スケベ提督と元ブラック鎮守府   作:ルフレオ

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残留と神通

 

 鳳翔さんがただただ強かった第一演習(鳳翔無双)が終わると、その後もいくつもの演習を行った。

 

 金剛と比叡の姉妹対決は『お姉様に砲撃なんて無理です!』と開始後即決着。

 

 赤城と加賀の一航戦勝負は艦載機の数と鳳翔との闘いで海面スレスレ航行を学んでいた加賀がほんのわずかな差で勝利。

 

 吹雪・時雨・弥生と皐月・夕立・曙の三対三の駆逐艦対決では途中で提督が鼻血を出して倒れた事で中止になった(何故だ)

 

 天龍が神通にタイマンを申し込み、予想通り瞬殺されたりもした。

 

 

 

 

 

 

 やがて日は変わり、いつの間にか六日目になっていた。

 明日、応援に来てくれた子達は皆元の鎮守府に帰投する。

 

 

 

「明日で皆ともしばらくサヨナラか」

 

「ぽいぃ〜…。夕立もここに異動したいっぽい〜!!」

 

「うぅ〜ん…。俺も誰か一人二人位なら残ってもらってもいいんじゃないかと思うんだけど…」

 

 

 ダメ元で聞いてみるか?実際出来るのかな?

 

 

 

 

 

 〜大本営〜

 

『別に構わんよ』

 

 

 いいの!?

 

 

『ただし三人だけだ。

 ちゃんと向こうの提督にも許可を取るように』

 

 

 三人!?

 えぇ〜、どうせなら十人位…。

 と思ったけど、それだと向こうが困るものな。

 

 

 〜佐世保鎮守府〜

 

『あぁ、そろそろ電話が来ると思ったよ。

 本人が希望するなら別に構わないよ』

 

「お前ならきっとそう言ってくれると思ったぜ!!」

 

 

 というわけで三人だけ残留できる事になりました!!

 

 

 

 〜〜〜

 

「ハイ!!ハイ!!夕立ここに異動したいっぽい!!」

「司令官!私も響と一緒にいたいわ!!」

「比叡も立候補します!金剛お姉様と同じ戦場に立たせてください!」

 

 

 三人だけ残留する事が出来ると広まってから続々と手を上げる。

 

 

 だが、すまん。

 実は俺の中ではもう残留する三人は決定している。

 

 

 〜〜〜

 

 七日目

 

 ついに帰投の日か…。

 

 

「それでは、提督。

 またお会いできる日を楽しみにしております」

 

 代表者として鳳翔が堂々たる佇まいで見事な敬礼をする。

 

 そして、艦娘達全員が畏怖の表情を浮かべて鳳翔『に』敬礼している。

 間違いなく第一演習の無双記録が根強く残っているからだ。

 

 鳳翔は恥ずかしそうに目を閉じ、頬を紅く染めている。心の中ではきっと演習に出たことを後悔しているだろうな。

 

「皆さんもお元気で。たまには顔を出して下さいね?」

 

 敬礼を解除し、少しだけ表情を綻ばせて提督の後ろに立つ三人の艦娘に目線を送る。

 

 

 

 

夕立

「ぽい!鳳翔さん、向こうの海風達にごめんなさいって伝えて下さいっぽい…」

 

 

神通

「はい、鳳翔さんもお元気で」

 

 

赤城

「いつかまたご指導下さい。また会いに行きますから」

 

 

 

 残留メンバーはこの三人だ。

 何故このメンバーを残したのか?

 

 夕立と赤城は即決だった。

 

 夕立は元々この鎮守府に所属しており、かつ沈む前の記憶が残ってる唯一の艦だ。時雨とも仲がいいし、駆逐艦の中でも練度はかなり高い。

 ぽいぬを残さない訳にはいかないだろう。

 

 赤城は加賀と吹雪の存在が大きい。

 同じ一航戦である加賀と赤城は距離も近く、鎮守府全体の纏め役にも適任だ。

 そして俺の推しである吹雪が赤城の事を赤城先輩と呼んでいて尊いのだ。カワイイに勝てる力などないのだ。

 

 そして神通が残った理由。

 それは鳳翔、大淀、長月三名からの推薦である。

 

 

 

 〜〜〜

 

 

『え?神通を残してやって欲しい?』

 

『はい、彼女が最も適任だと判断したんです』

 

『艦隊を任せるに申し分ない高い実力。

 戦場全体を見渡し、かつ仕掛けた監視カメラをいとも簡単に見破る鋭い洞察力。

 なによりも提督の顔面に躊躇なく主砲を撃ち込める厳しさ。

 そしてそれを献身的に支える優しさ』

 

『お前のストッパーにはこれ以上なく適任だろ』

 

 

 ………納得するしかなかった。

 

 

 

 〜〜〜

 

 

「元気でね響!!今度は暁と電も連れて遊びに来るわ!」

 

「ヒエエェェ!!金剛お姉様と離れ離れだなンデェ!!」

 

「分かってるとは思いますが、あんまり悪い噂が届くようでしたら空爆させていただきますので」

 

「おぉ、怖い怖い」

 

 

 最後の別れの挨拶を終えた俺達はほんの少しだけ会話を楽しむ。

 そして、俺は海の向こう。

 水平線のその先に視線を飛ばした。

 

「さて、じゃあそろそろあいつらも帰ってくるだろうし、そしたらいよいよお別れだな」

 

「?? ()()()()?」

 

 

 

 

 

 三十分後、水平線の向こうから二人の艦娘が現れた。

 

 二人は同様に大量の資源を抱えており、息も絶え絶えといった様子。

 そして二人の格好は何故かスクール水着だった。

 

 

 二人の水着姿の艦娘は大量の資源を下ろすと提督に向かって叫んだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「オリョールはもうイヤでちいいいいいいいいいいいいいいいぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!!!!!!!!」

「オリョールはもうイヤなのおおおおおおおおおおおおおおおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!!!!」

 

 

 

 

 二人は潜水艦 伊58と伊19。

 

 七日前から他の艦娘が鎮守府でキャッキャしてた間にも黙々とオリョール海に潜り続けて大量の資源をかき集めて来ていた正に社畜の鏡である。

 

「うむ、ご苦労であったな。

 あと三十回位行ってくれ」

 

「ゼッッタイにイヤでちいいいいぃぃぃぃぃ!!!!!」

 

 伊58、改めゴーヤの悲鳴は鎮守府中に響く。

 その悲鳴に耳を塞ぎながら提督は可笑しそうに笑い、二人の頭を撫でた。

 

「冗談だって、冗談。

 イクもゴーヤも今まで頑張ってくれてありがとな。

 ほいこれ、ご褒美の間宮券。帰ったらアイスと交換してもらえ」

 

「アイス!?やったでち!!提督大好きでち!!」

「ワーイ!!提督も一緒に食べるのね!!」

 

 フッ、チョロいもんや。

 間宮券をもらった二人はその場で飛び跳ねそうな勢いで喜んでいる。

 繰り返すが、二人の格好はスクール水着だ。

 そんな際どい格好をしたふたりが飛び跳ねながら喜んだりしようものなら普通に二人を襲っちゃってそのまま憲兵に連れていかれそうなので出来ればやめてほしい。

 歓喜する二人を制止するように頭の上に手を置くと、二人は嬉しそうに目を閉じて気持ちのいい笑顔を見せた。

 

 それを見て駆逐組と、何故か武蔵までもが羨ましそうに間宮券を受け取った二人を見ている。

 

 武蔵って甘いもの好きなのかな…?

 

「あぁ、一つ言い忘れていました。提督」

 

 大淀がふと思い出したように提督に微笑み、人差し指で×マークを作った。

 

「甘やかしすぎてはメッですよ」

 

 ……大淀にしては、珍しくぶりっ子っぽかった。

 だが可愛ければ、それでヨシ!

 

 

 

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