一歌「世界中のクリエイターが創りだした歌を表現する存在。それがミクたちバーチャルシンガーなんです」
さて、冒頭であんなセリフがあったけど、今回の主役はこの私「しぶりん」。初音ミクの事務所に移籍したはいいんだけど、最近はバーチャルシンガーとしての出番がまったく無い。それもこれもこの小説を書いているやつがバーチャルシンガーをどう扱えばいいのか悩んでいるからだ。
凛「せめてプロセカの高校生どもが、派手なアクションしてくれたらちょっとはおもしろくなるのかな…」
ほら、ニコニコ動画でミク先輩やテトさんが殴り合ったりするCG動画があるでしょ。あれをプロセカのやつらにやらせるのはどうかな?…………なんて無理を言ったって始まらない。今の時代のバーチャルシンガーは昔みたいに主役になってはいけないのかな。あいつらのために借りをつくるだけの脇役でなくてはいけないのかな。そう思って街中を歩いていると、ある女の子を見かけた。
♪〜
モニターに映っているその子はニコニコ笑顔で歌っていた。どこの誰かは知らないけど、とびっきりの笑顔で歌うその子はとても魅力的に感じた。
「どうも〜。元祖バーチャルシンガーの………」
え?バーチャルシンガー?でもこんなボカロなんていたのかな?
というわけで私は事務所にもどり、レン先輩に聞いてみた。
凛「あの、街中のモニターで元祖バーチャルシンガーを名乗る女の子を見かけたのですけど…」
レン「あの子ね。あの子はボカロじゃなくて、Vtuberなんだよ」
ていうとホロライブみたいな感じかな。
レン「まあわかりやすく言うとあの子と俺たちは、元祖と本家のような関係なんだよ」
凛「わかりづらいですよ、それ」
まあ要するに、ボカロが本物かつオリジナルバーチャルシンガーで、Vtuberが最初のバーチャルシンガーなんだろうな。それでもややこしいけど…。
レン「で、プロセカのゲームをリリースする際に俺たちをなんと呼ばせるか。「ボカロ」は大人の事情で出すわけにはいかない、そこでだ」
凛「そこで?」
レン「どこの企業にも商標登録されていない「バーチャルシンガー」と呼ばせることになったんだ。例のあの子を"真似せざるを得なかった"のはちょっと納得いかなかったけどな…」
ああそれね。実際ボカロはVtuberよりもデビューが早いからどちらかというとネットの人気者としてはこっちが先輩なんだよね。
レン「でも俺はなんだかんだであの子のこと偉大だと思っているよ」
凛「え、どうしてですか?」
レン「あの子がバーチャルシンガーを名乗らなかったら、いまのプロセカは運営やらがゴチャゴチャしていただろうし、ときそらちゃんやすいちゃんみたいな歌を専門としたVtuberは誕生していなかった」
ふーん、そういう意味ではすごい子なんだね。ちょっと興味を持ったかも。私もバーチャルシンガーを名乗っているわけだし、今後のためにもあの子のこともっと知ってみたいな。
凛「先輩、その子のこともっと詳しく教えてくれませんか?」
レン「ん?ネットで調べればいいんだろうけど、わかった!まずあの子の名前は………」
司「どうも!設定では現実世界で生きているということになっているけど、"元祖世界一のスター"の天馬 司です!」
凛「そうまでして張り合わなくてもいいと思うけど…」