某、槍のヒーロー、でござる   作:テムテムLvMAX

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槍山くんの受難はつづく


チームトライデント

 実技試験、でござる。

 

 ここにいるほとんどの人間が公的に初めて思い切り個性を使うシチュエーションでござろうな

 

 そして会場である市街地のセットでござるが本物、本物でござる。街の一区画丸々再現されているのでござる。しかもこれ各ブロックごとに作られているはずでござるよ、やる事がデカイ。

 

 

「さて、某も気合入れてやるでござるよ〜」

 

 

 市街地模型の入口にはこのAブロックに割り振られた他の受験生がわんさかスタートの時を待っているでござる、持ち込みが自由ということもあり発明系の個性や使い慣れた道具を持参している人がチラホラ見受けられ、物騒なハロウィンといえば伝わりそうな物でござる

 

 

「このスタート前の緊張感、たまらんでござる」

 

「よぉーまた会ったな、槍山」

 

「ゲッ」

 

「ヒデェ〜なぁー俺とお前の仲じゃねーか」

 

 

 コイツまた懲りずに来たのか、一応態度はマイルドになってるからこちらから突っかかるのはやめておくのが得策でござろう。本心はどうか知らん。

 

 

「アレ爆豪だよな……ほら、ヘドロ事件の」

 

「あぁ~確かに、隣の男子は誰だろう? 仲良さそうね」

 

 

 あっ今ものすごい要らない注目引いた、コイツ自分の知名度分かっててやりやがったでござる! 

 ヘドロ事件の事は某も知っているでござる、中継もされていたのでな。その時の被害者はこの男、爆豪勝己、目立つ強い個性だとネットで盛り上がったのは記憶に新しい。

 

 あえて某へ注目を集めるために話しかけてきたな、さっきの態度を潜めているのがその証。嫌なところで頭が回る奴だ。やっぱり第六天魔王じゃござらぬか? 

 

 

「この試験、どっちが多く仮想敵倒せるかバトルな」

 

「その手には乗らんでござるよ」

 

「いいやテメェは受けなきゃならねぇ、テメェデクの事上様って言うくらいに仲いいんだろ?」

 

「上様に手を出すおつもりか?」

 

「俺とデクは同じ学校、幼馴染ってやつでなぁ……テメェが勝負に乗らないなら、分かるな?」

 

 

 うんざりするくらいヴィランでござる、でもこういうキャラに限って改心したら心強い味方になるんでござるよ。だから某我慢してるんでござるよ! 

 

 

「その勝負、受けて立つ、でござる」

 

「決まりだな」

 

 

 

 

 

 

 

 

 ★

 

 

 

 

 

 

 よし、これでヤツは俺との勝負を避けられない。

 

 試験は10分、どれだけ仮想敵をブッ倒したかが重要だ。足手まといになりそうな奴は無視して、遅えやつのは横取りすりゃいい。そして槍山は徹底的にマークする、周りの人間も使ってアイツを妨害する、そのように誘導する。

 

 我ながらよく冴えた作戦だぁ……見つかったらウザってぇから試験官にバレない程度の煽動しか出来ねーが……アイツをゼロポイントに叩き落とす! 

 

 

『よーいスタートォ!』

 

 

 始まった?! いきなり開始するのは現場意識か、いいねぇそう言うの好きだぜぇ! オラァ! スタートダッシュ! 

 

 

「うぉりぁぁぁぁ!」

 

 

 へっ近いとこ走ってやがるな……サンキュークソ野郎! 

 

 両手を後ろに向けて手のひらを爆発させる、爆発の威力で更に加速! そして爆発で後続は妨害される! 露骨になりすぎるといけねぇ、若干距離を詰めて……ここだぁ

 

 

 ──BOM! BOM! BOMBOM!! 

 

 

 チッ! 槍山の前を取って爆発させてやったのに野郎他のやつを盾にして逃げやがった! ある程度こっちの動きを察してるのか、周りにモブを集めて逃げ場を狭めているのになぁ……! 

 

 

「こらぁ! あぶねーじゃね〜か!」

 

 

 知るかクソモブ、テメェ等なんて鼻から眼中にねぇんだよ! クソッ、それでも後方に下がったんだ、俺がいの一番にヴィランをぶっ倒す! 

 槍山の動きを警戒し、時には封殺しながら市街地を走り回っていると3ポイントのヴィランに出くわした、丁度いい! 準備運動代わりに爆殺してくれる! 

 

 狙いを定めて、加速して飛び上がる、俺の個性上、発汗すればするほど爆発の威力が増す。更に飛び上がって落下エネルギー分の威力をプラスだぁ! 

 

 

「爆さ「もーらい」なぁっ!?」

 

 

 俺の爆発が当たる寸前、眼の前をなにか長いものが飛んでいった! なんだ! これは……槍だと!? 槍が仮想敵の胴体をぶち抜いて反対側にビルの壁まで届いている! 

 

 

「脇が甘いでござるよ〜」

 

 

 あ、あ、あの野郎ッッッ! わざと見せつけるように横取りしやがったぁ! 

 

 

「クソッ!」

 

 

 挑発しやがってぇ! 上等だオラァ! 真正面からやってやるよぉ! 

 手の中に汗を溜め込み奴めがけ走り出す、やつは俺を待ち構える素振りすら見せねぇが、ここでやつをぶっ飛ばさねぇと気がすまねぇ! 

 

 

「爆殺ッ!」

 

 

 走った勢いそのままを爆発に乗せ掌底を叩き込こうとしていたが、奴は俺の手が爆発する前に掴み受け流した。受け流された先には3ポイントヴィランが攻撃動作を取ろうとしていた

 

 

「きゃーこわい~爆豪くんやっつけて〜」

 

 

 受け流されて姿勢が崩れていた俺はそのヴィランに攻撃を当てていた、そして倒れかけた俺を支えたのも奴だった

 一体何の武術だ、何処の技術だ……合気道の動きにしたら随分無駄のある動きだった

 

 

「某、見様見真似で合気道をしてみたでござる、……第六天魔王爆豪勝己、勝負をけしかけたのはそちらでござるよ、ルール無用のファイトは貴殿も某も得しないでござろう」

 

「諭すんじゃねぇ!」

 

 

 その上から目線の態度が気に入らねぇ! 

 

 いや、冷静になれ、奴の言い分はそのとおりだ、なら奴は自分で俺の改善点を提示した馬鹿だ……仕方ねぇ妨害は後回しだ、認めなきゃならねぇ、一枚上手だ

 

 

 

 

 

 

 

 

 ★

 

 

 

 

 

 あっぶねーコイツ、ニトログリセリンよりあぶねーでござる

 

 

「じゃあお互い頑張るでござるよ!」

 

 

 槍をビルに突き立て擬似的な階段を作り屋上へ逃げるように距離を取った、もちろん他の受験生にも使えるようにしっかりした階段ぞ。

 

 いやぁしかし、先程の第六天魔王の表情堪らんでござるなぁ、写真取っておきたかった。

 舐めて潰そうとして相手に先手取られて思うようにいかずイライラしてて表情筋という表情筋の全てが活躍したせいで顔面男梅でござった。

 

 

 

「残り時間は、3分でござるか」

 

 

 

 第六天魔王とのいざこざで時間を食った、ここからは光の巨人並みの活躍をしなければ試験落ちでござる。

 

 シュワッチ! 

 

 

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