作者「ダメ」
槍山「ひゃあガマンできねぇゲイボルグ!」
模擬戦闘訓練、一発目は第六天魔王爆豪勝己チームと我らが上様チームがぶつかった。
過程を語るよりも先に結果を伝えると上様の勝利で決着して終わりでござる、そのバトルは筆舌に尽くし難い青春と若さのぶつかり合いだったのでござる。
いやー上様の個性もオールマイト並の一撃を繰り出せるしそれに対する第六天魔王の一撃も恐ろしいものだった、指向性収束爆撃でビル半壊したでござるからな? 人が死ぬ攻撃だったでござるからな!? 肝ヒエッ冷えで2回目の転生しそうだったでござるよ
「よーし、それじゃあ次のチーム……ヒーローはこいつ等だ! 轟くん&障子くん! ヴィランはー……槍山君だ!」
あっお腹痛いでござる……
★
「槍山……か」
「どうした轟」
「奴は未知数だ……何をするかわからない、読めない。気をつけろ障子」
「分かった、警戒は強くしておこう」
★
と言うことで某はたった一人ヴィランとして立ち向かわねばならないのでござる、防衛と確保と牽制といくら自陣に引き込むからと言って、オールマイトがバックで指示してくれるからと言って、正直勝てるビジョンないでござるよ。いつも通りだと。
『あーあー、マイクテスト。槍山くん聞こえてるかい!』
「感度良好でござるよ、オールマイト」
『じゃあ君はヴィランとして建物内にトラップや仕掛けをしよう! 私から助言するなら入口付近や天井の隅など死角になりやすいところかな!』
「ほうほう」
『奇襲や脅しも交えて数的不利を覆そう!』
「……オールマイト殿、某は正面から挑もうかと思っているでござるよ」
『本気かい? 不利を覆すにはちょっと無理があるよ』
「各個撃破したいところでござるが某の個性では片方だけ足止めするなんて器用な事出来んのでござる、授業であることも鑑みてそれがベストな判断かと思いまする」
『なるほど……うん、ならその意見を尊重しよう、だったら二人を相手取り戦うコツを』
「どちらも視界から外さない、でござるか?」
『……君も意外と八百万さんタイプ?』
「アクションゲームの教えでござる」
『そゆこと! ならあとは実践してもらうだけだね! がんばれよ!』
通信終わり。オールマイトからハンデとして事前に伝えられているのはヒーロー側の個性、『半冷半燃』と『複製腕』。実際に見たことはないが名前から推測するに厄介なのは半冷半燃の方、複製腕は身体機能の延長線から抜け出せないが半冷半燃はヤバい、属性使いは総じて強キャラでござるよ! メメタァ!
「某も一人故、被害を気にする余裕は無いでござろうな……あらかじめ謝罪するでござるよ」
屋上に陣地を構え、ここを決戦の場とする。
★
“ヴィラン”槍山影新。
“ヒーロー”轟焦凍&障子目蔵。
「屋内演習! スタァート!」
オールマイトの宣言をもって戦いの幕は切って落とされた。
ヒーローチームはヴィランの潜むビルへ入る、まずは障子が索敵を行う。
両腕合わせて六本、その腕の先には耳や口を複製し情報を拾い上げる。彼はすぐさまヴィランが屋上にいる事を確認した。
「轟、屋上に槍山がいる。動く様子はない」
「だろうな……下手に動いて隙を突かれる訳にはいかないだろうからな……トラップも当然考えられるが……関係ないやり方をすれば良い」
「何をする気だ?」
「一旦外へ出ろ、凍るぞ」
障子から居場所を聞いてから轟は中に入り、入口付近で個性を発揮する。その瞬間から彼の左半身が氷に覆われ大気が凍るほどの冷気を発している、障子はこれから起こることを察して言われた通りにビルを出た。
轟は出た事を確認すると天井、壁、床全てをビルの一棟丸々全て凍てつかせた! 瞬間的に発せられた凍結能力は離れていたモニタリングルームへも冷気を伝え、ビルを中心に氷河期が来たとさえ錯覚する気温の変化を引き起こしたのだ。それが彼の個性の一つである事は脅威的であるとしか言えない
「行くぞ障子……核爆弾を確保する」
「あぁ……(流石特待生……ここまで差があるか)」
障子が心の内で驚嘆しつつも轟の歩みに合わせ核爆弾を確保するために屋上へ向かう、登ってくるまでにそれぞれの階層が完全に凍り付いた事を確認すると轟の個性の強さがより際立って見えた。
「ついた、屋上だ……流石に日の当たる場所は少し凍結が緩いか」
「それでもこの有り様は驚きだが、いいスケートリンクになるぞ」
ヒーローチームは何事もなく屋上へ辿り着く、目標の核爆弾は目線の先にしっかり確認できる、見事に凍り付いて霜がついているが。
そして核爆弾の近くには突き刺した槍に背中を預けて奴が立っていた、余裕綽々と見て取れるが……果たして。
「やっぱり凍らなかったか、さしずめ個性について聞いていたな」
「ハンデでござるよ」
「だが二対一なんだ抵抗は無駄だぞ。轟、俺が前に出る」
「いや俺が一人でやる、足場が凍結した今、俺が一番有利だ」
障子の提案を蹴って凍結した床を滑りながら槍山に向かっていく轟、その手に冷気を集め一瞬で凍結させようと考えているのだろう
対する槍山の方は凍ってはいないものの凍結した足場では踏ん張れない事が分かっているのか動く気配はない。
「(動く気配はない……、ギリギリで避けようとしている? いや全部凍らせたらいい)」
スピードスケーターより速く強い蹴りで滑りながら貯めていた冷気を解放して槍山の数メートル先から核爆弾までを全部凍結していく、手元から段々大きくなる氷の津波が押し寄せてくる光景は槍山にとって恐怖だろう
「決まりだ」
轟は決着を確信した……が
「ルーの槍、解放」
その一言で凍結の波は槍山を避けていった、いや凍らせる事が出来なかった。彼の手に収まる槍が高熱を発して彼を護っていたのだ。冷気が中和されるとその熱も収まった。
「何だそれは……? 熱を帯びている槍かっ……?」
「槍山の個性は槍じゃないのか……っ?」
「ンッン〜障子殿ぉ、某は今ヴィランでござるよ〜」
その言葉を話す頃には槍山は半異形とも呼べる姿になっていた、髪は獅子のたてがみとなり手足が獣のように変化している
「轟殿覚悟っ!」
「来る「なんつって」っ! 障子下がれ!」
「槍が来るっ!?」
何も無い空間に手を伸ばし槍を空間から召喚すると素早く轟を狙うように見せかけ障子へ槍を投げた、投げた瞬間から速度をぐんぐん引き上げ空気を割って進んでいく
「体力テストの時の……っ!」
「その心臓、もらい受けるでござるっ!」
鋭く速く軌道を読ませまいとジグザクと飛んでいき障子の心臓の場所を正確に射抜いた、胸を貫いて背中側から飛び出した槍は地面へ突き刺さり障子を地面へ固定した。
「がぁ……かはぁっ……」
「槍山ぁっお前ッ!」
「別に死んでないでござるよ。アレは呪いの魔槍……貫いて動きを止める槍でござる……ただめちゃくちゃ痛いのは認めるでござるよ、継続的にタンスに小指ぶつけるくらい痛い」
「ああああああっ!!!! 痛えぁぁぁぁ!!! 小指が無くなりそうだぁぁぁぁ!!!」
「暴れるともっと痛いでござる、大人しくされよ」
障子の絶叫が響く……それに残酷な見た目に反して障子自身は余裕そうなので槍山言う通りなのだろう。
「さぁどうするでござるか? 単独行動のせいで相方一人いなくなったでござるよ!」
「なら俺がお前をさっさと倒して終わらせる」
「氷の男でござるな……しかしその氷には不純物多し……とな」
「うぜぇ言い回しだ……っ」
二人は改めて顔を突き合わせる、ここからは第2ラウンドということだろう
次回!槍山と轟の決着!予定!