ブルーアーカイブ 解釈違いのルルーシュ 作:血濡れのユフィ―
リンさんに案内されながら地下室から出てる。この建物は外見通りかなり広いようで様々な施設が併設されていた。
「ここがシャーレのメインロビーです。長い間無人でしたが、ようやく主人を迎える事になりましたね」
「いや広っろ」
今いるメインロビーを中心にそこから図書館や視聴覚室、体躯間や実験室、射撃場、教室、格納庫に加え恐らくKMFを待機、整備する出来るステーションといった施設が詰め込められていてより取り見取り。明らかに私の中にある部活と言う区分で考えると過剰としか思えない充実性。射撃場を見たところ様々な銃に豊富な弾薬が新品状態で並べられてたし、倉庫には今の所なにも無かったけど広さから見るに様々な車両を止める事が出来ると思う。
そして居住区と呼ばれる区域には自習室や様々な設備の揃ったトレーニングルーム。
「ランニングマシンでムーンウォークってできるのかな?」
「さぁ? 私はやった事無いので」
私の大好きな冷凍ピザが沢山入った冷蔵庫のある休憩室。
「リンさんも一切れ食べる? 美味しいよ」
「いえ、遠慮します。しかし何故ピザばかり……」
明らかにKMFのシュミレーターを含む最新から旧型まで様々なゲームが揃えられたゲームセンター
「いや初期型パッ〇マンはまだ理解出来るけど、ドット絵のガ〇ダムの格ゲーがあるとは思わなかったよ、余りにもマニアック!」
「連邦生徒会長の判断で揃えたので私からはなんとも……」
「彼女とはいい酒……ジュースが飲めそう」
ピザ窯が揃えられた無人の食堂、何も植えられてない菜園、更にはコンビニまで……ここまで行くと既に部活の範囲を超えて学校じゃないかな? って疑問が出るほどには揃った場所でだった。けれどその分どれだけこの施設に期待してたかよくわかるなぁ。まぁ夢で見たから話合う程度分かるけどこの際あんな事があるって分かってる、もしくは予想がついてるとこれだけ供えたくは成るよなぁ
「ここがシャーレの部室。貴方が呼ばれた場所です」
そして最後に案内されたのが私の勤務先。扉には【立ち入り禁止 勝手に立ち入った場合バナナドリアマンゴーチョコモカの刑に処す By連邦生徒会副会長】と書かれているのが見えた――――ってやっぱりアレは不味い扱いで合ってたんだ。無理矢理食べさせたワカモさんが何も言わないので一般的な味と思ってたよ。そんな私の考えを他所にリンさんは扉を開け、私を招き入れたので足を延ばす。
中に入ってまず見えたのは整理され置かれたデスクにまだ何も入ってない本棚。デスクの上に置かれてるのは無数のPCモニターとキーボード、そして奥の壁にはまだ真っ白なホワイトボード、その右端には恐らくキヴォトスの全体を記されている地図が張られていた。夢で見た風景。けれど空きスペースが多くこれから増える物が多い印だと思う。
「先生のお仕事は、基本的に此処で行うと良いでしょう」
「お仕事……そういえば聞き忘れてたんだけど私は一体どんな仕事をしたらいいの?」
「何でもとだけ」
リンさんは何処か困ったような表情を浮かべる。
「現在シャーレは権限だけあって目的の無い組織です。ですので特に何かをやらなきゃいけないと言う強制力は無いのです」
ふむ、目標が無い、か。私には一応C,Cさん関連の事をキヴォトスで探さなきゃいけないからそれをメインに動いても誰にも責められないのはありがたい。けれどそうすると何故私を先生として呼んだかが分からなくなる。
「キヴォトスのどんな学園の自治区にも自由に出入りでき、所属に関係なく、先生が希望する生徒たちを部員として加入させることも可能です。何故このような組織を作り出したか連邦生徒会長も特に理由を言い残してはくれませんでした」
そんな権限を持った組織を目標も無く立ち上げ、外部の者、つまりは私にその指揮を任せるだなんて普通ありえない。何だかわざと小難しい目標を設定せず、どの組織にも属さない中立状態にしようとしてる考えが霞んで見える。連邦生徒会長には私に生徒達によりそう便利屋的な事をやらせたいのかな?
「なので今も連邦生徒会に寄せられる様々な苦情。支援物資の要請、環境改善、落第生への特別授業、部の支援要請などなど――――時間があり余り基本的な制限の無いこの組織、シャーレならば解決できるかもしれませんね?」
「……つまりそれを手伝えと」
「ご想像にお任せします」
やっぱり私の考えは間違ってなさそうだ。リンさん的には目的の無い私に自分達の担当する仕事の一部を手伝ってほしいんだろうけど、
コレは渡りに船だ。きっと生徒達の手伝いをする事によってキヴォトス中を駆け回る事となると思う。だから一緒に隠されているであろうCの世界に関係するモノを探す事は何ら不自然じゃ無いからね。恐らく夢同様Cに関するモノは一般人、このキヴォトスだと一般生徒も知らないだろうからね、そして恐らく長である連邦生徒会すらも。
「リンさん……いやリンちゃん、頭脳派だね? 分かるとも」
「リンちゃん言わないでくだい」
ジト目で私を見て来るので肩をすくめてやるとハァっと大きくため息を吐いた。あんまり溜息ばかり吐くと幸せが逃げるよ。
「一先ずそらに関する書類は後程届けますので、ひとまずはそれを見てから判断してもよろしいのでは無いですかね?」
リンちゃんはそう言って身を翻して外へ続く扉へ。
「それではごゆっくり――必要な時はまたご連絡いたします」
そう言い残し扉の向こうへと彼女は消えて行った。気配が遠ざかり、何も感じなくなると私はふぅっと額にいつの間にか浮かんだ汗を拭き取り、まだ埃避けのビニールに包まれた椅子へと腰を下ろす。何だかちょっと緊張しちゃったなぁ。
「ねぇC,Cさん、私はコレで合ってたのかな?」
そうC,Cさんに問いかけるも何時もの皮肉交じりの返答は帰ってこない。まさか寝てるのかな? でもそんな事一度も――――そう考えた途端、近くのデスクへと置いたタブレット端末、シッテムの箱に光が宿る。
【さてな。だが何もしないよりはマシだろ】
「え」
声がしたシッテムの箱へと目を向けると何故かそこにはあの不思議空間で見たままのC,Cさんが映っていた。え、え、え、何故?
【私にも分からん。けど案外居心地は良いぞ】
「え」
【先生大変なんですC,Cさんがぁぁぁあ!!!】
つまらなそうに長く伸びた髪をクルクルとしているC,Cさんの下、つまり画面の下側からアロナちゃんがニョッキと生えて来てアワアワとしている。完全にパニックに陥ってるよう……あ、C,Cさんもよく見れば髪のクルクルは無限にしてるし、お目々の方もグルグルしてて珍しく混乱してるように見えるね。そんな二人を見ていると何だか冷静になる事が出来たので思わず――――
「うん、カオス」
――――そう口にして私はニッコリしてしまったのだった。
※※※
「ええ……そう、サンクトゥムタワーの制御権を連邦生徒会が取り戻したことを確認しました」
「ワカモは自治区に逃げてしまったのですけど……捕まるのも時間の問題でしょう。私たちはここまで。あとは担当者に任せます」
「お疲れさまでした、先生。先生の活躍はキヴォトス全域に広がるでしょう。すぐにSNSで話題になってしまうかもしれませんね?」
「そんな事無いって私は私にできる事をしただけ。それとみんなもお疲れ様ー! 今日はありがとう!」
あれから二人の混乱を収め少しして、シャーレの前に集まった四人に労っていた。まぁ皆が居なければシャーレに来ることも奪い返す事も出来なかっただろうからね。
「そういばあのKMFに乗ってた子は何処に?」
「枢木マヤさんの事ですね」
枢木マヤ。夢の中で見た少年と同姓なだけって可能性もあるけれど、あの戦いぶりを見ていると少なくともKMFの腕は同等と思える。少女達が銃を撃ちあって兵器な世界に加えてKMFなんてある場所なんだ、夢に関する変化があって偶然で片付けるのは流石に怪しすぎるので確認する必要があるなぁ。
「回収したグラスゴーの連邦生徒会への引き渡しは既に終了しているのでそろそろ……あ、来ました!」
スズミちゃんの見つめる先を私も目を向ける。ちょうどその時わりと速い速度であの時見た灰色のナイトメアが突っ込んで来ていた。
【お待たせしました】
目の前で急停止を決め、素早くロールして背を向けるとコックピットが開き、中から人が飛び出し私の前へと着地した。
学生とは思えない引き締まった体に、ユウカちゃん達同様モデル顔負けのプロポーション。カチューシャの乗った長い黒髪を靡かせ、リンちゃん同様連邦生徒会の制服に身を包むが、それにギャップを狙ってるかの如く覗かせるガーターベルトを履く少女。
「改めて初めまして、先生。私が枢木マヤです」
そう言って握手を求める青い瞳に、私は夢の中で微かに憶えがあったのだった。
呼んで下さりありがとうございました!
え? マヤちゃんの容姿が気になるって? ……一言で言えばガーターベルトした狂犬ですかね?
以下オリジナル設定。
キヴォトスで広まるKMF。その種類は多数あり、識別が難しくなる一方であった。なので連邦生徒会にあるKMF管理員局によって分類とされたが既に生徒達に広まっていた認識によって変改を遂げ、いつの間にか世代分けとされていた。
【第1世代】
初期に出回った機体に付けられる名称。主にブラックマーケットより齎された初期型グラスゴーが基準となる。滅多に見る事は無く希少性が高い為にコレクターには高値で売れる。しかし内蔵されているサクラダイトと呼ばれるエネルギー源は危険物質とされる為連邦生徒会による回収指示が出ている。
【第2世代】
キヴォトスにてエネルギー現を既存の物に置き換えて実験的に生産された機体に付けられる名称。第一世代と差ほど性能差は無いものの無線が搭載されておらず、コックピット内の声を外へと届かせる外部スピーカーが標準でONになっておりOFFにするとまともに動かせなくなる。それと同時に他の有効性が無いか様々な試みが為されたが有効的な物は少なかった。
以降の世代に搭載されいるOSの基礎を担っている為かこれ以降の世代にもこの欠点とコンセプトは受け継がれる事となる。
【第3世代】
キヴォトス内にて対KMF戦を見据えた実戦を前提に開発された機体に付けられる名称。第二世代にて蓄積されたデータを元に開発された為、キヴォトスでは珍しく白兵戦を重視に設計されている。
(KMF用の重火器は通常の武装よりも弾薬費を含め倍以上に高かった為に自然と白兵戦のデータが多く集まった為でもある)