D’s——聖なる歯車   作:グレン×グレン

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 本日はちょっと短め!


第七話 和平会談、大丈夫!?

 

 

 

 

—月宮光希—

 

 

 

 

 

 

 

 

 とりあえず、イッセーの後頭部にゲンコツを叩き込んどいたわ。

 

「あ痛ぁ!? え、なにするんですか光希さん!」

 

「こっちのセリフよ!? この状況下でそれを言うのマジでやめて、いやマジで!!」

 

 渾身の全力ツッコミを入れてあげたわ。神器を使わなかっただけ感謝してほしいわ。

 

 いやもう何やらかしているのこのお馬鹿。政治的な会談で言うことじゃないでしょ。いや、言う機会もないけど!!

 

 兄さんにも言われてなかったっけ!? 個人的な美徳とか善意が通じない世界があるって。

 

 政治的判断が必須な立場なら当然だってのにもう!

 

 あ~頭痛い! 何が痛いって、善意に基づく流れだから私の昔よりましなのが頭痛い!? でも昔の私より頭悪いところがあるかもしれないっていうか……も~!!

 

「いや本当に申し訳ありません! 次までに政治的判断という概念を叩き込みますので!!」

 

「本当に申し訳ありませんでしたぁ!」

 

 速攻で私がイッセーの頭をつかんで一緒に下げると、光也も乗っかって反応してくれる。

 

 ちょっと反応が遅れていたけれど、持ち直してくれてよかったわ。

 

「いいえ。もとをただせば我々天界と教会の不備が原因です。重ねて言いますが、申し訳ありません、アーシア・アルジェント」

 

「あとすいませんが。あなたほどの立場に頭を下げられると、むしろアーシアが恐縮すると思います」

 

 その辺もしっかり指摘しておいた。いや、私以外が言ってくれるに越したことはないけどね。来歴的にどの口がってところがありそうだし。

 

 でも実際、教会にとって相応の価値と地位を持つミカエル様が、追放された信徒であるアーシアに頭を下げて謝罪ってのは後々問題や反動が起きかねないからやめてほしい。

 

 アーシアも逆にメンタルにきついだろうから、もうちょっと謝るにしても加減してもらいたいです。

 

 信徒的に天使長って凄まじく崇拝に対象になるでしょうに。そんな人に頭を下げられたら、罪のあるなしに関わらずメンタルがゴリゴリ削れるわよ。

 

 実際アーシアも困惑していたけれど、ただ持ち直しているみたいね。

 

 ちょっと呼吸を整えてから、小さく笑いながら首を横に振る。

 

「お気になさらないでください、ミカエル様。……その、こういう言い方は問題があるかもしれませんが、私は今の生活が楽しいです」

 

 と、イッセーの方を振り返ってからアーシアは微笑んだ。

 

「私は今、イッセーさんや部長さん達と共に過ごせて幸せです。ましてミカエル様にお会いすることができるだなんて光栄でしかありません。……ミカエル様が謝られることなど何もありません」

 

 ……そっか。それは良いことよね。

 

 ならもう問題はない。というか―

 

「その、僭越ながらこれ以上この話を続けると、信徒の胃に穴が開きますので……とりあえずここで切り上げにしてはいかがでしょうか?」

 

 ―光也がそういう通り、イリナの顔色が青くなったり赤くなったり真っ白になったりで大変なことよね。

 

 とりあえず、気付けを処方してあげるべきかしらね?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

—アザゼル—

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 さて、なんつーか面白い流れになったもんだ。

 

「ま、その男の言う通りでいいだろミカエル。そっちのシスターの件はこっちにも問題があるからな」

 

 俺もそれなりにフォローしとくか。

 

 敬虔なシスターさんにとっちゃ、自分にも非があるだろう事態に対し、ミカエルクラスに頭を下げられちゃぁ大問題だ。

 

 どっちかといやぁ、うちの末端が暴走してろくなことしてないってことの方があれだしな。

 

 っと。赤龍帝が相当いらってきてる顔になったな。

 

「そうだよ! アーシアが一度死んだのは、お前のことを慕っている奴が神器を抜こうしたからだ! っていうか俺だって殺されてるしな!!」

 

 まぁそりゃイラつくわな。

 

 ただ、光也とかいう坊主がイッセーの肩に手を置いた。

 

「落ち着いてくれイッセー君。流石に末端の暴走を直接トップに言うのは行きすぎだし、イッセー君個人の場合は、教会とか各国家も込みで文句言うことになるからね」

 

 ま、そうなるわな。

 

 危険な神器保有者の抹殺は、他の勢力からしてみりゃ「堕天使の仕事」だ。そのやり方に問題があるならともかく、やることそのものを批判する場合は世界全体に非難を向けるようなもんだ。

 

 考え無しってのは怖いねぇ。ま、殺される側なら文句も言いたくなるだろうがな。

 

 だが、世界全体を考慮すれば現状必要不可欠だ。おそらく今後も、殺すことは減ることはあってもなくなることはない。技術交流で大きく改善されるだろうが、殺しが基本御法度レベルになるには十年二十年では到底足りねえ。

 

「言っとくが、お前のことそのものは謝らねえぞ? 今の神器関連は世界的に見ていっぱいいっぱい。むしろし損ねた所為で多くの被害が生まれてる以上、しなくて詫びることはあってもして詫びることは世界全体の安寧を揺るがしちまう」

 

 これは必要悪だ。

 

 少なくとも、今の神の子を見張る者では、今の神器情勢を死者を一切出さず心優しい退所で乗り切るなど不可能だからな。それはやればうちがつぶれるし、そうなれば世界全体が酷い事になる。

 

「その通りだ。むしろ神の子を見張る者がそれを怠れば、被害は人類全体に拡散するだろう。悪魔にも火の粉が降りかかる以上、それを否定することはあり得ない」

 

「同意見です。むしろ我々天や教会こそ、それらをするのが筋といえるでしょう。……不満はおありでしょうが、それを否定することはできません」

 

「こればっかりはどうしようもないことよねん。転生悪魔や補正具にしたって、今のままだと限度はあるし、慈善事業としては使えないもの」

 

 サーゼクスもミカエルもセラフォルーも、そこはちゃんと分かっているようで何よりだな。

 

 ま、それが分かる奴じゃなけりゃ和平なんて結ばねえだろうしよ。

 

 だからまぁ、はっきり言っておくか。

 

「ま、どっちにしても頭下げれば終わりなんて話もねえだろうさ。和平を結ぶってわけだし、もっと意味のある形でなんか用意してやるよ。……で、だ」

 

 それはそれとして、念の為に確認しておきたいことがある。

 

「俺としては確認したいことがいくつかあるな。……具体的には、神滅具保有者三人によ」

 

 この場にいる神滅具保有者には確認したいことがある。

 

 世界全体の安定は考慮しなければならない。なら、世界を揺るがせる連中は警戒しないといけない。

 

 少なくとも、今ここで分かる範囲の意見ぐらいは聞いておきたいな。

 

「俺は強い奴と戦えればそれでいいさ」

 

 ヴァーリは即答だな。ま、これは分かってるさ。

 

 問題は平和から遠い意見だが、こっちにはちょっと考えがある。

 

「今度レーティングゲームに参加させれないか話とくよ。で、次は煌天雷獄(ゼニス・テンペスト)の坊主……デュリオだったか?」

 

 教会が誇る人間の最強戦力候補だろう。

 

 神滅具の中でも二番目に強い属性系神器の極点だからな。しっかり確認しないと安心できやしねえ。

 

 そんでもって、デュリオの奴は……。

 

「う~ん……ドーナツいっぱいだぁ……」

 

 寝てやがった!?

 

「ミカエル。お前、もうちょっと部下をしっかり育てとけよ。この会談で眠るって相当だぞ?」

 

「申し訳ありません。しっかりと時間に間に合ってはくれたのですが」

 

 そういうレベルか。遅れず参加しているのが珍しいレベルか

 

 ミカエルも大変だな。これが若手悪魔祓いの頂点とか、絶対ヘイトかってる奴いるだろ。

 

 っていうか教会は性質上、秩序とか規律とか大事だろ。組織的に問題ありまくりじゃねえか?

 

「すいませんすいませんすいません!! いつものことなんで完全にスルーしてましたごめんなさい!!」

 

 そして月崎光也の奴がめっちゃ慌ててるな。

 

 そうか、いつものことか。いつもこんななのか。

 

 慣れきってしまってこの状況下でも流してしまうのか。どんだけだよ。

 

「よし、後回しでいいか。……じゃ、次は赤龍帝」

 

「え、俺ですか!?」

 

 なんか、めっちゃ驚いてるな。

 

 今の流れなら、神滅具保有者のお前さんが言われないわけないだろうに。緊張感ってものがないのか?

 

 なんつーか、ミカエルに物申した時もあれだが、どうもこの場が大局的だって自覚が欠けてるな。あと無視できない影響度を持っていることも理解が追いついてないな。

 

 悪魔になってから日が浅いってのもあるが、これはどうしたもんかね?

 

「いや、え~……? 世界の命運とかそんなこと、考えたこともないんですけど……?」

 

 なるほど。ま、一般人上がりの高校生だとそんなもんか。

 

 となると、もうちょっと分かり易い例えがいいな。

 

 ……お、さっきからリアス・グレモリーが赤龍帝をチラチラ見てんな。そういうことか?

 

 なら―

 

「―分かり易く言おう。和平が結ばれないと戦争になる。戦争になると、リアス・グレモリーが抱けないぞ?」

 

 ―これでどうだ?

 

「………なん、だと?」

 

 お、食いついた喰いついた。

 

 エロガキなのは聞いてたが、これはいい感じに食いついたな。

 

 じゃ、分かり易くエロく説明してやるか。

 

「戦争になるなら勝利第一だから、神滅具保有者は大忙しでエロいことなんてできねえさ。だが平和になれば手の繁栄第一だから、エロいし放題だ。さて、どっちが―」

 

「和平一択平和オンリー! 部長とエッチ、したいです!!」

 

 降っといてなんだが食いつきすぎだろ。

 

 そう思った瞬間だ。

 

 ……この感覚は!?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

—Other—

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あ、もう始まったんだ!?」

 

「そうみたいだね。これで、世界は大きく変わる」

 

「うん! すっごい楽しみ♪」

 

「それは同感だけど、中々に容赦がないね」

 

「え? だってこんな展開、多分この世界の歴史で初めてでしょ? こんな出来事に生きて関われるなんて、すっごい奇跡だよ?」

 

「大半にとっては悪夢だと思うけどね。まぁ、そういう激動期こそ英雄の生まれ出流世界ではあるか」

 

「そうだよ、曹操! この世界を揺るがす、有史最大の英雄譚♪ あ~……すっごい楽しみ♪」

 

「ふふふ。俺もかなりイカレている自覚はあるけれど、君も大概だよ。明日香」

 

「もっちろん♪ だって私は―」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「悪の王様だよ?」




 区切りやすい所だったので、短めに区切らせてもらいました!

 さぁ、ここからがテロだぜぃ!!
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