アルシャードセイヴァー・リプレイ ノベル・レイアース+a   作:椎名真白

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伝説のマジックナイト始動
蒼き星(ブルースフィア)


 世界が生まれた時、そこに光と闇があった。創造主たるアルフ、ルーテシアは光の神と闇の神それぞれに昼と夜を管理させ、世界の均衡を保たせる。

 トワイライトワールド、その世界にも奈落は侵食を開始。

 神々と奈落との戦いの最中、闇の神は奈落に触れてしまい、その身を奈落のもとへ落としてしまう。

 やがて闇の勢力は全て奈落へと堕ち、光の勢力はそんな闇の勢力との戦いにおいて劣勢に陥った。以来世界は昼よりも夜が長く、夏よりも冬が長い暗黒の世界に変わってしまった。

 闇の神の一柱、レクサス。彼もまた、奈落へと転じた神であり、アビスロード。 自らをそう名乗り、“闇の大魔”と化してしまう。

 強力過ぎる奈落はしかし、勇者たち、そしてほかならぬルーテシア自身の手により滅ぼされた……はずだった。

 しかし、世界に蔓延る奈落はやがて、滅したはずの大魔を蘇らせてしまう。

 

 幾度となく繰り広げられる戦い。いつしか世界は分厚い雲に覆われ、黄昏の世界を生み出してしまった。

 そうして繰り広げられる戦いはしかし、その勇者たち、魔法騎士とルーテシアの手により厳重な封印を施されることによって終止符が打たれた。

 

 巨人の塔。

 

 そう呼ばれる場所に、闇の大魔は封じられたのだ。

 そうして、暫しの安息が流れる……ことはなく、既に世界は奈落が跋扈。常闇森にはオークが生息し、それら奈落との戦いが、日々、繰り広げられていた…………。

 

 ルーテシアはトワイライトワールド、その世界の王たる存在、薄暮の君の前にいた。

 彼女の両親は既に故人であり、若くして王に即位した彼女のサポートが今のルーテシアの仕事である。

 ルーテシア自身、大魔封印の影響でかなり実力が低下してしまっている。

 

「ルーテシア様、感じておられるでしょうか。闇の大魔が直に、蘇ろうとしていることを」

 

 どうやら、数百年の時を経て、その封印が崩壊しようとしているようだ。

 

「えぇ…………封印も、もう長くはもちそうにありませんね」

 

 当時は封印できたが、今のルーテシアでは再度の封印は不可能。

 そもそも、その時だって、他の者の手を借りてやっと封じた相手だ。

 このままでは、世界は滅び去るだろう。

 他ならぬ、ルーテシア自身が生み出した神の手により。

 

「今の私では…………再封印どころか、復活を遅らせることすら…………」

 

 薄暮の君は厳重に封じられた箱から二つの宝石を取り出す。

 それは、ルーテシアと共に大魔を封じた三人の勇者。魔法騎士……クエスターと呼ばれる神に選ばれた戦士たち。 彼らが遺したもの、シャードだった。

 当時、ルーテシア以外の三人はその身を生贄に封印を完遂させている。遺品とも呼べるだろう。

 しかし、そこにあるのは、二つだけ。

 残りの一つは、奈落の勢力が攻め込んできた際、 奪われてしまっている。

 

「魔法騎士の証はこの二つだけ……しかし、時は一刻を争います、どうか、異世界の勇者を見つけ出し、再び大魔を封印する務め……果たして貰えませんか?」

「はい…………! 私が必ず、勇者を探してみせます……」

 

 全盛期の大魔と違い、今の大魔は弱体化しているはずだ。二人でも、何とかなるかもしれない……いや、させねばならない。

 

「私に残された力を使い、異界とこの世界を繋ぐ門、それを開く鍵を渡します」

 

 今の鍵の力ではトワイライトワールドと、蒼き星(ブルースフィア)――地球との行き来は往復一回、一度きりだ。向こうに向かって、それから連れて戻って来る。

 

「大魔が再度封印されれば、門をもう一度開くだけの力は戻ると思います……今、この世界には希望が少ない。その希望が回復すれば、呼び出した勇者たちも元の世界に戻すことができるでしょう。勇者たる者たちには、過酷な運命を与えてしまうようですが……それでも、どうかこの世界の為に……」

 

 そう言って、涙する。薄暮の君に、戦う力はないのだ。

 代々の王は神の代理人として、世界を導く役目を担う。

  そして、その神こそ、ルーテシア、彼女自身なのだ。

 

 この世界に光を取り戻す。それがルーテシアの役目なのだ。とはいえ、まずはその為に必要なことをせねばなるまい。

 

「どうか、泣かないで……これは元より私が為すべきことなのです……」

「ああ……神よ……お願いします……」

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