に嘔吐してたところだ。

 

「ニムちゃんダメっぽい!提督さんの身体は弱いんだからあんまり突撃しちゃダメっぽい!」

 

「えぇ?そうなの?

 でも、さっきの夕立ちゃん突撃してなかった?」

 

「う…。そ、それはごめんなさいっぽい」

 

 夕立よ。ニムじゃなくて俺に謝るべきだよ?

 

「ってそれよりもニムちゃん!提督さんから離れるっぽい!!」

 

「やー!ニム、提督から離れたくないの!」

 

「ムーーッ!!ワガママ言う子は提督さんに嫌われちゃうっぽい!!」

 

 誰よりもワガママなお前が言うな。

 

「お、おいお前らッ…グフ!

 ちょ、ちょっと離れてくれ…。少し俺を休ませてくれ」

 

「て、提督はニムの事大好きだから嫌われたりしないよ!」

「そんなの分からないっぽいぃー!!

 でも提督さんが夕立の事大好きなのは間違いないから夕立はくっついちゃうっぽい!!」

「提督はニムのことの方がもっともっと大好きだもん!!」

「夕立のことの方がもっとずっと大好きっぽい!!

 あ、ぽいじゃない。間違いないもん!!」

 

「おい俺の話を聞け、まずちょっと離れてく」

 

「提督さんは夕立の事が一番大好きっぽいぃー!!」

「ニムが一番だからー!!!」

⁇?『一番!?アタシがイッチバーン!!』

 

 聞けやぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!

 

 わざわざ胸の中で言い争う二人に軽くチョップをした。

 そのおかげでようやく二人の世界一どうでもいい戦争は終焉を迎える。

 

「お前らどんだけ下らない事で喧嘩してんだ!!

 俺がどっちの方が好きかなんてどうでもいいだろ!?」

 

「ど!どうでもよくはないよ!?」

「そうっぽい!提督さんは夕立とニムちゃんのどっちが好きっぽい!?」

 

 なるほど、確かに返答に困るような質問だ。

 だがしかし!既に愛する人を抱える俺には片腹痛いわ!!

 

「俺は夕立もニムも同じぐらい大好きだぞ。

 なにせ二人とも好感度カンストしてるからな。二人ともカンストしてて測定不可だったら引き分けと言うしかないだろ?」

 

 ちょっとクサいが、少しは穏便に済む返答が出来た。二人も返答に満足したのか、嬉しそうに顔を赤くして笑顔になっている。

 

「ぽ、ぽいぃ〜…!!や、やだどうしようっぽいぃ!!」

「そ、そうなんだぁ…。ありがと、嬉しい」

 

 二人とも攻めが強い割には攻められると中々しおらしくなるんだな。

 ダメだぞ?闘いをするのなら攻撃面と同時に防御面も鍛えなければ!

 ほら見てみなさい!すぐこういうことになるのだから。

 

「分かったら二人とも俺の胸からいい加減離れなさい。

 俺もそろそろ飯が食べたい」

 

 そう言って変わらずギューッと抱きしめてるニムと夕立の二人のほっぺを掴んでニムニムと…いやムニムニと揉み込んだ。

 早く立ち退きなさいという感情を込めて掴んだつもりだったが、ほっぺの感触があまりにも素晴らしくて、困った事に俺の手が離れたくない!と拒んでしまっている。

 二人ともすべすべで柔らかい最高のほっぺだ。いつまでだって触っていられる。

 

 とはいえ、そろそろ手放さなくてはまた調子づいた夕立とニムが俺にくっつき出して昼食の時間を奪われてしまう。

 名残惜しかったが、最後に二人のほっぺを思いっきり引っ張ってから手を離した。

 

 さて、これで俺はようやく飯を食える訳だ。幾分か冷めてしまってるかもしれないが、まぁ仕方ない。

 二人のほっぺとニムのニムニム…いやムニムニおっぱいの感触を楽しんだその代償だと思えば安いものだ。

 

「ねえねえねえ提督!!最後にいい!?」

 

「ん?なんだ? …っと」

 

 ニムが最後の最後でもう一度俺に抱きついた。

 俺の胸板に顔を埋め、あまりにも愛らしすぎる笑顔でニムは見上げる。

 

「ニムも、提督の事大好きだよ!」

 

 

 オオォォォォーーーーーンンン!!!!!

 もう死んでもいいよおおおおおお!!!!

 

 

 

「夕立も負けないっぽいぃ〜!!」

 

 ニムに対抗したのか、夕立も同じように抱きついて人懐っこい笑顔で見上げた。

 

「夕立だって、提督さんの事大好きっぽ〜い!!」

 

 

 アァァァァァ!!!!!ヤバイ!!!!

 この破壊力はエグい!!今すぐ二人を抱き上げて部屋に連行して『グへへ♡』のルートに突入してしまいたい!!

 

 

 

「俺も大好きだゾォ!!!!!!」

 

 父性の感情が爆発し、思わず二人を抱き締めてしまった。

 抱き締められた二人は小さく『キャッ!』と悲鳴を上げるが、すぐに持ち直して嬉しそうに抱き締め返してくれた。

 二人とも気付いてなさそうだけど、さっきから四つの乳房が遠慮なしに当たってるのもまたいいよなぁ…。ニムのとてもニムニムとしたおっぱいと、夕立の形の良い発展途上おっぱい。

 どちらも違う良さがあって、どちらも最高だ。

 

 い、今ならさりげなーくお尻触ってみても許してくれるんじゃないか?

 

 

 そうやって自分に都合のいいように考えた俺は、ゆっくりと二人のスカートに手を這わせ……

 

 

 

 ようとしたら、誰かに手を掴まれた。

 

 

 更に段々と力が入ってきていて、少し痛くなってくる。

 

「痛ててて…!!悪かったって夕立!!

 もうお尻触らないから手離してくれよ」

 

「…っぽい?夕立、何もしてないっぽい」

 

「………え?あ、じゃあニム?」

 

「んーん。違うよ」

 

 

 …となると、誰だ?

 考えられるのは……………。

 

 

 俺の恋人か、皆のオカンか。

 

 

 

 

 

「テ イ ト ク ?」

 

 

 

 

 あ、この声は俺の恋人の方だ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 その日、提督は昼飯と、夜飯も抜きになりました。

 

 とんだとばっちりである。

 

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