デート・ア・ガッチャード 〜CONNECT HEARTS〜 作:エルミン
それが無いとマジェードとか色々どうするのって事になってしまうので・・・。
レスラーGを仲間にした日から数日後の午前、四月ももうすぐ終わるこの日。
鳶一 折紙は一人でケミーの反応をキャッチしてその場所に向かっていた。
そこはごく普通のアパートだったが、中を確認すると冥黒の三姉妹の一人であるラケシスがケミーを抱えて住人の女性に詰め寄っていた。
「愛する男性に裏切られたあなたの心にある黒い感情・・・それを解き放ちなさい」
昨日の夜、付き合っていた男性の浮気を知り大きなショックを受けていた女性の心に悪意を芽生えさせ、マルガムにしようとしていた。
その事を確認した折紙は部屋の中に乱入。折紙が銃口が三門になっている紫色のミニガン型ケミーライザーからエネルギー弾を放つ。
ラケシスが怯んだ隙にブランクカードを入れたケミーライザーでケミーを回収して保護する。
「バーニング!」
ラケシスから助けたケミーはプラント属性レベル2、バーニングネロだ。
ラケシスは軽く舌打ちして部屋から脱出。マルガムにされそうだった女性は浮気や今の出来事で心労が祟り倒れてしまう。
連合のエージェントによって、ラケシスと会った時の記憶だけ消され後は部屋で安静にされた。
アパートを出た折紙はラケシスを探したが、見つからなかったので切り上げ帰宅した。
一方、失敗したラケシスはため息を吐いてアジトに戻り廊下を歩いていると、一人の男が廊下の壁へ凭れ掛かっているのを見つける。
そこにいたのは、若い男。
コンビニで買った酒を飲んでいたが、イライラしているのか、飲み終えた空き缶を廊下へ乱暴に投げ捨てた。
その体から、黒い悪意のオーラがハッキリと見える。
「なぜ上手くいかない・・・俺は天才錬金術師なのに・・・!」
「あらあら、はしたないですわね」
「あ?・・・ラ、ラケシス様!?」
ラケシスに声をかけられた男は不機嫌を隠さず睨んだが、自分の上司であるラケシスだとわかり、すぐに姿勢と言葉つかいを正す。
「随分イライラしていましたわね?」
「すみません!その・・・研究が上手くいかず・・・」
「そうでしたの?ですが、私はあなたの努力を認めております。そんなあなたにプレゼントをあげますわ」
ラケシスはライドケミーカードを取り出して見せる。
中のケミーはアニマル属性レベル6、ホークスター。
「ケミーをいただけるのですか!?」
「えぇ。ただし、ある任務を遂行してくださる?・・・この写真の女を倒してくださいな」
更に取り出したのは、折紙の姿が写った写真。
「わかりました!この鉛崎 ボルトにお任せを!」
男・・・鉛崎 ボルトは笑顔でケミーカードと写真を受け取り去っていく。
鉛崎家は日本国内の錬金術師の家系だが、ボルトは自分を一流と勘違いしている三流・・・と評価されていた。
新パヴァリアにいるのは、自分を評価してくれない周囲を見返すための手段でしかない。
ラケシスからケミーを渡されたボルトは、ようやく認められたと喜んでいたのだ。
だが、去っていくボルトの背中をラケシスは冷たい目で見ていた。
「ド三流のくせに悪意だけは一流だから置いてやっているだけですのに・・・優しい言葉をかけてやる気にさせるのは面倒ですわ」
錬金術は三流のくせに悪意だけは一流・・・・・・それが鉛崎 ボルトの全てであり、知らぬは本人だけであった。
ーーーーーーーーーー
同日、午後。折紙は錬金連合の中で士道に錬金術の鍛錬を行っていた。
錬金術の基礎についての座学や実践訓練などを行っているのだ。
講師は栞と折紙が交代で行っており、今日は折紙が担当だ。
「なぁ、折紙・・・」
「どうしたの、士道?」
「どうして俺にそんなに密着しているんだ!?」
「気にしないで」
今は座学をしているが、折紙が士道の隣に座り体を密着させながら教えていた。
胸を腕に押し付けたり、自分の足を士道の足に絡ませたり・・・。
士道も健全な男子高校生として、同い年の美少女の柔らかい体を押し付けられて、何も思わないわけがない。
だが、理性を動員して耐えながら教えを受けていると、軽くドアがノックされカリオストロが入ってくる。
「はぁ~い・・・あらあら、お邪魔だった?ここでエロい事しちゃう?」
「士道、私はここでエロい事をしても構わない」
「しません!・・・それで、何の用でしょうか?」
「お仕事の話よん。うちらが以前からマークしてた錬金術師が見つかったの」
仕事の話という事で士道と折紙は気持ちを切り替える。
折紙も士道から離れて隣に座り直し、カリオストロは対面席に座り手に持っていた資料を広げて見せる。
その資料にはターゲットの写真と調べた情報が書いてある。
「名前は鉛崎 ボルト。日本の錬金術師の家である鉛崎家の人よ。
でも数年前に、実力不足を理由に家を出てからパヴァリアに入っててね。その人が動き出したようね」
「パヴァリアって事は、マルガムになるって事ですよね」
「それで私達に」
「えぇ。エージェントが尾行して所在は掴んでるわ。こっちから接触してマルガム化したら使われてない採掘場に誘導、サクッと倒しちゃって」
「わかりました!」
「その任務、遂行します」
士道と折紙は了承し、準備を始める。そして準備を終え合流。
「よし、行くか」
「待って」
折紙は士道を呼び止め、午前中に回収したバーニングネロのカードを士道に渡す。
「私が午前に回収したケミー。士道の方がこの子の力を上手く使えるはず、使って」
「ありがとう・・・バーニングネロって言うのか、よろしくな」
「バーニング!」
受け取ったバーニングネロに挨拶すると、バーニングネロも元気よく挨拶してくれた。
そして二人は尾行していたエージェントの情報を元に、ボルトのいる所に向かう。
そしてボルトを発見すると折紙が緑色のアルケミストリングを光らせ、近くにあった鉄棒を鎖に錬成してボルトに向けて放つ。
突然鎖に縛られ倒れるボルト。外そうと藻掻いている所に二人でボルトを囲む。
「鉛崎 ボルト、大人しくしてもらう」
「お前ら、写真の女に仮面ライダー・・・・・・お前らは俺が倒してやる!」
ボルトは己の悪意のオーラでポケットの中にあるホークスターに干渉して取り込み、ホークマルガムになる。
鎖をマルガムの力で引きちぎり、空を飛んで急降下攻撃を仕掛ける。
二人は転がって回避、士道がケミーライザーにゴルドダッシュのカードを入れて召喚する。
《ケミーライズ!ゴルドダッシュ!》
「付いて来い!」
「待ちやがれ!」
ゴルドダッシュに士道と折紙が乗り走り、ホークマルガムも追いかけながら羽根状のエネルギー弾を撃ちながら追いかける。
かわしながら天宮市の端に存在する採掘場まで誘導。
到着してから降りてから士道はガッチャードライバーを装着し、カードを入れてガッチャードに変身する。
《ホッパー1!》
《スチームライナー!》
「変身!」
《スチームホッパー!》
折紙もヴァルバラッシャーを開き、マッドウィールのカードを入れてヴァルバラドへ鉄鋼する。
《マッドウィール!》
「鉄鋼」
《ヴァルバラッシュ!TUNE UP!MADWHEEL!》
更に、空飛ぶ敵に対抗する為にゲキオコプターのカードも入れる。
《ゲキオコプター!》
《ヴァルバラッシュ!TUNE UP!GEKIOCOPTER!》
ゲキオコプターカスタムとなり、ヘリコプター型錬成アーム「コプターバーサーク」を右腕に装備。
プロペラによる飛行能力でホークマルガムを追う。羽根型エネルギー弾に対抗して先端部の三連ミニガンによる連射砲撃で撃ち落としながら接近。
ガッチャードも、地上からガッチャージガンを撃って援護射撃をする。
だが、ゲキオコプターカスタムには実際のヘリコプターと同じように高度限界が存在しており、ホークマルガムが高度限界より高く飛んだ事で追えなくなってしまう。
「俺はもっと高く飛べる!お前には追いつけない!」
「追いつけるさ!俺がいるからな!」
ホークマルガムの叫びにガッチャードも叫び、必殺技を発動する。
《スチームホッパー!フィーバー!》
ワイルドモードになってヴァルハラドの近くまでジャンプ、ライダーモードに戻ってキックをヴァルバラドの足に当てる。
更に勢いつけたヴァルバラドがホークマルガムの高度に到達したと同時に必殺技を発動、コプターバーサークを回転させての斬撃を繰り出し叩き落とす。
そして落ちる先にはガッチャードが先回りして待機しており、カードを入れ替える。
入れるカードはバーニングネロと、共鳴したゴリラセンセイだ。
《バーニングネロ!》
《ゴリラセンセイ!》
《ガッチャーンコ!バーニングゴリラ!!》
《バーニングゴリラ!フィーバー!》
新たな形態であるバーニングゴリラに変身して、すぐに必殺技を発動。
周囲の物質から錬成した、超巨大な拳に炎を纏わせて落ちてきたホークマルガムを殴りつける。
直撃を受けたホークマルガムは吹っ飛び、崖にぶつかり爆発。解放されたホークスターをカードに保護して戦いは終わった。
「もう大丈夫だ、ホークスター」
「ホーク!」
「士道、ありがとう」
「気にすんなって」
力強く鳴き、感謝を伝えるホークスター。変身を解いた士道と折紙は自然とハイタッチをしていた。
それから、駆けつけたエージェントによってボルトに処置を任せて連合本部に戻った二人はシャワーを借りて浴び終えてから、今回の件を報告書に纏める作業を始める。
折紙はまた士道の隣に座り体を密着させながら、報告書を書くことに不慣れな士道に書き方を教えていた。
「お、折紙?」
「気にしないで、でもその気になったら何時でも襲っていい」
「いや襲わないからな!?」
そんな事もありつつ、報告書を書き終えた二人はカリオストロに提出。
確認したカリオストロからOKを貰い、二人は帰宅する。
だが途中で急に雨が振り出し、傘を持っていない二人は走って帰ることになる。
「急に降った・・・最近こういうのが増えてるよな」
「天気予報では、今日の降水確率は十パーセントのはず」
二人は気付かなかった。走る道の途中にある公園に、新たな精霊が静粛現界をしていた事に。
その精霊は、士道と「とあるケミー」に深い関係となる事を・・・。
この小説のボルトはあんな感じになりました。次回から、デアラ原作二巻の話になります。