【完結】逆転ヤンデレ変身ヒロインと洗脳闇堕ち復帰済みサド改造人間の勘違いドッカンバトルon地球空洞説ファンタジーSF異世界インモラルラブコメ 作:所羅門ヒトリモン
ホロウ・アースの世界観についてだが、SFチックなファンタジーだと俺は認識している。
大昔、この
そいつは地上で何世紀か過ごした後、居心地が悪かったのか、はたまた生存競争に敗れたのかは知らないが。
ある時を境に地中深くへと潜り込み、
端的に言えば、地球深奥を〝異世界化〟したのである。
オルタナティブ・プラネット。
フォーミング・アン・インベイジョン。
要するに侵略だ。
テラフォーミング、という宇宙用語があるだろう?
他の惑星を地球と似た環境に作り替え、地球生物が生息可能な居住空間へと変更してしまう仮想概念。
アルファ・ドラゴンは、
地球深奥の異世界化とは、つまるところアルファ・ドラゴンの故郷であろう『異星』環境を、地球にて構築・形成したコト。
だが、地球の内部にはそもそも、マントルや核といった、岩石及び金属の層が存在しているはず。
地球空洞説は科学の発展と共に否定され、地上じゃ20世紀には根拠を失っていた。
なのに、何故この世界ではホロウ・アースが実在するのか?
答えは、ホロウ・アースが地球の深奥部に
時空と次元を超越した、ファンタジーな理屈で成り立っているからである。
恐らく、というか、確実に。
アルファ・ドラゴンの故郷は、剣と魔法の幻想世界だったのだろう。
現在のホロウ・アースは、時代が進んだコトでほとんど西暦2020年代と変わらない──否、それどころかむしろ進んだ、超科学的な高度な文明社会を築き上げているが。
歴史としては地上と同じで、古代やら中世やら近世等を経て、ここまで世界を発展させて来ている。
その証拠に、ホロウ・アースでは魔法が実在し、ホモ・サピエンスとは異なった身体的特徴を持つ人類──俗に言うエルフなどもいた。
妙な言い回しだとは自分でも思っているが、〝SFチックなファンタジー〟とは、だからなのである。
で、世界観の話をまだ続けさせてもらうが、ホロウ・アースは魔法によって文明レベルを支えられている。
地上における電気や水道といった社会インフラを、魔法で賄っているのがホロウ・アースの大半の国々だ。
けれど、そんなのって胡散臭いだろう?
魔法さえあれば、何でも願いが叶う。
困った時は超常現象。
奇跡に頼れば問題解決。
魔法最高! 魔法最強!
なんて、そんなバカみたいな話あるワケがないので。
──『全天夜光大星図ウラノメトリア』
この世界の魔法は、アルファ・ドラゴンが遺した〝神秘のシステム〟を利用していた。
分かりやすく説明するには、そうだな。
ファンタジーのお約束から考えて行くか。
ホロウ・アースでは所定の順序を踏むと、物理法則を無視した超常現象が発動可能である。
それは世界のルールで、世界の仕組み。
要は裏技みたいなもので、
・呪文を詠唱する。
・魔法陣を書く。
・儀式を行い、神や精霊に請願する。
といった、オカルト的なお作法。
古きホロウ・アースでは、これが普通で当たり前だった。
だが、疑問には思わないか?
『呪文』も『魔法陣』も『儀式』も、そもそも誰が見つけて人々に教えてくれたのだろう?
というか、そんな裏技が実際に通じてしまう──奇跡を現実に起こせてしまう理由って?
魔法だからと思考停止せず、皆んな一緒に考えてみよう!
ホロウ・アースを創ったのは、宇宙からやって来た怪獣アルファ・ドラゴン。
そのカラダには、故郷の異星環境を再現する『魔法式』が刻まれていた。
言うなれば、アルファ・ドラゴンとは物質化した異星法則。
そんな怪物が、文字通り〝世界のはじまり〟なら、ホロウ・アースでは異星のルールが適用されても不思議はない。
つまり、全天夜光大星図ウラノメトリア。
其れこそが、アルファ・ドラゴンのもうひとつの名前。
魔法という奇跡の下敷きとなる、あらゆる小魔法式のベースとなる大魔法式、オルタナティブ・プラネット・プラットフォーム。
異星の神話、異星の伝説、異星の歴史。
神秘のシステムを成り立たせる土台である。
(んで、このアルファ・ドラゴンの遺体なんだが……)
今現在はホロウ・アース全土に、化石燃料のようなカタチで溶解・堆積している。
ぶっちゃけると、レアメタルみたいな扱いでエネルギー源になっている。
(そりゃそうだ)
呪文だ魔法陣だ儀式だの、七面倒臭いプロセスを経て魔法を発動するより、欠片とはいえ大魔法式そのものに直接接続してしまった方が、魔法は簡単に発動できたし効率も良かった。
アルファ・アステライト鉱……略してアステライト。
ホロウ・アースの大半の国々では、この鉱物をエネルギー源にし、斯くして文明を発展させて来たのである。
〈
アルファ・ドラゴンの故郷には、きっと〝世界の平和を守る正義の龍騎士〟という伝説があったのだろう。
星剣はアステライト鉱を素材の一部にして造られたデバイスで、古代ホロウ・アースでは兵器として運用されていたようだ。
話は長くなってしまったが、ホロウ・アースとはすなわち──
(アルファ・ドラゴン=ウラノメトリア=アステライト=魔法、によって文明を急成長させてきた世界観なんだな)
なのに聞いた? オクサン。
近頃ホロウ・アースってば、環境問題を囁かれて、深刻なエネルギー不足が懸念されているんですって!
各国ともアステライトの採掘量が年々減少傾向で、このままじゃそう遠くない未来、新たな湧出源や鉱脈でも見つけない限り、すべてのアステライトを掘り出し終わり、国際経済的な奪い合い──下手したら戦争にまでなるかも〜!
と、ニュース番組などでは報道されたりもしている。
実際、アステリア王国でも未来を見据えて、アステライトのより効率的な利用法を模索するため、各大企業には新型のデバイス開発を要請したり、国立大の研究機関には、既存の技術の改良を日夜続けさせているそうだ。
アステライトには頼らない全く新機軸のエネルギー体系。
アルファ・ドラゴンが地上から地中へと潜航した際、巻き込まれ、一緒に流れ込んでしまった〝地球由来〟の物質。
異星環境に適応し、すでに独自の進化と変異を辿った古生物や古代文明。
そこから発見された、謎多き『ガイアフォトン』!
怪人と怪物を生む驚異の翠色光子であれば、新時代を代表する希望のエネルギーとなれるのかもしれない。
かつて、その可能性に人生を懸けた研究者がいた。
その人物こそ、ミストレス・ガイナ。
(本名はたしか……ティファナ・アスタロッテ)
過去にクロエが戦ったホロウ・アースのテロリストである。
ティファナ・アスタロッテは、アステリア王国の魔法省職員でもあり、一時期は優秀なエネルギー研究者として、将来を嘱望されていた。
考古学部門として星剣のような遺物〈レリック〉の発掘調査にも動員され、優秀な成果も叩き出し、出世コースを邁進していたそうだ。
しかし、彼女は研究生活の中で次第に、アステライトではなくガイアフォトン──
(今日では異端とされる『怪人科学』に、のめり込んでいった)
やがて、ガイアフォトンの結晶化や、怪人と怪物が生まれるメカニズムまで一部解明。
ホロウ・アース全土に〝新エネルギー時代の到来は間近なのか!?〟と期待、興奮、戦慄を煽り、
(古龍教会──アルファ・ドラゴンを神と崇める『信仰』の力に、沈められた)
ありがちな話だ。
ガイアフォトンは、怪人と怪物を生み出す悍ましきエネルギー。
そんなモノが世に広まれば、人々は皆な怪人になってしまうのではないか?
人間ではないバケモノ。
神の摂理に背く異端。
元々、古龍教会はアステライトの恩恵にあやかる形で、組織を拡大してきた。
そのため、古龍教会にとってガイアフォトンは、自分たちの基盤を揺るがす〝脅威〟に映ったのだろう。
世論を煽った古龍教会の〝異端狩り〟によって、ティファナ・アスタロッテは瞬く間に省内での立場を失い、研究記録さえも抹消処分。
そればかりか、親類縁者さえも迫害やリンチの対象となり、天涯孤独に。
テロリストになったキッカケは、深手を負った弟を病院に連れて行ったところ、受け入れを拒否されたからだと、治安維持管制室のレポートには記されている。
古龍教会爆破テロ犯、ミストレス・ガイナとは。
ゆえに斯くして、ホロウ・アースに産声をあげた。
(でも、あんまり同情する必要とかは、無いかもしれない)
だってこのおっぱい、普通に倫理観とかブッ飛んでるタイプのマッドな女だから。
(弟のカラダを半機械式の怪獣に改造。失った自分の両腕も義手というか兵器化)
世間から追放されたコトを良いことに、「ならばわたくし、そちらさんのルールからもおさらばでしてよー!」と倫理や人道を逸脱。
人体実験、肉体改造、違法兵器開発に売買。
アウトな犯罪行為に全速力で前進。
(あれはまだ、俺が攫われて改造される前の話だったから……)
白星クロエの変身ヒロイン物語で云うと、だいたいシーズン2の後半くらいだったかな。
高二の二学期から三学期。
そのあたりを占めたメイン・キャラクターだ。
きっと余罪は、まだまだあるだろう。
後で裏切っても、特に心を痛めずに済みそうだ。
目の保養にもなるし、フェーズ2適役はミストレス・ガイナしかいない!
(まったく……)
それにしても、なんてド級のおっぱいなのだろう。
人気の無い廃墟で、ショゴスみたいな触手系モンスターに襲わせるとか、仕組んだヤツは誰だ? 名乗りをあげろ。握手してやるから。
(プランの都合上、蹴散らさなきゃならないのが残念だぜ……)
これからしばらく、俺はミストレス・ガイナに操られてる体で動いていくからな。
ご主人様の身の安全は、守ってやらないと。
「────擬似星剣、抜刀」
薄闇の両手剣を、プリズム光と共に召喚する。
目指すは遥か眼下の廃墟の路地裏。
下等生物を駆逐するため、切っ先を真下に向けながら、飛翔のための推進力をすべて逆方向に噴射した。
さあ、いざや喰らえ。
「“
暗黒の帳を一条の軌跡として──行った。
────────────
────────
────
──
その瞬間を、ミストレス・ガイナ……否、ティファナ・アスタロッテは『運命』だと思った。
絶体絶命の窮地。
罠にハメられ、殺されそうだった。
抵抗のための武装はすでにエネルギーを失い、両腕はもはや重たいだけの鉄枷も同然。
最後の希望だった『弟』は、肉塊の波に呑まれて機能を停止した。
ここはアステリア王国、国境線。
旧防衛軍時代の打ち捨てられたベース跡地。
三ヶ月前の決戦によって、『組織』は散り散りになった。
ミストレス・ガイナは省職員時代の知識を利用して、今では誰も寄り付かない、廃墟も同然のここを潜伏場所にしていた。
辺りには、高濃度のガイアフォトン。
旧防衛軍時代、『組織』の前身となったとある秘密結社が、盛大なテロを引き起こしたコトで、結晶化するほどの翠色光子が蔓延している。
何もしなければ、人体への影響は無い。
それでも、アステライトの恩寵に頭の天頂まで浸かったホロウ・アースでは、今でもまだ、それがガイアフォトンというだけで偏見の目を捨てられない。
怪人と怪物への差別感情。
未知なるモノへの恐怖。
くだらない妄想に取り憑かれて、こうして軍施設まで放棄しているのだから、衆愚というのはつくづく救えない。
だから、知識と智慧の光によって、蒙を啓かなければ。
でないと、ホロウ・アースに明日は無い。
(ですのに……)
深刻なエネルギー問題を、解決できる術があるというのに、どうして誰も理解しようとしないのか。
ガイアフォトンさえあれば、人間は既存の生体モデルを脱却し、更なる進化に辿り着くコトもできる!
他ならぬ『弟』で、ミストレス・ガイナはすでに実証も済ませていた。
人々はそれを、『異端』だと罵ったが……すべては忌々しい古龍教会の陰謀。
悪しき因習が、人々を破滅へと追いやっている。
ならば、多少の荒療治は仕方がない。
ミストレス・ガイナは人々の目を覚まさせるため、これまで幾度となく強行的な手段に訴えて来た。
しかし、一度目の目論見は最終的に、白夜の〈
協力者を得たと思った二度目の計画では、その実、ミストレス・ガイナの技術を悪用されるだけに終わってしまった。
敵であるミッドナイトサンへの復讐。
はじめは小気味がいいと思っていたが、蓋を開けてみれば如何に地上人とはいえ、十代の男の子を誘拐し、その心身を穢し尽くす悪魔の陵辱劇。
弟を持った姉として、ティファナ・アスタロッテには到底賛同できない行いだった。
ミストレス・ガイナとしても、まったく合理性を認められない。
そんなコトをすれば、あの『最強』……ミッドナイトサンは必ずや激昂し、殺意の封を解いてしまう。
組織は、少年を暴走させ爆弾のように使うコトで、結果的に一年間、彼女の身動きを抑制していたが。
(三ヶ月前の決戦で、ミッドヴィンターメルカー……いいえ、丸木戸サトルくんは)
とうとう洗脳支配を逃れて、彼女たちの側に戻った。
具体的に何がどう転がって、そんな奇跡が起こったのかは知らない。
しかし、白夜の〈
組織が散り散りになったのは、彼女からの報復を恐れてでもある。
ただし、ミストレス・ガイナはあの頃には、ほとんどもう組織から用済み扱いを受けていた。
治安維持管制室に捕まれば、執刀者の名を容易に吐きかねない。今さらながらに危険視したのだろう。
あれ以来、こうして魔界の上級デーモンをけしかけられ、ジワジワと追い詰められている日々だった。
裏切り者のレッテル貼り。
自分勝手な粛清。
組織に対する義理も人情も、とっくに無い。
けれど、相手は恐らく組織のトップ幹部。
「クッ……わたくしも、ここまでみたいですわね」
ガイアフォトンに人生を捧げ、アステライトを過去の遺物と切り捨てて来たこれまでの道のり。
まさか、最後が魔法による魔物の召喚。
こんな形で幕引きを告げられるなんて、皮肉にも程があった。
「ぅ──ぅぅ……!」
悔しくてたまらない。
情けなさから涙が出る。
だがそれよりも、何よりミストレス・ガイナ──否、ティファナ・アスタロッテの胸にあったのは、『孤独』の二文字だった。
誰からも理解されない。
誰からも受け入れられない。
誰もわたくしを愛してくれないし。
愛した家族は本当はもう死んでいる。
言葉を失った弟。
地上世界では恐竜と呼ばれている古生物を素体に、肉体を改造し。
怪人科学を、見様見真似で初めて実践した。
だって、そうしなければ愛する弟が死んでしまうと、分かってしまったから。
誰も救ってくれないのなら、自分で救うしかない。
あの日、あの時、
──だいじょうぶ、だいじょうぶ、わたくしは優秀なのですから、きっと助けてあげられますわ!
世界は残酷だった。
一応、実験は成功した。
しかし、それ以来『弟』のカラダは半機械式の怪獣となり、物言わぬ獣のそれ。
かつての自我が残っているのか。
記憶や思い出は、感情はまだそこにあるのか。
何も分からない。
けれど、『弟』だと信じる。
ティファナにはそれだけが、自身の精神を守る唯一の拠り所で、それすらもさっき打ち砕かれて。
「………………」
「あなた……そう、そうなのですわね」
空から現れた異形の龍騎士。
魔界の上級デーモンは、星剣の一突きで衝撃波とともに粉微塵に吹き飛び。
極小のクレーターから、土煙を払って『最凶』が跪く。
その姿は、まるで新たな運命を告げるがごとく、劇的で鮮烈で。
理由も経緯も事情も何もかも、まったく分からないコトだらけだったが、
「わたくしを……
孤独で孤独で仕方がなかった女の心に、その事実だけがスっと温かに沁み込んで、
「あハッ、アハハハハハッ! ──ああ、もう」
「……?」
「愛して、しまいますわ」
「────────────────────!?」
ティファナは、欲しいと感じてしまった。
生まれて初めて、他人への依存心を自覚し。
この男の子には、ずっと自分の傍に居て欲しい。
ひょっとするとそれは、『弟』の代わりを望む、歪んだ愛情の代償行為だったかもしれないが。
けれど、
「お願い──わたくしをひとりにしないで? わたくしから離れないで? わたくしを……優しく抱き締めて」
「…………」
命令を受け付けたのだろう。
極夜の〈
(──ああ、もう何でもいい……)
少年が何故ティファナを救ってくれたのか。
どうして再び、ホロウ・アースにいるのか。
マスター権限の不具合? 破損?
気になる問題はいくつかあったが、今この一時ばかりは何だって構わない。
この男の子を、新しい『弟』にする。
ティファナの豊満な胸の中には、すでにその想いだけが無限大に広がっていた。
何なら、洗脳も改造もすべて治療しよう。
ミストレス・ガイナは優秀だ。
たとえ今は無理でも、必ず未来で少年を救う手立てを見つけ出す。
本当の弟に、いつかそうしてあげるのが目的だったように。
「あなたと、幸せな家族になりたいですわ」
「…………」
「言葉は、話せませんの? でも、通じてはいるのでしょう? 以前とは様子が違いますものね?」
「────」
「そう。そう……なら、まずはそこから始めていきましょうか。だいじょうぶ、だいじょうぶ、お姉ちゃんがついててあげますわ」
ギューっ、と。
ティファナはそうして、しばしのあいだ抱擁を続けた。
兵器化した両腕で、体温を感じられないのがもどかしかった。
──そこに。
「私のサトルから、手を離してくれませんか?」
我慢の限界だったのだろう。
白夜の〈
轟音。
巻き上がる土砂。
危険を察知し、極夜の〈
黄金のドラゴンマスクに、白と青のバトル・アーマー・ドレス。プラチナの直剣。
優美にして流麗なる伝説の正義の騎士。
対するは、全身を禍々しく飾った、薄闇色の人外魔装。
半有機的な大翼を持ち、鉄塊としか呼べぬ両手剣型の擬似星剣を持った、三叉の角兜。
最強と最凶。
両者が再び、ホロウ・アースにて邂逅してしまった。
────────────
────────
────
──
(はぁぁ〜〜、すっご)
ミストレス・ガイナのおっぱい、気持ち良すぎんだろ。
装甲越しだから感触は分からないと思ったけど、なんか「感じて〜!」て思ったら触覚が拡張された。
ふよんふよん、ぽにゅっぽにゅっ、たわわわーん。
胸の中で形を変えて、水風船みたく跳ね回る爆乳に、すっげぇ意識を持って行かれてしまった。
相変わらずの『ですわ』お嬢様口調で、めっちゃ爆弾発言カマして来てるけど、このおっぱいの前では何も気にならない。
揉みしだきてぇ〜! 今すぐに。
鷲掴みにしたら、きっと指の隙間から柔肉が暴れ回って溢れ落ちるに違いない。
下から持ち上げて、たっぷたっぷと弾ませて遊んでもみたいし、背後から羽交い締めにして胸を突き出させれば、すごい絶景が拝めるだろう。
ピチピチムチムチの軍服を引き裂いて、おっぱいだけを露出させるんだ。
そうしたら、どんな顔をするだろう? どんな声で恥ずかしがって、悶えてくれるだろう?
一瞬の妄想ではあったが、俺は甘美な時間を満喫した。
だが、いつの間にかクロエが来ている。
予想していた通り、やはり千里眼によって捉えられていたか。
治安維持管制室のオンドゥール室長も、さすがに仕事が早い。
俺が出たなら、どのみち彼らにはクロエを出すしか選択肢なんかないからな。
(まだちょっと、操られてる感は出せてない気がするけど……)
ここでクロエと戦えば、どちらにせよ演技にはなるか。
翼を広げて舞い散る土砂からミストレス・ガイナを守りつつ、盾になるようクロエに向き直る。
(──それにしても、私のサトル、ねぇ?)
やっぱりクロエ、俺のこと大好きじゃねーかよ。
所有権の主張に余念が無くて、ビックリしたわ。
俺も今度から、俺のクロエって言ってもいい?
その場合、意味合いは多少、SM的なものにはなるけれど。
「お、お待ちになってっ、ミッドナイトサン! わたくしにそちらと戦う意思は──厶キャっ!?」
「フェーズ2よりフェーズ3へ移行開始。これより、戦闘を開始する」
「ッ、ギリッ! ミストレス・ガイナ……やはり貴方は……!」
背中からジェットエネルギーを放出し、要らんコトを言いそうになったおっぱいを強制的に黙らせる。
「ムキャッ!?」て、ずいぶん可愛いな。
(あ、危ねー! ここで戦えなかったら、演技だってバレて叱られちゃうじゃん!)
それはダメだよ。
俺は愛のために嘘を貫く孤高の戦士。
プランは絶対に完遂する。
それはそれとして、幼馴染の変身ヒロインとSMプレイもする。
両方やらなくっちゃあならないってのが、変態の深い業だよな。
つーワケで、剣を構えてクロエに突進する。
「! ッ、サトル……!」
「████████████ッ!!」
なんかバーサーカーっぽい声も出た。
うおおおおぉしっ、戦うぞ〜!
────────────
────────
────
──
轟速の鋼が、圧倒的〝暴〟を引っ提げて振り下ろされる。
風圧と剣圧。
破壊の衝撃波。
大好きな幼馴染から、混じり気のない敵意を向けられて、白星クロエは悲痛に顔を歪ませていた。
1トン、2トン、3トン……まだまだ上がる。
廃墟となった旧軍基地を、戦闘の余波だけでめちゃくちゃに倒壊させながら、剣戟の音は次第にマッハに迫った。
「サトル! サトル! 私です、クロエです! 止まって……!」
「████████ッ!!」
言葉が通じない。
戦闘前は、たしかに言葉を話していたのに。
(クッ、どうして……!?)
意識を集中させなければ、容易く危ない一撃を食らってしまう。
だから目を逸らせない。
三ヶ月前までも同じだった。
ミッドヴィンターメルカーは、ただ純然たる暴力によって、すべての〈
マトモに相手をすれば、ミッドナイトサンたるクロエでも不覚を取りかねない。
もちろん、三ヶ月前に覚醒した奥の手さえ使えば、状況は好転できるだろう。
ただ、それをやるには多少の時間がかかる。
(──隙が、できない……!)
極夜の龍騎士は、怒涛の連撃でクロエに襲いかかる。
しかし、
「ッ──?」
「██████──!!」
「……やっ、ぱり!」
戦闘が始まって五分。
あまりにも濃密な
「サトル! やっぱり、まだそこにいるんですね!?」
「!? ██████ッ!!」
ミッドヴィンターメルカーの咆哮。
けれど、クロエは勝機を見出し、鋼鉄の塊を間一髪で躱すと一気に懐に入り込んだ。
人外魔装の兜鎧はすかさず距離を取って回避行動に移るが、そこから再び繰り出される攻撃の軌道は読める。
分かりやすすぎるくらいに読めた。
だからクロエは泣きそうになる。
何故なら、
(どの剣筋も、私を狙っていません……!)
白星クロエ本人への攻撃ではなく、的をズラした『外装』への攻撃。
当然、トンやマッハの単位で振るわれる暴力だ。
掠っただけでも、それ相応のダメージは与えられる。
しかし、幼い頃から同じ道場で、長いあいだ互いの剣を見てきたから、クロエにはサトルの『狙い』が分かってしまった。
『どうした、何か分かったのか白星君!?』
繋げたままの通信から、オンドゥールの声。
クロエは確信し、叫んだ。
「サトルは、きっとまだ抗っています!」
『なに!?』
「だって、さっきから私への攻撃が、ひとつも本気じゃないんです!」
人中を狙った致命に至る攻撃が、まったく無い。
そして、そんなコトになっている理由は、考えれば分かる。
丸木戸サトルは洗脳支配に抗い、こうしている今も必死にクロエを助けようとしているのだ!
(サトル♥)
クロエは自分のなかで、幼馴染への愛情がますます大量分泌されるのを感じた。
と同時に、
「ギリッ……よくも、よくも! ミストレス・ガイナァッ!!」
想い人を苦しめ穢す真性のクズに、憎悪の炎が勢いを増して燃える。
「ヒッ」と何処かで怯える女の声がしたが、そのまま恐怖に震えていろ。
我が名はミッドナイトサン。
必ずや悪を打ち砕くモノなり。
「████████████──ッ!!」
「ハッ、しまっ──!?」
注意を逸らした一瞬の不覚を突かれた。
巧妙に急所を外した攻撃が、クロエを捉える。
意識はそこで、わずかに暗転した。
衝撃により、脳が揺らされ脳震盪を起こしたのだろう。
地面への墜落、そしてダメージ。
「ぅ……うぁ……っ」
ゴロゴロと転がって倒れ伏したクロエを、異形は建物の中に引き摺った。
「っ、なに、を……?」
自動回復が追いつくまでの朦朧とした時間。
クロエは扉が閉められ、結界が張られたコトを悟った。