怪物たちの魂の叫び   作:Ryuma in the house

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初投稿なので大目に見てください・・・
・・・R-18をいつか書きます。



名もなきドラマーの少年

僕の名前は月岡白夜

兄は元バンドマンで僕はそんな兄の背中を見て育った

 

気がついたら僕もバンドマンを目指すようになっていた

兄がバンドマンを辞めた理由はいまだにわからないけど・・・

僕がバンドマンとして売れるようになったら兄も夢を見てくれるかもしれない

もう一度あの演奏が聴けるかもしれない

・・・そう思って中学に進んだ

 

友達はできなかった

僕は人と会話するのがかなり苦手だった

故に気がついたらボッチになっていた

パシリとかにされないだけマシなのかもしれない

ただ、それが許せなかった

僕は承認欲求の塊のような人間で自分の本当の姿を誰かに見せたいと思い続けてきた

だから楽器を弾き続けた

いつか表に出ることを願い続けて

 

 

「才能がない」

中学三年生になった時に兄の前で演奏したら言われた言葉

突然そんなことを言ったかと思えば

 

「ほとんどの楽器が自分はこんなものじゃないと叫んでいる」

 

「その楽器が奏でたい音を蔑ろにした」

 

「お前は楽器の想いを裏切ったんだ」

 

「そんなヤツが楽器を弾くな」

 

「せいぜいドラムが少し満足するぐらいのレベルだ」

 

「弾くならドラムに愛される音を奏でろ」

 

ボロクソだった

今までにないくらいの怒りを向けられてると感じた

だけどそれ以上の感情が自分の中にあって・・・

 

『楽器の想いを裏切った』

 

その言葉が深く突き刺さった。楽器の気持ちを考えてあげたことがなかった。自分が満足するための音を奏で続けてきた。だから楽器にも見放されたのだと言ったのだ。

『僕は信じるよ』

そんな声がドラムから聞こえたような気がした。

幼い頃から、本当に小学校に入ったばかりの頃から、ずっと一緒に魂の叫びを叫んできたドラムが僕を励ましてくれた気がした。

 

その日から僕は何かに取り憑かれたかのようにドラムを叩き始めた。

まだいけるかと聞くと『限界はない』と言われたような気がして気持ちも高揚していくかのようだった。

 

『ドラム・イン・ザ・ダーク』

僕が兄の言葉を聞き、相棒の声を聴いたあの日からチャンネルを立ち上げて演奏動画を録っていた。

僕の中の承認欲求は色んなコメントを見てさらに渇いて鋭い牙と爪を研いで成長していた。

「修羅」

「鬼神」

いつしか僕につけられていたというニックネームのような言葉。僕は僕たちの奏でる音を信じ合って叫んでいるだけだ。だからどんな思いで名称をつけようが関係ない。周りのヤツらが何と言おうとも

 

 

中学三年生の終わり間際に兄が失踪した。

机の上に置いてあった手紙には

「後藤ひとりって子をよろしく、バンド頑張れよ」

たった一列に並べられた言葉。後藤ひとりは僕のクラスメイトだ。なぜあの子を僕に託したのかはわからない。

ただ、僕の直感が僕たちの音をさらなる高みに引き上げてくれることを教えてくれた。

 

白夜「ひとりさん?」

ひとり「え、あ、ひとりって誰ですか?」

白夜「貴女ですよ?」

すごいコミュ障だと思った。周りからは同類だと憐れみも含んだような目で見られたような気がした。

ムカつく。何も知らないくせして僕らの本当の姿を見ようともしないで。

白夜「ひとりさんの家に行ってもいい?」

ひとり「・・・・・・え?」

すごい間が空いて返ってきたのは少し上擦った声の聞き返し。僕はこの空気が耐えられなくなってしまって

白夜「何と言おうと家に行くから。そこで僕の魂の叫びを聞いてよ」

ひとり「・・・わ、分かりました」

圧倒されているようだった。少しして自分がとんでもない言い方をしたのだということに気がついた。

 

白夜「お、お邪魔します・・・」

早速だが僕もコミュ障を発動した。目の前の女性はそんな僕の様子を見て何か気づいたのか

美智代「ふふっ♪ひとりちゃんのお友達ね?さあさあ上がって!」

言われたままに家に上がる。絶対に周りから見たら変な感じだろう。そんなことを考えているとひとりさんの部屋に案内された。

そこにはギターを演奏しようとしていたピンクのジャージを着た少女がいた。

 

直感だった。

只者ではない気がした。こんなことを感じたのも人生で数回しかない。兄のバンドの演奏を録音で聴かされた時ぐらいだったと思う。全く知らない人たちが、僕の目の前でいるはずもない兄のバンドメンバーが演奏していた幻覚を見た時ぐらいだろう。

ひとり「ほほほほほ、本当に来たんですね・・・」

白夜「・・・君は何者なんだ?本当の君はその辺にいるような陰キャなのか?違うよね?」

自分でも気持ち悪いぐらいに早口で喋っていたと思う。若干引いているのも何となくわかる。

白夜「聴かせてほしい。僕たちの音をさらなる高みに引き上げられる気がするから」

彼女は僕から何かを感じ取ったのか首を軽く縦に振る。

 

 

「─────!」

圧巻、その一言に尽きる。

色々とライブを見に行ったことはあった。

聴いて心で理解する。

『私を見て』

『もっと本当の私を』

そんな感情が彼女の演奏から感じ取れる。そして理解する。

 

似たような人間

自分だけだと思っていた。ロックキチは僕のようなヤケクソバカのようなヤツだけだと。

目の前の少女はそんな僕の固定概念をぶち破った。

こんなにも魂の叫びを聴けたのは人生で二度目くらいだろう。

演奏を聴き終わった時

 

ひとり「ごごごごご、ごめんなさい・・・泣くほど下手だったんですよね・・・?」

白夜「え?」

気がつくと僕は泣いていた。こんなにも素晴らしい人と出会えたのも何かの縁だ。巨大なリュックに入れてきたドラムをあっという間に出す。ひとりさんの家族が目の前にはいた。

 

白夜「え、えっと僕『たち』の音を聴いてください・・・」

一緒に音を奏でなきゃいけない気がして急遽、演奏することになった。申し訳ない。嫌われても仕方ないとは思う。

 

 

ひとりside

彼は今日の昼休みに声をかけてきた月岡白夜くん。私と似たようなオーラを感じた人。本当に家に上がってきたと思ったらギターを弾いているのを聴かせてほしいと頼んできた。聴くに耐えないものだと断りを入れてから私はギターを弾いた。

 

彼は泣いていた。下手だったのかと聞くと魂の叫びが聴こえたような気がしたと話してくれた。きっと誰にも本当の自分を理解されなかったんだねって言われた。ツラかったでしょって言われた。本当の君はとても素敵な楽器そのものだと言われて少し恥ずかしくなった。えへへ・・・

そんなことを思っていると彼は大きなバッグからドラムを取り出した。え?それ背負ってきたの?と思ったけど言葉に出して嫌われるのは嫌だから言わなかった。家族と一緒に彼の前に座る。お母さんはニコニコしていて、ふたりは興味がなさそうで、ジミヘンはわかるかどうかもわからないけど一緒にいて

唯一、お父さんだけが真剣な表情で見ていた。だけどその視線は見定めのようなモノではなかった。

捕食者に睨まれた被食者のようなそれだったと思う

 

 

白夜「え、えっと僕『たち』の音を聴いてください・・・」

 

『たち』。彼はそう言った。少しナヨナヨしているように見えるかもしれない。それは明らかに違うと直感が告げている。

目の前にいるのは今にも私たちの心を喰らおうとしている巨大な『獣』だった。

 

スティックで開始のリズムをとり始める。

その直後だった。

『始めようか?』

 

「─────!!!」

荒々しいリズム、それでいて正確さもある。ふたりは目を奪われていた。お母さんもさっきまでのマイペースさはどこかに消えて目を見開いていた。全員が心を物理的に掴まれているような気分だったと思う。

『僕たちの音を聴いて』

『・・・そこの君』

『彼女を弾いてあげて』

喋るはずもないドラムからそんな声が聴こえたような気がした。いつも通りに縮こまってしまったかもしれない。

 

『いいね』

ひとり「・・・ッ!」

横に置いてあったギターが話したように見える。もちろん誰もが彼を見ているからそんなことはわからない。

「俺を見ろ」

『僕たちと魂の叫びを掲げようよ』

 

「『Shall we dance?』」

 

その瞬間だったと思う。私はギターを持って立ち上がり何かに取り憑かれたかのように一心不乱に弾く。

・・・たぶん笑っていたと思う。

一瞬だけお父さんの方を見た。どこか寂しそうな表情と・・・

怒りや嫉妬、憎悪といったような負の感情が目の奥に渦巻いてる気がした

『お前が諦めたからだ』

お父さんに借りたギターがそう言い放ったように聴こえた。

・・・なぜだろう?

優越感と嘲笑が私の中で蠢く。目の前にいる父親は今まで人生で一度も見たことがないような表情をしていた。

 

『ヤメロ』

 

鳥肌が立つ。お父さんがそう言ったような気がした。言うわけがないというのはわかっていたはずなのに

その一言で意識が少し戻ってきたような感覚がした。

『・・・やりすぎだよ』

『・・・まあ、満足したしこの辺でやめましょうか?』

直後、私は意識を手放した。

 

 

 

 

あれ、私寝てた・・・?

・・・夢でも見てるのかな、白夜くんが目の前で寝てる。

前試しに髪で隠れた右の顔を見ようとする。

・・・私は酷いことをしたと一瞬で理解した。

彼はおでこから髪の先端が隠していた頬までが火傷を負っているようだった。

「ごめんなさい」

彼は寝言を言う。私みたいな人間が踏み込んでいいことじゃない。分かってる。わかってるはずなのに

 

ひとり「大丈夫だよ」

私は彼を抱きしめていた。普段の私なら絶対にできないことだったと思う。

美智代「・・・ふふっ♪」

扉の隙間からお母さんが覗くのを見て一瞬で体は弾けたが

 

 

 

 

 

 

直樹「・・・おい」

直樹「ふざけた真似をするな、壊すぞ」

『壊したら娘は悲しむよ?』

チッと舌打ちを鳴らす。後藤直樹、元バンドマン。後藤ひとりのギターは彼から借りたものである。その表情は冷たく無表情だった。

 

直樹「戻れなくなったらどうするつもりだった?」

『お前が言うの?』

直樹「娘を『ソッチ』に連れていくな」

『お前が私を弾くんだったらいいけど?』

直樹「ホントにめんどくせえヤツだな」

『誰のせいだと思ってんの?』

直樹「・・・チッ」

またもや舌打ちを鳴らす。彼もまたギターの申し子であった。だからこそ楽器と一体となり修羅になりかけたのだ。彼が人として生きることが出来たのは妻の存在である。

妻の父親、義父である「後藤ひかる」もかつては世界で活躍するだろうと言われていたロックミュージシャンだった。彼の相棒が彼の手によって葬られている。

 

ひかる『・・・アイツはそれを望んだ』

義父にギターを破壊した理由を聞いた時の答えだ。今でも直樹の中でその言葉が引っかかっている。

自分の父親は相棒と最後に何を話したのか、自分だったらどうしただろうとかずっと考え続けている。

あれから一度もギターを弾いていないらしい。『仲間』との約束も果たせないだろうとのことだった。

『・・・なんだかんだアンタもロックバカよね』

直樹「うるせぇ」

『私は待ってるよ』

直樹「・・・そうかよ」

 

 

ひとり「あばばばば」

その頃、後藤ひとりは白夜に抱き枕にされているのであった。

 

 




やっぱりムズイね?ぼっちちゃんのキャラ上手く書ける気がしないよ〜
・・・まあ、後々のこと考えるとどっちもメンヘラ気質っぽいよね?
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