D’s——聖なる歯車   作:グレン×グレン

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 なんかただでさえ少ない読者の数が急激に減った気がするので、刺激をもたらすべく朝に投稿しています。

 ……くっ! 頑張るぞ!!


第七話 スーパーエクスカリバー大戦2013

—兵藤一誠—

 

 

 

 

 

 

 

 バルパー・ガリレイが禁手で、エクスカリバーの力を振るえる騎士団の創造だって!?

 

 禁手ってのはそんなことまでできんのかよ!?

 

『あり得るな。禁手とは神器の上位形態であり、大抵の場合は派生する形で新たな力を得る。俺の場合は基本的に、鎧を纏うという形で至るようにな』

 

 な、なるほど。聖剣創造の場合は聖剣以外も作れるようになるってことか。

 

 そんな禁手に至ったバルパーは、得意げに笑っている。

 

「奥の手だが隠すのは苦労したものだ。私の禁手はエクスカリバーが無くては禁手としては片手落ちでな? 研究者ゆえに武人としての才がないことを逆手にとって誤魔化せたのは行幸だった」

 

 悪党丸出しの笑いっぷりをしながら、バルパーは気持ち悪い笑顔でエクスカリバーを撫でる。

 

「そして教会の連中が用いた技術と組み合わせ、私のエクスカリバーはより高まった。この聖剣フォースカリバー、エクスカリバーを完全に復活させるまでの繋ぎには十分―」

 

「そんなことはさせないわ!」

 

「尻ぬぐいはさせてもらう!」

 

 言いかけたバルパーにイリナと光希さんが切りかかるけど、バルパーはエクスカリバーを仕込んだ聖剣でそれを受け止め弾き飛ばす。

 

 おいおいマジかよ。イリナだってエクスカリバーを持ってるし、光希さんの聖剣もやばいオーラを放ってるぞ?

 

 あれが四本+αの力だってのか?

 

「ぬかせ。今のお前達でこの聖剣を打倒できるものか」

 

 バルパーは呆れた風に言いながら、イリナの持ってる聖剣を見る。

 

「エクスカリバーを中核とし、疑似的に作った他のエクスカリバー擬きと共振させる。コンセプトは同じだろうが、仕込んでいるエクスカリバーの数が違うのだよ」

 

「くぅ! シースカリバーの仕組みに気づくなんて、異端者のくせに!」

 

 不満げにしているイリナをしり目に、バルパーは光希さんの持っている聖剣を見る。

 

「そしてクロスカリバーでは勝てぬに決まっているだろう。全てデータを基にした紛い物で構成されている以上、本来本家の足元にも及ばぬしな」

 

 そう言いながら、バルパーが見てるのは光希さんの聖剣の真ん中辺り。

 

 よく見ると、そこの輝きがなんていうか陰ってるというか曇ってるというか。

 

 ついでに言うと、どこかヒビが入っている感じがする。破損するレベルでのダメージが入ったのか?

 

「そしてあと一回程度だろう? クロスカリバーの活性化機構は、六回で刀身が持たなくなる。そもそも技術的に当面解決できぬが、リロード機能もないしな」

 

「痛い所をついてくれるわね……っ」

 

 光希さんも反論できてない! これってかなりやばいのか!?

 

「舐めるな! だったら準神滅具で―」

 

「おっとぉ! なら準神滅具同士で最高バトルとかいったしまっしょ~!」

 

 光也さんが割って入ろうとするけど、フリードが邪魔してきてどうにもできてない。

 

 木場も相当消耗しているし、このままだとまずいだろこれ。

 

「ふざけるな……っ! 成果を上げることなく、僕達を失敗作として……処分しておきながら……っ!」

 

 血涙を流しそうな勢いで睨みつける木場に、バルパーは少し首を傾げてる。

 

「……ああ、そういえばそういうことになっているのだったな。……訂正しよう、貴様達は失敗作でなく抜け殻だ」

 

 そう言いながら、バルパーは懐から何か結晶のような物を取り出した。

 

 なんだ、あれ?

 

 俺は首を傾げているけど、イリナは目を見開いていた。

 

「それは!? 人工聖剣使い(私達)が聖剣使いとしての祝福を受ける時に授かる……っ」

 

「やはりミカエル共め。私の研究成果だけは使っているということか。……これは聖剣使いを人工的に作る為に必要な、聖剣使いの因子を抽出して結晶化した物だ」

 

 け、結晶? 抽出?

 

 なんかよく分からないことを言っているバルパーは、すっごい苦労した感じの表情になっている。

 

「私は聖剣エクスカリバーに魅了された幼少期を送り、聖剣を創り出す神器を生まれ持っていた。だが、天然の聖剣を扱う才能がなかったからだろうな。伝説の聖剣すら扱えるようになる研究に邁進した」

 

 そう言いながら、バルパーは結晶を愉快そうに手で弄んでいる。

 

「私の研究は成功した。聖剣使いの素質とは、すなわち一人一人が生まれ持つ因子の量によって決まる。そしてそこから派生し、必要量の因子を他者から抽出して集めるというアプローチを思いついたのだ」

 

 つ、つまり? 人工的な聖剣使いって、臓器移植とか輸血とかのノリでなるってことか?

 

「だがそれは、抜き取られたカスができるということだ。ゴミを処分しただけで追放し、成果だけは掠め取るとはな。抜け殻を生かしておくなど無駄だろうに……ミカエルもアザゼルも度し難い」

 

「度し難いのはあんたの方よ。恩恵がでかいからお目こぼしをもらっただけだって自覚もないみたいね」

 

 舌打ちをしながら、光希さんは聖剣と楯を構えている。

 

 ただ、バルパーは意にも介してない。

 

「フォースカリバーの足下に及ばず一回しか本領を発揮できないクロスカリバーに? 悪魔の駒を一駒分増やせる程度の贖罪の守護戦士(リグレット・レスキュー)如きで何ができる?」

 

 調子に乗っているバルパーの前で、木場は茫然としている。

 

 そうだよな。失敗作扱いで殺された挙句、同胞達の因子はあいつらに利用されている。そんなこと言われたら、誰だってショックを受けるだろう。

 

 俺だってそんな立場になったら、棒立ちになるぐらいショックを受ける。木場が今どんな気持ちなのか考えるだけで辛くなる。

 

「許せないわ! 仮にも主に仕えた者でありながら、幼子の命を奪って罪の意識がないわけ!?」

 

「本当に外道でよかったわ。身内を殺す後ろめたさとかを感じなくていものね!」

 

 イリナと光希さんが切りかかるけど、バルパーは騎士達を使ってしのいでいく。

 

 畜生! あいつらちょっと反則過ぎるだろ。

 

「チッ! 聖剣使い、なんか手札はないの!?」

 

「あるけど、今使ってもバルパーを押し切れるかって言われたら……」

 

「だったら俺が譲渡で……うおっ!?」

 

 ああもう! 光希さんやイリナに合流して譲渡を使いたいけど、フリードの神器が邪魔してきやがる。

 

 数十も敵がいる所為で、こっちも思い通りに動けない!

 

 リアス部長やイリナに譲渡でもすれば、形成をひっくり返す余地だってあるってのに!

 

「……そんな、皆が、こんな物に……っ」

 

「ふん。量産体制は確立しているし、冥途の土産にくれてやろう」

 

 バルパーが結晶を放り投げると、木場はよろよろしながらそれを手に取る。

 

 畜生。バルパーの野郎、俺だってぶちのめしてやりたいよ……っ!

 

「皆……皆……っ」

 

 結晶を取った木場の目から涙が零れる。

 

 それが、結晶に落ちて―

 

 

 

 

 

 

 

 

 

—Other—

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 一方その頃、山間部での戦闘は激化していた。

 

「流石に聖剣を最上級堕天使が持つと、しぶといですね」

 

 グレイフィアは聖剣を振るう最上級堕天使を相手に手古摺っていた。

 

 聖剣とは悪魔にとって天敵中の天敵の一つ。それを振るうのが最上級堕天使ともなると、流石に苦戦の一つもする。

 

 更に聖剣使いの介入もあり、若干膠着していると言ってもいい。

 

「まだだ! コカビエル様の邪魔はさせん!」

 

「くたばりやがれ、クソ悪魔が!」

 

 上級堕天使もしぶとく、またはぐれ悪魔祓いにも神器保有者がいる為手間取っている。

 

「……中々しぶとい。さて、どうしたものか」

 

「う~ん。こうなったら、思いっきり派手に動いた方がいいかな?」

 

 ヴァーリもデュリオも手古摺っている。

 

 勝とうと思えば勝てる。だが、同じように聖剣を持って底上げされているだろうコカビエルを考慮すると、ある程度余力を温存したい所もある。

 

 そう思った時だ。

 

『―繋がりましたか! ソーナ・シトリーです!』

 

 リアスと同じ学び舎に通う、ソーナ・シトリーの通信が繋がった。

 

『時間がありません。コカビエルはエクスカリバーを合一化した余波を用いて、駒王町を吹き飛ばすつもりです。時間は後に十分も残っていません。お急ぎを』

 

 その一方的な通信に、グレイフィアは内心で舌打ちする。

 

 コカビエルが神の子を見張る者最高幹部で唯一の戦争継続派なのは既に知っていた。だが、ここまで考え無しに動くとは思ってもいなかった。

 

 そんなことを起こされれば、否応なく人間界まで巻き込んだ混沌が起きる。最悪の場合、人間や他の神話まで巻き込んだ共倒れだ。

 

 それに便乗する手合いがいるのも呆れるが、これは時間をかけている余裕がない。

 

「まったく。ここまで先が見えない暴走をするとは思わなかった。これだから奴と話が合わないんだ」

 

 ヴァーリもまた、呆れた表情を浮かべているらしい。

 

 その上で、息を吐いてオーラを込める。

 

「ならいいさ。さっさとここを終らせた方がいいだろう」

 

「そうみたいだね。じゃ、俺も手札を切った方がいいかな?」

 

 答えるように構えるデュリオもまた、オーラを更に高めていく。

 

 ……その光景に、グレイフィアは思わず寒気を覚えていた。

 

 魔王クラスと言われる自分ですら、寒気を感じるオーラ。間違いなく魔王クラスのそれであり、下手をすれば超えるかもしれない。

 

 その事実に戦慄を覚えた時だった。

 

『『『『『『『『『『——ッ!?』』』』』』』』』』』

 

 その場にいる、強者の誰もがそれを悟った。

 

 強いオーラが駒王学園のある方から放たれる。

 

 問題は、そのオーラの質。

 

 聖と魔。相反するはずの二つのオーラが高まり、あろうことか混ざり合うように共振している。

 

 その在りえない光景に、誰もが一瞬目を奪われる。

 

「なるほど。これは来たかいがあったかな?」

 

 そう呟くヴァーリの楽しそうな響きが、やけに耳に残った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

—月崎光也—

 

 

 

 

 

 

 

 

 放たれるそのオーラを、あり得ないと思った。

 

 木場祐斗が禁手に至った。それはまぁいいだろう。

 

 世界の均衡を崩すだけの意思を持つことで到達するとされる、神器の究極形態。それを、彼は因子に宿る同志達の残留思念と共に到達した。

 

 問題はその到達した禁手だ。

 

 立ち上がる彼の手にあるのは、魔剣でもなければ聖剣でもない。

 

 聖剣の因子を取り込んだ魔剣創造が至ったのは、両者の融合。

 

 相反する要素であるはずの聖と魔が混ざり合い、一つの強大な剣として完成した。

 

禁手(バランス・ブレイカー)双覇の聖魔剣(ソード・オブ・ビトレイヤー)。同志達の想いが籠ったこの聖魔剣で、同じような犠牲者を生まない為にお前を討つ!!」

 

「馬鹿な……あり得るわけがない!?」

 

 驚愕するバルパーは、咄嗟に騎士を放つ。

 

 それぞれが天閃の聖剣の影響を受け、拘束で木場祐斗に襲い掛かる。

 

 その波状攻撃を、木場祐斗は一振りの聖魔剣で対処し撃破する。

 

 全ての攻撃を真っ向から迎撃し、聖剣ごと騎士達を両断した。

 

 ……これが禁手。性能が違いすぎる。

 

 い、いやいやおかしい。エクスカリバーの影響で底上げされているはずの聖剣を、真っ向から文字通り切り捨てるとか反則級にあり得ない。

 

「馬鹿な!? エクスカリバーの加護を受けた聖剣を断ち切るだと!? いや、そもそも天閃の加速をすべて見切ったというのか!?」

 

 狼狽するバルパーは、姿を消すと同時にいくつもの幻影を出して切りかかる。

 

 それをすべて一本の剣で捌きながら、木場祐斗は嘆息する。

 

「それが本物のエクスカリバーなら勝てなかっただろう。だが、まがい物で底上げしただけのその場しのぎに、同志達の想いが籠ったこの聖魔剣は砕けない!」

 

 そして一瞬でカウンターを振るうと、エクスカリバーを持ったバルパーの腕が切り落とされる。

 

「そして殺気も動きも単純だよ。おそらく型稽古ばかりで実践はおろか模擬戦も経験してないんだろうね」

 

 あ、なるほど。

 

 確かに型稽古だけだと、そういうことあるよね。

 

 俺も通信教育で武術も身に着けたけど、あっさり負けたからなぁ。組手って大事だよね。

 

 そういう意味では、バルパーは戦闘そのものは素人の毛が生えた程度。駆け引きがまったくない以上、それにある程度長けていれば戦いようはある。

 

 そこに禁手や聖剣をもってしてごり押しはできるが、それでも限界があるってことか。

 

「おいおいおっさん勘弁しろや! あんたやられたら俺っちの聖剣はどうなんの!? ストップ! おっさん退治ストーップ!!」

 

「させるわけないでしょ!」

 

 割って入ろうとするフリードに、投射の弾幕を叩き込んで足止めをしつつ、コカビエルの様子を確認する。

 

「……ほぅ。こういうことも起こりえるのか」

 

 何かに納得しているようだね。

 

 禁手に到達したことそのものには興味がなさそうだ。となると、聖魔剣という存在そのものに関心があるのか?

 

「くぅ……なめるなぁ!!」

 

 バルパーは追い込まれて動揺しているのか、無理やり騎士たちを具現化させるともに、破壊の嵐を巻き起こす。

 

 小技やピンポイントな手段では完璧に対応されると判断し、破壊の聖剣を中核としてのごり押しに変更したようだ。躱されても余波で削れればそれでいいという割り切りをもって、木場祐斗を抑え込みにかかっている。

 

 だけどあまりに甘すぎる。

 

「こっちを忘れるな!」

 

「アーメン! 裁きの時間よ!」

 

 光希と紫藤イリナが割って入り、騎士団を相手に翻弄を繰り返す。

 

 ここに来て、木場祐斗がバルパーの欠点を見抜いたことが大きく作用。的確な立ち回りで見事に捌いており、数の差を完全に抑え込んでいる。

 

 それでもバルパーは木場祐斗を相手にしのいでいたが、そんな木場祐斗の背中に触れる者がいた。

 

「やっちまえ、木場! ケリをつけろよ!」

 

「……ああ。ありがとう、イッセー君!!」

 

 イッセー君の譲渡を受けた聖魔剣は、あまりにも鮮烈なオーラを放つ。

 

 バルパーも、咄嗟に騎士団を祝福に切り替えてオーラを増幅させるが、それに勝るとも劣らない力だった。

 

「おのれ! エクスカリバーを、舐めるなぁああああああっ!」

 

「愚かなのは聖剣(エクスカリバー)じゃない、お前だ!!」

 

 その瞬間、エクスカリバーは綺麗に絡めとられ、打ち上げられる。

 

 そして次の瞬間、木場祐斗は聖魔剣をバルパーの首元に突きつけた。

 

「終わりだ。お前はあまりに危険で邪悪すぎる。同志達の仇であることを差し引いたとしても、生かしておけない」

 

 木場祐斗の冷静な死刑宣告は当然だろう。

 

 教会において必要性がまったくない子供の殺戮を犯す。その後反省もせず、新しい陣営でも同じことを繰り返そうとする。挙句の果てにそこすら裏切り、戦争を起こす為に関係性が薄い人間を数万人単位で町ごと吹き飛ばそうとする。

 

 極刑が存在する組織なら、間違いなく極刑が求刑されるだろう。

 

 だが、バルパーはそれが聞こえてないのか、虚ろな目だった。

 

「ありえん……ありえんぞ。聖と魔は反発するのだ……混ざり合うなど、たとえ神滅具であろうとありえない……」

 

 相当、聖魔剣の存在が衝撃だったらしい。エクスカリバーを心の支えにしていたのが、敗北のショックで崩れたと見える。

 

 俺は門外漢だけど、まぁ確かに聖魔剣って相当のイレギュラーではあるんだろう。研究者、それも聖剣を専門的に扱っていた者として、衝撃的な出来事だということか。

 

 その時、バルパーは急にハッとなった。

 

「……そうか、そういうことか!?」

 

 な、なんだ!?

 

 急に天啓を得たかのような、そんなレベルでバルパーは何かを悟っている。

 

 自分の命の終わりが迫っていながら、それを完璧に忘れている。それほどの事実に気づいたとでもいうのだろうか。

 

「聖と魔。その力を司る存在が滅びたことで、バランスそのものが崩れているのか!? 大戦で、四大魔王だけでなく神も―」

 

 そんなことを言い出したバルパーの胸から、光の槍が突き出た。

 

 ……あまりに流れるような動き。そもそもの動作の速さ。そして何より、殺すという意思もなくただ雑草を刈り取るような無造作の感覚。

 

 それが絡み合い、僕達全員が反応し切れずバルパーは即死した。

 

 っていうか、ちょっと待て

 

「どういうつもりかしら、コカビエル?」

 

 リアス・グレモリーが問い質した通り、バルパーを殺したのはコカビエルだ。

 

 ……本当に、どういうつもりだ?

 

「……いかんな。情けない真似をしたとはいえ、奴の研究はそれなりに役に立ったのだが」

 

 そしてコカビエル自身、失策だと思ったらしい。

 

「何分最重要機密事項に触れようとしていたので、つい癖で殺してしまった。いかんな、そもそも戦争を起こすのなら、隠す必要はなかったのだが」

 

 一瞬バルパーに同情しそうになった。

 

 ただ、問題は別のところにある。

 

 即座に殺すのが癖になるレベルで、隠しておかなければならない最重要秘匿事項。バルパーは聖魔剣を見たことでそれに思い至った。

 

 死ぬ前の言い草から考えると、本当にヤバいネタな気がするよ。

 

 うかつにつつかない方がいいと思い、俺は指摘しないようにするけど、そうでない人もいた。

 

「……まったくもってダメな人達ね! 可哀そうだけどバルパーもバルパー。四大魔王と神が同じみたいなことを言ってたけど、全然違うのに!」

 

 プリプリ起こっている紫藤イリナだけど、何かが引っ掛かる。

 

 そうだ。バルパーは四大魔王と聖書の神を同列に扱っていた。

 

 そしてかつての大戦と言った辺り、つまるところ亡くなった初代四大魔王と同じ括りにしていたのだろう。

 

「主は天で私達を見守っておられる以上、ここであなたの好きにはさせないわ! 覚悟しなさい、コカビエル!」

 

 紫藤イリナの言い分があまり耳に入ってこない。

 

 いや待て。だとするならなんかヤバイ可能性が思い至る。

 

 俺がどこか寒気を覚えた、その時だった。

 

「なんだ。教会は俺を倒しに来た奴に奴が死んだことも知らせてないのか?」

 

 呆れたコカビエルの声が、俺の予感に具体的な形を与えてしまった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 駒王町が吹き飛ぶまで、あと十五分を切っていた




 ふっ。所詮バルパーは研究者。奴は中ボスが関の山なのだよ。

 もっとも、コカビエルも強化武装があるのでここからが大変ですけどね!!
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