新学期が始まってから数か月が経った。
「はぁ~・・・。」
最近、兄がすごい疲れた表情をして帰宅する事が多くなった。
なんでも、兄が所属してる生徒会で仕事の大変さもそうだが、会長と書記の下ネタにツッコむのが一番疲れるそうだ。
桜才学園生徒会会長。天草シノ。2年生。
兄を生徒会に引き込んだ張本人。
容姿端麗で成績優秀、運動もでき、家事も得意という完璧超人。
だが、ハードなエロボケが酷いらしい。
桜才学園生徒会書記。七条アリア。2年生。
裕福な実家に生まれたお嬢様。学業成績は優秀で、稽古事も多数こなしている。
だが天草さん以上にハードで重い下ネタジョークを言うらしい。
桜才学園生徒会会計。萩村スズ。1年生。
IQ180の天才で、博覧強記にして学業成績はきわめて優秀で帰国子女。
だが小学生並みの身長で。そこを指摘すると切れられるらしい。
「キヨタカ。俺と変わってくれないか?」
「いや無理だよ。学年的にも。学校的にも。」
辛いのは分かるけど、まだ中学生の弟に頼まないでよ。
「あーほら。一年経てばきっと慣れるって。その間、愚痴くらいは聞くからさ。」
「うぅ・・・。弟の優しさが身に染みるぅ。」
んな大げさな。
「ん?今タカ兄。実が出てパンツ染みたの?」
「勝手に実の兄を脱糞させるな。」
「心から思う方だよ。」
兄の愚痴を聞いた次の日、コトミと一緒に登校し、各々自分の教室に入ったところ、ユウが俺の席にやってきて手を合わせてきた。
「すまん!キヨタカ!!宿題写させてくれ!!」
「またぁ?これで何回目だよ。」
「10回!」
「1、2年合わせて100回だよバカヤロー。」
「じゃあ今日は記念日だな!」
「嫌な記念日だなおい。」
たはは~っと頭を掻いてるユウにため息が止まらない。
「ため息すると幸せ逃げるぞ。」
「誰のせいだと思ってんだ誰の。」
自分のノートをユウの頭に叩いて渡した。
もう少ししっかりしてほしいもんだ。
「いつも悪いな。キヨタカにはいつも助けてもらってるばかりだな。」
「そう思うなら少しは自分でやる努力はしてくれ。」
「礼として体で払うわ。奴隷として使ってくれ。」
「お前の場合、他意はないと思うがその発言はやめろ。」
せめてパシリとか荷物持ちとか言え。
なんでその言葉をチョイスした。
「ねぇねぇ。一緒に楽しいことしようよ~。」
「ごめんなさい。通してください。」
下校中、茶髪でロングヘヤーの女性が、いかにもチャラそうな男にナンパされてる。
「いいからいいから。絶対楽しいって。」
「は、離してください!」
男が女性の腕をつかんだ。
流石にやりすぎだ。止めに入るか。
「すみません。その女性が困ってるみたいなので、離してあげたらどうですか?」
「あ?なんだ?ガキは大人しくお家に帰んな。」
「だったらあなたは断られたなら大人しく諦めて帰ってください。」
男の手首を強く掴み、捻る。
「いででで!!」
「大人しく去りますか?それとも、もっと痛い思いします?」
「わかった!!わかったから離して!!」
手を離すと「覚えてろよ!!」っとどっかで聞いたことある台詞を吐いて逃げて行った。
本当にあんな台詞言う人本当にいたんだな。
「あの、大丈夫でしたか?」
「え、えぇ。・・・津田君?」
俺の顔を見て名前を言ってきた女性。
はて?こんな綺麗な女性はあった覚えがないが・・・。
「えっと・・・確かに自分は津田ですけど・・・。」
あれ・・・よく見たらその制服、桜才学園の制服だ。
じゃあこの人は兄の知り合いだろうか?
「もしかして、兄の津田タカトシを知ってますか?」
「え?じゃああなたは・・・。」
「自分は津田キヨタカです。津田タカトシの弟です。」
「そうだったんだ!どうも雰囲気が違うと思ったら弟君だったんだ!てっきり夜の性格に目覚めたのかと思っちゃった。」
「夜の性格って何ですか。」
「そりゃあ夜の狼。」
「兄はそんな二重人格者じゃありません。」
さっきまでナンパに困らされたのに、よく気楽に言えるなぁ。
「自己紹介はまだだったね。私は七条アリア。よろしくねキヨタカ君。」
「あ、はい。よろしくお願いします。」
七条アリアさん・・・って事は、兄が言ってた生徒会の人か。
「あ、キヨタカ君。ティッシュ持ってない?」
「ありますけど・・・怪我でもしたのですか?」
「ううん。ちょっとさっきのキヨタカ君の睨み顔みたら興奮しちゃって我慢汁出ちゃった。」
「人の表情で興奮しないでください。」
そーえば、ハードな下ネタいう人だって言ってたな。
これは兄もため息つきたくもなるわ。
「あ、今度ちゃんとお礼したいから連絡先教えてくれないかしら?」
「いえ。大したことはしてないので。」
「いいからいいから~。」
断ったら断ったで兄に迷惑かかりそうだし、連絡先くらいは教えるか・・・。
本当は嫌だけど。
「ふふふ♡」
「・・・・」
黙ってれば綺麗な人だよなぁ~。
年上の魅力ってやつかな?
「困ったことがあったらいつでも電話してきてね。・・・あ、電話って言っても電話オ〇ニーじゃないからね。」
「安心してください。一生しませんので。」
ほんと・・・黙ってれば綺麗なのに・・・。