デート・ア・ガッチャード 〜CONNECT HEARTS〜   作:エルミン

9 / 12
約半年もお待たせさせてしまい、申し訳ございません。ようやく書けましたので、更新いたします。


第七話 震えるレスラー魂

 

「やはり筋肉・・・そして力こそが全てを解決する」

 

そんな事を呟くのは、新パヴァリアのアジトで筋トレを行っている筋骨隆々の大男。

 

この大男も錬金術師であり、筋トレに使うベンチプレスや鉄アレイを自分で錬成して使っているのだ。

 

筋トレをしている大男の部屋に、クロトーが入る。

 

「おい」

「ハッハッ・・・おぉクロトー様、何用でしょうか」

 

「・・・お前に任務だ。未回収のケミーを発見した。そいつを回収してこい」

 

「承知いたしました」

 

クロトーは大男にケミーカードを渡す。

 

「ゴリ〜・・・」

 

アニマル属性レベル8、ゴリラセンセイ。力持ちだが心優しいケミーが今は怯えている。

 

大男は汗をタオルで拭いてから部屋を出て現場に向かった。

 

 

ーーーーーーーーーー

 

 

十香が転入してきて少し後。士道達は錬金連合とフラクシナスメンバーの協力の元、新たに六体のケミーを保護した。

 

インセクト属性レベル3、ゲンゲンチョウチョ。

ジョブ属性レベル7、バレットバーン。

ビークル属性レベル3、ヒーケスキュー。

 

インセクト属性レベル4、バクオンゼミ。

ジョブ属性レベル3、ドクターコゾー。

プラント属性レベル7、フレイローズ。

 

以上の六体だ。

 

 

ちなみに回収したケミーは折紙の持つマッドウィール、ガッツショベル、ゲキオコプターを除いて士道一人で所持・管理している状態だ。

 

士道にケミーが集中している状態だが、仮面ライダーガッチャードである士道の戦力強化に繋がる事。

 

そして何よりケミーを仲間として受け入れる士道の善性がケミーに必要だという事で、サンジェルマン達も士道を信用してケミーの集中を許しているのだ。

 

士道もその事をわかっているからこそ、その信用に応えようと思っている。

 

 

それから四月下旬のとある日。フラクシナスからの情報を受けて士道、栞、十香の三人は「(あさひ)プロレスジム」の前にいた。

 

念の為、栞がケミーライザーで反応を探るとジョブケミーの反応をキャッチしていた。

 

「ここに新しいケミーがいるのだな・・・早く会いたいぞ」

「でも、ここは明らかに人がいそうだし、どう説得しようかな?」

 

「そうだな、とりあえず─」

その時、中から大きな音・・・何かを強く何かを殴ったような音が聞こえる。

 

 

三人が慌てて扉を開けて中に入ると、スタジアム内部の奥で二人の筋骨隆々の男性が睨み合っていた。

 

だが片方は人形を大切に握りながら後ずさっていて、もう片方は黒いローブを纏い怪しい雰囲気を纏っている。

 

「もう一度言うぞ、そのケミーを渡せ。この床のように砕かれたいか」

 

「断る!こいつは俺の大切な仲間だ、剛力・・・お前には渡さん!」

 

「そうか、旭は砕かれたいか・・・望み通りにしてやる」

 

士道達はすぐに二人の間に割って入り、人形を持つ男性・・・旭 光一郎を庇うように立つ。

 

「二人共、その人を下がらせろ」

「な、何だ君達は!?」

 

少々強引ながら、旭を下がらせる十香と栞。ローブの男・・・剛力は納得したように言う。

 

「そうか・・・貴様がクロトー様が仰っていた仮面ライダーか。俺が倒してやる・・・暗黒に染まれ」

 

ローブの男はゴリラセンセイのカードを取り出し、中のケミーを取り込んでゴリラマルガムとなる。

 

士道もガッチャードライバーを装着し、カードを入れてガッチャードに変身する。

 

《ホッパー1!》

《スチームライナー!》

 

「変身!!」

 

《ガッチャーンコ!スチームホッパー!!》

 

両者はスタジアムの外に飛び出し、戦闘を開始する。

 

ガッチャードは近くの鋼材に飛び乗って跳び蹴りを放つが、ゴリラマルガムは片手で受け止めて地面に叩きつける。

 

すぐに起き上がってパンチのラッシュを浴びせるが、それは全く通じず拳を受け止められ相手の体を掴んで回転、膝に当てて腰に大きなダメージを与える「風車式バックブリーカー」を当てる。

 

痛がって倒れてしまうガッチャードに駆け寄る十香達。

 

「やはり錬金術は・・・そしてケミーは素晴らしい。学んだ甲斐があったぜ・・・・・・さぁトドメをさしてやるぞ仮面ライダー」

 

ガッチャードに近づくゴリラマルガムに、栞が風の錬金術を発動。

 

(れん)せよ、生まれうくは(はや)なる風!」

 

発生させた強風に鋼材も巻き込んで、それらをゴリラマルガムにぶつける。

 

鋼材のミサイルに強風を受けて、ゴリラマルガムは遠くに吹き飛ばされたのであった。

 

その後、士道達はスタジアム内で旭に説明して理解を得られたところで、旭も説明をする。

 

「さっきの男は剛力っていう奴で、このスタジアム所属のプロレスラーだった。

 

だけど、十年前に対戦相手のレスラーや審判のレフェリー、更には観客にまで被害を出してクビにしたんだ」

 

「過激ですね・・・」

 

「あぁ。それから今まで全く音沙汰無かったんだ。それからはこのジムは数人のレスラーを抱えながら運営してた。しかしまさか怪物に・・・狙いはあいつみたいだがな」

 

旭の視線の先には、プロレスラーを模した一体の人形。

 

「レスラーG・・・」

 

その中にはジョブ属性レベル5、レスラーGが入っているのだ。

 

「言葉は通じないけど、こいつからは熱いプロレス魂を感じて意気投合してな・・・。

 

俺の今の夢は、一度だけでいい・・・こいつと一緒に現役時代・・・サンシャインマスクとしてリングに立って戦いたい」

 

「レスラーG!」

 

すると、レスラーGが旭の言葉に反応したように人形から離れ旭に取り付く。

 

レスラーGに憑依され、「サンシャインマスク」として活躍していた全盛期の頃の力を一時的に取り戻した姿となった。

 

軽い身のこなしでリングまで向かい、士道達に言う。

 

「さぁ、リングに上がるんだ士道!今から俺が、君のタッグパートナーだ!君に風車式バックブリーカーの対策を教えよう!」

 

「はい!」

 

それから、旭スタジアムのロゴが入ったTシャツとズボンに着替えた士道はアサヒGの特訓によって、風車式バックブリーカーの対策特訓を行う。

 

それは簡単に身につくものではないので、徹夜で行う事に。

琴里には電話で事情を説明してジムに泊まり込みで特訓を行う。

 

「頑張れ!頑張るのだシドー!」

「士道なら絶対ものに出来るよ!」

 

十香と栞も応援し、段々と対策を身に着けていく。

 

そして翌朝。飛ばされた先から戻ってきた剛力がスタジアムに現れる。

 

そこでは、すでに特訓を終えた士道がスタジアムに立っている。

 

「フン・・・リングに立つのは十年ぶりだ。今度こそお前を倒す。筋肉は全てを解決するのだからな」

 

剛力は再びゴリラマルガムになってリングに上がる。

 

士道は二枚のケミーカードを持って構える。一枚はアントルーパー。もう一枚は・・・。

 

「旭さん、ありがとうございます!」

「あぁ!」

 

「行こう、レスラーG!」

「レスラーG!」

 

レスラーGだ。旭との特訓を終えてからゴリラマルガムに勝つため同意の上でカードに入れたのだ。

 

《アントルーパー!》

《レスラーG!》

 

「変身!」

 

《ガッチャーンコ!アントレスラー!》

 

新たな姿、アントレスラーに変身した!変則的な動きは不得手であるが、真っ向勝負に適したまさにプロレスラーな姿だ。

 

お互いがリングに立ち、栞達が見守る中で十香がゴングを鳴らし戦闘を開始。

 

プロレスのように真っ向から拳と拳がぶつかり合う。最初はゴリラマルガムが優勢だったが、十香達の応援を受けた士道がどんどん押し返していく。

 

そしてゴリラマルガムが風車式バックブリーカーを仕掛けるが・・・。

 

「今だ!」

「はい!」

 

旭の声に応えるように、ガッチャードは体を回転させてゴリラマルガムの拘束から逃れて腕を掴みリングにねじ伏せる。

 

「ば、馬鹿な!?俺の技が・・・」

「特訓したからな!」

 

「いいぞ!その調子だ!」

「レスラーG!」

 

ゴリラマルガムを投げ飛ばしたところで、旭の燃え上がった魂に共鳴するようにレスラーGのエネルギーがドライバーから溢れ、アサヒGとなる。

 

「旭さん!一緒に戦いましょう!」

「あぁ!」

 

ガッチャードとアサヒGがタッグを組んでゴリラマルガムと戦う。

 

二人で攻撃をかわしながらパンチを当てていき、ガッチャードとアサヒGのタッグでゴリラマルガムの前後から同時にラリアットを食らわせる。

 

ラリアットによって対戦相手のゴリラマルガムに大ダメージを与える事に成功。

 

「後は任せてください」

「あぁ」

 

倒れたゴリラマルガムにトドメを刺すべく、ガッチードライバーのアルトヴォークを閉開、必殺技を発動する。

 

《アントレスラー!フィーバー!》

 

ゴリラマルガムをロープに振って、反動で跳ね返ってきた所に両足のドロップキックを叩き込む。

 

その威力は大きく、リングのロープが引きちぎれる程だ。そしてゴリラマルガムは爆発して剛力は人に戻る。

 

ガッチャードは変身を解いて、開放されたゴリラセンセイをブランクカードの中に保護する。

 

「ゴリラセンセイっていうのか、よろしくな」

「ゴリ〜!」

 

「よっし!」

「「やった!」」

 

ゴリラセンセイは士道に感謝の気持ちを伝える。旭もガッツポーズを決め、十香と栞も笑顔でハイタッチして士道の勝利を喜んだ。

 

 

それから少しして、連絡を受けた連合のエージェントが到着。剛力を拘束して処置を行っていく。

 

そして報告を受けたサンジェルマンは、旭にはケミーの事などを口外しない事を条件にケミーと良き関係を築ける人間として記憶処置を行わない事を約束した。

 

「士道、今後もレスラーGを狙う悪者達が出てくるそうだな。レスラーGを頼む。君になら任せられる」

 

「わかりました」

 

レスラーGを士道に託す事を受け入れた旭と、それを受け入れる士道。

 

「レスラー・・・G〜!」

「来るな!」

 

旭と離れる寂しさから、レスラーGはカードに入ったまま追いかけるが、旭は鋭い声で制する。

 

「これからお前の戦うリングはここじゃない。世のため人のため、士道と一緒に戦う事・・・それがお前の新しいリングだ」

 

背を向けたまま言う旭。そして、ジムに戻る前に最後の言葉を伝える。

 

「頑張れよ”相棒”・・・お前なら大丈夫だ」

「レスラーG〜!レスラーG〜!」

 

旭の最後の言葉を受け入れながらも、悲しみから涙を流すレスラーG。

 

士道はレスラーGのカードをそっと手に取り、慰めていく・・・。

 

そして、泣き止んだレスラーGは士道と一緒に人とケミーのために戦う事を誓い、士道もレスラーGの決意を受け入れる。

 

 

こうして、レスラーGとゴリラセンセイを新たに仲間にした士道。

 

そして旭とレスラーGは、士道のように人とケミーの可能性を表すケースとなった。

 

それを見れた事を、士道は嬉しく思うのであった。




次回予告

突然現れた空を飛ぶマルガム相手に、士道と折紙がタッグで挑む。

第八話 飛翔する悪意
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。