緋弾のアリア -Knowledge is power-   作:ピュアドライバー

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お久しぶりです!

急ではありますが、この度『-Knowledge is power-』を凍結し、新たな小説を書くことに決めました。
詳しいことは活動報告の方に掲載いたしましたのでよろしくお願いします。


20話 決闘

「どう?」

 

「確かに…これが超能力(ステルス)を使う感覚か」

 

自分との戦いになんとか勝利し催眠から解放された後、実際に超能力(ステルス)を使ってみろと言われやってみると不思議なことに今まではこれっぽっちもできる気がしなかったが簡単にできてしまった。

どんな感じかって言うと息をするとか瞬きをするとかそういう本能が知ってるみたいなそんな感覚だ。

 

「でも何でいきなり俺は感覚で使えるように?」

 

「それはね、超能力(ステルス)の仕組みに由来するわ」

 

そうして神島先生が教えてくれたことを要約すると・・・

超能力(ステルス)を使えるようになるってのは脳の鍵を開けるようなもので、一度使えるようになったってことはその瞬間に鍵が開かれ、それ以降は大抵感覚的に使えるようになるらしい。

 

「ま、そもそもこんな風に催眠で強引に生徒に超能力(ステルス)の使い方を教えたのは初めてなんだけどねー」

 

「な、なんすかそれ!じゃあ普通はどんな感じで教えるんですか?」

 

「普通はね…教える必要が無いの」

 

「え?」

 

「普通、超能力(ステルス)を使えるいわゆる超能力者と呼ばれる類の人間は先天的…つまり生まれながらにしてその才能があるし、使い方も本能的に知っているものなのよ。だから使い方なんてそもそも教える必要が無いの」

 

「…じゃあ俺は一体?」

 

「そんなの私が聞きたいわよ~」

 

要するに俺は後天的に超能力(ステルス)が発現した人間第一号ってことか?

そもそも超能力(ステルス)ってだけでもオカルトじみてるってのに今回のは不気味すぎるぜまったく…。

 

「ま、君に何か秘密があるのか、ホントに後天的に超能力(ステルス)が発現したのか…どっちにしろ今は考えるだけ無駄ってもんね!」

 

バッサリ言うなー、ホント。

でも先生、俺に秘密なんて無いですよ?

だって俺は中学まで武偵なんて知らないごく普通の中学生だった…はずです。

 

「じゃあここからは本来超能力捜査研究科(SSR)でやっている特訓をしましょ」

 

そうしてその日から約一週間ほど超能力(ステルス)の出力量の強化、能力の活用法を考えて特訓するってことをひたすら繰り返しやらされた。

ちなみに後者に関しては俺の場合、強襲科(アサルト)だからってのもあって能力を戦闘に活用する方法だ。

まぁ簡単に言うと技のアイデアを考えて試行錯誤するって感じだな。

そしてその過程で判明したことが一つ。

俺の能力は手を超高温にすることだけだと思っていたがどうやらその逆、つまり超低温にすることもまた然りだったってことだ。

そこで俺はとあることができるんじゃないかと思いつき、今はそれの下準備のために一年装備科(アムド)主席である平賀文ことあややに頼みごとをしに来たんだが・・・

 

「うーん、これは…ちょっと難しそうなのだー」

 

「そうかー、やっぱり少し難しいか…」

 

「申し訳ないですのだ」

 

「いや、そもそも無茶なお願いだったからしょうがないさ」

 

「確かにこんな装置見たことないのだ。一体何に使うのだ?」

 

そして、企画書を見ながら『?』マークを頭の上に浮かばせているあややに俺が何を考えているのかを大まかに説明した。

 

「んでまぁ、カクカクシカジカ…って感じなんだ。」

 

「えー!裕君はいつの間に超偵になったのだ!?」

 

そう言いながらあややは驚いて背伸びをしながらピョコピョコ跳ね出した。

 

な、何だこのカワイイ生き物は…。

身長が小学生並みに低いってのもあるがまるで小動物みたいだ。ペットにしたい。

あまりの可愛さに少しニヤついてしまったのか周りの装備科(アムド)女子がこちらを見てロリコンとか言って若干引いてるような幻覚と幻聴を感じたような気がしたのだが、まぁ気のせいだろう。

 

その後十分に癒されたのち、装備科(アムド)を後にした。

去り際にもあややからごめんと言われたが、正直話を持っていく前から難しいとは思っていた。

 

あー、これが完成できればかなり使えると思うんだけどなぁ。

でもあやや以外で頼めそうな人とか誰もいな…あっ!一人、そっちの世界でのコネが広い人がいるじゃないか!

よし、電話電話っと…

 

『もしもし』

 

「お久しぶりです社長!九重です」

 

『おぅ九重君か、久しぶりじゃのぉ』

 

そう、まさしくその人物とはお馴染みサイゼの社長である。

 

「実は今日は少し頼みたいことがありまして」

 

『ほぅ、話してみなさい』

 

そうして俺は先程あややにもお願いした内容を同じように話した。

 

『ホッホッ、今度は超偵になったとは相変わらず面白い男じゃのぉ。そういうことなら最近、先端科学(ノイエ・エンジェ)に力を入れている企業に知り合いがおるからそこに当たってみよう』

 

「ホントですか!いつもありがとうございます!」

 

『なぁにお安い御用じゃよ。また困ったらいつでも連絡するんじゃぞ?ではの』

 

社長ってばホントに頼りになる人だよ。

社長の期待に応えるためにもこのアイデアを実現させなければ…。

 

そうして数日が過ぎ、知らない番号から携帯に電話が来て出てみると件の企業の技術開発部の人だった。

何でもその企業は京菱重工といって先端科学(ノイエ・エンジェ)のような今までにない技術を研究しているらしく、俺の事情を知り我々に是非手伝わせて欲しいとのことだった。

しかも費用まで持ってくれると来たもんで逆に怪しいとまで思えてきたが、二つの条件を出してきた。

 

まぁ、そりゃそうだよな。

 

その条件とは一つ目が俺の戦闘データを採ること、そして二つ目は京菱重工が現在開発中の新型兵器があるらしいんだがそれのテスト運用をするというものだった。

武偵でなおかつ強襲科(アサルト)でドンパチが日常茶飯事ってこともあり正直どちらの条件もお安い御用だったため、条件を飲んでお願いすることにした。

 

京菱重工…あんまし聞いたことない企業だけど、ほぼ2つ返事でかなりの好条件を提示してくれるなんて流石社長のコネは半端ないな。

新型兵器とやらのテスト運用をあんま考えずに承ったけど、どんなんだろうな。最近密かにハマってるインフィニット・〇トラトス的なのだったらいいなぁ。

ま、そんなわけないだろうけど。

 

京菱重工との通話を終了した後、そんなことを考えつつ午後のアサルトの授業を受けるために専門棟に向かう。

 

「裕介君」

 

「ん?」

 

そこにいたのは…

 

「詩織か。アサルト棟行くとこだろ?早く行こうぜ、遅れたら蘭豹が怖いからな。そうか、詩織は転校してきたばっかで知らないかもだが蘭豹は人間バンカーバスターっていってな…」

 

「…裕介君、私と決闘をしてください」

 

「…え?」

 

* * * * *

 

「よーし、ええで九重に近衛…ややこしいなぁ!まぁええわ!どっちかが死ぬまで好きにやりぃや!」

 

クソ、この人ホントに教師かよ。

確かに武偵高(ここ)じゃ決闘は非推奨ってだけで禁止はされてないんだがそれは要するに公にならないように隠れてやれってことだ。

にも関わらず蘭豹はやれっていうどころか強襲科(アサルト)全員の前でやれとか言い出しやがる。

 

「なぁ詩織、やっぱ止めにしないか?こんな大勢の前でやることじゃないだろ」

 

「ごめんなさい、でもダメです。そして先程言った通り負けた方は勝った方の言う通りにしなくてはなりません。」

 

そう、詩織は俺に何故か決闘を申し込んできてそんな条件を突き付けてきたのだ。

 

「俺に何かさせたいのか?だったら決闘なんてしなくてもやってやるよ。だから止めようぜ、な?」

 

「いえ、それは違います」

 

「違う?何が?」

 

「私がお願いしただけでは裕介君は確実にそのことを了承しないです。私があなたに要求しようとしていることはそういう類いのことなんです。」

 

詩織は一体俺に何をさせようとしているんだ?

 

ドォン!

 

「なにグズグズやっとるんや!とっとと始めんかい!」

 

俺と詩織のやり取りに痺れを切らした蘭豹が自身の銃であるM500、通称象殺しをぶっ放したようだ。

 

蘭豹があの調子だともう後戻りはできない…か。

詩織も碌に事情も話さないまま始めやがって、ちょっと頭に来るな。

 

「…わかった、やるよ。ただし、いくら相手が本家のお嬢さんだからって手加減はしないからな。」

 

「ありがとうございます。やるからにはもちろん全力でお願いします。ただ―――」

 

詩織は肩にかけていた布製の細長い袋から一振りの日本刀を取り出し鞘から刀を抜き構えた。

それに呼応し、俺も時雨を鞘から抜いて構える。

 

「―――今のあなたでは私に勝つことはできない。」

 

「始めっっ!!」

 

蘭豹がそう叫んだのを合図に俺と詩織は互いに接近した。

 

以前茂兄が言っていた。

近衛一門同士の戦いは近衛の技は互いに知り尽くしているためその弱点ももちろんわかっている。

だから勝敗を分けるのは単純な剣の技量や駆け引き、あとは戦いの勘ということだ。

詩織の力量がわからない以上こちらから仕掛けるのは危険だ。

まずは詩織の出方をうかがってあちらの初手を受け流そう。

 

詩織はこちらが攻めてこないのを見て、乗ってやらんとばかりに上段から勢いよく刀を振り下ろしてきた。

俺はそれを時雨で受け止める態勢に入り、刀同士が当たるその瞬間に手の力を抜き手首を軸に時雨を回転させ振り下ろしを受け流した。

 

よし、上手くいった。

でも少しタイミングを間違えてたら危なかったな。

詩織の剣は重さこそそこまで乗ってないように感じるが、スピードが今まで経験したこと無いほどに速い…!

 

詩織は受け流された刀を地面に振り落とす前に止め、横に跳び距離を開けてきた。

 

「そのしなやかな刀の軌道、流石です。近衛流の剣術は使わないんですか?」

 

「詩織だって知ってるんだろ?近衛同士の戦いにおいてはそれが意味をなさないってことは。」

 

「知っていましたか。さしづめ茂人さんから聞いたというところですか…。ならステルスを使うつもりですか?」

 

「いや、アレは使わない。」

 

というより何の熱耐性の加工もしてない時雨じゃ多分耐え切れないからな。

使わないんじゃなく使えないんだ。

 

「そうですか。ならこちらから・・・」

 

そう言って詩織は刀を両手から片手に持ち替え、剣先をこちらに向けるのではなく地面に向けてそのままこちらに接近してきた。

 

なっ!?刀身が見えなくなった!

詩織は何をしたんだ?まさかステルス?

いや考えるのは二の次だ。

詩織の手や腕の軌道から剣筋をイメージして対処するしかない…!

 

詩織は腕を勢いよく振り上げる。

俺は視覚的に刀身が見えないためどうしても一瞬反応が遅れるが何とか時雨を見えない刀身に合わせ、防ぐ。

 

「まだまだいきます」

 

そう言いながら上下左右から速さを活かした斬撃を浴びせてくる。

反撃を試みようにも刀身が見えていても少し分が悪いくらいだった詩織との剣の技量の差が、ある意味で視覚を奪われたことにより反応が遅れジリ貧になってしまう。

それでも頭をフル回転させ、最初は手と腕だけに注目して対応していたのを詩織の体全体の機微な動きから次の一手を予測して、何とか反撃の糸口を探す。

 

次は…下!

 

キンッ

 

左!

 

キンッ

 

詩織は右利きなこともあり、若干ではあるが右方向への斬撃よりも左方向への方が速さが遅い。

そこを狙うしかない!

 

詩織の足の踏み込み、そして肩の動きからして左方向への斬り込みと予測しここぞとばかりに踏ん張っていた筋肉を解放し、詩織の刀身のそれも力をかけやすい先端付近が通るであろう位置に逆転の一撃をダメ押しでトリガーも引きさらに重さと速さを加えて叩き込む。

 

…オラァァァ!!

 

キンッッッ………

 

「…は?」

 

何だ、何が起きたんだ…

 

驚いているのは俺だけではなかった。

先程までは蘭豹のいる手前騒ぎはしていなかったがそれでもガヤガヤはしていた強襲科(アサルト)の見物していた連中の音も全く止み、それぞれが唖然としていた。

なぜなら一瞬前までは俺の手中にあったはずの時雨が弾き飛ばされたのだから。

 

「近衛流二の型、逆弾(さかはじ)き」

 

周りから見れば起こった事象としてはそれでも普通ではないが俺の刀が弾かれただけに過ぎないかもしれない。

だが今起こったことを頭の中で反芻する内に段々と分かってきた。

まず詩織の刀が見えなくなったことだが、あれはステルスじゃない。

刀身の厚さを異常に薄くして相手の左右の目の死角、つまり左右で視野の重なる部分に刀を持ってくることでその異常に薄い刀を認識できずに錯覚させるということだろう。

そして本来なら知り尽くしているはずの近衛流も刀身が見えないことで、対応することができない…。

まさに近衛の同門殺しの技ってとこか。

 

「参った、俺の敗けだ。」

 

「ありがとうございました。」

 

詩織は刀を鞘に収めてから一礼をした。

 

「フンッもう終わりかいな。九重ぇ、お前SSR行っとった間に鈍ったんやないやろなぁ?とりあえずグラウンド逆立ち100周や。」

 

「はっ!?そんなの今日中に終わるわけ…」

 

「ほぅ、口答えとはええ度胸してるやないか。えぇ?」

 

蘭豹は腰掛けていた木箱から立ち上がり拳を鳴らしながらこっちに向かってくる。

 

あ、やべ

 

「ちょ、待ってウソさっきのウソで…」

 

まあもちろん蘭豹が止まることはなく、なんとか逃げようとしたが一瞬で捕まり軽々と逆さに抱え上げられパイルドライバーをお見舞いさせられた。

 

碌に受け身も取れなくて、マジ洒落にならないレベルで激痛なんですが。

前言撤回なんてこの学校じゃ通用しないってこと忘れてたぜ…

 

「オラァ!お前らいつまで見とるんじゃぁ!さっさと捌けんかい!!」

 

流石は強襲科(アサルト)諸君、蘭豹の恐ろしさを身をもって知ってることから一瞬で自分の元いた場所へ戻っていく。

そうして付近には首を抑えてのたうち回る俺と詩織のみになった。

 

「大丈夫ですか…?」

 

「大丈夫ではない…かも。いや、でも大丈夫だぞ!」

 

「クスッ、どっちなんですか?まったく」

 

詩織が笑ったとこ初めて見た…。

 

「んじゃ、ちょっくら逆立ち100周してくるわ。いつ終われるかわからんけど。あ!そうだ、詩織が俺に頼みたいことってなんだ?負けたからにはちゃんと聞くぞ。」

 

「後です。」

 

「え?」

 

「それは後でちゃんとお話します。まずは逆立ち100周でしょ?裕介君一人じゃ日が暮れちゃうから私も手伝いますよ。」

 

「それはありがたい!けどいいのか?俺のためなんかに時間割かせちゃって」

 

「別に裕介君のためじゃないです。早く終わらないと頼み事話せませんし。それに手伝うって言っても応援してタオル渡すくらいなんですからね?ほら、早く行きましょう。」

 

 

 

 

 

そうしてそれから詩織に手伝ってもらいながらなんとか100周終えることができた。

って言っても日付は変わっちまってるけどな。

でもそんなに時間がかかったにも関わらず詩織は文句一つ無くずっと付き合ってくれた。

何度もあとは一人でやると言ったんだが、そんなのお構いなしでホントに一時も目を離さず傍にいてくれた。

 

なんか詩織といると落ち着くっていうか…。

まだ知り合ってから日は浅いのに不思議だな。

 

今はもうほとんど体に力が入らないため、詩織に肩を貸してもらいながら歩いている。

本当なら遅いし俺が詩織を部屋まで送ってやりたいが、そんな風にカッコつける余裕が全く無く、情けないことに逆に詩織に俺の部屋まで送ってもらっている。

 

「悪いな、こんなことまでしてもらって。本当なら俺がお前を送ってやりたいんだけどさ」

 

体を半分くらい預けている詩織の体は、決闘の時じゃ想像もつかないほど華奢で柔らかくて…体を伝って流れてくる熱が温かくて。

すぐ横にある詩織の肩のあたりまで伸びている髪からはほんのりと甘いいい香りもしてきてなんだか変な気分になりそうだ…。

 

「お疲れ様です。まさかホントに一周もズルすることなくやり遂げるとは…凄いです。」

 

「ズルとかはあんまりできない性分でさ、なんていうか不器用だよな。」

 

「そんなことないです。…カッコイイです。」

 

「そうかな?それはどうも。」

 

この時間の学園島の道には街灯と点々と建っている寮の廊下の光しかなくて…

海の方を見るとレインボーブリッジとその向こうの高層ビル群の無数の光がいつもよりも何倍もキレイに見えた。

 

そんなあまり味わったことのない時間はすぐに終わり、第三男子寮の俺の部屋に着いた。

 

 

<side・詩織>

 

「さぁ着きましたよ。鍵を貸してください」

 

「ん…おう」

 

すっごく眠そう。

そりゃそうかな、あんなに頑張ってたもんね。

 

ガチャリ

 

「おじゃまします。」

 

あれ、返事が無い。部屋の明かりも付いてないし…。

確かここは遠山君との二人部屋だったよね?

遠山君はもう寝てしまったのかな。

 

「ほら裕介君、靴を脱いで?」

 

はぁ、もう半分というかほぼ寝てるよ。

しょうがない、こんな状態で放って行けないし寝かせてから帰ろう。

元々決闘の約束も話すつもりだったしね。

 

「ん…ありがとな詩織。今日はもう遅いし…泊まって行けよ。」

 

まったく、寝ながらもこんなこと言うのだけは忘れないなんて変わらないなぁ。

 

「はいはい、ありがとう。でも裕介君を寝かせたら帰りますよ?」

 

もうお風呂に入る元気も無さそうだしこのまま寝かせよう。

遠山君を起こしたらややこしくなりそうだからしょうがない、ソファで我慢してもらおう。

 

「よいしょっと」

 

やっぱり大きくなってるんだね。すごく体ががっしりしてて少し重たいよ。

こんな風に私にお姫様抱っこされてるの見たら何て言うかな~。フフッ

 

そうしてリビングにあるソファまで彼を抱えていく。

 

…ふぅ。うん、長めのソファだし寝てもあんまし窮屈じゃなさそう。

後は毛布を掛けてっと。

よし、これで大丈夫そう!

 

そこでは布団を被せられ、ソファの上でもう完全に寝てしまっている彼の意外と可愛い寝顔を眺めている私だけの時間がある。

 

でも結局あの事をお話はできなかったね。

しょうがない、置手紙で伝えよう。本当は直接言わないといけないんだけど…。

そうだ、茂人さんにもお願いしておこう。あの人でも本家の意向には逆らえないはずだから。

 

 

 

 

 

「じゃあね、裕君(・・)。大丈夫後は私に任せて。だから早く―――」

 

「―――この危険な東京から離れて京都に…近衛本家に帰ってね。」

 

<side・詩織 終>

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