緋弾のアリア -Knowledge is power-   作:ピュアドライバー

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11話です、どうぞ!


11話 End of our mission

「クソッ、何なんだコイツら!?化け物か!?」

 

「おらぁ!怯んでんじゃねえよ!相手はたった3人のガキだけだ!さっさと殺れぇ!」

 

 初めは50人近くもいた集団が俺たちの反撃によってみるみる内に減っていき、今ではもう10数人というところにまでなっていた。

 

 それにしても本当に素人ばかりなんだな。ただ武器を持っただけのヤンキーみたいだ。

 奴らの言動から察するにスナイパーの存在にも気づけてないみたいだし…

 

「おらぁ!」

 

「遅い!」

 

「ガハッ…」

 

 今ので何人目だ?そろそろ人の壁の隙間から向こう側のキンジと不知火が見えても良いはずなんだが…

 

 ドンドンドン・・・・・・

 

 銃声とともに更にバタバタと倒れていった。

 

 おしっ、見えたぞ!

 あいつら余裕の表情だな。まあ、ヒステリアキンジと不知火だからな、当然だよな。

 そういうわけであと残ってんのは・・・2人だけみたいだな。

 

「どうやらあんたら2人だけみたいだぜ、残ってるの。俺たちもできることなら無駄に体力とか使いたくないんで、降参してもらえると有難いんだが…」

 

「あぁ?降参?俺らがお前らガキにかぁ?それはあんまし笑えねぇジョークだなぁ。」

 

「ジョーク?お前ら周り見てみろよ。お仲間さんたちはグッタリしてるみたいだが…?」

 

「はっ!下っ端ごとき倒したくらいで良い気になんなや。なぁ、九重くんよぉ。」

 

「なっ!?」

 

 コイツら、何で俺の名前を?

 確かに茂兄は情報が漏れているかもと言っていたが、それはあくまで取引を妨害して関係者を逮捕するっていう計画内容とかそういう大まかなもののハズだ。

 それにも関わらず個人名が出てくるってことは一体…

 

「やっぱ、お前が九重裕介かぁ。ま、俺たちも名前聞いてただけなんだけどなぁ。」

 

「…聞いた?誰に!?」

 

「俺らもそいつのことは知らねえさ。ただ、金置いてってお前ら、特に九重裕介を襲えって言われただけなんでなぁ。」

 

 …?俺を、ってことは私怨とか何かなのか?こっちの世界に来てから間もないってのに心当たりなんて微塵もねぇぞ…。

 

 ヒュンッ!

 

「おっと、危ない危ない。あと少しで当たるとこだったぜ。なぁ、スナイパーさん?」

 

 今のはレキさんか!?でもってそれを避けたってのか?

 Sランクスナイパーの狙撃を察知してかわすなんて…。コイツら、さっきまでの雑魚と同じじゃ無さそうだな…。

 

「まぁ、おしゃべりはこんくらいにしてよぉ。とっととやろうぜ、九重裕介ぇ!」

 

 そうして2人の内1人がこっちに飛びかかって来た。

 どうやら1人はこっちで、もう1人はキンジ達の方に分かれたらしい。

 

 飛びかかってきた勢いで相手が斬りかかってくる。

 何とか時雨で受け止めたが・・・

 

 っ!重い!!さっきまでの奴等とは比べ物になんないぞ!

 

「おらぁ!さっきまでみたいに吠えてみろや!」

 

「うるあぁぁ!」

 

 俺は何とか奴の刀を弾き返す。そして一度距離をとるために後ろへ跳んだ。

 

 この距離ならなんとか届くか…

 

「近衛流一の型、突裂!」

 

 地面を思い切りけって、渾身の突きを放つ。が・・・

 

 

 

 思い切り伸ばしたその剣先は相手に当たることなく、空を切った。

 

「なっ!?」

 

 躱した!?それも初見で?

 

 突裂は一瞬の加速で相手に避けるという選択肢すら与えない絶対命中の型。よって、それを避けられたということは・・・

 すなわち致命的(・・・) な隙を見せるということだ。

 

「ハッ!まだまだ遅えな。おらぁ!」

 

 そして案の定、相手の振るった刀は今だ直進を続けていた俺の背後から首元に飛んできた。

 

 マズい!直撃コースだ・・・何とか間に合うかッ

 

 刀が首元に到達するその一瞬前に俺は時雨のトリガーを押した。

 

 瞬間、時雨の爆発的な加速に俺の体は引っ張られるようにして何とか避けることに成功し、前のめりになった体を起き上がらせることが困難なためそのまま飛び込み前転をし受け身をとった。

 

「へぇ、なかなか面白い刀だな、それ。」

 

「仲間に腕の良い職人がいてな。そういうアンタはその身のこなし…なんかカラクリがあるんだろ?」

 

「ほぉ、なかなか鋭いじゃねえか。…その通り。これにはお前の言う通りカラクリがある。まぁ、それを教えるわけはねえけどな。」

 

 やっぱりそうだよな。さっきの狙撃や俺の突裂を躱したあの動きは明らかに常軌を逸していた。

 そしてそのカラクリに俺は心当たりがある。といってもまだ確証にまでは至っていないが…。

 一度、試してみるか・・・

 

 そうして俺は時雨を一度鞘に収め、シグを抜いた。

 

「おいおい、チャンバラはおしまいにすんのか?」

 

 俺は相手の言葉を無視して、まずは単純に正面からシグで相手に向って撃つ。

 が、その弾はあっさりと避けられてしまった。

 

 やはり銃弾を刀で斬るのではなく避けたな。なら次は・・・

 

 そして俺は今いる開けた場所からコンテナが乱雑に置いてある方へと走る。

 

「んだよ、次は鬼ごっこか?何しても変わんねえってのがまだわかんないのか?」

 

 予想通り奴もこちらを追いかけてきた。

 

 よし、ついてきてるな。じゃ、少しかくれんぼといこう。

 まずは、奴の視界から消えなければ・・・

 

 角を曲がりコンテナ密集地帯に入り、右、左・・・と複雑に進路を変えて突き進む。

 すると後方から「さっさと出てこい」という声が聞こえてくる。

 

 計画通り、だな。次は携帯を使って・・・・っとここにセットして下準備は終了だな。

 あとは高見の見物と行きますか、文字通り。

 

 そうして俺は武偵高から入学したときに支給されたベルトに仕込まれたワイヤーを使ってコンテナをよじ登り、身を潜める。

 

 んじゃ、始めますか…。

 

 すると先程仕掛けた携帯がバイブで振動し、コンテナにガタガタと物音を立て始めた。

 

 かなり単純なトラップだが引っかかってくれるか・・・?

 …おうおう、引っかかってくれたっぽいじゃないっすか。「バカめ(笑)」みたいな感じでめっちゃにやけちゃってるよ。

 まったく、バカなのはアンタの方だぜ。

 

「おら、死ねぇ!!」

 

 そう言って奴はコンテナの角から飛び出し、刀を携帯が振動してカタカタ物音を立てていたところに振り下ろした。

 

 これでどうだ…!

 

 パァンっ!

 

 俺は奴が刀を振り下ろしている後ろの死角となっているところから銃弾を撃った。

 そして弾はまっすぐ奴の肩目がけて飛んでいく。

 

 どうだ?これなら当たるか?…しかし、俺の推測が正しければ・・・

 

 キィンッ!

 

 瞬間、弾丸は相手に当たることなくコンテナに当たり、甲高い金属音が響いた。

 

 やっぱり…な。だがこれで推測が確証に変わったぞ。

 

「危ねぇ、危ねぇ。こっちはフェイクだったのか。だが、残念!惜しくも俺には当たらなかったなぁ。」

 

「そうみたいだな。だが今のでお前のカラクリの仕組みはおおよそ把握した。お前のそれ、薬だな?」

 

 そう、奴はことごとく銃弾を躱し続けた。まだそれが正面からなら確証は持てなかったが、今の死角からの弾を避けたことで確証に変わった。つまり奴は死角からの銃弾を視認したのではなく、発射音を聞いて躱したのだ。無論、そんなこと普通の人間の反射神経や瞬発力では100%不可能だ。そういうわけで奴は何らかの手段で自身の肉体や神経の状態を人為的(・・・)に上げているという結論に至ったわけだ。

 

「なるほど、頭のキレが良いみてえだなぁ。そうだ、俺のこの力は俺のものじゃねえ。」

 

「そんなことをわざわざして何になるんだ?寿命を縮めるだけだぞ。」

 

「はっ!俺も好きでやってんじゃねーよ。やられたんだよ。」

 

「…やられた?誰に?」

 

「生憎、名前とかそんなのは知らねぇ。覚えてることっていったら、黒髪ロングの不気味な女だったってことぐらいだなぁ。…だが、んなことはどうでもいいだろ?お前はどうせここでお陀仏なんだからよぉ!!」

 

 そう言って、ありえないような跳躍でコンテナの上の俺のところまで迫って刀を振り下ろしてきた。

 それをおれはとっさに時雨を抜いてやり過ごし、キンジ達と合流するためコンテナの上を伝って走りだす。

 

 黒髪の女…か。どうやらこの事件後ろにはかなり大きな陰謀か何かがあるのかもしれないな…。

 まぁ、それは後で考えることだ。今はコイツをどうにかするんだ。

 俺一人でも時間をかければ奴の能力上昇の効果切れを狙うとかして倒せるかもしれないが、それはベストな選択じゃない。こっちにはキンジ、不知火、レキさん、武藤と心強い仲間がいる。仲間と協力したほうが迅速かつ効率的に倒せるハズだ。

 

 そうしてコンテナ密集地帯の端まで来て、コンテナから飛び降りる。

 

 ヒュンッ

 

「ゔ・・・」

 

 するとそこではまさにキンジ達がもう一人の方を追い詰めているところだった。

 どうやらレキさんの狙撃で肩を打ち抜きそして・・・

 

「はぁ!!」

 

 キンジが最後は鳩尾に掌底を叩き込み、後頭部を拳銃のグリップで殴り意識を絡めとった。

 

「九重、こっちは今片がついたぞ。そっちはどうだ?」

 

「悪いな、キンジ。残念ながらこっちはまだ・・・」

 

 そうして案の定、奴が刀を構えながら飛び降りてきた。

 それを俺は時雨で受け止め、トリガーを引き、奴を弾き飛ばす。

 

「なら、俺たちも加勢しよう。」

 

「あぁ、心強いぜ。」

 

「おうおう、お仲間参戦ですかぁ?だが、たかがガキが数人増えたとこで同じだけどなぁ!」

 

 そう言ってこちら側に突進してきた。

 そこでレキさんが足を狙って狙撃する。だがそれはまたしても躱される。

 しかしそこで出来た一瞬の隙を逃すことなく今度は不知火がH&Kで45ACP弾を撃ち込む。

 それをまたしても躱そうとするが、上昇させた反射神経でも追いつけない程、間がない攻撃だったこともあり弾丸は肩を掠めた。

 

「くっ…」

 

 どうやら身体能力や反射神経は上昇されているが、ベースになっているコイツが戦いなれていないところもあり、一度弾が当たってから格段に動きが鈍り始めた。

 確かに思い返してみれば、圧倒的な躱しっぷりや筋力にやられていたところはあったが、剣技に関しても型すらない素人のソレだった。

 

 そして・・・

 

「キンジっ!」

 

「あぁ!」

 

 俺とキンジは動きが悪くなった相手との距離を一気に縮めた。

 

「終わりだ。近衛流一の型、突裂!」

 

 そうして俺は突裂で奴の刀を弾き飛ばし、

 

「チェックメイトだ。」

 

 キンジがベレッタから打ち出した9mmパラベラム弾は奴の足の腱をギリギリ掠め、腱を切り足の自由を奪った。

 すると奴はあまりの激痛に声を上げることもなく意識を手放した。

 

 

 

 

「終わった…のか?」

 

「あぁ、そうみたいだな。あとはコイツらを警察に引き渡せば一件落着だな。」

 

 そうしてその後中空知さんが警察にも連絡を入れていたようで意外とすぐに警察が到着し、その警察と協力してここにいるおよそ50人に手錠をかけ身柄を警察の方に引き渡した。

 

「ふあぁぁ…やっと終わったな。もうクタクタだぜ。」

 

「俺も同じくだ…。九重の今日の一連ことについての事情聴取はまた今度にしといてやるよ。」

 

「そうしてくれると助かるぜ。つっても、俺は別に遊んでたとかじゃねえんだからな!まったく、長い一日だったぜ。」

 

「いや、まだ一日は終わっていないよ、遠山君、九重君。帰るまでも任務の内だよ。」

 

「なに小学生の遠足の帰り的な、家に帰るまでが遠足的なこと言ってんだ、不知火。今からまだ何か厄介ごとに巻き込まれたりしたらたまったもんじゃないぜ。」

 

 そんな感じで俺たちは警察と別れた後、グッタリとしながら武藤の待機しているところまで歩いていた。

 

 

 

「おーい、みんな無事かー?」

 

 そう言いながら武藤が両手を広げてこちらに手を振っている。

 なんかあいつだけ元気だな。まぁ、レキさんもあんまし疲れてるようには見えないけど、

 

「おう、一応全員大きな怪我とか傷はないぜ。」

 

「そりゃぁ、よかった。まぁ帰りは任せときな。このスーパードライバー武藤剛毅がお前らを快適に連れて帰ってやるからよ!」

 

 あー、早く車の中でグッスリいきてーな…。あれ?なんか忘れてるような・・・

 

 そのとき俺の目は端の方で車の横に停まっているその物体をとらえた。

 

 あっ!!そうだった!俺、ブラックバードに乗って来たんだった!!

 ってことはやっぱり俺だけバイクでご帰宅ってことだよ…なぁ…。マジか、もう疲れ果てて運転とかきつすぎるぞ。

 

「んじゃ、そろそろ帰るか。」

 

「あのー・・・」

 

「ん?どうしたんだ九重?」

 

「俺そういえばここまでバイクで来てたからさ、正直居眠りしそうで怖いんだが俺はバイクで帰るしかないっぽい。」

 

「…ドンマイとしか言えんぞ。」

 

「ドンマイ、九重君。」

 

「ドンマイだな。まぁ俺が眠いとき用に常備してるメガシ○キやるからよ、事故だけはしないようにな!」

 

「・・・ドンマイです、九重さん。」

 

 コイツら、憐れんでいるのか目を合わせようとしてこねぇ…

 

 

 こうして、帰路が少々不安ではあるが俺たち(・・・)のファーストミッションは幕を閉じた。

 そう、俺たち(・・・)の・・・




次回投稿もなるべく早く出来るよう頑張ります!
ではまた。
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