D’s——聖なる歯車   作:グレン×グレン

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はいどうもー! 今日も頑張っているグレン×グレンです!

職場関係ではメンタル下がり気味ですが、まぁいろいろと頑張っていこうと思っています。


第五話 ディーバギアの謎

—木場祐斗—

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「そういえば、光也さんの援護に誰か向かった方がいいのでは?」

 

 ふと思ったけど、冷静に考えると不安になる。

 

 駒王町にディーバギアを保有しているものが入っている。これはかなり警戒するべきことではないだろうか?

 

「そうね。ディーバインの力は間違いなく強大だわ。冥界はもっと警戒してもいいぐらいの性能だったしね」

 

 リアス部長もそう考えているようだ。

 

 当然だろう。それだけの力を僕達は目にしている。

 

 光也さんも光希さんも、間違いなく僕達グレモリー眷属をやっていける実力者だ。おそらく、聖魔剣に至った僕を相手に単独でそれなりに戦えるだろう。

 

 だが、ディーバインとなった二人の力は更にその上を行く。

 

 準神滅具に聖剣を合わせたフリード・セルゼン。そして最上級堕天使の上澄みたるコカビエル。

 

 決定打はイッセー君に、最終的な鎮圧はグレイフィアさんに譲ってはいる。だがそこに至るまでの戦闘は二人が一対一で成し遂げたものだ。それがどれだけ凄まじいかなど考えるまでもない。

 

 そんなものを持っている者達が複数人で活動している。いくら光也さんが手練れとはいえ、単独で大丈夫なんだろうか。

 

 ただ、一仕事を終えて帰ってきた光希さんはきょとんとしていた。

 

「そこまで警戒する必要はないと思うけど? 本当にまずいなら増援を求めるわよ、今のアイツなら」

 

「そこまで安心するほどのことなのですか?」

 

 朱乃さんが軽く引いているけれど、光希さんは逆に首を傾げている。

 

 そして少し考えこんだ後、何かに気づいたようだ。

 

 なんというか、こちらを見る視線がちょっと同情気味になっている気がする。

 

「そういえば、お嬢達がディーバインを見たのは私達が初めてだったわね。だからそんな勘違いを」

 

 ん? どういう意味だろう。

 

 あの強さを勘違いできるほど、僕達も愚かではないつもりだ。

 

 ただ、光希さんは苦笑を浮かべながら軽く手を横に振って否定の意思を示した。

 

「違いますよ、お嬢。私と光也のは、多分特別製です」

 

「特別性?」

 

 リアス部長が促すと、光希さんは自分のディーバギアを出して見せる。

 

 銀色の歯車。これがあれだけの力を所有者に持たせるとはと思えば戦慄するね。

 

 ただ、光希さんは小さく苦笑しながら自分の持つディーバギアを見せる。

 

「私と光也が使ってる銀のディーバギアですけど、犯罪者共に流通しているのとは全くの別物です。あいつらが使ってるのは、もっと種類に応じてカラフルなんですよ」

 

 そう言うと、光希さんはちょっと呆れた様子で自分のディーバギアに視線を移す。

 

「普通のディーバギアは、戦闘データから異形に通用するどまりの至ってない神器レベルの性能とみなされてます。ただ私のアームズディーバギア、性能から逆算して準神滅具クラスはあるんですよ。多分、光也のも性能はそれぐらいだと」

 

 ……そういうことか。

 

 確かに納得したよ。そのレベルの性能なら、冥界で危険視の度合いが火急の案件になってないわけだ。

 

 異形に通用するレベルの神器は確かに強力だ。だが使い手がよほどの強者でもない限り、至って上級悪魔や最上級に通用する程度だろう。僕の聖魔剣はかなりイレギュラーだから、戦い方次第で魔王クラスに通じる潜在性能があると思うけどね。

 

 そして二人のディーバギアが準神滅具に通用するレベルなら、コカビエル達に通用するレベルまで二人を底上げできたのも納得だ。光希さんはあの時高性能の聖剣を二本振るっていたし、光也さんは自前で準神滅具を持っているからね。神滅具保有者相当にまで底上げされているんだろう。

 

 それなら、光也さんが増援を求めなかったのも納得だ。自前の戦闘能力とディーバギアがあれば、おそらく普通のディーバイン相手は複数人が相手でも余裕を持って対応できるはずだしね。

 

 ただ、となるとやはり懸念点もある。

 

 リアス部長も朱乃さんも、それに気づいたから表情が厳しくなっている。

 

「逆に、なんでそんな強力なものを気づかずに植え付けるなんて真似をしたのかしらね。ディーバギアの元締めは」

 

「そうなんですよね。もし有村が関与していたとして、態々光也に渡す理由がないですし」

 

 リアス部長に頷きながら、光希さんも首を傾げている。

 

 確かにそうだね。どう考えてもおかしい。

 

 通常の者と比べて大きく性能が向上している特別性。普通、そういうものは与えられるに相応しい理由があるだろう。

 

 ディーバギアを流通させている組織なら、組織直属の精鋭部隊や幹部の護身用が妥当だ。百歩譲って、大口の支援者に条件付きでといったところになる。

 

 何も知らない人にこっそり与えるなど、普通ではない。

 

 ……そういえば、二人は使用後凄い事になっていた。

 

 朱乃さんもそれに思い至ったのか、ポンと手を打った。

 

「デメリットが多いものを実験で試しているのでは? その、凄い事になってましたし」

 

 それがありえそうだと思う。実際、使った後で戦闘できる精神状態じゃなくなるのはデメリットが大きすぎる。

 

 ただ、それにしてもこっそりというのはどういうものだろうか。

 

 光希さんもそれは同感だったのか、片手を振って否定していた。

 

「いや、あれは多分さほど変わらないと思う。ディーバギアって使った人間の負の精神面を刺激する性質があるみたいでさ? 大抵は悪意が底上げされてやらかしやすくなるみたいだけど、たまに私や光也みたいに……鬱になる方向性があるみたいで」

 

 ……そうなのか。

 

 裏社会に流通しているのもそれが理由かもしれない。裏社会とは基本的に悪人の巣窟だろうし

 

 つまり自殺したい精神状態の場合、衝動的に自殺してしまう可能性が高いんだろう。最悪、心中願望などがある場合は酷い事になりそうだ。

 

 と、なると。

 

「ギャスパー君が使ったら、凄い事になりそうですね」

 

「「「……確かに」」」

 

 三人揃って同意された。

 

 ギャスパー君は自己否定が強いからね。妙な方向に走りそうで怖い。

 

「ただいま戻りました。……どうしました?」

 

 あ、小猫ちゃんが帰ってきた。

 

 そういえば、光也さんはもう終わった頃だろうか?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

—月崎光也—

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 一通り終わらせるまでにかかった時間は五分そこら。まぁ、後ろから奇襲もできたしね。

 

 で、拘束して警察に連絡も終わらせた。とりあえずメールでお嬢にも連絡しておけば、事情聴取はある程度何とかなるだろう。

 

「一応引き渡しがあるから、イッセー君はギャスパー君を連れて先に帰ってなよ。任意聴取はギャスパー君には流石にね?」

 

「ご、ごめんなさい。ご迷惑をおかけします……」

 

 ギャスパー君がちょっと震えているけど、それは気にしなくていいだろうに。

 

 俺は膝をついて目線を合わせて、微笑んでみる。

 

 ちょっとビビり気味だけど、少しは気が楽なってくれればいいんだけどね。

 

「後輩の不得手は多少ぐらいフォローするのが先輩の務めだよ。あ、人生のって意味だけどね?」

 

 悪魔としては彼の方が遥かに先輩だからね。……ひと月程度だし。

 

 と、イッセー君もギャスパー君を抱えながらニカっと笑顔を見せてくれる。

 

「そうだぞギャスパー! とりあえず、お前も自転車の上に乗って出歩けるようになってるんだ! 成長はしてるんだからその調子だって」

 

 イッセー君はそう言って励ました後、俺の後ろで拘束されている不良達を見る。

 

「そういえば、あいつら柄が悪いっていうかめっちゃくちゃ乱暴な感じでしたね」

 

 まぁ確かに、いきなり年下相手にディーバイン化で集中攻撃っていうのはね。頭がどうかしていると思われてもおかしくない。

 

 とはいえ、それがディーバギアの悪い所でもある。

 

「負の感情を増幅する仕様みたいなんだよ、ディーバギア。俺や光希が使用後鬱になるのもそれが原因と見ていいよ」

 

「あ、特別製だからとかじゃなかったんですか」

 

「大変なんですね、ディーバギアも。僕は絶対使いたくないですぅ」

 

 呆れるイッセー君の上で、ギャスパー君も引いている。

 

 まぁ、間違いなくギャスパー君は俺みたいな嵌り方をするだろうね。自己否定精神が強いとそっちに転びやすいようだし。

 

 ま、それも半分ぐらいは言い訳になるだろうけどさ。

 

「一応、精神干渉系統の専門家的にはそこまで酷いわけでもないそうだけど。気を強く保ってれば気にならない程度のレベルなわけで……俺も光希も、まだまだ精神面は要修練な感じってわけだね」

 

 自分で言ってて悲しくなるけど、未熟なのも事実だしね。

 

 ちょっと苦笑いになるけど、イッセー君はそんな俺の目の前で拳を握り締めていた。

 

「なら、そっちも含めて要特訓ですね! 俺も性欲を少しは抑えようと思ってるんで、試していいのがあったら教えます!」

 

 ……うん。

 

 いつものことだけど、イッセー君のこういうところは本当に眩しいよ。

 

 このあり方は貴重で、そしてたくさんの人の心を支えられる素質だ。

 

 それなりに話してある程度分かってきているけど、グレモリー眷属全体にいい影響を与えているだろう。アーシアちゃんやリアスのお嬢を惚れさせるのも分かるってものだよ。祐斗君もいい影響を受けているしね。

 

 もっとも、これだけで何でもどうにかなるわけじゃない。真っ直ぐなのは良い事だけど、そうも言ってられない状況もあるしね。

 

 ただし、そこは年長者が上手くフォローして誘導すれば何とかなる。

 

 なら、それは俺や光希の役割だ。

 

 道を踏み外したからこそ、俺達がフォローできることもある。まぁなくてもできる人はいるだろうけど。

 

 うん。

 

「ギャスパー君。イッセー君にはもっと頼っていいよ。お嬢も俺達もフォローするけど、こういうのは彼が一番向いているからね」

 

 ギャスパー君みたいなタイプには、こういう子が適任な気がするね。

 

 イッセー君は細かくは分かってないみたいだけど、とりあえずちょっと嬉しそうだった。

 

「光也さんが太鼓判推してくれるなら、頑張ります!」

 

 ああ、それがきっといいよ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

—アザゼル—

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 さて、あとちょっとで会談だな。

 

 とっかかりが無くてずっと続いていた戦争。それも漸く終えることができるだろうさ。

 

 まったくコカビエル様様だぜ。あいつが三大勢力全部を巻き込んでくれたおかげで、こうして三大勢力で膝を突っつき合わせる余地ができた。それも、他の神話体系が編にちょっかいを掛けたりしなくて済むような大義名分でな。

 

 一度和平を結んじまえばこっちのもんだ。他の勢力にも和平の手を伸ばすつもりだし、手を取る勢力が一切ないなんてことはない。よしんば警戒して敵視されたとして、三大勢力+αならいくつかの勢力を敵に回しても対応できる。逆に和平を拒んでいる連中じゃぁそう簡単に連合を結べやしないしな。

 

 先を見据えて多勢力で同盟を結ぶことはできるだろうさ。だが、和平を結んだ俺達の方が言って早い。対応できる戦力になる頃には、俺達も連携を取って立ち向かえる。

 

 ……だからこそ、懸念点は例の勢力だな。

 

「ご先祖様。やっぱり旧魔王派だけど、関係を結んでるっぽいよ?」

 

 才華が送られてきた資料を確認していってきたが、やっぱりか。

 

「サーゼクス達にゃぁ頭の痛い話だろうが、まぁ仕方ないか。問題は、奴らの頭だな」

 

 三大勢力の和平における最大の懸念点。

 

 それが、俺達が探ってきた各勢力のはぐれ者が集まった勢力だ。

 

 何年か前に、研究を急激に進めたいと思っていた部下が脱走し、そいつが関与する形で生まれた組織。

 

 各勢力の集団が集まっているという点では、三大勢力が目指す和平に近い形をとっている。だがそれがテロ組織になれば、危険度は跳ね上がっている。

 

 何よりまずいのは、それを支える象徴だ。

 

 奴がテロリストとして活動するというのであれば、どの勢力も単独でどうにかできるとは思えねえ。

 

 ……最悪は、和平のタイミングで仕掛けてくる可能性だな。

 

 三大勢力の会談は否応なく注目される。当然警備も厳重になるが、それが更に注目を集める。

 

 成功すれば問答無用で世界の流れを握るだろう。失敗しても、それだけのテロを起こせた時点で強大な組織であることをアピールできる。

 

 そして三大勢力の和平が成功すれば、どの勢力も衝撃は受ける。

 

 こっちにとっても良い方向に行く原動力になればいい。だが、悪い方向に影響を受けた場合は、奴らが受け皿になっちまう。

 

 そしてもう一つの懸念点がある。

 

「エルカ。現状はどうなってんだ?」

 

「こちらも懸念点ですね。駒王町周辺でのディーバギア保有者ですが、発見数がうなぎのぼりです」

 

 ディーバギアだ。

 

 突如として現れた謎のアイテム。高位の神器に匹敵する潜在性能を持つ、謎のアイテム。

 

 出所が不明だが裏社会で流通している。つまり、奴らと絡む可能性が少なくない。

 

 なにより、光希が持っている銀色のディーバギア。これが俺の懸念をどんどん高めてきやがる。

 

 銀色のディーバギアは、性能が明らかに高い。光希の幼馴染もそうだったらしいし、あれだけが特別なんじゃなく銀色であることが特別の証なんだろう。

 

 そして銀色の上位形態……となると、連想する者が一つある。

 

 そう、普通は特別にするのなら―

 

「考えるだけで頭が痛くなるぜ」

 

 こっちも備えないといけないってことだ。

 

 三大勢力だけでどうにかできると思えねえ。なんとかオーディンやゼウスの爺さん達を抱き込みたいところだぜ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

—???—

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……へぇ~。マジで和平結ぶのか。タイミング良いのか悪いのか」

 

「どうするのだ? 良くも悪くもこちらにとって都合が悪いと思えるが」

 

「ま、そりゃ仕方ねえだろ。ならいっそのことドンピシャにするか」

 

「……正気か? それでは和平が加速するぞ」

 

「どっちに転んでも加速するんだよ。ここから遅らせるなんて真似する意味がねえんだし、なら相乗効果でどでかいインパクトにしてやりゃいいんだよ」

 

「そうは言うがな。三大勢力の和平は間違いなく、各勢力を結びつけることになるぞ」

 

「そいつはちょっと違う。……何故なら、俺らと違って奴らは根回しが足りてない」

 

「根回し? 確かにそうだが、それだけでは」

 

「でかいに決まってんだろ? この手のひら返しは返しすぎだ。ついていけない連中は必ず出てくるし、それは和平が急に進めば進むほど大きくなる」

 

「なるほど。ならば一気に加速させることで、各勢力の内部の不和をつくということか」

 

「そういうこと。そしてそれをつつけそうな奴もいるじゃん? 表舞台に出るのはまだなつもりなんだし、だったら徹底的に裏で動いてもらおうじゃん?」

 




 そういうわけで、ちょっと誤解も多いディーバギア関連の説明会です。

 銀色である光也や光希のディーバギアは上位種とお考え下さい。ガイアメモリで言うならシルバーメモリ。ウェザーとかアルコールとかのレベルです。スマッシュとかだとハードスマッシュとかトランスチームガンのロストフルボトル系列と考えていただけるといいかと。

 ちなみにドライグが感じたのは「あれ? こいつらオーラ弱くね? 本当にコカビエルやエクスカリバーの通用するレベルか?」といったところですね。聖魔剣クラスを想像したら至ってもいない魔剣創造や聖剣創造が出てくれば、そりゃ困惑もします。
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