ブルーアーカイブ 解釈違いのルルーシュ 作:血濡れのユフィ―
魔人が遭難した日
────―皇歴2018年8月10日
神聖ブリタニア帝国は日本へと宣戦布告、それと同時に侵攻を開始した。極東であり中立を宣言する国である日本。その地下資源を狙い、世界で唯一の超大国ブリタニアが宣戦布告して戦争を始める事となった。そして戦いは一言で表すなら────蹂躪。
その圧倒的国力と人員、そして新型機動兵器である人型自在戦闘装甲騎ナイトメアフレーム通称KMFを実戦にて初めて投入し日本軍を終始圧倒。結果として日本は敗北。ブリタニアの属領となってその後はエリア11と名前を変え、自由と尊厳と名前を奪われる形となったのだった。
え? 何でブルアカの物語なのにいきなりコードギアスのあらすじを語ったかって? まぁまぁ待て、本編はここからだ。
そんな世界の情勢の中、敗戦国となった日本改めエリア11にてある少年が覚悟を決めた。
「決めたぞスザク、僕は──―ブリタニアをぶっ壊すッ!」
名をルルーシュ・ランペルージ────ではなく、ルルーシュ・ヴィ・ブリタニア。
神聖ブリタニア帝国の第11皇子にてこの侵攻により死んだとされている復讐に燃える王子。しかし彼は若い、故に超大国相手に出来るほどの力は無かった。故に影に潜むため最愛の妹と共に名を変え、戸籍を偽り、妹共々ブリタニアに気付かれぬよう息を潜める事となる。それでも怒りの炎は絶える事無く、メラメラと燃え続けながらその爪を研ぐ。復讐の機会を、ブリタニアへ反抗出来る絶好の機会を────そしてそれは七年後、ある超常との出会いによって叶う事となる。
「契約だ」
エメラルドの如く鮮やかな緑をした髪を持つ不思議な女、名を
「ルルーシュ・ヴィ・ブリタニアが命じる────」
絶対命令権である力を持つギアス。
これによって彼は復讐の炎を強く、そして激しく燃やした。
それから彼は自身の名をゼロと偽りエリア11に潜むレジスタンスである日本人達を引き入連れて黒の騎士団を結成。当初は単なるテロリスト集団であったがその規模は徐々に拡大していき、遂にはエリア11の総督府すら落とす事となった。だがこの時どういう訳かこの時ゼロが離反、その後に名誉ブリタニア人でありルルーシュの親友である枢木スザクによってゼロは打ち取られ、後にブラックリベリオンと呼ばれる戦いは終わりを告げた。
コレが皆が知っているコードギアス反逆のルルーシュ、その一期目であるR1のあらすじ。この後に亡国のアキトの物語を挟んで二期であるR2が始まるのだが────今はどうでも良い。何故かって?
「俺がそのルルーシュに成っちまったからだよ畜生ぅぅぅ!!!」
※※※
えっと皇歴──じゃなくて……まぁ時間はどうでも良い。突然だが俺は砂漠のど真ん中にいる、見たことも無いはずのロボットに乗って。
あ、ありのまま今起こったことを話すぜ。家でスパロボVをやっていたら突然箱型のコックピットの中にいた。何を言っているのかわからねーと思うが俺も何をされたのか分からない、正直頭がどうにかなりそうだ。
「おちつけ、まずは状況整理だ」
思わず脳内ポルナレフが溢れるぐらいにはここ何処よ状態。それに加えわかっちまうんだよ、今の俺がルルーシュ・ヴィ・ブリタニアだって事が。記憶が流れて来るって言うか記憶が最初からあったかのように馴染んでるし、画面に反射する自分の顔がルルーシュのイケメン顔なのになんの感想も浮かばず、自分の顔だと認識している。
憑依か転生かそれともそれに類似した何かか。訳が分からないが、今の俺は事実ルルーシュに成っちまってる……うん、解釈違い。
だってよぉルルーシュの中身が俺だぜぇ! 俺なんかがルルーシュの思考をトレースできるはずも無いしこんな首から下が貧弱ボディーな少年になりたくなかったよぉー!!! ってか何でよりによってR1のルルーシュなんだよ! 今乗ってるのもガウェインではなくR1で多用された無頼のゼロ仕様機だし。どうせならR2後とか復活後のC.C.とラブラブ状態がよか────いや、そのパターンだと俺とC.C.がラブラブになる訳で……か、解釈違いぃぃぃ!!
リアル頭を抱えるを思わずしてしまった時突然鳴り響くアラート音。
「なんだ」
パニック状態に陥る俺と冷静に情報を分析する俺に別れつつその方向へとカメラを向け、自身の乗っているKMFのファクトスフィアにて情報収集してみるとそこにはこの砂漠のド真ん中で銃撃戦をしている様子だった。だが、その様子は余りに異色。
「女子高生、だと!?」
銃をぶっ放すは明らかに改造が施されている制服も身にまとった少女達。サブマシンガンならまだ分からなくも無いが、常人では扱いきれないであろうミニガンをぶっ放す生徒も見られる。なんだあれぇ?
「スーパースザク人ーーーーじゃないスーパーな野菜人か!?」
まさかと思ったがどう見ても尻尾なんて生えて無いし、なんなら頭の上に輪っかが見える。天使の一種だと思うけど……なぁーんか既視感あるんだよなぁ。
「ふむ、リンチか」
そんでもってそんな彼女達が撃っているのは1人の女の子。ピンク色の髪をしたショットガンを背負う女の子、まるで白兜ことランスロットの如く縦横無尽に動き回って1人でありながら小隊規模の攻撃を凌いでいる。けれど、それでも完全ではないらしく所々被弾してるようで倒れるのも時間の問題だ。
「面白くない光景だな……」
俺は解釈違いは嫌いだ。ルルーシュはシスコンブリタニアぶっ壊しマンであるべきだし、その親友はゼロ全殺しユーフェミアの騎士だし、C.C.はルルーシュ絶対くっ付くウーマンであるべきだし、オレンジは忠義の嵐だと俺は思う。だけど────
「それ以上に嫌いなのは弱い者を虐げる奴らだ!」
オラぁ! とりあえず人命救助じゃゴラァァァッ!!!
操縦桿を握り直しランドスピナーで全速力で砂漠を駆ける。武装はスラッシュハーケンに加えてナックルガード付きの拳、そしてアサルトライフルと機銃。流石に人間相手にライフルで攻撃する訳にはかないから────
「最初は牽制、後に本命!」
ライフルで斉射して囲まれつつあったピンクが髪の少女とを分断。
流石対ナイトメア用のライフルだ、大口径なだけにそのインパクトも大きい。怯んでいるうちに滑るように間に割り込むとライフルを腰のマウントに収納。流石に近すぎてライフルでは殺傷の危険が出るので機銃に変更しそれをばら撒きながら機体を盾にした。
「無事か!」
話しかけてみるがこちらをぽかんと見つめるピンク髪。まるで見た事ない物を見るかの如く────って今はそんな事をしてる場合じゃないな。
「少し手荒いが悪く思うなよ」
【ちょッ!?】
無理矢理鷲掴みの如く回収するとナックルガードを機動。立て直した仮称スケバン少女達の銃弾を弾く為盾代わりしながら砂を巻き上げて目隠し代わりにし全力で反転、俺達はその場を後にする。そして数十分走り続け落ち着いたのかピンク髪がこちらを不思議そうに見つめていた。
【あのぉ……】
「一先ずここらで休憩するか」
機体を停止させてファクトスフィアを機動。周辺に敵のいない事を確認した後に彼女を優しく下ろした。彼女には色々と聞きたい事もあるし最初の第一印象ってのは大事だ。だからこそ────
「さて、俺はどんな名を名乗ろうか」
恐らく彼女の反応を見るにこの世界にブリタニアは無い。もし存在するのならKMFを見た事が無いはず無いからな。だからこそ俺にはブリタニアを名乗る事が出来るだろうが、生憎とブリタニアには一切興味ないし解釈違いなので名乗る気にもならない。だからと言ってランぺルージュを名乗るのもなんか違うと思う。アレは俺の混ざってない純ルルーシュの名だし、同時に妹であるナナリーの名でもあるからな。
ある意味贅沢な悩みだと考えつつも彼女と会話する為、コックピットを開いたのだった。
※※※
彼との出会いは唐突だった。
ユメ先輩からの情報を元に宝さがしをしている最中、私は不良の集団に襲撃された。普段ならユメ先輩と一緒に撃退出来るの問題ないはずだったんだけど丁度今日は別件があったみたいで私1人。それに加えいつもよりも多い人数を相手してたから撃退しようにも弾も足りず、何度も怪我をして動きが鈍って行く中で私は自然と負けてしまうと覚悟してた。
そんな中、助けに来てくれたのは黒い色をした赤い兜をかぶっている一体の大きなロボット。
不良たちをなぎ倒して私を、ちょっと雑だったけど助け出すと早々とその場を後にした。
「あのぉ……」
助けてもらった事にお礼を言おうにもこのロボットさんは私の普段見かけるロボットとは全然違う。だからどうしようかと迷っているとロボットさんはゆっくりと停止。顔をバッカっと四つに開けて丸いセンサー? のようなモノを光らせた後、私をゆっくりと降ろしてくれる。そしてそのまま屈み、その背中から何かがせり出してきた。
「お怪我はありませんでしたか?」
出て来たのは座席に座った私ぐらいの歳の男の子。黒髪に茶色い服を着たその子は多分乗り降り用のロープを使ってゆっくりと降りて来る。その様子は手慣れて見えた。
「う、うん。ありがとう、助かったよ」
始めて会う男の子。それもヘイローの無いとこを見るに恐らくキヴォトスの外から来た人だと思う。けど何だか高貴とも取れるような……トリニティの関係者か何かかな? 彼は私の前へと降り立った。
「それは良かった。少々手荒に扱ったから怪我をしてないか心配だったけど杞憂だったみたいだね」
そう浮かべるは笑顔。胡散臭くとも取れるけど何処か人懐っこい笑顔を浮かべた姿はどうにも疑きれない。
「いきなりで驚かされましたよ、ホント」
「そ、それはすまない事をした。謝るよ」
うん~、それにしては凄く素直。もしトリニティ生だとしたらプライドが邪魔して謝る事なんてしないだろうし……ホントに不思議な子だなぁ。
「遅くなったが俺の名前はルルーシュ。ただのルルーシュだ。君は?」
彼はそう言って手を差し述べた。あ、そういえばあの時は名乗るのを忘れていたっけなぁ。
「小鳥遊ホシノ」
そう握った手は銃を握った事の無い、綺麗な手だった。こうして私、小鳥遊ホシノは後の同級生とも家族ともなるルルーシュ君と出会う。これから先、色々と楽しい事も辛い事もあったけど彼のお陰で乗り越えられた。だから今思うに彼との出会いは私にとってターニングポイントだったと思うんだ。彼風に言うとこの素晴らしき出会いに感謝を……って感じかな。
「ところで」
「?」
「ここが何処か分かりますか? 実は絶賛迷子中でして……」
「えぇ!?」
どうにも締まらない出会いではあったけどね。