某、槍のヒーロー、でござる   作:テムテムLvMAX

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残り3分の芸術をお見せするでござる


チームトライデントその2

「残り3分、未だポイントは3から増えていないでござる」

 

 

 だから燃える、逆境から巻き返す気持ちよさありますぞ。

 第六天魔王爆豪勝己のメンタルを打ち砕き、上様への被害と態度を改めさせたいところではござる。というかあの手の人間は認めさせない限り話聞かないでござろうなぁ

 

 

「さて、蜻蛉切、抜刀!」

 

 

 蜻蛉切をこの手に召喚しビルからビルへ飛び移りながら仮想敵を探す、相手は機械、マシンだ。だから遠慮なくぶち壊せる。

 

 

「サーチ&デストロイ!」

 

 

 見つけた仮想敵をビルの上から撃墜していく、その投げている槍は一本一本蜻蛉切でござる、贅沢&布教

 

 

 

 

 

 

 ★

 

 

 

 

 

 

 

 

 Aブロックは一言で言えば波乱だった。

 

 

 そこかしこで爆発、爆撃、無数の仮想敵の屍が散乱していた。

 爆豪勝己の活躍はまさに頭一つ抜け出たものだった、彼の個性『爆発』は汗が爆発することで成立している個性であり単純明快な強さがありソレ故に他に追随を許さないと思われた

 

 しかし、そのワンマンプレーの背後で無数の槍が飛び交い、敵を貫いていた。

 槍山影新、個性は『槍』。自他ともに認める弱小個性である、槍を前提したらなんでも出来るとは言われているが、それだけ。爆豪勝己の個性と比べてみれば戦闘力は劣る、他の戦闘系個性と比べても見劣りするようなものだった。

 

 だから、爆豪勝己以外の受験生たちも油断していた、あいつは落ちると。

 

 試験が始まってみればその評価はその通りだった、残り3分になってもポイントは一桁であったのだから。

 

 でも、そう評価した者たちは総じて彼に助けられた。

 

 

 

「ハイハイハイハイ!」

 

 

 テンポの良い掛け声ともに市街地を飛んでいく槍、どこから飛んできたのか予想出来ない程に速く、鋭い。そして吸い付くように槍は敵を穿ち、外れることはなかった。

 

 

「フハハハハハ!」

 

 

 ビルからビルへ飛び渡る彼の姿を、その表情をたまたま見れた者は口を揃えてこう言うだろう。

 

 

 __鬼神

 

 

 下手したらヴィランと間違われそうな表情だと言うだろう、蜻蛉切という威風がある槍を無尽蔵に投げ放っている、個性使用による異形への変化、それらも原因であることは言わずもがな。

 

 

「我! 第六天魔王を討つ毘沙門天である! フフフ、ハハハ、フハハハハハ!!!」

 

 

 彼は自分ではない自分、ロールプレイへの抵抗感が低く、異形化による興奮状態も相まってトランス状態へ陥っていた。ブレーキの壊れたトラックである。

 

 

「ハァァァァッ! 敵は何処ぞッ!」

 

 

 そして、この試験を妨害する目的で動く0ポイントの仮想敵が彼を止めるように現れた。ビルを超える機体はまさに壁、と評価する他無く打ち破ろうと考えるバカは居なかった。例外二人を除いて

 

 

「デカイなぁ! 我が討ち果たす化物は貴様であるな! ハァーハッハッハッハ!」

 

 

 他の受験生はその仮想敵を見るなり逃げ出した、爆豪勝己はその騒ぎに逆らってそのゼロポイントの敵の前へ躍り出た

 

 

「第六天魔王! 来たか! この騒ぎに乗じて我を討つために!」

 

「さっきから何だよ第六天魔王ってのは! 変なあだ名つけんじゃねぇ! 手は出さねぇよ! 時間ねぇからな!」

 

「ならばあの化物を倒しに来たか?」

 

「なんかキャラ違わねぇかテメェ?」

 

「フッ、残り時間は一分! もうポイント付きの仮想敵を探す程の時間はない! ならば! どちらがアレを倒すか競おうぞ!」

 

「上等だテメェ! アレもテメェもぶっ壊す!」

 

 

 槍山の提案により二人はゼロポイントのお邪魔虫、この試験最大の壁へ挑むことになった。

 

 

「まず四肢を頂くっ!」

 

「俺が先だぁっ!」

 

 

 槍山はその巨大な体躯へ向けて必殺技として編み出した“ルー”を生み出し構える、その間に爆豪は足元へ走り爆発を利用して軽い飛行し胴体へ爆発の一撃を加える、それによろめき耐えかねた巨大な仮想敵は爆豪を優先的に排除しようと腕を振り下ろした、がその腕を高熱と電撃を帯びた槍、ルーが腕を破壊した。

並の人間ならかすめただけで致命傷になる槍を遠慮なく投げたことへ爆豪もキレた

 

 

「なんつーモン投げてんだぁ!」

 

「折角隙を作ってやったのになぁ!」

 

「へっ!敵に塩送るってか!」

 

 

 腕を失ってバランスを崩した隙をついて両手を添え、仮想敵の胴体がぶっ飛ぶような巨大な爆発が巻き起こされた。

 

 

「見たか! これが俺の実力だあっ!二度と見下すんじゃねーぞ!」

 

 

 胴体が消し飛んだ仮想敵を見て勝負アリと見た爆豪は、槍山に向き直り指を指して己の功績を誇った。

 が、まだ生きていた、生身の敵なら胴体を消し飛ばした時点で生存の確率はゼロに等しいが相手が機械であるため致命的な損傷であっても僅か動く

 

 まだ生きている腕部を振り上げ、爆豪に叩き付けんと振り下ろされる。直接本体に攻撃を打ち込んだ彼は気がついたとしてもその攻撃範囲から逃げるには時間が足りなかった

 

 

「(あっ……やべっ……死ぬ……ッ)」

 

 

 瞬間脳裏を駆け巡る死への恐怖が爆豪の判断力と行動の為の時間を奪った、仮想敵の死に際の攻撃を爆豪は無防備な状態で受ける事になった

 

 筈だった。

 

 

「第六天魔王爆豪勝己を討つのは我であるぞッ! 大人しく死の眠りを享受せよ!」

 

 

 爆豪に振り下ろされた仮想敵の腕は見事に切り飛ばされていった、爆豪の心には助けられた安堵感とこれをやった人物への対抗心がメラメラと燃え盛った

 

 

「クソが! 恩を売ったつもりか!」

 

「勝手に買うな!」

 

 

 槍山はトドメを指すべく御手杵を作り、飛び上がる。

 

 

「さらば! 最後のヴィランよ!」

 

 

 御手杵の穂先全てが深々と仮想敵の頭部に突き立てたれた、と、同時に時間を知らせる放送が鳴り響く

 

 

 

 

『試験、終ぅー了ぉー!』

 

 

 

 

 

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