ブルーアーカイブ 解釈違いのルルーシュ   作:血濡れのユフィ―

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誰かにとっての偽りの先生

 

「ケッホケホ、埃っぽ」

 ⦅ふむ、新しい施設と聞いていたがコレは意外だ⦆

 

 シャーレの地下に入ってみるとそこは暗く、埃が漂ってると頃を見るに長く人が入っていなかったんだろうか? ポチっと室内灯を灯すと明るく照らし部屋の中をハッキリさせる。どうやら執務用の場所にする予定らしくまだ封の切っていないデスクが積み上げられ、何も入ってない本棚の前にはその中へ収める為の物が入っているだろう未開封のダンボールが並ぶ、そして奥へと続く扉があるのみである。

 

「これは──いるね」

 ⦅気配が感じられるからな⦆

 

 そんでもってその扉は半開きで床に積もった埃を見るに最近誰か入ったように思う。そして先ほどまでの状況と夢での記憶を考えるに──

 

「あの子かな?」

 ⦅恐らくな⦆

 

 自然と足音を消すように歩きゆっくりとその扉を開き中へ入る。するとそこには過去夢で見た事のある、現実に見た事も無い装置が部屋の真ん中に佇んでいた。石作りの不思議な巨石が浮かびそれを下から照らされ神秘的にも見える、しかしそれは機械のようで部屋の至るとこからホースのようなモノが接続されていて正面に見える液晶の付いた台へと接続されている。そして、その液晶を見つめる人がいた。

 

「うーん……前に見た……見た? 物よりも形が変わり過ぎて全く分かりませんね。これでは細工しようにも……」

 

 ボロボロの血の滲んだ改造和服にボロボロの銃身が僅かに曲がった銃。そして欠けてその綺麗な黄金の瞳を覗かせる狐の仮面を被った、先ほど戦った相手である少女、ワカモさんだった。

 

「あら? もういらっしゃったのですか?」

 

 コチラの存在に気付いたようで画面から視線を移す。そしてあの銃身の曲がった銃を私へ向けた。銃身のわずかに曲がったライフル。けれどその銃口には刃が欠けている銃剣が装着されているので例え撃てない状態であってもキヴォトスの外から来た私にとって極めて有効な武器だ。

 

 さて、どうしよう? 

 

「えっとワカモさん、でしたよね?」

 

「あらあら私の名を覚えててくれたのですね()()?」

 ⦅それにしては警戒心が高いように見える⦆

 

 感動ですと続ける彼女の言葉に嘘は無いと思う。それはC,Cさんも同意と言っているけれど、ではなぜその私にその剣先を向け続けてるんだろうか? 雰囲気は変わらず、むしろ先ほどにいた戦場よりもピリピリとし過ぎて辛いぐらいだ。

 

「えっとまずはソレを下げてくれないかな? 私的にはソレを向けられ続けられるとビビってお話しできないんだけど」

「すいません、それは出来かねます」

 

 ノータイムで拒否判定もらっちゃったぜ。ふむ、コレは控えめに言ってスッゴイピンチって奴では? 思わず鳥肌が出て来る感覚を全身に感じ、手汗で手が気持ち悪い感覚に苛まれながらワカモさんへ目を向ける。彼女のお面の罅から除く瞳が細められ、少しばかり剣先との距離が近付けられる。

 

「貴方は先生のはずです。このシャーレを率いてこれより先きキヴォトスに変革をもたらす存在」

 

「しかしどうしても私の中にある何かが叫ぶのです。貴方は先生ではない、と」

 

「記憶もありません、証拠もありません」

 

「しかし」

 

「私はあなたを()()()()とは認めない」

 

 

 ⦅これは……何かあるな⦆

 

 先生と認めない、か。確かに先生を務めるにあたりそんな生徒に出会う事はあると思っていたけど行き成りかぁー 無音だった空間。けれどよく耳を澄ますとぽたぽたと何かが落ちる音が聞こえた。あれ?? よく見たらワカモさんの足元真っ赤に染まってって。

 

「えっと認める認めないはこの際置いといてさ」

 

「?」

 

「手当、させてくれないかな?」

 

「……あらら?」

 

 ⦅こんな状況で言うか普通。本当にお人好しだな、お前⦆

 

 これは性分ですからね。

 それからあのよく分からない機械のある部屋から出て前の部屋に二人して戻るとどうにか部屋中に置いてある複数の未開封のダンボールから応急処置キットを見付け出すと慎重に彼女の怪我を処置する。出血の量の割には怪我はあまり解く無かったようで簡単な消毒と包帯で事足りた。

 

 ⦅手慣れてるな⦆

「友達のお兄ちゃんが良く殴られてたからね。何時もボコボコに負けて過ぎてこんな風に怪我してたもんで」

 

 それにしてもキヴォトス人って凄いな普通この出血量なら貧血とか起こしてもおかしくないんだけど。

 

「ひとまず出血自体は結構あったからチョコでも食べててねぇ」

 

「そこまで心配しなくてもじょ「黙って食うッ!」ぼぼぼぼぼぼ」

 ⦅無理矢理食わせるのはいくら何でも酷くないか? ⦆

「いいのいいの! 屁理屈こねられる前に口にぶち込んだ方が速いから!」

 

「んー、んー、うぐん。ふぅ、一体誰に話しかけてますの?」

 

 おっとそろそろ他の人に聞こえない方法でC,Cさんと話す方法考えなきゃなぁ。

 

「なんでもない何でもない」

 

 誤魔化しながらもついでにもう一つ見つけた非常食の中に紛れていた水を彼女に渡しながら私もチョコを一口……ふむ。バナナマンゴードリアチョコ味か、味覚が地獄みたいに荒れちゃった。水で味覚をリセットさせるべくゴクゴクと飲み干してしまった。

 

「それにしても」

「どうしたの?」

「貴方もそれもやはり先生、なのですね」

 

 いつの間にか降ろされていた銃。その代わり私があげた水を持っている。仮面は相変わらず外しては居ないけど覗かせる瞳は先ほどとは違い何だか柔らかい。コレは気を許してくれたって事でいいのかな? 

 

「時間のようです」

 

 なんて考えてると一緒に座っていたソファーから立ち上がり、銃を手にする。

 

「それでは失礼しますわ。あとコレ、受け取ってください」

 

 そう言って渡してくれるはタブレット端末。あの格好で一体何処に仕舞ってたんだろ? 

 

「では、また」

 

 そう言い残してワカモさんは去って行った。って言うか屋根裏に逃げて行かなかった? あんまりにも素早過ぎて目で追えなかった事が恨めしい。

 

「……? 何かありましたか、先生?」

 

 ワカモさんがまるでニンジャの如く出て行った方向、つまりは天井を見つめていた為に後からやって来たリンさんは私を見るなり首を傾げられた。

 

 どうしよ、あの子の事報告した方が良いのかな? 

 

 確かチナツさんに聞かされた情報によるとワカモさんはすっごい悪い不良らしい。でもなぁ、アレは完全に主を見つけれてない忠犬。最初こそ殺気に似たモノをぶつけられたけど一緒に過ごしてそれも無くなったし……外の事は除いて考えるに被害も無いしリンさんに言う必要もないかな。

 

「なんでもないよぉー ちょっとこの部屋が汚れてるなぁーって黄昏てただけ」

「はぁ、そうですか」

 

「ここは連邦生徒会長が残された物が保管されてい居るので立ち入り禁止していた為掃除が行き届いてないのも致し方ありません。幸い、そのお陰もあって傷一つなく無傷ですね」

 

 リンさんはそのまま部屋の奥へと行くとキョロキョロと何かを探してるよう。

 

「すいません先生、何処かでタブレット端末を見なかったでしょうか?」

 

 黙ってそれを見ていると困ったように私へ訪ねて来る。偶然だね、タブレットなら私の手元にある。

 

「それってコレの事?」

 

「! はい、それです」

 

 一瞬驚いた後私から端末を受け取ると端末の周りを見渡し、チェックしてるよう。そういえば何でワカモさんはこれを持ってたりしたんだろ? 盗み出したかったのかな? でも私に渡すのは違うし……うん、わからん。リンさんのチェックは終わったのか私に返す。

 

「えっと、コレは?」

「連邦生徒会長が先生へ残した物、シッテムの箱です」

 ⦅ほぉ、コレがあの夢で見たモノか⦆

 

 シッテムの箱。あの夢で見た黒髪の少年が何時も持っていたタブレットに似て異なる何か。これによって彼は幾度となく試練を乗り越え、彼を支え続けた相棒のようなモノ。けど実際に見ると案外小さいものなんだなぁ。

 

「これは市販されているような通常のタブレット端末に見えますが、正体は分からないモノです。製造元も、OSも、システム構成すら不明でどうやって動いているのかも不明」

 

「さながら一昔前のアンティキティラ島の機械みたいだね」

 ⦅あぁアレか。実はあっちの世界での物は私が作った。単なる暇つぶしだったが、作っている間は有意義な時間だったな⦆

「ッ!?」

 

「……それが何かは分かりませんが確かに理解出来ない機械である事からオーパーツではあります」

 

 C,Cさんから突然驚くような事実に思わずリンさんが居る事を忘れて質問しそうになったがセーフ。いや、マジっすか。アレってあなたが作ったんですか……

 

「話しを戻すとして。連邦生徒会長はこのシッテムの箱は先生の管理する物であり、これを貴方が使えばタワーの制御兼を回復させられるはずだと言っていました。私達では機動すらできなかった物。彼女の言葉が正しければ先生であれば機動させられるはずです」

 

 まるで藁にも縋るかの如く私を見つめるリンさん。その話が正しければ正しく私こそが最後の希望なんだろうなぁ。それにしても連合生徒会長か……あの子だけは夢で見なかったんだよなぁ。一体どんな子なんだろ? 

 

「そうですか」

 

 気になる事はあるけれど私はそれを棚に置き優しく画面を触れる。すると彼女の言い分通り画面に光が灯った。そして表示されるのはパスワードの入力画面。それを見てか気を利かせてリンさんはゆっくりと私から離れて行った。

 

 ⦅さてさて、やっとここまでこれたな⦆

「……そうだね、ここからが本当のスタートラインだ」

 

 私は夢で何度も見た言葉を打ち込む。

 

【我々は望む、七つの嘆きを】

 

【我々は覚えている、ジェリコの古則を】

 

 

 意味は分からない。けれど何か意味のある言葉だと分かるこの言葉。多分誰かが願った言葉だと言う気がするけれど私の気のせいかな? 

 

【シッテムの箱へようこそ、先生】

 

【生体認証及び認証書生成のため、メインオペレートシステム、A.R.O.N.Aに変換します】

 

 唐突にその文面が現れた途端画面が真っ白に染まりその光に思わず目を瞑り、再度目を開けるとそこは────見た事も無い教室だった。

 

 

 

 崩落した屋根や壁から覗く空は透き通るほど青く、床は水面のように揺れていた。けれど乱雑に置かれた机と椅子はここが教室だと言う事実を見せつけられる。これはアレだね、多分転移の類に巻き込まれたね。つまり私は勇者だったのか? 

 

「ぐぅぅぅぅzZ」

 

 そしてそのうちの一つに小さい寝息を立てながら幼い子供が眠っている。あの格好であんな場所で寝てたら普通風の一つや二つひきそうなものだけど……それともアレがこの世界の主的な人なのかな? 

 

「さてさて、どうするつもりだシズク」

「さぁ、とりあずあの子を起こし──―ってC,Cさん! 何故ここに!?」

 

 気付いたら真横にあのヘンテコ空間で会ったような恰好をしているC,Cさんが居た。ってかその格好ってどう見ても拘束具的な意味合いが強いですよね。なんて考えてたらふむっと考え付いたのか語り出す。

 

「さてな。案外この場所はあの夢の空間に近しい場所なのかもな」

 

「なるほどぉ」

 

 そう考えたら尚更あの子を起こさなきゃいけないね。あの子の元へ向かおうとすると微かに耳に声が聞えて来た。

 

「むにゃぁ……かすてぇらぁzZ いちごみうくぅzZ でもばななまんごぉどりあらてぇのほうがぁzZ」

 

 お前があのヤバイのを作った犯人かこの野郎。意図せずあの地獄を作り出した現況にである事となったのだった。ゆるざん!




ここまで読んでくれてありがとうございます! 応援よろしくお願いします!
ってかそろそろ主人公であるルルーシュに戻りたいけど、先生編をきちんとやんなきゃ色々整合性ガガガガガガ

以下オリジナル設定。


名前:グラスゴー
分類:第2世代
所属:ミレミアムサイエンススクール他多数の学校や企業
設計:エンジニア部

ブラックマーケットに流通した機体を解析し、独自に生産を行った機体。基本性能は変わらないがキヴォトスの生徒達にも簡単に操作できるよう改変されたプログラムを基礎となるOSに組み合わせた結果修復不可能なバグが発生。それを解決すべく奮闘した結果、内部に搭載されていた無線が降ろされコックピット内の声を届かせるようのスピーカーマイクが常にON状態となった。OFFにした途端まともに機動出来なる致命的なバグの為致し方ない犠牲であった。

この特徴は後に普及する全てのKMFに受け継がれ、不変的な欠陥となる。
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