無限転生者は死に場所を探す   作:絶対正義=可愛い

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死んだ奴が生きていた。
死んでいたと思っていた人間が、10年後死んだ時と変わらない姿で自分の目の前に出てきたら、どう思う?

感動に涙を流すか?
生きていて良かったーとでも言うか?


それが、自分が殺した人物だとしても…同じことが言えるか?

要は、そういう、くだらない男の自業自得な行動と選択の果てが…今の俺だよ。





死を乗り越えし者

熊を倒した。

呼び出したセラフで一閃すれば容易くその生命を散らす。

 

刀剣型のシンプルな白と黒のデザインの刀身が血で汚れる。

 

今日の食料を担ぐ。

セラフを呼び出している間の身体能力の向上はこういうときに役に立つ。

 

トランスポートが使えないので、今寝泊りしている洞窟には歩いて行く他ない。

 

まだ足元事情を何とかしていないため、足裏が擦り切れたりして痛い。

 

死ぬ度にこんな事を何度も繰り返したため皮膚が厚くなってきたのか、もう大丈夫だ。

 

最初の頃は酷かった。

 

世界がまだ滅んでいなかった頃の舗装された道というのが偉大だという事を身を以て知ったものだ。

 

キャンサーの気配は感じられないが、細心の注意をはらって歩く。

 

山道は崩れやすい。

また、キャンサーに見つかってしまうと戦闘を余儀なくされる。

 

デフレクタを持ち得ない現状では、トランスポートによる回避も防御も逃走も現実的ではないからだ。

 

生身の状態でどれだけ持つかは、敵次第だ。

 

レベル1程度なら余裕だろうが、3体以上出てこられると少し厳しい。

 

レベル2が来たら即時撤退だ。

気づかれる前に逃げれれば御の字。

気づかれれば超絶頑張って撒くか、死を覚悟して挑むしかない。

 

レベル3や4は論外だ。

死確定だ。

 

少なくともこのリスポーン後の生活で俺は100回は死んだ。

もちろん、あの日起きたときから死んでいない。

その前の、まだセラフ部隊に所属する前のはなしだ。

 

それはそれとして、できれば、早めに基地に行きたい。

あの生活を知ってしまえば、硬い石床で寝るのはストレスでしかなく、味付けのない臭みのエグい肉は不味いという他ない。

ストレス値が日に日に上昇していくのが目に見えて分かる。

 

 

そうこうしている内に俺の寝泊まりしている洞窟に着いた。

 

…………。

 

居るな。

 

俺が離れている間に入って来たやつか……。

 

あれは……『ドール』と『スモールホッパー』に『ヒールホッパー』か……。

 

面倒くさいな。

 

個々の敵自体はどうということはない。

雑魚敵だが、デフレクタによる回避や防御が出来ないのが痛いな。

 

……奇襲でまず『ヒールホッパー』を最速で片付ける。

次に『スモールホッパー』

最後に『ドール』だ。

 

回復役から潰すのはゲームでも現実でも基本。

的の小さい『ドール』よりも『スモールホッパー』を相手取ったほうが早く片付く。

 

そうと決まれば、担いでいた熊をそっと下ろす。

鹿の皮を剥いで作った急造の衣服に熊の血が付く。

 

トランスポートによる奇襲がかけられないため、ダッシュで接近、斬る。

 

一撃でデフレクタを破壊。素早く燕返しの容量で刃を返す。

体を構成する何かが砕け散り、外殻の一部がその場に落ちる。

 

 

ゾワリ…

 

 

直ぐにその場を転がるようにして移動。

 

その数瞬後。

さっきまで俺が居た場所に四本脚のうち二本が振り下ろされ、地面に亀裂が入る。

 

安心する間もなく『ドール』の頭部からの打撃が脳天を狙う。

それをセラフで相殺するように防ぎ弾く。

段取りとは違うが、2匹目。

 

先ほど『ヒールホッパー』を殺ったとき同じように、斬る。

 

外殻を破壊され、動きが止まった所を殺ろうとするも、『スモールホッパー』が飛びかかってくる。

 

舌打ちしながらもそれを避け、避けざまに一閃。

外殻を破壊。

 

苛立ちをぶつけるようにセラフの力を引き出す。

 

 

 

【スキル】

 

 

【模倣:牙突】

セラフが青白く透き通り、クリスタルのような輝きを放つ硬質なナニカで新たに、補完される。

足りない部分が補い合い埋め合わされ、透き通る刃が、鎖が形作られる。

出来上がったのは爪型セラフ。

 

 

セラフと適合したとある虎のセラフを模倣したもの。

しかし、本来なら身体を覆うセラフが二の腕に纏われている。

右手は剣を素体にしているからか、所々に黒と白のコントラストがあるが、左手は半透明の輝きを放つナニカ。

そこからジャラジャラと鎖が擦れ音がなる。

 

その鎖を伸ばし、『ドール』と『スモールホッパー』を巻き込んで捕らえる。

そのまま腕に力を入れて引く。

 

 

()()

 

キャンサーが完全に砕け散ったことを確認する。

 

「…………はぁ…面倒臭い」

 

 

少し汗ばんだ身体に鹿の皮が張り付く。

……近くの川にでも行って水浴びをしないとな。

 

「………チッ」

 

 

タラリ…と()()()()()()()()

 

 

「……はぁ、失敗したな」

 

その垂れたものをセラフを握っていない手を使って拭う。

 

「……今日はもうここまでか」

 

【スキル】を使ったのは愚策だった。

 

そもそも満足な食事も睡眠も出来ていない状態でセラフをずっと顕現し続けるのが危険なんだ。

 

ストレスや環境によるセラフの顕現時間の短縮。

 

セラフ部隊で戦っていた頃よりも段違いで消耗が早い。

 

セラフを消す。

身体に流れていた得体の知れないエネルギーの供給が絶たれる。

その瞬間ドっと疲れが押し寄せてくる。

 

今にでも瞼を閉じて眠りたい。

 

それを無視して、先程倒したキャンサーの外殻を回収する。

 

キャンサー避けの為の外壁にする予定だ。

それなりの量が必要になるが、作っておいて損はない。

 

持ち運びは、セラフ顕現時の謎空間にでも入れておけばかさばらない。

 

 

蒼井と別れてから、何日経っただろうか?

 

だめだな。年寄りになると時間の感覚がどうも曖昧になってくる。

 

 

 

そういえば……。

 

 

……俺が初めて転生してから、一体、何百年経ったんだろうか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

もう、海崎(うみさき) 凛夜(りんや)として生まれる前の名前を覚えていない。

 

()()()()()』のことに未練はない。

 

というよりも、覚えていない。

名前も、何処の誰かも、親の顔も、友達の顔も。

 

何もかも忘れてしまった。

魂に染み付いた記憶は風化して、もはや、ふと思い出す事も困難だ。

 

 

 

……今日はもう寝よう。

明日から本格的に行動しよう。

 

 

 

 

 

 




レポート記録㊙
海崎凛夜

当時の28C部隊が山の中で原始的な生活をしている高校生ほどの見た目の一般人を発見。保護に移った。
しかし、電子軍人手帳を持たない筈なのにセラフを召喚したり、その攻撃力の高さから隊員2名のデフレクタの破損させるなど、明らかに一般人とは掛け離れていたため、一時的に軍が預かることとなった。
また、戸籍に関して(ページが乱雑に破り捨てられている)
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その後、本人の希望でセラフ部隊に所属し当時の切り込み隊29A部隊の補佐として軍に所属。
数々の戦績を残すも、オペレーション プレアデスにおいて戦死。
しかし、死体が残っていることから純粋な人間だった事が判明した。
死体に関しては研究所等で調べたが特に異常性があるわけでもないことから研究は打ち切りに。

結局、海崎凛夜が何者かはわからずじまいという結果だけが残った。

シックスセンス(10段階評価)

カリスマ
→7。謎のカリスマを帯びている。自覚のない人誑し。


→6。器が大きいというよりも、遍く全てに興味関心があまりない。

優しさ
→6。基本的に無愛想極まりないが根は優しいやつ。

メンタル
→10(計測可能段階を大幅に超過)。化物。

天然
→3。天然ボケのキライがあると思われている。もちろんそんな事はなく、ボケの内容は全て本当の事。

クレイジー
→10(計測可能段階を大幅に超過)。まともな事が異常。












































「至急司令部に報告したい事がある」
『はいこちら司令部です。どうかしましたか?』
「現在30Gは一般人を発見した。よって速やかに保護し帰投したいのだが、いいだろうか」
『……わかりました。30Gの偵察任務からの帰投を受諾します。そちらの座標にヘリを送るのでしばらく待機していて下さい』
「ああ、助かる」


「……と言うことだ。これから周囲の偵察と護衛に分けたいと思うの「■―■■―■――■■■―■■」……は?」

「気をつけろ後輩共…。キャンサー、それもレベル2並だ」

「俺は今デフレクタがない。よって、トランスポートが出来ない」
「……お前らで攻撃を引き付けろ。最大火力を一発位なら、今の俺にも出来る」

「ま、待て!お前は一体…」

「説明は後だ。殺らないと…殺られるぞ……!

「「「「「「……!?」」」」」」
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