緋弾のアリア -Knowledge is power- 作:ピュアドライバー
またしても投稿間隔がかなり空いてしまって申し訳ないです…。
実は作者は今年から大学生だった訳なのですが、やはり想像していたよりも生活リズムがガラッと変わりますね。
というのを不定期更新の苦し紛れの言い訳にさせて頂きます(汗)
次話更新もいつになるかわかりませんがこの作品を打ち切りにすることは確実に無いので、読者様方には気長に待っていてもらえると幸いです。
では、15話です!どうぞ!
茂兄が病室から出て行った後、俺は一人で今回の任務について思い返していた。
それにしてもホントにハードなデビュー戦だった。
まずは足止め食らって遅刻して、行ったら行ったでパラグライダーでダイブして50人と戦って、終わって帰ろうと思ったらそれまで以上にハードな展開が待ち受けていたし…。
結局結果だけ見ると負けて帰ってきたんだよな、俺。
茂兄が来てくれてなかったら、今こんなにピンピンしてなかっただろうし。
もっと頑張らないとな!
ガラガラガラ…
ん?誰か来たのか?
「裕介さん…!目が覚めたんですね!」
「体の方は大丈夫ですか!?」
そう言って病室に入ってきたのはあかりちゃんとののかちゃんだった。
もう退院の準備ができたのか、恰好は二人とも俺が着てる入院患者の物じゃなく私服姿だ。
「あかりちゃんにののかちゃん!俺はもうすっかり回復したよ。二人は大丈夫?」
「はい!ホントにおかげさまで!」
「私たち裕介さんがあの時助けてくれてなかったらどうなっていたことか…。本当にありがとうございました!」
二人が深々と頭を下げてお礼を言ってきた。
助けた…か。
「そんな、顔上げてよ。俺は肝心な時に二人から離れてて、結局夾竹桃の接近を許してしまった…。むしろ頭を下げるべきはこっちだ。ごめんな、怖かったよな。」
「「それは違います!!」」
俺が頭を下げると、二人は揃ってそう言った。
「あの状況じゃ、あれはしょうがなかったんです!」
「そうです!私たちは今こうして生きてます。それは裕介さんのお陰なんです!」
優しいな、この子たちは。
そう言ってもらえるとなんだかこっちが救われたような気がする。
「二人とも…。ありがとう。」
そう言うと、二人はホッとしたようにとびっきり可愛い満面の笑みを浮かべてくれた。
それから3人で話していると・・・
「よーう、九重!」
「武藤!それにみんなも!!」
手を大きく上げて入ってきた武藤をはじめ、キンジ、不知火、レキさん、それから中空知さんにあややの新歓依頼のメンバー6人がやってきた。
「体の具合はどうだ?」
「あぁ、もうすっかり元気になったぜ!」
「ごめんね九重君。あの時君を一人にしちゃって。本当なら東京に帰ってくるまで離れないようにするべきだったよね。」
そう不知火が言うと、6人全員が「悪かった」とか「ごめん」とか言ってきた。
「いやいや、そんな気にすんなって。俺が逆の立場でもああしてたよ。」
「…それで九重、俺たちもおおよそのことは聞いたんだが一体あの後何があったんだ?」
キンジがそう聞いてきて、みんなもそのことについては話してくれみたいな雰囲気だったので俺はみんなと別れてからの一連のことを話した。
もちろんその話しの中ではイ・ウーのことはかなりぼかしたし、金一さんのことはキンジもいるから尚更隠した。
「—————とこんな感じだ。」
「そうか…そんなことが。…てことはそこの二人が…?」
「あぁ、さっき話した俺が現場でみつけた女の子のあかりちゃんとののかちゃんだ。」
「へぇ~、可愛い子達なのだ!年はいくつなのだ?」
「あたしは14歳で4月から中学三年生です。」
「えっと私は12歳で4月から中学一年生です。」
「なーんだ、それじゃああややたちとほとんど変わらないのだ!よろしくなのだ!」
そうしてあややが手を前に出すと二人はみんなが入ってきてから今まで少し緊張していたのだが、それが解れたようで握手をした。
それから中空知さんとレキさんとも同じように握手して女子達で話をしているようだ。
それじゃ、こっちは男共で少し話すか。
「そーいえば結局武偵高からの新歓依頼の評価はどうなったんだ?」
ここ武偵高では任務の出来次第で評価され単位がもらえたり、もらえなかったりする。
その単位とはいわゆる一般高校と同じで、進級&卒業に必要なアレのことだ。
「あぁ、それならばっちし完了ってことになって全員単位もらえたみたいだぜ!」
「おぉ、マジか!良かったぁ~。」
「どうやら今回の依頼情報が少し漏洩していたらしくてね。そのことが少し、依頼を流してきた武偵庁と武偵高の間で問題になったみたいでそのことも考慮されたみたい。」
「やっぱ漏れてたんだな…。ホントしっかりして欲しいぜ。」
「ちなみに俺達が蘭豹に報告に行ったとき、九重に「すまんかった」って言っといてくれって言われたぞ。」
「えっ!?それホントか?だってあの蘭豹だろ?謝るとか想像出来ねぇ」
そうしてその後も幾らか話した後、キンジは「ルームメイトだから、退院してから一緒に帰る。」とのことだが、それ以外の5人はそろそろ帰るらしい。
「それじゃあな、九重!」
「また明日ね、九重君。」
「また明日なのだ!あかりちゃんとののかちゃんもバイバイなのだ!」
「えっと…あの…九重さん、お大事に。」
「…また明日です。」
「おう!今日はありがとな、みんな!また明日!」
そうして5人は帰り、病室には俺、キンジ、あかりちゃん、ののかちゃんの4人だけとなった。
「なんか急に静かになったな。」
「だな。まぁ騒がしさの大半は武藤のせいだが…。それでこれからどうするつもりなんだ、九重?特にお前が連れてきたそこの二人のこととか。」
そう、キンジの言う通り二人を何とかしてやることが今一番優先して考えるべきことなんだよな。
ただ間宮一族はちりぢりになっちまったらしいし、何よりも二人の両親の行方さえわかっていないはずだ。
そんな状況で俺が二人にしてやれることって一体・・・
「あの!あたしたちのことなんですけど・・・」
ん、何か考えがあるのかな?
「今回みたいに間宮の一族が離れ離れになったときは無理に仲間を探すのではなく自分たちで事態が収拾するまで何とかするように教えられていて…。なので自分たちのことは何とかするので心配しなくて大丈夫です!」
…なるほど。
間宮一族は色々秘されているみたいだしそんな風に教えられているのも当然とも言えるかもしれないな。
「それで、具体的にはどうするつもりなの?」
「えっと、それは…」
「やっぱり。具体的にどうすればいいかわからないんでしょ?」
そう言うとあかりちゃんは黙り込んでしまった。
そりゃそうだよな。
まだ二人は中学生と小学生だ。
こんな状況で二人だけで何とかするなんて絶対無理だ。
「ちょっといいか?」
「どうした、キンジ?」
「いや結構難しい問題だろ、これって。だったらとりあえず答えが出るまで俺たちの部屋に住まわせてやればいいんじゃないのか?」
確かに。
少し考えたぐらいで何とかなることでもないか。
けど・・・
「それは名案だが…。いいのか、キンジ?
「おいおい九重。二人はまだ子供だぞ。流石に俺もそこまで守備範囲が広くは無い。」
ホントかよ、それ。
けどキンジがいいならそれが現状ではベストな選択だろうな。
「というわけでとりあえず俺らの部屋に来るといいよ。幸い部屋も持て余してたしね。そんでもってこれからのことはゆっくり一緒に考えていこう。な?」
「一緒に…。」
ん?あかりちゃんの顔が少し赤くなったような…?
「えっと、じゃあお言葉に甘えさせてもらってもいいですか?」
「もちろん!」
「俺も問題ないぞ。」
「ありがとうございます!」
「ふふっ、良かったねお姉ちゃん。」
「ちょっ、ののか!何か勘違いしてない!?」
ま、これでとりあえずは一件落着かな。これからのことは今決めずともこれから考えればいいんだ。・・・ところで何か忘れてるような?まぁいいか。
「んじゃ、退院ももうできるっぽいし帰りますか!」
そうして医者に退院の許可をもらい俺たち四人は武偵高男子寮まで帰ってきた。
「たった一日帰ってないだけのはずなのに随分と懐かしく感じるなぁ。」
「濃い一日だったからな、昨日は。…おい、なんだあれ?」
「ん?どうしたキンジ。」
「ほらあれだよ。」
そうしてキンジが指さす方を見ると・・・
「あぁ!!あれはブラックバードじゃねえか!そういや現場に停めたままだった!なんでここに?」
急いでブラックバードに近寄ってみるとシートの部分に紙が貼ってあった。
『お疲れさまでした。かなり大きな事件でケガもされたと聞きました。それでもこのブラックバードに乗って何とか仲間を助けることができたとか。元々このバイクは神奈川武偵高
「え、これって要するに…、タダで貰えるってこと?」
「そういうことだな、恐らく。」
というわけでラッキーなことにブラックバードを頂けることになった、けど・・・
いやぁ、結構なお値段だよねコレ。
でもまぁ、そこら辺の諸々には目を瞑って、ありがたく貰っておこう。
これからの武偵としての活動の幅も広がりそうだしな。
そしてひとまずブラックバードは寮の駐輪場に停めて、ようやく自室へと帰ってきた。
「たっだいまーっと。あ、二人とも遠慮しないで入っちゃって。」
「「お、お邪魔しまーす。」」
「お湯とか沸かしとくから、二人に洗面所とかの場所教えてやってくれキンジ。」
「あぁ、わかった。」
えーっと、確か紅茶のティーパックが…あった。
それから冷蔵庫の中身は…ってなんもねぇじゃん。
今日の夕飯は下のコンビニで調達するしかなさそうだな。
ピンポーン
ん?誰か来たのか?
「はーい、今出ますよーっと」
ドアを開けるとそこにいたのは・・・
「やっほー!ユーくんが知らぬ間に大変なことになってるって聞いたからお見舞いに来てみました!」
理子だった。
「おー理子!見舞いに来てくれたのか、ありがとう。でも俺はこの通りもう結構元気なんだよな。」
「あらら、一足遅かったかぁ。でも元気なユーくんを見れてそれはそれで満足なのです!それに少し話したいこともあるし。」
「んじゃ、ちょっと上がってくか?紅茶くらいしか無いけど。」
「それじゃあミルクたっぷりの甘々なやつで!おっ邪魔しまーす!」
ってもう部屋に上がる気満々かよ。
まぁ、俺から誘ったんだが。
「誰だったんだ、九重?って理子!?何で上がってきてんだよ!?」
「おー、キーくん!あれ?その後ろの娘たちは?」
「その娘たちは昨日の事件の被害者で、まぁ成り行きで預かってるんだ。」
「へー!可愛いお二人さんだね!あたしは峰理子、ユーくんとキーくんのお友達でーす!よろしくね!」
「あ、間宮あかりっていいます!それでこっちが妹のののかです。」
「あかりちゃんにののかちゃんね!ねーねー、理子お姉ちゃんって呼んでみて!」
「「り、理子お姉ちゃん。」」
「クハー、いいよ。これいいよ、すっごく。くふふ…」
何やってんだ理子のヤツ。
何か少し気持ち悪かったぞ。
「おい、俺の質問に答えてない気がするんだが…」
「くふふ・・・あぁ、ごめんキーくん。少しユーくんにお話があるんだ。ダメ…かな?」
「っ!いや、ダメではないが。」
「やったー!ありがとう、キーくん!」
今の反応…。
キンジのヤツ、理子に下から上目遣いで見られたくらいでヒステリアモードの心配してるな?
何だかんだ事件の時も切り抜きでなってたしな。
流石に耐性が無さすぎるだろ。
っとまぁそんなことはさておき、そろそろお湯も沸くし紅茶を用意するか。
そうして紅茶を5人分用意してテーブルの上に置き、ソファに腰かけた。
「おいしょっと。それで、話ってなんだ?」
「んー、おいしい…。えっとね。ユーくんってテニスやってたんだよね?」
「あぁ、やってたけど。それがどうかしたのか?」
「一つ学年が上の理子のお友達がテニス部にいるんだけどね、もうすぐ試合があるのにケガしちゃって出れないの。」
「そうなのか、それは気の毒だな。」
「でしょ?でもそれだけじゃなくて東京武偵高テニス部は最近部員数も減ってて戦績も芳しくなくて、とうとう生徒会が次の大会である程度の戦績を一人でも出せなければ廃部にするって言い出したんだよ!」
「マジか。弱小な部活団体にかけるお金が無いってことなのかもしれないけど、流石に酷いな。」
「でしょでしょー?そこでね、ケガで枠を一つ空けたままにするのはもったいないから誰か助っ人を探してるんだって。」
「まぁ、だろうな。少しでも可能性は高くしたいよな。」
「そうそう。というわけでユーくん、よっろしくぅ!」
「ってちょっと待てぇい!まだやるなんて一言も言ってないぞ。」
「ユーくん、お願い!一生のお願い!報酬もあるみたいだし!それにもし引き受けてくれたら…理子が好きなこと何でもしてあげる…。」
コイツ…簡単にそういうこと言いやがって。
まぁ、理子のことはともかく受けてやっても…いいか。
最近忙しくてテニスやる暇が無くてそろそろ恋しくなってたとこではあるし。
それに聞いちまった以上、引き受けないで廃部とかになったら後味悪いしな。
「わかった。受けるよ、その依頼。」
「ホント!?わーいありがとうユーくん!」
「ただし、さっきお前が言ってた何でもしてあげるってやつは貸しにでもしといてくれ。いつか清算してもらうからな。」
「えー、貸し?…うん、りょうかーい!」
ふっ、後悔するなよ理子。
その貸しはここぞという時に使ってやるからな!
「それじゃー、用件も終わったしそろそろ帰るね!お茶ご馳走様でしたー!」
「おう、また学校でな。」
「うん!じゃ、キーくんとあかりちゃんにののかちゃんもまったねー!」
そう言いながら手を大きく振って理子は帰っていった。
<side・理子>
ふぅ、とりあえず言われた通りユーくんを試合に出すことはできそうだね。
ホント、ユーくんってば結構お人好しだなー。
困ってる人を見ると助けられないみたいな感じなのかな?
例の間宮の子たちの面倒も見るつもりみたいだし…。
くふっ、いつか後悔するかも…だね。
それにしてもユーくんといえば色々な方面から今までの経歴なんかの個人的な情報を調べてみたけど・・・
いくら調べても12歳より前、つまり中学に入る前のことがちっとも出てこないんだよねー。
もしかして
・・・んー、わかんない。
とりあえず今回、何で教授がユーくんをテニスの試合なんかに出させようとするのか…まずはそこから探っていかないとね。
<side・理子 終>
ご読了ありがとうございます!
いかがだったでしょうか!?
とりあえずはこの15話でFirst Mission編は終了です。
次の章は作者がこの物語を作るにあたって一番やってみたかった(というか妄想していた)お話ですので、わずかながら期待してください!(笑)