ブルーアーカイブ 解釈違いのルルーシュ   作:血濡れのユフィ―

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魔人のいる日常

 

「えぇーいッ! 何故こうも毎日毎日攻撃して来る! セリカはこの前と同じで敵を分断して釣り、W5ポイントまで誘導しろ。シロコは誘導されて来たヘルメット団を頼んだ」

 

【えぇまた誘導? 何時も何時も大変なんですけど!】

【ん、任された】

 

「ホシノにノノミは正面から撃退。アヤネはそのままドローンを展開しつつ情報を収集し戦況を逐一報告、俺達のバックアップを頼む」

 

【うへぇ、ルルーシュ君は相変わらず厳しい事を言うねぇ】

【私がんばっちゃいますよぉ~】

【了解しました】

 

 ホシノと出会ってアレから2年たった。何故かあった戸籍を俺の降り立った地、アビドスへと移しそこの学園へと入学後本当に色々あった。学校の問題やら俺達の先輩に関しての問題やその他何故かこの地に、キヴォトスに数は少ないとはいえ普及し始めたKMFだとか本当に色々とあった。けれど俺は何とか生きている。

 

「セリカそのままのスピードで真っすぐ突き進め。シロコ、接敵まであと40秒だ」

 

【もぉーいやぁー!】

【ん、準備は疾うの昔に出来ている】

 

 って言うかこのキヴォトスの人達、世に言うキヴォトス人がいくら頑丈だからとは言えこの箱庭物騒過ぎんだろ。銃弾じゃ碌にダメージが無いとは言え普通に銃が流通してるしそのせいか銃を持っていない事が全裸でいる事よりも恥ずかしい事ってどういう事よ。お陰で俺もハンドガン持つ事になったわ! 

 

【ん、撃退完了】

【もぉー! こんな事二度とやらないからね!】

「それは時と場合によるな。二人はそのまま二手に分かれて正面の部隊を両サイドから襲え。ホシノ、ノノミ。あとどれくらい持たせられる」

【ん~ 思ったよりも弱かったから私達で終わらせられるかも~ あ、でもちょーっと弾薬が怪しいかな】

【私も弾薬が少ないですけど今の所はOKです!】

「了解した」

 

 ってか何なのこのヘルメット団って奴ら。今年に入ってから毎週の如く襲撃してきやがって……撃退しても撃退しても毎度の如く湧いて来る。コレじゃ俺がどんなに頑張って稼ぎ、皆の分の弾薬を用意しても意味がないじゃないか! だから弾薬節約の為にもと思いルルーシュの記憶を元に皆を指示してたらいつの間にか司令塔になってたし……正直キッツイぜ。だが、まだそれは良い。アビドスは言わば俺達の庭だ。予め敵が攻め込んで来て潜伏や通りそうな場所に罠だったりを仕掛けて撃退すればいいのだからだけど────

 

【ルルーシュ先輩!】

「どうした、アヤネ」

【ナイトメアが出てきました!】

「ッ!」

 

 ────KMFがこの地に普及したのはヤバイでしょう。

 

【正面あと500m数4!】

「俺が出る! ホシノとノノミは撤退しながら敵に応戦、セリカとシロコはそのまま隠しておいた対KMF用の武器を用意しろ!」

 

 俺がアビドスに入って二年生ぐらいになった頃だっけ、何故かKMFが普及し始めた。最初は科学技術が一番発達しているミレニアムからかと思った、けれどそうでは無いようで何故かブラックマーケットを中心に広がっている。ミレニアムは逆にその内の一体を手に入れてコピーして売り出している始末。お陰で俺が持って来たと思われる無頼の元となったグラスゴーのパーツが手に入りやすくなったので助かったが、一年経って手に入りやすくなったのでヘルメット団のような不良も持ってる場合がある事が問題だな。

 

【これは不味いねぇ~】

【後は頼みますよルルーシュ先輩!】

【本当に人使いの荒いんだからもぉー!】

【ん、直ぐに取って来る。待ってて】

 

 システムを切り替え戦闘モードにする。それと同時にエラーメッセージが無いかを確かめ……ッチ、そろそろ右腕が不味い。この前の戦闘の損傷が原因……いやロクな整備ができなかった事も考えられるな。俺の調達した資金は基本借金返済がメインだが、その他皆の弾薬分にも使っている。その為無頼の整備資金は後回しにしがちだったが…やはり無理がくるか。……備蓄パーツも少なかったし今回は仕方ない。どうせ来週あたりにはブラックマーケットへ向かう用事がある、ついでにパーツを確保しておくか。

 

「エナジーフィラーは3時間分。まだ大丈夫だな」

 

 体育館を改造して作ったKMF用の整備ステーションから飛び出すとランドスピナーを展開、俺は接近するナイトメア部隊の迎撃へと向かった。

 

 所でルルーシュは劇中撃破される事が多い事からナイトメア戦が弱いと思われがちだがそれは間違いだと言える。ルルーシュが弱いのではなく単純に相手が悪いのだ。基本前線に立つ関係性から強敵に会う可能性が高い関係上、ゲームで例えると常にボスクラスやラスボスクラスを相手にしてたクソゲー状態だったのだ。いや、普通に考えてブリタニアの有名な騎士団のうちの一つを束ねている人やどんなに包囲しても食い破って来るチート使いを相手に勝とうと考える方がヤバイわ。まぁつまり何が言いたいかというと────

 

「せめて初期カレンレベルじゃないと俺の相手にはならない、な!」

【私のグラスゴーが!】

 

 この場所は俺のホームグラウンド。特に現在の校舎近くには俺の設定したポイントが多数ある。だからそこにナイトメアごと隠れ、敵機が近くに来た途端スラッシュハーケンを射出。グラスゴーの頭部と右腕を破壊した後回転を加えながら右腕に装備するトンファーで脇腹当たりを殴打して大破させる。すると乗っている子の悲鳴と共に安全装置が働いて座席が射出された。

 そういえば俺の乗っている恐らくオリジナルである無頼と違って、ブラックマーケットなどから生まれキヴォトス各地で生産されたKMFって何故か無線が搭載されて無い使用が多い。それに加えて外部スピーカーがデフォでONになりっぱなしでOFFにするとシステム全体がエラーを起こしてろくに使えなくなる何処ぞの着ぐるみ型パワードスーツ使用なんだよなぁ。相手をすると毎度直で撃破した彼女達の悲鳴が聞こえるから辛いぜ。

 

「まず一体」

 

 倒れた機体をそのまま放置、反応のある方へと振り返ると二体のグラスゴー。

 

【よく仲間をー!】

【敵討ちじゃー!】

 

「いやいや俺は殺してないぞ!」

 

 どうやら重火器は用意できなかったようで片方はマチェットに酷似した片刃の近接兵器。もう片っぽは……お、これは珍しい、対KMF用のランスじゃないか。確か最近トリニティが売り出したって聞いてたから気になってはいたけど……もう不良達にも出回ってるのか。

 

 グラスゴーは両手で槍を保持しまずは数発突きを放って来るが、使い慣れてないのかその機動は安直そのモノ。故に読みやすく容易く迫り来るランスをまず右腕のトンファーでいなせる。

 

【ッ!】

 

 するとその行動が予想外だった明らかな隙が生れたので懐へと潜り込み、先ほどと同じ様に脇腹に左腕のトンファーを叩き込んだ。

 

【ぎゃーオニューの武器高かったのにぃー!!】

 

 なんて悲鳴を垂れ流しながら飛んで行くコックピットを横目にしながら槍を奪おうとするが────

 

「むっ、ここで根をあげるか」

 

 コックピットに響き渡るレッドアラート。どうやら先ほどのいなしの動きで右腕が限界を迎えたらしい。見てみると確かにプルプルと震えたような動きをしていてどう見てもまともに使える気がしない。

 

【その首おいてけー!】

 

「お前は妖怪クビおいてけか!?」

 

 何て危惧してたらマチェット装備が接近していたので俺は咄嗟にR1序盤でカレンがやっていた事を思い出し、スラッシュハーケンを射出して大きく振り下ろす形となっていたグラスゴーの頭部を破壊、視界を奪った後壊れた右腕をトンファーを展開した状態で敵へと射出した。

 

【ぎゃー!】

「お、クリティカルヒット」

 

 なんちゃってロケットパンチの威力は俺の予想以上に案外高かった。直撃した胸の装甲は大きく歪み、どう見てもダメージの許容範囲を大きく超えている。その証拠に花火のようにコックピットが射出されてらぁ。

 

「花火か、そういえばあの人も昔に上げた花火に貴重金属が含まれるから一攫千金目指して掘り出しにいくぞーなどと夢見がちな事語ってたな……もっとも、そんな物有りはしなかったが」

 

 敵は3体始末した、残りは一体。しかし困った。資金が無い為に俺の機体を本格的に整備出来ずに騙し騙し使ってたツケが今くるか。画面の片隅に映る表示にはシステムから全身の関節やその他所にかけてレッドアラートが鳴り響いている。これ以上無理は出来ましぇーってな感じで機体が悲鳴をあげはじめたか。あぁー頑丈に作られているとは言え流石に2年もオーバーホール無しってのは無理させ過ぎたか。

 

 何て考えたからか無意識的に明日から行うであろう無頼大改修計画を練り始めた事が原因だろうか、俺は後ろから迫る最後の一機に気付いてなかった。

 

【トラ! トラ! トラァ!】

 

 後方からの接近を知らせるアラート共に聞こえる声。機体180度ターンしながら振り向くとそこにはやはりグラスゴー。だが先ほどまでの機体達とは違いその手にはライフルが握られていた。両手でそれを保持して狙いを定めているようで照準は遅い。

 

【おりゃぁー!】

「っく!」

 

 咄嗟に残った左腕でガードしながら後方に全力ダッシュ。左右に揺れて照準を晒しながら射線を切る為物陰に隠れたかったが────まずい事にこのポイントにはナイトメアを隠せるほどの障害物は確かなかったはずだ。

 

「仕方ない!」

 

 下がりながらも咄嗟に撃破した機体を左腕で掴み上げるとそれを盾にする。っく、せっかくの売却用の機体が……対KMF用の武器の為、ボロボロになりつつある盾。こちらには飛び道具も何なら右腕も無い為に反撃手段が無い。弾切れを待つしかないか……

 じり貧な戦いになる事を覚悟したその時、一発の爆裂音と共にそれは終わりを告げた。

 

【うぎゃー】

 

 飛んで行くコックピットブロックを見ながら先ほどの音へする方へとカメラを向ける。そこには銃口から煙が上っている巨大なライフルを引き下げたシロコが立って居た。

 

【ん、間に合った】

「たすかったぞシロコ」

 

 むふーっとした感じで何だか満足そうだ。

 

 対KMFライフルって言っても口径は20ミリから30ミリ程度の対物ライフルに分類される物でありこのキヴォトスではありふれている物だ。だけど使用されている弾薬はミレニアムの新素材開発部に依頼して作ってもらったとにかく凄く硬い徹甲弾。一発一発がセリカの一日のバイト分って言う高級な物だが、威力は一撃でグラスゴーを破壊できる程度には強いが戦車の装甲は抜けない。なのでそれ以外の用途が無いのがネックだよなぁ。でも流石に人に向けるのはダメみたいでキヴォトス人あろうと直撃すれば運が悪いと昏睡状態にする危険性がある、なので本当に対KMF戦でしか使えず危険物扱いしている物だ。よってウチでは最高学年であり、KMFの相手を担っている俺の許可なく使用するのは禁じているんだが……そういえばシロコはそのライフルお気に入りでしたよね。なんでも撃った時の反動がいいとかどうとか。

 

【ん、爽快。やっぱり火力こそ正義】

「それには同意するが火力だけあっても戦略性がなければなぁ……」

 

 と、とにかく敵KMFは全て撃破出来たので後は通常の不良のみ────

 

【ルルーシュ先輩!】

「な、何だ!?」

 

 な、なんですかセリカさん! 俺ったら現在休憩中なんですけど! 

 

【D3ポイントに向かってたら遭遇戦になったんだけど、これも仕込み!?】

 

 んな訳あるかぁ! 急いでアヤネのドローンからの情報を確かめるとそこには確かに多数の不良達がわんさかわんさかお祭り状態。こ、これは不味いですね。いくらスタンドアローンが得意なように教育中のセリカさんと言えどコレは磨り潰されるのも時間の問題ですわ。

 

「いや、恐らく偶然だ。今すぐ救援に行く。シロコ、乗れ!」

【ん、わかった】

 

 一応グラスゴーの持っていたマチェットを回収。ホントはライフルを回収したかったが腕が悲鳴上げてるし、何より故障でハイゴックにやられた寒ジムのような末路になりたかねぇ。腰のウェポンマウントに装備した後シロコを残った左腕に乗せセリカの元へ急ぐ。

 

「こちらルルーシュ。ホシノ、ノノミそちらの状況はどうだ?」

【うへぇ、何とか撃退できたよぉ】

【案外数が少なかったですね、何とかなっちゃいました!】

 

 ドローンに向かって手を振る二人。確かに周りで倒れてる不良達の人数も最初確認した時よりも少なく見える。

 

「なるほど。本来ならホシノ達へぶつかるはずだった戦力がセリカの元へ行ったか」

 

 だとしたら多分増援のKMF当たりで俺の計画が狂ったんだろう。流石に乱数に当たるとこまで計算に入れての指揮は俺じゃ無理! そう考えると原作ルルーシュって凄い奴だったんだなぁ。まぁ枢木って言うチートキャラの出現さえしなければほとんど彼の手の平の上だったみたいだし、天才ってホント凄すぎるぜ。 

 

「あと3分持たせてくれ、全速力で行く」

【ん、とにかく頑張って】

【早く助けに着てぇー!!!】

 

 こんな風な戦いなどが俺の今の日常。R1のルルーシュ以上に命の危険はあるが、それでも正体を隠したりせず過ごせている為にルルーシュの記憶を比べるに割かとマシだな。毎日笑い合い、ナイトメアの整備しながら笑い、そして敵を倒しながら借金を返済してその利息でわら……えんな、コレは流石に。まま、白兜のようなイレギュラーさえなければこんな毎日を卒業まで続けるだろうなぁ────―そう考えてたんだけどなぁ。

 

 

 

 

※※※

 

 キヴォトスの中心地、DC。その中核たる連邦生徒会の建物内にてある女は目覚める。

 

「おはようございました」

「はい?」

「いやぁー突然言わなくちゃ言えない気がして」

 ⦅お前は唐突にそんな事をしたがるのか? つくづく性格面は私に似て無いな⦆

 

 緑色のメッシュが入った黒髪の女。彼女は自身が寝ていたソファから起き上がり、ぐぬぬと背筋を伸ばすと行くりと立ち上がり彼女の元へと来た女性へと目を向ける。

 

「ところで君は?」

「七神リンです……寝ぼけている訳ではないようですが、状況の説明は必要ですか?」

 

 その問いに手を振りながら申し訳なさそうな表情を浮かべる。

 

「いいや大丈夫、大体分かってるから」

 

 砂漠の悲劇も、勇者の奮闘も、天使と悪魔の会合も、雨の中の涙も、うさぎ達の決意も、そして────―天の箱舟、別世界からの訪問者も。彼女はこれから起こる全ての悲しみを知っていた。だからこそ、彼女はその顔に笑顔を浮かべ、緊張とワクワクが止まらない。

 

「そうですか……ではこちらへ」

 

 エレベーターへと案内され、琥珀色の瞳を大きく開き窓の外に広がる光景に目を輝かせた。

 

「ようこそ、キヴォトスへ先生」

 

 こうしてルルーシュがセリカを救出している頃、先生(プレイヤー)が着弾した。

 

 

 ⦅広いな⦆

「うん」

 ⦅だがコレからはこの箱庭を管理するのはお前だ⦆

「分かってるよ」

 ⦅だからこそ、そのトラブルに対する対応はお前がする事となる、その覚悟はあるか? ⦆

「もちろん! 女の子の涙は尊い物だからね!」

 ⦅はぁ、先が思いやられる⦆

 

 

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