デート・ア・ガッチャード 〜CONNECT HEARTS〜   作:エルミン

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第四話 士道のブシドー

十香の霊力を封印した士道。だが、二人の前にポイゾナスマッシュルームマルガムとサブマリンマルガムが現れる。

 

「何だ・・・あれは!?」

 

『・・・士道?一体何が起こってるの!?説明して、あの怪人は何!?』

 

「話は後だ!」

 

隣の十香から、インカムから琴里や令音達フラクシナスクルーの驚きの声が出る。

 

だが無理もない。十香達はマルガムの事を今、初めて見たのだから。

 

「仮面ライダー、貴様を倒しケミーとドライバーを頂く。そして、精霊を殺す」

 

「・・・・・・何だと?」

 

「精霊の存在と力は、我々にとっても驚異となる。そうなる前に殺すのだ」

 

サブマリンマルガムの言葉に、士道は・・・・・・キレた。

 

「ふざけるなぁぁぁぁぁぁぁ!!」

 

怒りの叫びを上げ、マルガムを睨み付けたまま、ガッチャードライバーを取り出して装着。

 

「十香を守りたい、一緒に戦ってくれ!」

「ホッパー!」

「スチーム!」

 

士道の言葉に、力強く肯定するホッパー1とスチームライナー。ライドケミーカードを入れてアルトヴォークを展開、ガッチャードに変身する。

 

《ホッパー1!》《スチームライナー!》

 

「変身!!」

 

《スチームホッパー!!》

 

 

「十香の運命は・・・俺が変える!」

 

決意の言葉を発して己を奮い立たせ、ガッチャードはマルガムに立ち向かう!

 

「シドーが・・・シドーも変わって・・・」

『士道・・・?』

 

前に出たサブマリンマルガムは腕から魚雷を放つ。それをかわしながらガッチャージガンを取り出して、スケボーズのカードをスキャン。

 

スケボー型のエネルギー弾を放つ。だが、ポイゾナスマッシュルームマルガムが胞子を集めて盾のようにして攻撃を防いだ。

 

サブマリンマルガムはガッチャードの足元の地面を海面のように変化させて、足を絡めて動きを封じる。

 

そして自分の両手を潜水艦型にして、それで殴りかかる。

 

ガッチャードは数回殴られてダメージを受けるが、気にせずサブマリンマルガムの腕を掴んで頭突きを当てる。

 

怯んだところを力いっぱい腹を殴りサブマリンマルガムを吹っ飛ばす。

 

ポイゾナスマッシュルームマルガムにサブマリンマルガムが直撃して二人共倒れ、その間にガッチャードも力ずくで脱出。

 

マルガムは反撃をしようとするが、それは錬金術によって作られた転移結晶を用いてここまでワープしてきた栞が放った炎で妨害される。

 

「栞!」

「士道、遅くなってごめんね!」

 

『え、栞・・・急に現れなかった!?』

 

琴里は急に現れた栞についても驚いたが、ガッチャードも栞も答える余裕はない。

 

「大丈夫だ。急で悪いけど、後ろの十香を守ってくれ。マルガムはその子を狙ってる!」

 

「え!?う、うん!」

 

栞は後ろにいる十香が士道の上着を着ている以外は裸な事に驚きながらも、十香のそばに駆け寄る。

 

「十香さんだっけ、大丈夫?」

「う、うむ・・・」

 

「私は風鳴 栞、栞で良いよ。士道の仲間なの・・・心配しないで。しっかり守るから」

 

十香を安心させるように笑顔で言う。そしてすぐ近くにある鉄製の手摺りを掴み、アルケミストリングを光らせ錬金術を使う。

 

(れん)せよ、生まれうくは(ごう)なる鉄!」

 

手摺りの鉄を錬成し、一本の剣へと変える。目を初め見る錬金術に目を丸くする十香だが栞は十香を守るように前に出る。

 

十香を栞に任せてマルガムに向かって走り出すガッチャード。

 

ポイゾナスマッシュルームマルガムはキノコ型の爆弾をばら撒いて攻撃する。

 

ガッチャードはガッチャージガンで正確に撃ち落としていく。そしてゴルドダッシュのカードをスキャンして、ガッチャージガンから複数のタイヤ型エネルギー弾を放ちダメージを与える。

 

 

だが、サブマリンマルガムはすぐに立ち上がり魚雷を放つ。

 

不規則な軌道を描きながらターゲットに向かっていく。そのターゲットは十香達。

 

栞は錬成した剣で魚雷を二つとも切り裂いて破壊。しかし、剣の刀身が折れてしまい更に別の魚雷が再び撃たれる。

 

ガッチャードは即座にガッチャージガンを栞に投げ渡す。栞は折れた剣を投げ捨ててガッチャージガンをキャッチ。

 

既にブランクカードが入っているので、すぐに発射。見事に魚雷を全て破壊。

 

だが、ここでポイゾナスマッシュルームマルガムがサブマリンマルガムの魚雷の対処を終えた栞の隙をつくように、キノコ型爆弾を大量にばら撒いてすぐに離れた。

 

大量の爆弾が爆発し、十香と栞は爆発に・・・。

 

「・・・・・・グッ、ゥ・・・!」

 

巻き込まれなかった。ポイゾナスマッシュルームマルガムが動いた時点でガッチャードも動いており、キノコ型爆弾の爆発から十香と栞を庇い守ったのだ。

 

爆発をほぼゼロ距離で受けたので、ダメージも大きい。だが、ガッチャードの装甲のお陰で無事であり変身も解けていない。

 

ガッチャードの全身から煙が上がる。片膝をつき痛みに耐えている。

 

「シドー!!」

「士道!!」

 

十香と栞が慌てて駆け寄る、十香も栞も涙目だ。

 

「シドー、もういい。私のために傷つく事はない・・・だからもう・・・」

「十香・・・ごめんな」

 

「え・・・」

「俺が守るって言ったのに、こんなカッコ悪い所を見せて・・・不安にさせてごめん。でも・・・」

 

士道は俯かせていた顔を上げて・・・。

 

 

「俺は十香を・・・精霊もケミーも、助けることを諦めない!!」

 

大声で己の決意を叫びながら立ち上がる!

 

「シドー・・・シドー・・・!」

 

十香は泣いていた・・・喜びで。精霊である自分の為に一生懸命になってくれている事が。助ける、守ると言ってくれている事が、嬉しいのだ。

 

「うん・・・そうだよね」

 

栞は笑っていた。

 

士道の、昔から変わらない誰かのために立ち上がる強さと優しさを心から誇りに思っているから、そんな士道の決意を笑顔で肯定する。

 

「おにーちゃん・・・・・・」

 

琴里は泣いていた。心の痛みで。精霊を救うために交渉を引き受けてくれた士道。

 

それだけでも大変なのに、怪人と戦っている。

 

士道に任せてボロボロになっていく彼を見ている事しか出来ない自分自身が許せなくて、悲しくて。

 

サブマリンマルガムがトドメをさそうと魚雷を放つ。

 

だがその魚雷はガッチャードの左手首に付いているガッチャードローホルダーから飛び出したアッパレブシドーが刀を具現化させて切り裂いた。

 

「あっぱれ〜!あっぱれ〜!」

 

アッパレブシドーは、閉じていた目を開き扇子を撒きながら士道の強い意志と勇士を認め受け入れる。

 

「アッパレブシドー・・・認めてくれるのか、ありがとう」

「あっぱれ!」

 

アッパレブシドーのカードを持って礼を言う。更に、ガッチャードローホルダーからスケボーズのカードも飛び出しガッチャードは左手でキャッチする。

 

「スッケボー!」

「あっぱれ!」

 

スケボーズとアッパレブシドーは「自分達を使ってくれ」と伝えガッチャードも頷く。

 

「わかった。一緒に戦おう!」

「スケボー!」

「あっぱれ!」

 

《スケボーズ!》《アッパレブシドー!》

《アッパレスケボー!》

 

スケボーズとアッパレブシドーのカードをガッチャードライバーに入れてアルトヴォークを展開。

 

新たな姿、アッパレスケボーに変身した!

 

特徴である「パンクライダゴーグル」は横長の鋭利な形状に変化し全身は赤い武士を思わせる。

 

更に、手に剣弓型錬成武器「ガッチャートルネード」が現れる。

 

上下に引き伸ばした矢印の形をしている武器で、弓と剣の特性を持つ。それを手に持って前にいたポイゾナスマッシュルームマルガムに斬りかかる!

 

ガッチャートルネードの斬れ味は鋭く、ポイゾナスマッシュルームマルガムの体や笠に切り傷を付けていく。

 

マルガムに反撃の隙を与えないように、アッパレスケボーの機動力の高さを活かした素早い斬撃攻撃を何回も当てる。

 

そしてカードスロットが備わった本体部の「ガッチャースピン」にカマンティスのカードを装填した後にレバーを引いて必殺技「ケミースラッシュ」を発動。

 

カマンティスの力を引き出した波状斬撃でマルガムを切り刻む。その切れ味はかなりのもので、ポイゾナスマッシュルームマルガムを切り裂いた。

 

大きな爆発が起こり、男は人に戻り倒れてヴェノムダケが開放される。

 

そしてガッチャードはポイゾナスマッシュルームマルガムを倒されて慌てているサブマリンマルガムにトドメをさすべく動く。

 

「お前で最後だ・・・!」

《アッパレスケボー!フィーバー!》

 

ワイルド形態にチェンジして超回転を起こして竜巻でサブマリンマルガムの動きを封じ込め、動けなくなった所を回転キックでトドメを差す!

 

サブマリンマルガムは地面に倒れ爆発。ディープマリナーも開放され、ガッチャードは変身を解いてブランクカードの中に保護する。

 

「ヴェノムダケ、ディープマリナー・・・無事で良かった」

「ダケ〜!」

「マリナー!」

 

士道に助けてくれた礼を言うヴェノムダケとディープマリナー。

 

それで安心したのか、力が抜けたように膝をつく。

 

士道は身体中が傷だらけで傷口から血が出ていて誰が見てもわかるくらい多くの傷を負っている。

 

士道を救った青い炎は出ていて、傷を癒してはいるが失った体力や血は戻らない。

 

「シドー、大丈夫か!?」

「士道!」

 

十香と栞が駆け寄り、肩を貸して士道を立たせる。

 

「大丈夫だ、意識はハッキリしてる・・・でも痛みが残ってるな」

「良かった・・・無事で良かったぞ、シドー・・・」

 

「お前を守れて良かった・・・それと心配かけてごめんな、十香。栞も十香を守ってくれてありがとうな」

 

「どういたしまして・・・私も士道が無事で嬉しいよ」

三人で話していると、ワープでカリオストロと数人のエージェントががやって来る。

 

エージェントが新パヴァリアの男二人を拘束して連行。カリオストロが士道達に話しかける。

 

「はーい、士道君も栞ちゃんもお疲れ様〜。迎えに来たわよー」

「カリオストロさん」

 

「それと・・・あなたが精霊ちゃんね。あーしが服を見繕ってあげるわね♪」

 

「う、うむ・・・」

 

「それと士道君、サンジェルマンがあなたの妹ちゃんとお話するって言ってたわよ。今回の事もあって説明が必要だろうって」

 

 

ーーーーーーーーーー

 

 

一方、フラクシナス内部。琴里含むブリッジの皆はモニター越しに見聞きした戦いの光景に驚きのあまり閉口していた。

 

だが、その静寂を破るようにフラクシナスに通信が入る。通信に出ると、モニターにはサンジェルマンが映る。

 

「初めまして、五河 琴里・・・ラタトスク機関の諸君。私はサンジェルマン、錬金連合という錬金術師による組織の長だ」

 

「錬、金術師・・・!?」

 

「そして、五河 士道も風鳴 栞も錬金連合に所属している」

「何ですって!?」

 

「先程の戦いについての説明と今後の我々の関係・・・色々な事について、話し合いの場を設けたいと思っている」

 

サンジェルマンからの提案に、琴里は頷いた。

 

それから少し経ち、話し合いの場はフラクシナスでも錬金連合でもなく、五河家で行われる事になった。

 

まだ両組織の関係が定まっていない状態であるため、中立地帯のような感じになっている。

 

そして、錬金連合からはサンジェルマン、プレラーティ、カリオストロが。

 

ラタトスク機関からは琴里、神無月、令音が。

 

そして士道、栞、十香も含めた九人で集まり自己紹介と説明が始まった。

 

 

サンジェルマン達からは、ケミーやマルガム、ガッチャードについて。

 

栞はサンジェルマン達の弟子として錬金術師として活動している事。

 

士道は風雅からガッチャードライバーを託された時の事、自分がケミーも、そして精霊も救いたいという自分の気持ちを伝える。

 

話を聞き終えた琴里達はラタトスク機関や精霊について伝える。そして両者の話が終わった所で、琴里は士道に・・・。

 

「士道・・・ごめんなさい」

 

頭を下げて謝罪した。

 

「こ、琴里!?」

 

琴里は顔を上げるが、目には涙が溜まっていた。

 

「私・・・おにーちゃんを巻き込んでしまった事を、今でも申し訳ないって、思ってる」

 

涙を溜めておけず、流しながらも琴里は士道に気持ちをぶつける。

 

「ガッチャードとして戦っている事を知らないまま精霊の救済をお願いして、世界の命運を背負わせてしまった。

 

士道にはケミーの事もあるのに更なる重荷を増やしてしまって・・・・・・ごめんなさい」

 

「・・・・・・俺も黙っててごめんな、琴里。これからも、俺を支えてくれるか?」

 

「もちろんよ。ラタトスク司令としても、私個人としても、おにーちゃんを支えるわ!」

 

「・・・私も、シンの味方だ」

「何かあれば、遠慮なく我々を頼って下さいね」

 

琴里、令音、神無月はガッチャードとしての士道を受け入れ頷く。

 

「では、五河 琴里。錬金連合とラタトスク機関で同盟を組む、という事で良いか?」

 

「はい、よろしくお願いします」

 

サンジェルマンと琴里が握手を交わし、両組織の同盟が成された。

 

これによって、士道は両組織の所属としたままでケミーや精霊に関する事でお互いに協力していく事になったのだ。

 

「おめでたいわね〜。士道君、あーし達が女の子を落とす秘訣を教えてあげるわね♪」

 

「士道、錬金術もモテモテになるコツも任せるワケだ」

 

「シドー!私を忘れるな!」

「十香!?」

 

「シドーは私を救ってくれた。私の命を、心を。だから、今度は私がシドーを救う番だ!」

 

「私ももっと強くなるよ、士道や十香さん達の為にも」

 

「皆・・・ありがとう」

 

皆の優しさを感じ、士道は礼を言った。

 

 

こうして、十香とのデート・・・そしてガッチャードとしての戦いと錬金連合とラタトスク機関の同盟締結・・・様々な事があった一日は終わったのであった。

 




次回予告。

突然現れたマルガムに対処するべく、士道ともう一人の錬金術師は共闘する。

第五話 鉄鋼と敵襲
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