D’s——聖なる歯車   作:グレン×グレン

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 はいどうもー! 今のところ見切り発車と即興設定調整でいろいろ頑張っておりますグレン×グレンです!

 やはりこのスタイルがあっているようですが、オリジナルで書くのは大変だよなーと悩み中。……なんかいいアイディアでもひらめきたいところだぜー。


第二章 旧魔王という象徴
第一話 帰郷のグレモリー


—月宮光希—

 

 

 

 

 

 

 

 

 さて、ついにこの日が来たわね。

 

 ……あの後、アザゼル先生はサーゼクス・ルシファー様より一つの言伝をもらっていた。

 

 グレモリー眷属の女性メンバーは、兵藤一誠の家で生活する事。

 

 これに対して、私は厳罰覚悟で異を唱えた。

 

 女の子だけはどう考えても差別だし、何より兵藤家はそこまでの広さはないだろう。

 

 あの魔王様、私が巻き込まれることを失念していたのでしょう。とりあえずグレイフィアさんにツッコミは入れておいたわ。

 

 結果として兵藤家の大改装が決定。ただし男衆が日和りやがったので、私は光也に縋りつく勢いで同居を押し切った。

 

 ……ギャスパーめ。集団生活にビビっちゃって。仕方ないとはいえ、祐斗をフォローにつける形で別件で同居させるしかなかったわ。

 

「で、ここがイッセーの家?」

 

「改装するとは聞いてたけど……ね」

 

 私と光也は、その家を見上げてため息をつきたくなった。

 

 あの、これもうビル!?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 とりあえず荷解きを終えると、祐斗とギャスパーも来たのでミーティングがスタート。

 

 というのも、駒王学園が夏休みに入ることもあって、オカ研全体の動きを見直す為だ。

 

 まぁ、夏休みだからバカンス……なんてことはないのだけれど。

 

「そういえば、人間世界と現魔王政府の連携はどうなりましたか?」

 

「元々契約活動を行ったこともあって、その辺りは落ち着いているわ。もっとも、世界全体で観ると体制を整えるのに苦労しているようだけれどね」

 

 私がお嬢に確認しているのは、今の世界情勢。

 

 ……数日前にバチカン市国、というよりローマ教皇が声明を発表。

 

 ここでいきなり派手に動いて、ローマ教皇は天使長ミカエル様に降臨してもらい、連名で声明を発表。

 

 襲撃組織ディーザストラは、様々な異形との連携を行い人間世界に外意をもたらす存在として神敵認定。加えて対抗する為、各神話宗教勢力との和平を発表。その中に悪魔や堕天使まで入っていることを公表した。

 

 一歩間違えれば大混乱だけれど、既に大ピンチになっていることもあってここはある程度まとまっている。最も、積極的な交流は避ける方向になっているけれど。

 

 それに伴い悪魔が行っている契約活動もそれとなく伝え、和平に伴い監視の類も進むことを伝えている。

 

 またその際、日本天皇家と連携をとることを正式に発表。彼らは確かに異教とはいえ神の血を引いているとして、第二次大戦期の敗戦に基づく各種発表を間違いとして訂正することも発表している。

 

 ……否応なく、世界は異能や異形と関り合いながら進んで行くことになるんでしょうね。そうしないともうやっていけないレベルになっている。

 

 実際、ディーザストラに呼応して周囲を制圧した者達は、ディーザストラの協力で中核となる要塞ともいえる塔を設立。有効射程数十キロの火砲で軍事侵攻を防ぎ、展開されている結界は核攻撃すら減衰し放射能をさっさと除染する始末。大規模軍事動員など不可能な現状では、軍事的奪還は無理といえる。

 

 日本でも同様の事態はいくつか発生しているけど、国家中枢がマヒしなかったことから警戒態勢に入っている。五大宗家が中心となって監視を行いつつ、自衛隊を国防軍に改名したり憲法の大規模改正を発表するなど、現実に合わせたすり合わせを順次行っている真っ最中だ。

 

 ……その過程で色々とありそうだけど、果たして今後はどうなるのか。

 

 少なくとも、数十年は世界は揺らぎ続けるのでしょうけど……ね。

 

「とはいえ、私達は私達で忙しいわよ。なんていったって、私は一旦家に帰るもの」

 

「………えぇえええええええええっ!?」

 

 お嬢の言葉にイッセーが驚愕しているけど、これなんか勘違いしてないかしら?

 

「あ、夏休みだし里帰りですか?」

 

「ええ。毎年夏休みは一旦家に帰ってるのよ」

 

 光也がそれとなく確認して、お嬢が素直に肯定してくれたことでイッセーは落ち着いたわね。

 

 というか、安堵のあまり涙まで浮かべてるわね。

 

「よ、よかった~。てっきりもう二度と戻ってこないのかと……」

 

 むしろ、なんでそのレベルで恐怖しているのかしらね。

 

 正直私は呆れているし、お嬢も苦笑してるし。

 

「もう。私達は万年単位で一緒なのよ、イッセー?」

 

 お嬢。そういうセリフは告白してから言ってください。

 

 そのつもりで何の言葉にもしてないのはそれはそれで……いえ、割と言っているわね。

 

 あれ、イッセーってもしかして重度の鈍感? ラノベの主人公見たいな難聴と脳内変換してないかしら?

 

「それに、眷属であるあなた達にも付いて来てもらうわ。そのついでと言っては何だけれど、一度鍛え直して今後にも備えましょう」

 

「そうですね。僕も禁手になれるだけでなく、剣術も鍛え直したいです」

 

 祐斗が特にリアスに呼応してやる気を見せているわね。

 

 まぁ、禁手に到達するだけでも偉業とはいえ、それがまだまだ未熟だと言われたんで気合が入っているんでしょう。良い事ではあると思うわね。

 

 というより、私達は本当に鍛え直さないといけないでしょう。

 

 地崎・明日香・ルシファーに白龍皇ヴァーリ・ルシファー。

 

 二人のルシファーと因縁を持つ私達グレモリー眷属は、それに対抗する戦力が必要不可欠だもの。

 

 相応の直属部隊がいてもおかしくないし、そもそもヴァーリは凄まじい強さを持っている。今後を踏まえると、挑まれてもいいように鍛えておかないと。

 

 ……問題は、どうやって鍛えればいいのかだけどね。

 

 私や光也、イッセーにギャスパーとしてアーシア。私達は禁手に到達するというチェックポイントはある。ただしそれは簡単にできるわけがない。

 

 そもそも到達することが偉業。例えるならあれよ、ジャンプ漫画の卍〇とか〇サイヤ人。

 

 ……あれ、結構使える奴が出てきそうな気がしてきたわね。例え間違えたかしら?

 

 とはいえ、イッセーは至らないと話にならないでしょうけど。ヴァーリの奴、覇もある程度なら制御できるって話だもの。

 

 ……さて、問題は。

 

「ところで総督。無断侵入は大抵の国で犯罪ですよ?」

 

「失敬な。親御さんにはお土産も渡したぞ?」

 

 このダメ総督をどうしたものかしらね。

 

「……え、何時の間に!?」

 

「普通に入っただけだっての。気づいてないのは修行不足だ」

 

 お嬢も驚いているけれど、多分本気は出してない程度でしょうね。

 

 総督はなんだかんだで年季の入った歴戦の戦士でもあるわけだし。それぐらいは呼吸するレベルでできても不思議ではないわ。少なく見積もっても二千年は生きてるでしょうしね。

 

 ……ま、それはそれとして。

 

「というか、アザゼル先生はどうするんですか?」

 

 と、スケベなこともあって意気投合していたイッセーがそう聞くと、アザゼル総督はあっさり頷いた。

 

「おう! ついでだし悪魔流の移動を経験しようと思ってな。興味があったんだよなぁ~」

 

 なるほどなるほど。

 

 ま、それはそれとしてね。

 

「総督。ついでなんで教導メニューでも組んでくれません? オカ研の顧問なんですから合宿のノリで」

 

 いい機会だし、その辺の指導もお願いしたいわね。

 

「皆も組んでもらいなさい。なんだかんだで年季があるし、人にものを教えるのも得意な人よ。私も結構強くなったしね」

 

「ま、お前さんはやる気満々だったしな。座学も実技も基礎を重点に鍛えてたから、応用を教えれば結構伸びたもんだ。……ま、今後を考えると一回見直した方がいいかもしれないがな」

 

 私の言い草に満更でもない総督は、そのうえで見渡した。

 

「禍の団に対する諜報活動の結果、ヴァーリ・ルシファーは独自の小規模チームを、地崎・明日香・ルシファーは中規模派閥で小部隊を率いていることが発覚した。まだ詳細は分かってないが、どちらも粒揃いとみなされている」

 

 ……っ。

 

「つまり、明日香もかなりできる戦力を持っていると?」

 

「ヴァーリの奴もですか!?」

 

 光也もイッセーも息を呑むけれど、本当にね。

 

 総督は頷くと、私達を見渡した。

 

「奴らの動きはあまりに急激で、何時どのタイミングで仕掛けてくるか読めないところもある。どうも人間世界はある程度混沌と荒廃に満ちるようにしたいらしく、大半の犯罪市組織は武装をいくらか提供しての放し飼いらしいしな」

 

 厄介ね。何を考えているのかしらね。

 

「そういうわけで、お前達も戦力としてはともかく自衛の為に鍛える必要があるだろう。訓練メニューは考えておくから、心構えだけはしとけよ?」

 

「当然ね。弱いままなんてうんざりだわ」

 

 お嬢がそう言う以上、これはかなりのトレーニングを積むことになりそうね。

 

 いえ、それは望むところだわ。

 

 明日香……貴女に、私はしなければならないことが多いもの。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

—月崎光也—

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「冥界って、列車で行くのが悪魔の貴族なんだね」

 

「俺もびっくりです」

 

 イッセー君と一緒に、列車に揺られながらの冥界旅行に困惑気味な俺だった。

 

 駒王町の最寄り駅に話を通し、現地の悪魔専用に地下ホームを作っている時点で中々だけどね。更に専用の列車を保有するとか、流石は元七十二柱の次期当主。スケールがかなり違う。

 

 てっきり転移で行くのかとも思ったけど、こういうのも風情があるんだろうか?

 

「転移で行くこともできますが、まだ冥界に行ったことがない眷属はこういうルートで入ることで登録する必要がありますの。出ないと違法になるので捕まりますわ」

 

「なるほど。確かに納得だね」

 

 段取りというのは重要ってことなんだろうね。特に転生悪魔は冥界の生まれじゃない人も多いのは、俺達を見れば分かるし。

 

 一度正式な形で冥界に入る儀式をする。この手間をあえて踏むことが秩序を維持するんだろう。

 

 そう思っていると、イッセー君は微妙に顔色が悪くなっているようだ。

 

 乗り物酔いかと思っていると、朱乃ちゃんはクスクス笑っている。

 

「フェニックス家との決闘は、サーゼクス様による特例が成立してますわ。イッセー君は捕まりませんわよ」

 

「そうですか、よかったぁ~」

 

 な、なんか色々あったみたいだね。

 

「あの時は無事を祈って何度も痛かったです」

 

「僕も話を聞いて震えてました~」

 

 アーシアちゃんとギャスパー君が、なんかよく分からない共感を覚えていた。

 

「で、何かあったの?」

 

「ええ。リアス部長は元々納得がいってない許嫁の問題があったんですが、最終的にイッセー君が婚約者のライザー氏を一騎打ちで打倒する形でご破算にできまして」

 

 と、光希が祐斗君から聞き出していた。

 

 なるほど。貴族ともなると婚約問題も大変だったのか。

 

「とはいえ、仕方ないところもあるしややこしいことになるかもね。それだけの理由があってのことだとは思うけど」

 

 お嬢は我が儘なところもある。ただ年相応のお嬢様と考えると、むしろ物の道理は分かっている方だろう。最低でも、かつての俺や光希よりよっぽどね。

 

 それが嫌だっていうと、相当の不満があったんだろうね。もうちょっと素直に相談するのもアリではないかと思うけど。……ジオティクス様は、納得できる理由なら分かってくれそうな雰囲気だし。

 

 そしてイッセー君は、ちょっと首を捻っていた。

 

 あれ、何かあったのかな?

 

「どうかしたのかい?」

 

「いえ、実は理由を聞いた時のことが引っ掛かって」

 

 なんだろうか?

 

 それとなく促すと、イッセー君は教えてくれた。

 

 ……リアスのお嬢が結婚する相手に求めるのは「グレモリーのリアスではなく、リアス個人を愛してくれる人」だそうだ。

 

 これはまた、貴族同士だと難しい。家という概念と深く付き合う必要がある立ち位置だし、お嬢の本家次期当主という肩書を意識しないなんて不可能に近い。

 

 本人も我が儘だと分かっていて、それでも捨てきれない願いだったらしい。これは親にも言いづらい。

 

 で、業を煮やしたご両親は、本来交わしていた約束を反故にしてレーティングゲームでの決着を持ちだした。それはお嬢達が負けたけど、サーゼクス様がワンチャンを用意し、イッセー君がそれを掴み取ったと。

 

 ただし、問題が一つ。

 

 イッセー君、「俺はリアス部長のこと、個人として好きですよ」なんて言ったらしい。

 

 その時の反応が妙だったと思っているようだ。

 

 そんでもって、相手のライザー氏が「もう殺すしかないだろう」と業を煮やしてしまうぐらい粘ったらしい。

 

 とどめにその後の一騎打ちを、左腕をドライグに捧げて得た禁手で挑み、それが終わっても機転を利かせて何とか勝利。その後思いっきりカッコいいことを言っちゃっていた。

 

 ちなみに落ち込み気味のお嬢に「貴方の為ならいくらでも同じことができる」みたいなことを言ったらしい。

 

 ……数え役満って、こういうことを言うんだろうなぁ。

 

 早めに自覚して責任取ろう? 後ろから刺されるよ?

 

 でも言うのもなんかなぁ。もうちょっと様子を見てからでいいよなぁ。

 

 そんなことを思いつつ、うかつにつつかれたくないので視線を逸らす。

 

 ……なんか明らかに思い詰めている様子の小猫ちゃんが見えた。

 

 なんだろう。多分冥界でもひと悶着ありそうな気がしてきたぞ?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 そして、俺は中々に衝撃的な出来事を連続して受ける。

 

1:グレモリー家の領地が日本の本州レベル。あと俺達も領地を貰ってしまったので、今度キャンプ場でも作ってみようかと考え中。

 

2:駅に着いたら大規模な歓迎を受けた。国王の結婚祝いとか戦勝国の凱旋パレード?

 

3:連れてこられたのは「お城の一つ」とのこと。あの、大阪城とかより大きくないですか?

 

4:お嬢の甥っ子であるミリキャス様に、母親であるヴェネラナ様を顔合わせ。ヴェネラナ様、お嬢と同じ外見年齢はいいんですかと思ったけど、全力で表に出さないようにしました。

 

5:お嬢のご両親、お嬢以上にイッセー君を婿入りさせる計画をガチ薦め中。

 

 ……なんか凄い事になり過ぎてないでしょうか!?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 あと、その次の日である今日からイッセー君が冥界の勉強をすることになったので、ついでに俺や光希も勉強中。

 

「よかったんですか? アーシア達は観光してますけど」

 

「興味はあったけどね。ただ、俺も光希も年長者側だろ? その手の先入観対策だよ」

 

「新米とはいえある程度は、悪魔側の世俗や常識知ってるだろうって思われそうってことよ」

 

 座学を受けながらイッセー君にそう返すけど、実際重要だしね。

 

 本家次期当主の眷属となると、それなりの品格を求められるかもしれない。特に俺と光希は人間界だと成人してるし社会人。新米だからとなめくさり、知らずに非常識極まりないマナー違反をするのはまずい。

 

 むしろ年下のフォローができてこそと思われる可能性もあるしね。その辺は気を付けないと。

 

「お嬢はともかく、大王派とかの貴族はうるさいのもいそうだもの。フォローされないで済ませる程度の最低限のマナーや知識は必要でしょ?」

 

 光希はそう言いながら、結構なレベルで頭に叩き込んでいる。

 

 相変わらず勉強が得というか、呑み込みが早い部類というか。一言われたらちゃんと一を知れるのは十分凄いと思う。

 

 ま、俺も負けてられない。最低でも三も言われないうちに覚えとかないとね。

 

「ふふ。リアスお嬢様はよい下僕をお持ちになられた。成績は三者三様ですが、学ぼうという強い意識を感じられます。若も、勉学が不得手にしてはいい成績です」

 

 教師役の人がそう褒めてくれるけど、まぁ俺達も頑張らないとね。

 

「あの、若ってなんです?」

 

 でもイッセー君は流石に気づこうか!?

 




 そういうわけでヘルキャット編突入です! 
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