デート・ア・ガッチャード 〜CONNECT HEARTS〜   作:エルミン

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第三話 雨中の戦闘

 

士道が四糸乃と話しているのと同時刻、折紙はギターケースを背負い、一人で傘をさしながら過去にマルガムと戦った場所を訪れていた。

 

マルガムとの戦いがあった場所を調べる事で、何かしらの情報を得られる事を期待していた。

 

だが、そこで見つけたのは・・・ラケシスだった。正確には、ラケシスが折紙に接触してきたというべきか。

 

「ご機嫌よう、連合の猟犬さん」

 

「・・・・・・冥黒の三姉妹、ラケシス」

 

折紙は傘を投げ捨て、背中に背負ったギターケース・・・否。

 

折紙特製の、ギターケースに偽装した「ヴァルバラッシャー格納用ケース」のスイッチを背負ったまま片手で押すと自動・高速で開く。

 

そしてヴァルバラッシャーが内蔵された機械のアームによって、取り出しやすい位置・・・左脇腹当たりに自動で来る。

 

そこから刀を鞘から引き抜く様に瞬時に取り出し、ケースを背中から外してヴァルバラッシャーを構える。

 

ちなみに、このようなケースを作ったのは、ヴァルバラッシャーをそのまま持ち歩くのは色々注目されるという事で、カモフラージュのために作ったのだ。

 

ラケシスも傘を投げ捨て、ケミーカードを取り出す。

 

中にいるのはプラント属性・レベル1の「ハピクローバー」だ。

 

そのハピクローバーを自らが取り込み、「クローバーマルガム」へと変貌した。

 

 

折紙もヴァルバラッシャーを開き、マッドウィールのカードを入れてヴァルバラドへ鉄鋼する。

 

《マッドウィール!》

 

「鉄鋼」

 

《ヴァルバラッシュ!TUNE UP!MADWHEEL!》

 

「さぁ、来なさい」

「・・・・・・」

 

先制攻撃を仕掛けたのは折紙。ヴァルバラッシャーの銃口からエネルギー弾を放ち攻撃する。

 

対するクローバーマルガムは体の強靭な繊維質を誇る茎を伸ばして鞭のように伸ばし、エネルギー弾を全て弾く。

 

そのままヴァルバラドにも攻撃するが、走りながらヴァルバラッシャーの一閃で切り裂いて急接近し、更にもう一閃!

 

その攻撃を受けてモロに受けてよろめくが、反撃の頭突きをヴァルバラドの頭に当てて離す。

 

「・・・やはり一体のままでは厳しいですか」

 

クローバーマルガムはもう一枚のケミーカードを取り出すと、同じように取り込んでしまう。

 

取り込んだのは、プラント属性・レベル3の「バンバンブー」。

 

ヴァルバラドと同じように、同属性のケミーを重ねる多重錬成によるマルガム、「ミクスタス」という形態になる。

 

クローバーマルガムは右腕に付いた、竹型多連装ランチャーからエネルギー弾を発射して攻撃する。

 

それはバルバラッシャーのエネルギー弾より強力で、当たれば大きなダメージは避けられない。

 

「ならば、こちらも」

 

ヴァルバラドもガッツショベルとゲキオコプターのケミーカードを取り出し、ヴァルバラッシャーに読み込ませる。

 

《ガッツショベル!》

《ヴァルバラッシュ!TUNE UP!GUTSSHOVEL!》

 

《ゲキオコプター!》

《ヴァルバラッシュ!TUNE UP!GEKIOCOPTER!》

 

両腕にそれぞれの装備を錬成して武装、ビークル属性の三重錬成である。

 

そして、コプターバーサークの三連ミニガンによる連射砲撃でクローバーマルガムの竹型多連装ランチャーによる砲撃を相殺。

 

そして左腕のショベルバーサークという強化錬成アームにエネルギーを集中させ、具現化させた大きなアームをクローバーマルガムに当てる。

 

その一撃でクローバーマルガムに大きなダメージを与えて、膝をつかせる。

 

「・・・ここまでにしておきましょう。ごきげんよう」

 

そう言った直後、すぐに転移して姿を消した。

 

数秒間周囲を警戒し、奇襲などが無い事を確認して変身を解いた折紙は近くに落ちていた物の存在に気付いて手に取る。

 

それは細長い金属片で、先端に黒い汚れの様な付着物が付いている。

 

「・・・・・・何を企んでいるの」

 

ポツリと呟いたその言葉は、降りしきる雨音にかき消される。

 

折紙は錬金連合で解析してもらうべく、ケースを回収して中にヴァルバラッシャーを収納して背負い、金属片を持って一旦帰還する事にした。

 

 

ーーーーー

 

 

折紙が帰還したのと同時刻、四糸乃をめぐってガッチャードとドラゴンフライマルガムの戦闘が始まった!

 

上空から急降下して攻撃を仕掛けるドラゴンフライマルガムに対して、ガッチャードは身を横に動かしてかわしてから武器のガッチャージガンからエネルギー弾を発射。

 

だが、そのエネルギー弾はドラゴンフライマルガムが放った鋭い棘の連射で相殺されてしまう。

 

再び上空に飛んで上から棘を連射してくるドラゴンフライマルガムに対して、ガッチャードはガッチャートルネードに持ち替えてホークスターのカードを装填。

 

必殺技のケミースラッシュを発動し、ホークスターの羽を模した矢をいくつも放っていく。

 

その攻撃も避けられ、お互いの遠距離攻撃が届かない状態だ。

 

(俺も空を飛べればいいけど、今はその形態になれるケミーがいない。つまりジリ貧だ・・・ならば・・・!)

 

ガッチャードは均衡状態を打破するべく、以前新しく仲間にしたケミーの協力を得る。

 

《スパイクル!》《ギャンホエール!》

 

《ガッチャンコ!スパイクルホエール!》

 

ビークル属性・レベル1の「スパイクル」と、アニマル属性・レベル9の「ギャンホエール」によるスパイクルホエールのワイルド形態になった。

 

各部にクジラの意匠がある巨大な自転車という姿で、とても大きい。

 

上からの潮吹きで、ドラゴンフライマルガムに攻撃。

 

その勢いは強く棘の連射を物ともせず、潮吹きでそれらを押し返してしまう。

 

潮吹きをモロに受けたドラゴンフライマルガムは、その威力を受けて不利を悟り撤退していった。

 

深追いはせず、変身を解いた士道は四糸乃とサボニードルが隠れている場所に向かうが、そこにはサボニードルしかいなかった。

 

「サボー!」

「四糸乃は一緒じゃないのか!?」

 

「サボ、サボー!」

「突然消えた・・・そうか、隣界に強制的に戻されたのか・・・」

 

サボニードルの話から、自分の意思と関係なく強制的に隣界に戻されたと考える。

 

サボニードルをもう一度カードに入れて、四糸乃がもう一度現れるのを待つしかなかった。

 

 

ーーーーーーーーーー

 

 

四糸乃が消えて一時間後。

 

小規模ながらも空間震が発生したので、四糸乃が再び現界したのを察して、もう一度四糸乃を探し出す。

 

今度は栞に折紙、ラタトスク機関の皆の協力を得て本格的に探し出す事に。

 

そしてしばらくの時が経ち、よしのん発見の報告を神無月から受けて合流する事になった。

 

「士道君!皆さん!」

「神無月さん!」

 

「よしのんを発見しましたよ!いやぁ、私を含むスタッフ達で頑張りまして。さて士道君・・・こちらがよしのんですよね」

 

「はい、間違いないです。ありがとうございました」

 

「いえいえ、士道君が頼ってくれて私やスタッフの皆も喜んでいますよ」

 

穏やかに語る神無月。その姿はまさに良き大人であり、これでドMでなければ・・・とは周りの誰もが思うことだ。

 

すると、士道と神無月のインカムに琴里からの通信が入る。

 

『士道、神無月!ハーミットが街中に出ているわ。しかもASTが彼女に攻撃している!』

 

「琴里、よしのんは神無月さんから受け取った。次は四糸乃を見つけて渡す!」

 

『わかったわ!』

 

「では士道君、私もフラクシナスに戻ります。ハーミット・・・四糸乃さんの事をお願いいたします」

 

「はい!」

 

神無月がフラクシナスにワープで転送された。その直後、天宮市の中心に大きな竜巻が発生した!

 

それは吹雪の竜巻であり、サイズも大きい。士道はすぐに分かった。あれは四糸乃が出したと・・・。

 

士道は琴里経由で十香に「ある事」を頼み、連絡を終えたタイミングで声がかけられる。

 

「大変な事になったワケだ」

 

「プレラーティさん!」

 

士道達のいる場所に突如現れたプレラーティは、吹雪の竜巻を見てから士道の方を向いて言う。

 

「士道、お前はあの精霊を助けるために、やるべきと思った事をやると良いワケだ」

 

「はい!」

 

真剣な表情で頷く士道を、眩しい光を見る様に目を細めながら見るプレラーティ。

 

「若いというのは、良いワケだ・・・さぁ行くぞ」

 

プレラーティの後に続く様に、士道達も竜巻の発生している場所へ向かう。

 

 

ーーーーーーーーーー

 

 

竜巻が発生する少し前。四糸乃は、一方的にASTからの攻撃に必死に耐えていた。

 

対精霊用のライフルやミサイルでの集中砲火である。

 

「きゃあぁぁぁぁっ!!」

 

対精霊用ロケットランチャーが四糸乃に命中。現場を指揮するAST隊長の燎子が隊員に指示を出す。

 

「総員、攻撃の手を休めないで!」

 

ASTの猛攻撃に四糸乃は恐怖心が現界を越え、守護天使の名前を叫んだ。

 

「氷結傀儡(ザドキエル)っ!!」

 

四糸乃が手のひらを地面に叩きつけたその時、地面から白く巨大なウサギが現界した。

 

これが四糸乃の守護天使『氷結傀儡』だ。

 

氷結傀儡は口から更なる冷気を放つ。

 

ASTの隊員は絶対領域(テリトリー)の出力を上げることで防御するが、その領域すらも凍っていく。

 

「怯むな!!!」

 

領域すらも凍らせる冷気に怖じ気づいた隊員達に喝を入れるように叫ぶ燎子。その一言にASTの隊員たちは撃ち続ける。

 

四糸乃は氷結傀儡の背中に乗ってただひたすらに逃げ回っているだけ。しかしASTのメンバーは攻撃を続けた。

 

 

(怖い・・・怖い・・・怖い!)

 

四糸乃の心はボロボロだった。涙も流れていた。

 

よしのんもいない、サボニードルもいない、士道もいない。今、四糸乃には敵しかいない。

 

(・・・助けて、よしのん・・・助けて、サボちゃん・・・助けて、士道さん!)

 

 

その時、四糸乃の心の現界を感じた氷結傀儡が立ち止まり大きく吠えた。

 

瞬間、急激な気温変化によって建物が凍っていく。

 

四糸乃の周りでは冷気がどんどん強くなっていき、四糸乃を中心に吹雪が広がる。

 

それが氷の粒へと変化し、吹雪の竜巻となって吹き荒れる。

 

AST隊員達の目の前には、半径十数メートルほどの猛吹雪で出来た冷気の結界が出来上がっていた。

 

内部は氷の弾丸が無数に飛び交っており、突入も困難であった。

 

「隊長!どうしますか!」

「流石にこの中に突っ込むのは自殺行為ね。そしたら・・・」

 

燎子が指示を出そうとしたその時!

 

 

「そこまでだ!!」

 

斬撃が燎子に襲いかかる!間一髪で回避した燎子が見た先にいたのは、宙に浮かぶ少女だった。

 

来禅高校女子の制服と一体化したような、不完全ながらも霊装を身に纏っている。

 

そして天使の鏖殺公(サンダルフォン)を持っていた。

 

「これ以上、あの精霊に手出しはさせないぞ!悪の組織、メカメカ団め!!」

 

名を、夜十神 十香という精霊《プリンセス》だった!

 

十香も琴里経由で士道に頼まれ、ASTが現れた時の足止めを受け負ったのだ。

 

(精霊の力を出そうとしたが、時間が掛かりすぎてしまった。シドー、私が必ずメカメカ団を足止めする。四糸乃とやらを頼んだぞ!)

 

鏖殺公を持って突撃する十香。

 

「誰が悪の組織よ!?後メカメカ団じゃなくてASTっ!!総員、目標をプリンセスに変更!!」

 

AST隊員達は十香に攻撃をしていく。十香は宙を飛びながらかわし、攻撃を加えていく。全ては、士道と四糸乃の為に!

 

 

吹雪の竜巻に向かっている途中、琴里から十香がASTと戦闘に入った事を告げられる。

 

十香を信じ、士道と栞と折紙とプレラーティは四糸乃の元に向かう。

 

そして、ついに四糸乃のいる吹雪の結界近くに到着した。

 

近くで見ると圧巻の一言。その様子を士道は真剣な表情で見ていた。

 

「四糸乃・・・今行くぞ!」

 




次回予告。

四糸乃を救うため前に進む士道、そしてサボニードルは勇気を抱き、ガッチャードに新たな力をもたらす。

【第四話 空と心が晴れる時】

ーーーーーーーーーー

次回でデアラ原作二巻の話が終わる予定であり、その後はガッチャード側の話を進めます。
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