デート・ア・ガッチャード 〜CONNECT HEARTS〜 作:エルミン
精霊マンションの前で、士道と四糸乃と話した日から数日後の夕方。
ガッチャードに変身した士道は栞と一緒に、廃工場内部にて、新パヴァリアの構成員がなっているマルガムと戦っていた。
被害にあったケミーは、アニマル属性・レベル3の「メカニッカニ」だ。
そのマルガムである「メカニマルガム」と戦っているのだ。
メカニマルガムが右手にだけ付いているハサミを使いガッチャードを斬ろうとする。
対してガッチャードは冷静に回避し、ガッチャージガンによる遠距離攻撃に徹する。
「
アルケミストリングを光らせ、近くに落ちていた鉄パイプを錬成して鎖を生成、その鎖をメカニマルガムの鋏に巻きつけて封じる。
唯一の武器を封じられ、鎖を引きちぎろうと焦っている隙にガッチャードは形態を変える。
《ピカホタル!》
《スマホーン!》
《ガッチャーンコ!スマホタル!》
インセクト属性・レベル2の「ピカホタル」と、アーティファクト属性・レベル8の「スマホーン」による形態、スマホタルのワイルドモードに変身。
ホタル型のパーツを取り付けた巨大なスマホ・・・という様な姿となり、全身から強い光を放つ。
メカニッカニは強い光が苦手であり、メカニッカニと一体化してマルガムとなった者にもその弱点が有効になってしまう。
眩しさから腕で目を覆って隠すメカニマルガム。
《スチームホッパー!フィーバー!》
その隙をついて、スチームホッパーにフォームチェンジしてフィーバー技を発動。
必殺キックがメカニマルガムに直撃、爆発し倒された。変身を解いて開放されケミーカードに保護する。
「メカニッカニ、もう大丈夫だぞ」
「メカニッカニ〜」
お礼を言うメカニッカニに笑顔を向ける士道。
一方、栞はメカニマルガムがいた所を動き回り何かを探していた。
「栞、何をしているんだ?」
「以前、折紙さんが持ってきた金属片・・・あれを探してるの」
「あれか・・・」
四糸乃を助ける前、折紙がラケシスと戦った時に回収した金属片を連合が解析して得た情報はすぐに士道達にも共有された。
あの金属片は、ケミーの成分とマルガムになった者の悪意が凝縮されている、マルガムの欠片である事が判明。
用途は不明だが、これを集めていると考え見つけ次第回収するように命じられていた。
「・・・・・・これか?」
「うん、これだね」
メカニマルガムが最後に立っていた場所に、欠片が落ちていたのを発見。
栞が欠片を持ち、連合員に連絡してマルガム化していたパヴァリアの男を回収してもらってから帰路につく。
「士道、強くなったね」
「そうか?」
「うん、頼もしくて格好良くなったよ♪」
「そっか、ありがとうな・・・」
笑顔で褒める栞に、士道は嬉しさと照れが混ざった表情であるが素直に栞からの褒め言葉を受け取った。
綺麗な夕日が差し込む中、お互いに頰を赤く染めながらも見つめ合う二人。
その様子は、まるで青春している二人の若者という感じであった。
ーーーーーーーーーー
メカニッカニを救出したその日の夜。
錬金連合内の会議室でサンジェルマン、プレラーティ、カリオストロの三人は話し合いを行っていた。その内容は・・・。
「間違いないか」
「えぇ、部下達と一緒に何度も確認した・・・レベルナンバー10の一体、”ユーフォーエックス”の反応が確かにあったわ」
「予想より早く見つかったワケダ」
レベルナンバー10のケミーが見つかった、という報告であった。
レベルナンバー10・・・それは各属性最強のケミーであり、最強の名に相応しい桁外れの力を秘めている。
その中の一体、オカルト属性・レベル10「ユーフォーエックス」が見つかったのだ。
「見つかった場所は京都でね、そこでUFOの目撃情報がネットで話題になってて念のため調べたら・・・ビンゴってワケダ」
「私の語尾をパクるな・・・・・・それで、当然我々も向かうワケダが」
「おそらく、いや確実に冥黒の三姉妹もユーフォーエックスの出現に気付いているだろう」
「となると、パヴァリアの介入は確実・・・レベルナンバー10となると士道達だけでは荷が重いワケダ」
「じゃあ、あーしが行こうか。士道君達の引率って事で。
それともう一人・・・サンジェルマンの部下の
サンジェルマンは少し考え、頷いた。
「いいだろう。何かあったらすぐに連絡しろ」
「かしこま☆」
「言っておくが、京都の料理や酒などに夢中になって士道達の足を引っ張らないように」
「・・・・・・・・・・・・かしこま♡」
「不安なワケダ」
同時刻、新パヴァリアのアジトで開発途中のドライバーを調整しているアトロポスの元にラケシスがやって来る。
「アトロポス、京都でレベルナンバー10の反応がありましたのね」
「うん、クロトーが向かう事になった。回収できれば、このドライバーの完成に大きく近づくよ」
「それは素晴らしいですわ・・・・・・ですが、メカニッカ二をマルガム化させた時の欠片は回収された様ですわよ」
「少しなら回収し損じても大丈夫さ」
「それなら良いですが」
「話を戻すけど、レベルナンバー10の出現はサンジェルマン達も気付いているだろう。レベルナンバー10の争奪戦さ」
アトロポスは表情こそ無表情だが、内心ではドライバーの完成が近い事に楽しみを感じていた。
同時刻、クロトーと黒いフードを纏った部下の二名が京都の人気が無いところに来ていた。
「仮面ライダーのクソガキも来るだろう・・・お前達は仮面ライダーが来たら足止めを行え。ケミーの捜索は私が行う」
「「承知いたしました」」
二人の部下はクロトーから一枚ずつケミーカードを受け取る。
片方はプラント属性・レベル9の「ジャングルジャン」。
もう片方はアーティファクト属性・レベル1の「ライデンジ」だ。
ケミーカードを受け取った部下達が素早く動き出し、クロトーは反対方向へ向かって歩いていった。
だが、クロトーはユーフォーエックスを見つける事が出来なかった。
ーーーーーーーーーー
「おぉ!ここが京都という街か!」
会議から二日後。士道、栞、折紙、十香、四糸乃、カリオストロは京都駅から外に出て京都の地を踏みしめた。
カリオストロ以外は京都に来るのは初めてという事もあり、皆が興味深そうに見回している。
全員で予約していたホテルに入り、各々の部屋に荷物を置いてからカリオストロの部屋に集まる。
ちなみに部屋割は、ホテル側の空いている部屋の都合により士道と栞、十香と四糸乃、折紙とカリオストロ・・・となっている。
部屋に全員集まった事を確認して、カリオストロが話し始める。
「はーい、早速打ち合わせよ。ここに来る前に話した通り、あーしらはこの京都でレベルナンバー10の一体、ユーフォーエックスを調査するわ。
でもその前に、もう一人の連合員と合流するわよ」
「もう一人?」
「昨日京都に来たサンジェルマンの部下よ。先に来て調べてくれていたから、その子から情報を聞いておくのよん」
サンジェルマンの部下、と聞いて栞と折紙は誰か分かったように頷いた。
「あの人か、会うのは久しぶりだなぁ」
「二人共、その人を知ってるのか?」
「知ってる、とても優秀」
栞と折紙の話を聞いていると、カリオストロのスマホに連絡が入り、例の人物がホテルの近くにある自然公園の敷地内にいるという事で会いに行く事にした。
人気の無い公園に到着すると、園内のベンチに一人の女性が座っていた。
その女性は、士道達と同い年くらいの少女だ。
長い黒髪で、前髪も長くして左目を隠しているという特徴があり、着ている服は白いシャツに赤いプリーツスカートという清楚さが強い服装である。
そういった要素は、ミステリアスな雰囲気が強い少女に不思議な程に似合っている。
右手にはリングの色は銀で、宝石の色が赤のアルケミストリングを付けている。
その少女は士道達を見ると、優しく微笑んで立ち上がる。
カリオストロが近づいて声をかけた。
「ありがとね〜。色々調べてくれたんでしょ?」
「えぇ、ユーフォーエックスの目撃情報は大分集まりましたわ」
「それは上々ねん♪・・・士道君、紹介するわね。
この子は
「・・・お初にお目にかかります、私は時崎 狂三ですわ。錬金連合所属の錬金術師、そして・・・」
・・・一つの真実を告げた。
「わたくし、精霊ですのよ」
そう言った直後、狂三の姿が黒い影に纏われ変化する。
黒とオレンジの神秘的なドレスのような服・・・霊装の
そして、髪型がツインテールになったことで左目が見えた。
その左目は、金色の時計の文字盤となっており、現在も時を刻んでいる。
既に知っていたカリオストロ以外驚く皆に対し、霊装のスカートの端をつまみ少し持ち上げて頭を下げることで優雅に挨拶をする。
「改めて名乗らせていただきます、わたくしの名は時崎 狂三・・・精霊ですのよ。人間が付けた識別名は"ナイトメア"ですわ」
きひひと笑うが、すぐに真剣な表情になり姿勢を戻し士道を真っ直ぐに見ながら言う。
「五河 士道さん・・・あなたはケミーだけでなく精霊も救ってきました。
そんなあなたに問います・・・・・・あなたはこれからも精霊やケミーを・・・人間であっても絶望して泣いている方がいたら、救えますか?」
狂三は、士道に試すように問う。士道は狂三が精霊であったことに驚きながらも狂三の近くに立ち、言う。
「・・・・・・上手く言えねぇけど、助けてって手を伸ばすやつがいるなら、俺は必ずその手を繋いで救いたいと思う。
例えそれが偽善や独善であっても、俺はその決意を貫き通したい」
「・・・・・・全くもう・・・えぇ、わかりましたわ。
あなたはそういうお方ですものね」
狂三は少しだけ微笑むと、己の姿を元の服装に戻した。
「士道さん、同じ錬金連合に所属する者として、ご助力いただけませんか?」
「・・・喜んで」
狂三が差し出した手に、士道はそっと自分の手を置いて約束の証としたのであった。
あの後、十香と四糸乃も自己紹介を済ませてから、狂三が精霊である事については後日改めてという事になりユーフォーエックスの調査に集中する事に。
狂三が園内のテーブルの上に京都の地図を広げ、UFOの目撃情報のあった複数の場所を赤ペンで丸く囲む。
それを見たカリオストロが、すぐにグループ分けを決める。
「今回は、三つのグループに分かれて調査よ。ここからここを士道君、十香ちゃん、四糸乃ちゃん。
ここからここまでを栞ちゃんと折紙。残る箇所はあーしと狂三ちゃんが行くわね」
皆がカリオストロの提案に頷き、行動を開始。
三チームはUFOの目撃情報を元に、観光名所や現地民しか知らないような穴場など、可能な限り探したが見つからず時間だけがが経過していった。
ーーーーーーーーーー
カリオストロと狂三は、ユーフォーエックスの調査が進まなかったので、一旦休憩として茶屋に入って京都のお菓子とお茶を楽しんでいた。
「ん〜〜〜♪狂三ちゃん、これ美味しいわね!」
「・・・・・・サンジェルマンさんから、注意されたのではなくて?」
「大丈夫よ。あーし、今日はお酒を一滴も飲んでないから」
「そういう問題でしょうか・・・」
穏やかに話していたが、カリオストロは真剣な表情になる。
「狂三ちゃん。あなたが精霊である事は知っていたけど、どうしてその事を士道君達に今話したの?」
「いずれバレる事ならば、今バラしても問題ないと判断しましたわ」
「そっかぁ・・・・・・まぁあなたが良いならそれで・・・」
カリオストロはもう一度お菓子を食べつつ、狂三の事を考えていた。
時崎 狂三が錬金連合所属となったのは、今から二十年前の事だった。
サンジェルマンが急に「この女を私の部下として迎え入れる」・・・そう言ってカリオストロとプレラーティに紹介してきたのだ。
狂三は優秀だった。
サンジェルマンから錬金術を学び、水を吸うスポンジのごとく、それらをあっという間に習得してしまった。
そして自分が精霊である事と、なぜ錬金術師となったのか・・・どういう目的を持っているのか。
それは本人から聞いた、理解出来た、納得出来た。
だが・・・いや、だからこそ。
「狂三ちゃーん、これも美味しいわよ!もっと食べましょう!」
「全くもう・・・・・・早く食べ終えてユーフォーエックス探しを再開しますわよ」
「はーい♪」
ここまでする狂三の
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同時刻、士道達のグループはケミーライザーを使用している士道と一緒に歩いていた。
人通りはほとんど無く、僅かにすれ違うのみであるためか、世界に三人だけになった感覚を抱いてしまう事があった。
「うーむ・・・」
「・・・・・・・・・」
「十香、四糸乃・・・どうしたんだ?」
「あの狂三という女について考えていたが・・・何と言うか、こう・・・不思議な感じがするのだ」
「はい・・・怖くて、凄くて、優しくて、悲しくて・・・」
「何か、感じるものがあるのか?」
士道の問いに頷く二人。
「ユ〜フォ〜・・・?」
「俺は、悪い子じゃないと思うけど・・・」
「私もそう思うが、まだ何とも言えぬな・・・」
「はい・・・」
「ユーフォー・・・」
「そうだな・・・まぁこれから知っていけば・・・」
《ケミーヒット!オカルトケミー!》
「「「え!?」」」
狂三について話していた三人は、付けっぱなしのケミーライザーが反応を示した事に驚く。
反応のあった方・・・正面上を見ると、士道達を上から見るケミー・・・・・・ユーフォーエックスの姿があった。
大きな胴体と小さな両腕を構成する三つのUFOという姿で、黄色い複眼を持ちXの模様がフロント部分に付いている。
「ユーフォー・・・エックス・・・?」
ユーフォーエックスは何も言わず、三人を・・・正確には士道をジッと見つめている。
まるで、士道に興味を抱いているように・・・。
そして、ジャングルジャンのケミーカードを持つ新パヴァリアの男が離れた所からユーフォーエックスを見つけニヤリと笑う。
「仮面ライダーを倒してケミーを捕まえれば、クロトー様達のお役に立てる!」
そう意気込んでジャングルジャンを取り込み、ジャングマルガムへと変貌する。
大量の葉と赤い実を生やした巨木が人型になったような姿をしており、新パヴァリアの男の悪意が現れている様な、凶悪な人面が出ている。
そしてジャングルマルガムは、意気揚々とユーフォーエックスのいる所へ向かっていく!
次回予告
ユーフォーエックスを狙う、ジャングルマルガムと戦う士道。
そして、クロトーはカリオストロ、狂三と戦闘を始めた。
【第六話 京都でUFO調査!(後編)】
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原作より早く狂三を出しました。その為、デアラ原作三巻の話では、別の精霊を出す事になります。
相違点としては、錬金連合所属の錬金術師で、サンジェルマンの部下である事。
デアラ原作より善人となっていますが、目的があって動くところや敵対者には容赦しない点は変わりません。