某、槍のヒーロー、でござる   作:テムテムLvMAX

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理性「安易に主人公と絡ませるのはやめたまえ!」

本能「本編に絡ませる一番楽な方法だろ!」

理性「それもそうか」

本能「うん」


ヤリやり槍ヤーその4

「あっ自己紹介がまだだったね、ぼ、僕は緑谷出久、よろしくお願いします!」

 

「某は槍山影新。気軽にエイシンちゃんと呼んでもいいでござるよ」

 

「ちゃん!? 女の子なの?」

 

「時代はグローバル、オタクは己の性別を気にしないのでござる」

 

「なんか、変な方に悟り開いてるね……アハハ」

 

 

 あの謎の少年、またの名を緑谷出久という少年は某と同級生であった。通う中学は流石に違うが年齢や目指す所が一緒だと言うので意気投合、そして何より少年は……、いや緑谷大先生はヒーローオタクである。某もそれなりにヒーローを推し活していたが緑谷大先生はそれ以上に造詣が深く、また豊かな引き出しの多さと解析をしておられたお方。ガチ勢とはこの緑谷大先生のためにある。

 

 

「ということでよろしくお願いするでござる、大先生」

 

「だ、大先生だなんてやめてよ〜」

 

「では殿? それとも主上でござるか! 上様でも構わぬでござる! とにかく! とにかく緑谷大先生の事を敬いたい!」

 

「分かった! 分かったから! そんなに押して来ないで〜!」

 

「ではなんとお呼び致すのがよろしいでござるか?」

 

「えーじゃあ、上様かな?」

 

 

 よし! 今後は上様としよう! 

 

 

「某、上様に教えを賜る所存、何卒よろしくお頼み候」

 

「うん、よろしくね(ジャンル違うだけで僕と同じだね……オールマイトもこんな気持ちだったのかな……アハハ)」

 

 

 仕えるべき主が一人決まってしまったな、いやー某は真に運が良い、そして更に

 

 

「なんだか青春なのか時代劇なのかわかんないけど兎に角良かったね!!!」

 

 

 オールマイト、このお方もまた凄まじく。

 

『さっきの槍ボーイの個性使用、見なかったことにするから私のお願いを聞いてもらおうかな!』

 

 なぞと、温情頂いた。某からすれば個性使用を見逃してもらえたその上オールマイトからの頼み事という2つの得がある。ヒーローの上澄みの上澄みであるオールマイトは流石でござるな。とても真似できるものではないでござる

 

 

「じゃあさ、この緑谷少年の応援をしてあげてほしいんだ! もちろん君も一緒に海岸掃除しながらね! 個性使った分はこれでチャラさ!」

 

 

 と言うのがオールマイトの頼み事でござった。

 なんでも緑谷少年とオールマイトは個人的な知り合いらしく、それ以上の隠し事していそうであるが、藪を突いて蛇が出ても嫌なので触れないでおくに限る。

 

 

 

 

 

 

 

 ★

 

 

 

 

 

 

 季節は早く過ぎ去り、光陰矢のごとし。

 某が上様と出会い、季節は冬に突入した。

 

 ゴミが溢れかえっていることで有名だったこの海浜公園も某と上様の活躍によりその数は減っている、砂浜がその美しさを取り戻すその時が楽しみでござる

 

 早朝からゴミ掃除を兼ねて筋トレ、走り込み、筋トレ、そして今は休憩タイム、上様の個性は一体何でござろうか。やはり増強系なのでござろうな、アレは体が資本でござる

 

 

「ねぇエー君」

 

「何でござるか上様」

 

「いやね、エー君がなんでヒーロー目指すか気になってさ、良ければ教えてくれない?」

 

 

 某の理由でござるか、ヒーローになる理由……

 

 

「崇高な事は何も無いでござる、力があるから活かしたい、人の役に立ちたい、主人公になりたい、それだけでござる」

 

「え? 主人公?」

 

「某、巷のヒーローよりも物語の中でもがく主人公に惹かれるでござる、仕事とか他人の目線を気にしてヒーローになるのではなく、気がついたらヒーローと呼ばれていた……そんなような主人公でござる」

 

「なるほど、生き様でヒーローになろうとしているんだね」

 

「然り。そうなりたいと言う欲望全開でござる」

 

「最後のそれが無ければカッコ良かったのに!?」

 

 

 オタク故、カッコつけたままだと居心地が悪いでござるよ。

 カッコつけるのは上様のような憧れを突き詰めたような人物にこそ相応しいのでござる、某には三枚目の道化がお似合いでござるよ。

 以前上様がヒーローに憧れた理由、目指す理由は聞き及び、上様の人生はヒーローへの憧れそのものだった。結局個性については話してもらえなかったがそこはそれ、隠したいことの一つや二つ。某だって転生者であることを伏せているわけでござるから。

 

 

「そうだ、上様。こんな事考えた事はござらぬか」

 

「ん?」

 

「ヒーローになった時、どうしようもない性根の腐った奴が出てきたら、その時はどうするのが最良かと」

 

「え……?」

 

「某なら、その場で手をかけてしまうかも知れないでござる」

 

「ちょ、ちょっと待って」

 

「そんなヴィランこの世に不必要だと切り捨てるかも知れないでござる」

 

「エー君!?」

 

「上様はその心配が無さそうで安心しているでござる、某も上様を見習ってヴィランすら救うヒーローになってみたいでござる」

 

 

 某の思う所、ぜひ上様に聞かせてもらいたい。

 ヒーローに憧れて、ヴィランも憎むのかと。

 

 

「僕も分からないよ、ヒーローはヴィランを捕まえるのが仕事だし、それがヒーローの所以だから……」

 

「失礼つかまった……これにて御免」

 

 

 某、いざ迷うと長いのでござる。迷わなくなったら即断即決でござるのだが。

 気不味くなって上様を置いて家へ帰った。

 

 

 

 

 ★

 

 

 

 

「エー君……」

 

 

 槍山影新、偶然出会った武士言葉の男の子。

 

 僕がオールマイトと共に砂浜で特訓していたら見つけた、とても個性的な男の子。

 

 僕と同じオタクで、刀剣に特にのめり込んでいるそれ以外は僕そっくりな男の子。

 

 でも、何処かが決定的に違う、僕とオールマイトの間にある秘密より、もっと深く大きな秘密が彼にはありそうな気がする。

 オールマイトはそれを感じているのかな、無いかもしれない、あの人は忙しくてエー君と話すことが無いから。

 

 砂浜にポツンと僕は残された、まるでそれが僕の心に浮かんだ悩みを表しているようだった

 

 

「僕ってこんな詩的な表現する人間だっけ……エー君の影響かな」

 

 

 多分、そう。

 

 さっきのエー君の言葉、その真意、一体何だったのだろう。今の僕には答えは出せない問題だった? それすら分からない。

 でもいずれ、ヒーローになろうとしたらぶつかる壁、見て見ぬふりしても良いけどしてはならない壁。

 

 

「僕の理想、遠いな……でも一歩ずつ着実に近づいているんだ……!」

 

 

 エー君の分も頑張ろう、特訓。

 

 

 




デクちんは上様の称号を得た!
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