みなさんこんにちは。虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会の桜坂 しずくです。これで"おうさか"と読みます。元プロアイドルの卯月さんが巻き起こすトラブルの対応に忙しい毎日ですが、同時に楽しい日々だとも思っています。そんな私なんですが…。
しずく「侑さん!今度の舞台で主役をやることになりました!」
侑「えっ、すごいじゃん!」
卯月「うわぁ、おめでとうございます♪」
私は演劇部も兼任しているんです。スクールアイドルをやりながら劇の主役に選ばれる。それはすごいことかもしれない、だけどひとつ問題が…。
しずく「今回の演劇のテーマはズバリ「2.5次元」なんです」
「2.5次元」、実写の俳優が限りなくアニメや漫画などに近づけようとするあれです。今回は原作となる漫画があって、派手なアクションを再現するのですが…。
しずく「いまの私には欠けているものがあります。それは、リアリティです」
侑「えっ、どういうこと?」
しずく「これまで私が出会った人たちは二次元の住人、つまりフィクションはもううんざりなんです」
何が言いたいんだと思っているかもしれないでしょう。この小説のコンセプトは「アイマスのキャラが他のアニメとクロスオーバーして騒動を起こすコメディ」。そのため彼女たちはもちろん、巻き込まれる私たちのほうも必然的に多くのキャラと出会う。ごちうさやぼっち・ざ・ろっく!などの日常ものや、ドラゴンボールや鬼滅の刃などのアクションもの(アクションシーンなんてまったく無かったですけど…)。
侑「つまり現実的な要素が欠けているってことか」
卯月「それなら現実に生きているみんなに聞いてみましょう。読者のみなさ〜ん♪」
しずく「だからそういうメタ発言も充分なんですって!」
私だってアニメと現実の違いぐらい理解しています。たとえば…。
・怪獣が暴れていない
・歌とダンスで風景が変化しない
・ひとりひとりに戦う力があるわけではない
・願いを叶える都合のいいアイテムも無い
・日本刀や軍艦もしゃべらない
・転生したら、望んだ世界に行けるとはかぎらない
・鮮やかな髪色の人が街中を歩いていない
(ピンク髪や赤髪など)
もうキリがない。こっちでは当然にあることが現実ではない。逆にこの物語を書いているやつをはじめ、現実に生きる人々にとっては都合のいい存在。それが私たちなのかもしれない。
しずく「どうすればいいんだろう…」
卯月「あのね、さっきから違うところばかり言ってるけれど…。逆に共通点とか見つけてみたらどうかな?」
しずく「えっ、どういうこと?」
本当にその言葉の意味を理解できませんた。アニメはアニメ、現実は現実で区別しているから同じところなんてないというのが私の考えですから。
卯月「私たちも読者のみんなと変わらない人間ですから。分かってもらえるところを見せるんです」
しずく「えっと、つまり…」
卯月「私たちは読んでくれている彼らのためにも、強くならなくちゃ可愛くならなくちゃって自分たちが上に立とうとしちゃうんです。もっと弱い部分やかっこ悪いところも見せなくちゃ共感してくれないと思うんです」
そ、そういうものかなぁ…。でも確かに私たちは読者のみなさんと変わらない高校生。いや、大人とか人間じゃないやつも存在してるけれど。
しずく「そうですよね!彼らに憧れてもらうためにも、私個人としても劇を成功させるために文字通り現実と向き合わなくちゃ!」
侑「………あのところで、2.5次元なんだよね?派手なアクションとか演出とかあるんじゃないの?」
しずく「はい!そのために私は武術を学びまして、さっそく中庭に向かってエネルギー弾を撃ちますね!」 ギューン
ガラガラ
侑「えっ、ちょっ、嫌な予感しかしないんだけど!?」
今さらですが、これは室内で話していたことです。そして私は窓を開けて、手の平から出した緑色のエネルギー弾を中庭に向けて発射しました。するとどうでしょう……。
ボン デデーン
中庭に見事にクレーターができたのです!そしてこの後、私は生徒会からめちゃくちゃ怒られたのは言うまでもありません。
栞子「ケガ人がいなかったから良かったものを、もしいたらどうするんですか!!」
しずく「す、すんません……」