「侑ちゃ〜ん、いっしょにに帰ろ〜う」
「ごめん、この後部活だから」
私の名前は高咲 侑(たかさき ゆう)。虹ヶ咲学園(にじがさきがくえん)に通う女子高生だ。今日は転校生が体験入部しにくると聞いたけど…。
「こんにちは、島村 卯月(しまむら うづき)です♪」
「同じ事務所のプロデューサーです。みんな、というか視聴者からは米内(よない)Pと呼ばれています」
私の目の前に現れたのは、中学生ぐらいの男の子を連れた女の子だった。てか、ここは女子校だよ。なんで男の子がいるの?そんな疑問を抱えているうちに向こうから声が聞こえてきて…。
?「侑ちゃ〜ん」
侑「どうしたの、歩夢?」
この子は上原 歩夢(うえはら あゆむ)。私の幼馴染みで、目の前にいる卯月ちゃんにも負けず劣らずの美少女。で、その歩夢なんだけどなんだか困った様子で…。
歩夢「中学生ぐらいの男の子を見なかった?」
侑「ここにいるけど…」
米内P「オレ、20代なんだけどな…」
侑・歩夢「「えっ?」」
えっ、この見た目で成人なの?それに、いま思い出した。隣の女の子はテレビとかで見たことがある。
侑「あの…、アイドルの卯月ちゃんだよね?」
卯月「そうですよ♪」
歩夢「なんでうちの学校に?」
米内P「ああ、それなんだけどね…」
米内Pは話した、数ヶ月前の出来事を…。
この二人は大手芸能プロダクション「346プロ」に所属していた。そんなある日、彼らの上司にあたる美城(みしろ) 常務が全社員、全タレントを集めた。
常務「知っての通り、我が346プロは芸能プロダクションだが…。ここ最近テレビ関係の仕事などが激減している。おまけに「実家の家業を継ぐ」「アイドルをやってて恥ずかしい」などの理由から引退するアイドルも多くいる」
「常務、結局のところ何が言いたいのですか?」
常務「…えっとね、…本日をもって、346プロはか、解散」
米内P「で、オレはあっちこっちの事務所の面接で不採用になって、路頭に迷っていたところを卯月ちゃんに拾われたというわけ」
卯月「私はこの学校がアイドル活動をしているって聞いたから、転校してきたんですよ」
待て待て、笑いながら話すような内容じゃないでしょ。それだけ大手の事務所が潰れたんだよ!?と、そんなことを気にしている二人ではないので、さっそく部室へ案内した。
侑「ここが、私たちスクールアイドル同好会の部室だよ」
私たちの所属する部は「スクールアイドル同好会」。本来ならもっと部員がいるけれど、さすがに今回は紹介しきれないから私と歩夢の二人だけの登場で話を進めるね。
歩夢「じゃあまずは、軽くステップの練習から」
卯月・米内P「「はい!」」
侑「いやそっちのキミはいいから!」
ほんとこの子は何しについてきたのかしら。そんなプロデューサーはさておき早速卯月ちゃんのステップを見せてもらうことになった。
タンッ タタン
卯月「どうですか?」
侑「すご〜い、プロだけあって上手だね!」
タンッ タタン
米内P「どうかな?」
侑「いやっ、やらなくていいからね!」
プロのアイドル顔負けのステップを踏んだ彼。意外にもその動きはかなりキレがあった。その後もなんだかんだありつつも、今日の体験入部は終了。そして私と歩夢はマンションに帰ってくると…。
歩夢「やっと着いたね」
侑「うん、今日は大変だったよ」
米内P「おかえり」
侑「な、なんでキミがここにいるの!?」
米内P「なんでって、最近引っ越しできたから。先輩二人と」
ここに彼がいたことにも驚きだけど、まだこんなやつがあと二人もやってくることにかなり驚かされるんだけど!いったいどんなやつがと思っていると、向こう側から大柄な男たちがやってきて…。
ガラの悪い男「おお、米内ちゃん!いま帰ってきたのか?」
ガタイのいい男「…」 ゴゴゴゴゴ
米内P「あ、先輩!」
現れたのは、チャラそうな外見の男と威圧感が漂う男だった。かなりやばそうな雰囲気がするんだけど。
歩夢「お父さんとお兄さんかな?」
米内P「オレの事務所の先輩プロデューサーだよ。みんなは内匠(たくみ)Pと武内(たけうち)Pって呼んでいるよ」
内匠P「シクヨロ!」
武内P「…よろしくお願いします」
これからとてつもない苦労をするんだと、そう思った私だった。
侑「てか、どうやってあれだけのダンス身につけたんだろう、彼…」