「私は、〇〇社所属第6研究開発部のミカエラ・エルスマンだ、君たちは栄誉ある実験の被検体に選ばれた、これは大変名誉あることでー」
私は面倒で難しい話に眠気を感じ聞き流した、一緒に施設に連れてこられ、説明を聞いていた難民の大人に分かりやすく説明してもらった話では強化人間手術の実験の為に我が社の生贄に成れとのことだそうだ・・・・・・・・・・・反吐が出る。そんな理由でこんなところにしかも私は親が金目当てで私をこの企業に売ったらしい、なんでも幼い子供でまだ実験していないから高く買い取られたそうだ、大人の人がそう聞いたらしい、ああ反吐が出る。不倫で生まれた子供が金に変わったと喜ぶ両親の顔が浮かんでくる。もう二度と会うことが無いのはいいがこれから自分がどうなるのか判らない、強化人間にされると言うことがどうなる事なのかは私には判らないが先ほど説明してくれた大人が言うには部品として扱われるらしい。
「私は誕生を望まれず、疎まれ死を望まれ金に変えられた哀れな子供だ、今更部品として扱われたところで何も思うことはない。」
吐き捨てるように言うと光の宿らない濁った瞳をその大人に向け戦慄させる。
ほどなくして私は強化人間へと改造された。
汎用人型戦闘機械(AC)その兵器に最適化された手術が行われた,が満足の行く結果では無かったとして研究員によって闇医者に売られた。
脳に埋め込まれた機械によって強制的に意識を切られる。
意識が呼び戻される。買い手でも着いたのだろうか冷凍保管されていた私の目に映ったのは気持ち悪い笑みを浮かべたデブのおじさんだった。デブの気持ち悪いおじさんは汗を拭いながら闇医者に聞く。
「おい、こいつは本当に10代の少女何だろうな。男だったらただでは済まさんからな?
貴様共々全ての使える臓器を売って処分してくれるわ。」
そう言って脅すデブを闇医者の男はどこ吹く風と言った様子で答えた。
「〇〇社から売られてここに来ているからな、そんなことを言われても知らんよ。
そもそもそれは強化人間だ。 カルテも向こうからもらった物の記載には少女と記載されている。
これで男でしたと言われてもこちらに責任は無い。元より貴様に私をどうこうすることなど出来はしないがな。私のスポンサー企業を知らぬわけではあるまいな?」
そういわれてデブは苦虫を嚙み潰したような顔で押し黙り私に顔を向けて闇医者に一言告げる。
「金は指定の口座でいいな?」
デブは確認すると闇医者は頷き、私の手足の拘束と完全解凍を始める。
そうして私は戦場へ送られた、生身でACやMTが配備された施設へ忍び込み、開発中の試験機を強奪しろ、との共同ミッションを成功させた。
褒美に貸し出されたジャンクACで、戦場からACやMTの残骸から使えそうな、ジャンクパーツの回収に勤しんでしばらくした頃、ハンドラーの猟犬、レイブンの捕縛。 と言うミッションを受けた。
高額の報酬が、全額前金で振り込まれており私を、ルビコンへ送り出すとデブのおじさんことデイブ・キーモイは高跳びした。と依頼主から連絡があり君の全権はこちらへ渡されている、と言われた。
「とりあえず任務をこなせ、c4・66」
私は、ルビコンでレイブンへと戦いを仕掛けた。ミサイルで奇襲しQBで避けたところにスタンバトンを振り下ろす。が再度QBで回避され反撃のAR射撃を機体を逸らして射線をずらし初弾をやり過ごしQBで回避しながらレイブンの回避方向にバーストハンドガンを撃つも最小限の動きで回避される。 ハンドガンのリロード中にミサイルをばらまくもレイブンは引き付けてからABの加速で回避し蹴りで私のACの左腕を破壊する。
右腕のバーストハンドガンで反撃するもQBで回避されパルスブレードの二連撃で右腕と両足を斬られて達磨にされた。
「レイブン、今回の刺客は随分と弱かったですね。拍子抜けです、ジャンクパーツで構成された機体の状態も最悪、動いてるのが不思議の位です。厄介払いで送り込まれたのでしょう、哀れですね。」
確かに機体はジャンクで構成されているせいで私の反応速度と操縦についてこないがそれでもこの機体しかないのだ、しょうがないではすまないだ。
憐れまれて情けをかけられたままでは終われない。
私は最後のあがきでABで体当たりし肩のミサイルでレイブンのACにダメージを入れる。
パルスブレードをパイルバンカーに持ち替えたレイブンにコアを串刺しにされた私は通信を開く
「あり・・・ありがとう、レイブンこれ・・でやっと終・・わることが出来る・・・・・・」
感謝を残し機体の爆発でわたしの視界は暗転した
「パイロット生体反応を消失、対象の沈黙を確認いました」
「621・・・・・今のは気にするな、稀にいるタイプだ、ミッションを続けろ」
ウォルターは色々な感情が混ざった声で621に告げると通信を切る
「レイブン、早くミッションに戻りましょう」
淡々と告げるエアにもやもやを感じながら立ち尽くしていたレイブンは、機体を動かしミッションを再開する
私は、ミッション中に死んだはずなのに・・・・・レイブンにパイルバンカーで貫かれたはずだった。
気が付けば砂漠の真ん中でボロボロの機体の中だった。
動くかどうか確認するもまったく反応がない。
コックピットハッチを開けて、緊急用のサバイバルキットを手に外に出ると機体は、音を立てて崩れた。
「元のスクラップに戻っちゃった。
修理なんて出来無いし使えそうなパーツだけ摂って売ろうかな。
少し行ったところに建物も見えるし空き家ならパーツを少し置かせてもらおう。」
私は、まだ使えそうだった物を、外れ落ちていた装甲の上に置き、パイプチューブを装甲に通して砂の上を引いて歩いた。砂の影響が比較的少ない空き家のガレージにジャンク品を置き、ガレージに置き去りにされた工具を持ってスクラップの元へ戻りさらにバラバラにしてガレージに運ぶ。
「粗方売れそうな物は運べた、後は食べ物があれば・・・・」
ガレージから室内に伸びる階段を上がると扉がある。
ドアノブを思い切り回すとバキ!と音が鳴る・・・・次からは優しく回すことを心がけようと思う。
キッチン、リビング、お風呂、色々なところを確認しガレージへ戻りシャッターをおろす。
「これで、中に砂が入らないからパーツを砂から守れるな、後は食料は缶詰とかがあったし数日なら大丈夫かな。後はお金が手に入れば・・・・」
空き家をガサゴソと探していると動く本棚を発見する。
本棚を動かすと大量の武器と弾薬が置いてあったが自分には扱い方が判らない。
生身での戦闘などやったことも無いしと手には取らなかった。
ここ数日やることも無いからとスクラップを集めちょっとした機械作りに勤しむ。
ここに来てからというもの歩くことかACの操縦しか出来なかった体が思うように動き、頑丈になり力も上がっている。以前は味も感じられなかったのに今は味が感じられる。
ふと、機体をを降りる時に持ってきた通信端末を起動する。
ジャンクパーツの回収で使っていたACのパーツデータを見る少し懐かしい気分になりながら、端末を確認していくと映像ファイルを見つける。
そういえばあのデブはこのファイルは見るなって言っていた物だ。
ロックが掛かっていて開くことは出来なかった。幾つも見慣れないファイルがある。
こちらは開けるので開いて見ると戦闘ログ、レイブンとの戦闘とも呼べない物からジャンク拾いでのデイブとの会話記録などが私の前任者たちのものまで記録されていた。
前任の戦闘ログまで残っている。 ログを確認すると戦闘後に旧世代型強化人間特有の発作を起こし、調整を面倒に思ったのか管理デバイス越しにデイブに始末されていた。
その後私が買われたと言ったところか・・・・・。
あのくそデブ、人が回収してきたジャンクを売って金をため込んでたらしいが調整に使う金も惜しいのか。
まあ最後は私を機体事売り飛ばしたみたいだし相当金がたまったのだろう。
もう会うことがない事だけが救いか・・・・・そんなことを思っていると家の外で何かの駆動音がする。
「戦車かな?ACぽく無いしMTもこんな音じゃなかったし・・・・」
キャタピラで何か重い物を動かす音がする、窓を覗くと戦車が二台と歩兵が行軍していく、全員がヘルメットを被っている。一人だけ色の赤いヘルメットを被っている。とりあえず隠れていればいいかと窓から離れた瞬間声が響く
「おい、今だれかあそこの窓から見てなかったか?」
私は体を振るわせる。
バレた?!殺される?こんなところで?嫌だ来ないで欲しい。
理由は判らないがやっと手に入れた自由なんだ。
こんなところで終われない。
「中に入って漁ってみるか?案外良いもの残ってるかもよ?」
「いいね!移動するだけで退屈だったしな、行こうぜ。お前らも来いよ」
外からの会話に心臓の鼓動が早くなり、体が熱くなる。
死にたく無い、今まで感じたことの無い恐怖と生への渇望。
視界が狭まり自然と武器庫へと体が向くが動くことが出来ない。
頭の中は迎撃と防衛の為に何をしなければ行けないのかを弾き出すが恐怖で体は動かない。
そのことに気づいて・・・・否、気づいてしまった。
先ほどの考えなど何処へやら恐怖に震え自らの体を抱く、その時怒号が響き渡る。
「おい、いい加減に無駄口をやめろ、いいから列に戻れ。
ただでさえお前らがグダグダと喚く癖に行動が遅いから出遅れているのにこれ以上遅らせて私を怒らせる気か?」
「へーい分かったよ、戻るか」
「しょうがねえな~」
赤いヘルメットから怒鳴られしぶしぶと言った感じで戻っていく。
その会話に安堵を覚え体の熱は冷めていく恐怖に支配され動かなかった身体がしだいに動き始める、思考も幾分かクリアになり先ほどの考えが戻ってくる。
「あ、ぶ、武器になる物をそうだあそこの銃を使えば・・・・・」
声に出してから気づく使った事の無いものをどうやって使うのかという疑問だが、同時にACと変わらない用にも思えてくる。 ACでいつも使っていたHGを手に取り構える。
瞬間ACと変わらないと直観する、あの機体は私について来なかったがこれなら
「今ならあのレイブンにも・・・・・・・・いや今更向こうのことを考えても意味ないか」
たらればを吐くがすぐにそれは霧散する。
外にはまだ行軍中のヘルメット集団がいる為、出ることは出来ないがガレージにあるジャンク品を取られるわけには行かない。
ガレージに降りると轟音を響かせながら振動を感じる。
徐々に近づいてくる振動に、冷汗を流しながら残弾数の確認しHGを構える。
不思議と先ほどまで纏わりついていた緊張と恐怖が引いていく、幾分か冷静に成った頭で考える。入って来るなら排除する、あちらでやっていた事と変わらない。
ふと先ほど見たヘルメット集団の頭の上には天使の輪のようなものが浮かんでいる、あまり気にしても仕方ないがここがどんな場所なのかもわからない。
だが向こうと大差は無いだろう見た目だけで言えば私と大差ない。
少女たちが銃を持っている訳だから治安は期待できない。
まあ、さっき見た感じだと統率はまあまあだけど数が多いから戦わない方が安全かな、さすがにドーザー達よりも強そうだしそれに・・・・・・・・・まだ怖い、向こうでは無かった感情が今はある。
恐怖に支配されて動けずに殺されるのは嫌だ・・・・・・・・痛いのは嫌だ・・・・・・・今はどこかに行くのを待つしかないよね。
私は静かにヘルメット集団が離れるのを待ちガレージを離れ、汗でじっとりと濡れた服がべたりと張り付いて気持ちが悪い。
こういう時向こうではあのゴミ機体を水で洗い流すついでに私も水浴びするのがいつもの事だったのだが家の中にも同じことが出来ないかとまだ開けていなかった扉を開きトイレを見つけるが今は必要無いその隣の扉を開けると人が見えて驚きで銃を構えると正面の人も銃を構えて私は鏡に映る自分だと気づくと鏡から視線を外し銃を置く
「はあ~、鏡かなんだビックリした・・・・・・ん?」
違和感を感じ鏡を見ると自分の容姿が変わっていることに気づいて鏡を凝視してしまう。
「誰だ、・・・・・・あ!手術を受ける前の私・・・・目の色だけ違う・・・・・」
強化人間手術を受け白くなっていた髪は黒に戻り白く濁った瞳は吸い込まれるような鮮やかな蒼色に変わっていた鏡越しに自分の瞳を見ると瞳孔だけ色が紅いのが分かる。短く切られていた髪はセミロング位に伸びている、頭上には二重の円環と中心には淡い緑の玉、目と頭上の輪を除けば手術前の自分と変わらない・・・・・・
「そういえばなんで昔のことが思い出せるんだろう。」
強化人間手術で脳を焼かれて昔のことなど思い出せるはずなど無かったのに・・・・・・・世界を渡った神秘、奇跡だとでも言うのだろうか。
何にしても自由に動く体、感じる事の出来る五感、AC操作以外歩くことの出来る人形だった私に新しい体はとても嬉しいのだ。
体がまともになったのだから今度こそきちんと生きよう、自分の為に・・・・・・・・・・・・・。
シャワーで汗を流し一息着くと遠くで大きな音がする、爆発音だ。
音の方角的に戦車が向かっていった方角だろうか、少し気になるけどケガとかしたく無いしそれに私には関係ないよね・・・・・・そんなことを考えていたが否応にでも巻き込まれることをこの時はまだ知らなかった。
今回はレイブンに倒されて転生と言う、コールサインが欲しかったテストパイロット君パターンで思いつきで書いてみました
レイブンに瞬殺された機体構成はこちらです。
MA-E-211 SAMPU
VP-67EB
NOT EQUIPPED
BML-G1-/P20MLT-04
AH-J-124 BASHO
AC-J-120 BASHO
AA-J-123 BASHO
AL-J-121 BASHO
AB-J-137 KIKAKU
FCS-G1/P01
AG-J-098 JOSO
NOT EQUIPPED
これが機体構成になりますが整備、弾薬の補充その他のメンテナンス調整がされていない上全てジャンク品を使用していて玉詰まり、弾薬切れ不可避な設定です。デイブ・キーモイがc4-66に貸し与えた任務遂行用の機体で基本は使えそうなジャンクパーツを戦場から取ってきたりするための機体です。
デイブ・キーモイ、LOADER4を与えたハンドラー・ウォルターとは大違いですね笑。
主人公が手に取ったHGはグロック17です。