〜あるライブハウスにて〜
内匠P「へ〜、最近のヤンキーはこういうこともするんだな」
「Vivid BAD SQUAD」、彰人のやつが他のヤンキー3人を集めたパフォーマンス集団。主にライブハウスなどで活躍していて、俺はこいつらの付き添いという、以前のプロデューサーとしての仕事と大差ないことをしている(しぶりんは根暗集団のところ)。
「あっ、プロデューサー。見てくれた?」
「私たち、また伝説に一歩近づけたかな?」
「俺たち4人なら超えることだってできるさ」
こいつらが彰人の仲間の、こはね、杏、冬弥だ。なんだかんだで俺とは気が合う。こいつらのパフォーマンスが終わり次のグループの出番になろうとしていると…。
ぎゃ〜!! ぎゃ〜!!
内匠P「おっ、なんだ、トラブルか!」
彰人「ちょ、なんでそんなちょっと嬉しそうなんだよ!?」
えっ、俺そんな顔してた?とにかくステージ裏にまわり確認してみたら…。イヌ耳の女の子とお人形さんみたいな女の子が口喧嘩していた。
こはね「どうしたの!?あなたたち、次のグループでしょ!?」
イヌ耳の女の子「そうなんだよ!でも問題が起きたの!」
人形のような女の子「グループ名をどうするのかで!」
えっ、グループ名?てか、そんなことを本番になってまで悩んでるのか!?
犬ミミの女の子「私は幽谷 響子(かそだに きょうこ)」
人形のような女の子「私は幽谷 霧子(ゆうこく きりこ)」
響子「二人揃って…」
霧子「新感覚ラップユニット…」
響子「"かそだに"」
霧子「"ゆうこく"」
「「姉妹です!!」」
え、な、なんて?
響子「いやだから、"かそだに"姉妹だって!!」
霧子「"ゆうこく"姉妹がいいって言ったじゃないですか!」
ユニット名でここまで口論になるのだろうか。だが、それぞれのメンバーの特徴を表した名前だ。そう簡単に決まらないのもわかる。実際俺が拓海のユニットの名前をつけるときすごく苦労した。
杏「もういっそのこと、間をとって"ゆうたに"姉妹とかでいいんじゃない?」
響子・霧子「「それだ!!」」
いや、それを思いつかなかったのかよ!まあ実際パフォーマーには譲れないプライドとかがあるのだろう。それは俺みたいなプロデューサーや観客には理解できないようなものかもしれない。そして彼女たちの出番がきた。
響子「はいどうも!私たち…」
霧子「新感覚ラップユニット!」
「「幽谷(ゆうたに)姉妹です!!」」
お、息ぴったりじゃないか。これならこの4人のラップを超えられそうだ。…と思ったのだが。
霧子「♪〜、???」
響子「………、♪〜、???」
霧子の歌詞がリズムに合っていない。おまけに韻を踏みたくても言葉が出てこない。そしてそれをオウム返しに言う響子。
霧子(私たち、言い争うばかりで…)
響子(ラップの練習、まったくしてなかった…)
彰人「今回の話、俺たちを出す意味あったのか?」
杏「クオリティもかなり低いし…」
冬弥「いっそラップバトルのエピソードにすればよかったんじゃ…」
幽谷姉妹「「それだ!!」」
こはね(この子たちが、ディスるところなんて想像つかないんだけど…)