スケベ提督と元ブラック鎮守府   作:ルフレオ

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※本話は大変お見苦しく、下品なものとなっております。

 大鳳ファンの皆様は即閉じ…もしくは筆者が目の前で土下座してるものだと思ってお読み下さい。



大鳳と勘違い

 

 

 

「大鳳さんって中破しても艦載機飛ばせるの!?すごいわね!」

 

「ありがとうございます。でも、私なんてまだまだですよ」

 

 

 瑞鶴よ!

 新しい仲間の装甲空母 大鳳さんは早速私達に取り囲まれていた。私と翔鶴姉に続いて中破しても動ける珍しい特性はやはり皆の注目の的となっていた。

 その中でも特に私は大鳳さんに半ば半泣きの表情で大鳳さんの両手を掴んだ。

 

「私、大鳳さんが来てくれて良かった!本ッ当に良かった!!」

 

「え?え、えぇ…ありがとう?」

 

 私にとって大鳳さんが加入してくれたことはとてつもなく大きい。

 なにせ、今まで自分の周りにいたのはまず一航戦の赤城さんと加賀。続けて姉妹艦の翔鶴姉。

 日々の演習でも普段の私生活でも時を同じくすることの多いメンバーだけど、正直、私はその中で一人だけ劣等感を感じることがあった。

 別に加賀さんが怖いだとか翔鶴姉に差をつけられてるだとかそういう暗い感じの劣等感ではない。

 

 例えば赤城さんが和服のサラシを外した時──

 例えば演習時、加賀さんが弓を思いっきり弾いた時──

 例えば朝の早い時間、ノーブラの翔鶴姉とバッタリ会った時──

 

 私はイヤでも思い知らされるのだ。

 決して越えられない高い壁を。

 一生縮められない絶対的な差を。

 

 自分以外の空母艦は皆持っている乙女最大の武器をぶら下げる空母艦をみるたびに……プルンプルン♡と揺れるアンノ憎ッッッたらしい胸部装甲を見るたびに、私の自尊心はCritical HITしているのだ。

 

「大鳳さん!私達頑張ろーね!絶対にアウトレンジしよーね!!」

 

「?? は、はい…そうですね?」

 

 彼女の胸をみる。

 あぁ…やはりそうだ。私と同じ、持たざる者なんだ…!!

 だからこそ、自分と同じ武器しか持たない大鳳さんに強い同類の匂いを感じ取った!

 この人はきっと、私の苦しみを理解してくれる人だ!

 

「???」

 

 何故瑞鶴がこんなに熱くなっているのかが全く分からない大鳳と元凶の巨乳空母達は、ただ頭に?マークが浮かぶだけである。

 

 

「さて、それではそろそろ大鳳さん歓迎会用のご飯を作りましょうか!」

 

『はい!』

 

 赤城さんの号令を受け、私達は早速間宮さんの切り盛りする間宮食堂をお借りし、それぞれ料理に取り掛かった。

 海鮮料理、お味噌汁、炒め物、白ご飯…。

 要所要所で間宮さんが手伝ってくれたのもあって、次々に美味しそうなご飯が出来ていく。

 

 というか、加賀さんはともかく赤城さんが料理出来たのが意外だ。

 しかも普通に手際いい…。

 

「赤城さん、上手ですね」

 

「はい、料理は以前から鳳翔さんに習っておりましたから。ちょっと小腹が空いたとき……ゲフンゲフン‼︎普段からご飯を作れたら何かと便利ですもの♪」

 

 赤城さんは口から出かけた本音を誤魔化すように炒め用の野菜をめちゃくちゃ切り刻む。

 

「あ、赤城さん待って!それ知ってる?」

 

「へ?何をですか?」

 

「へっへ〜ん!ちょっと失礼!」

 

 私は赤城さんの切っていた野菜を一つ手に取り、ハサミを握る。

 この草の名前はイタドリという。土佐国の方でよく食べられている野草の一種だ。炒め物にするととても美味しい。ちょっと酸っぱいけれど、実は生でも食べられる。

 

【まず茎の部分を斜めに切ると、更に斜面へ一本切り込みを入れる】

【あとは切り込みの所に葉を入れて、口の中に収まるくらい短く切っちゃえば完成!】

 

 早速私は、完成した物に空気を吹き込んだ。

 

 

 ポーーーーーッ♪

 

 

 耳聞こえのいい高い音が鳴った。うん、成功ね!

 

「あ!すごい!草笛ですね!」

 

「そうです!昔、駆逐艦の子に教えてもらったんですよ!」

 

「へぇ〜、イタドリも笛になるんですね」

 

 これは間宮さんも知らなかったみたいで、驚嘆の声を挙げていた。

 

「私も吹いてみていいですか?」

 

「あ、いいですよ!どうぞどうぞ!」

 

 赤城さんが試しに吹いてみる。

 

 

 ふしゅ………シューーー……

 

 

 脱力感のある空気が抜けてくような音が聞こえる。

 予想通りの結果だ。実際やってみたら案外綺麗な音が出ないものだ。

 

「あれ〜?思ったように音が出ませんね?」

 

「アハハ♪これ鳴らすのには結構コツがいるんですよね」

 

 私がもう一度吹いてみる。

 

 ポーーーーッ♪

 

「瑞鶴は上手ね、とてもキレイな音」

 

「エッヘヘ♪実は結構練習したんだ」

 

 翔鶴姉もチャレンジしてみるが、やはりいい音は出ない。少し困ったように苦笑する翔鶴姉を見て、私はいいことを思いついた。

 

「はい!加賀さんもやってみて下さいよ♪」

 

 そう!草笛だったら私に理がある!

 普段お高くとまってる加賀さんに優位に立てる数少ないチャンスだ!

 存分に加賀さんの失敗を笑ってやって、ドヤ顔してやろうじゃない!!

 

「私も?構わないけど、吹き方を教えてくれる?」

 

「大丈夫ですよ〜!コツは茎を唇で挟んだ時、力を入れすぎない事です!」

 

「ふ〜ん」

 

 ついに加賀さんが草笛に口をつけた!

 さぁ〜やっておしまい!!頭でっかちな一航戦の青い方!

 情けない音を響かせるがいいわ!!ア〜ッハッハッハ!!!

 

 

 

 ポーーーーーーッ♪♪♪

 

 

 

「あら、意外と鳴るものね」

 

「・・・」

 

「ワーー!!先輩すごいです!瑞鶴ぐらい綺麗な音が出たんじゃないですか!」

 

 グ、グヌヌ…!!

 

「器用ですね、加賀さん!」

 

 うぐぐ…!!

 

「まぁ、五航戦に出来るのだから当然ね」

 

 ふんぐにゅういいいいいい!!!!

 

「次は大鳳さんの番ね」

 

「え?私もですか?」

 

「えぇ、大丈夫よ。五航戦の瑞がつく方以外は笑ったりしないわ」

 

「せめて名前で呼んでよ!!」

 

 加賀さんが大鳳さんに草笛を手渡す。

 大鳳さんは少し困ったように苦笑いだが、やがて意を決したように草笛に口をつけた。

 

「い、いきます!!!」

 

 

 

ブプゥゥゥゥ!!!ブッスウウウウウウ…!!!

 

 

 

 

「え?」

「え?」

「へぇっ?」

「へ?」

 

「・・・え?」

 

 

 ・・・

 

 

 ・・・・・・

 

 

 ・・・・・・・・・

 

 

 

 

「くふッ…!!」

 

 

 

「アッハハハハ!!何今の音!!」

「ダ、ダメ…!おっかしいぃ〜〜!!」

 

 聞いた事のないような爆音に思わず爆笑が巻き起こる。

 当事者の大鳳さんは顔を真っ赤にして慌てて草笛から口を離した。

 

「い、今のは何かの間違いで…!!」

 

「アッハハハハ!!え!なに!?大鳳さんオナラしちゃったのアッハハハハ!!」

 

「ず、瑞鶴、流石にはしたないわよ…」

 

 壺にハマった赤城さんも一緒になってゲラゲラと笑っている。

 まさか草笛であんな音が出てくるとは思わないじゃないアッハハハ!!

 

「五航戦、笑いすぎよ。そろそろ真面目に作りなさい」

 

「はーい!すぐ取り掛かるわよ!」

 

 大鳳弄りもこの辺で…。

 夕飯の時間までもう残り少ない。

 ここからは真面目に夕飯作りに取り掛かろうと、空母組は気持ちを切り替えて、真面目に料理に取り組んでゆく。

 

 

 

 〜〜〜

 

 

 

 

「い、今のすっごく大きな音、聞いた!?」(小声

 

「弥生も聞こえたぴょん!?よく分かんないけど、大鳳さんが物凄く大きなオナラしちゃった音みたいぴょん!!」(小声

 

「すごいわ…!私もお芋食べた後とかつい大きな…いやちょろっとだけその……お、音が出ちゃうこともあるけどそれでもあんなすごい音は出せないわ!まさか私が一番じゃなかったなんて…!?」(小声

 

白露(アンタ)はどこで競ってんのよ!!」(小声

 

 

 大鳳の草笛失敗時の大爆音にびっくりして、慌てて駆けつけた偶然近くで遊んでいた駆逐艦達。(弥生・卯月・白露・村雨)

 

 まさか台所で草笛を吹いていただけなんて思うはずもなく、興味本位から台所へと駆けつける最中──空母組の爆笑が巻き起こり、彼女達はそこで歩を止めた。

 

 彼女達のいる場所から台所までは少々距離があり、空母組の会話のほとんどが耳に届かなかった。

 かろうじて聞き取れたのは瑞鶴の『大鳳さんオナラしちゃったのアッハハハハハハwwwwwww』という間抜けな笑い声だけだ。

 

 よって、幼い彼女達はとんでもない誤解をしてしまった。

 

「大鳳さんって、意外とオナラの音うるさいんだね…」

 

「大鳳さん…お芋とか好きなのかな?」

 

「え、てか待って?陣形を組んだ時に大鳳さんの後ろになっちゃったらヤバくない?さっきの音が目の前でするってこと?」

 

「うーちゃん死んじゃうぴょん。うさぎは耳がいいんだぴょん」

 

 

 

 その後、駆逐艦達の間で大鳳の背中に立ってはならないという謎のルールが制定された。

 

 

 世界最上位クラスの名誉毀損である。

 

 

 問題の大鳳がこのとんでもない誤解を受けてる事を知って駆逐艦一人一人に数十分をかけて誤解を解いて回ったのは、それから一ヶ月後の事であった。

 

 

 

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