「襲撃だぁ!?」
「アビドスのやつらが向こうから来やがった!!」
「ごめんねー?ちょっと入らせてもらうよ!」
「んなことさせるわけねーだろ!!」
「ザッケンナコラー!!」
「いつもとは立場が逆だねー」
「さんざんやられっぱなしだったけど、今日は今までの恨みを晴らさせてもらうんだから!!」
「セリカ、いつもよりやる気だね」
「またとないチャンスですからねー☆」
「ここからは実力行使です、行きましょう!!」
みんなノリノリだったし、私も手札誘発*1対策で『墓穴の指名者』をちゃんとデッキにいれておいたので思いのほかサクッと蹂躙した。
「えーっと、ここが倉庫かな?」
「は、はい……そうです……」
「ふーん、なになに?うわっ、『灰流うらら』、『増殖するG』、『原始生命態ニビル』に『
「すごい、これだけあれば……」
「シロコ先輩?なんか目がギラギラしてませんか……?」
倉庫には、しっかりした鍵のかかるケースの中に入った高価な手札誘発系のカードが結構な数あった。これだけ揃えるとなれば結構な金額が飛ぶはずだが……。
それに、私が目をつけていたパーツらしきものもあった。どうやらデュエルディスクに取り付けて手札と盤面を読みこみ、最適な展開をAIがディスプレイに表示してくれる、というものらしかった。
「こんなもの使ってデュエルして何が楽しいのかな……」
「勝てればそれでいい、っていう人もいるかもしれないからね。まあ、これを使うのは良くないけれど」
「そんなものかな……」
「ねえ、こんなのどこで手に入れたの?」
「へっ!?い、いやそれは……」
「そうよ!あんたたちみたいなのがこんなの買えるわけないじゃない!」
「そうですね、やっぱり不自然ではあります」
「教えてもらえますか?これをどうやって手に入れたのか」
「うぅ、それは……それだけは……」
「うーん、思ったより渋るなあ。もう一回いっとく?」
「ホ、ホシノ?そこまで無理やりしなくても……」
「まあ、そうですね。こういうパーツだったら大体ブラックマーケットからだろうし、そっちから探ればまたなにか出てくるかもよ?」
「……それもそっかー。ちょっと熱くなりすぎてたかもね」
「では一旦、アビドス高校に帰りましょうか」
私はこれがおそらくカイザーからのものというのは知っているのだが、それをそのまま言うわけにもいかないから、皆に自分で気づいてもらわないとなぁ……もどかしい……。
「無事帰ってこれましたね。皆さん、お疲れさまでした」
「ただいま~」
「それにしても、これで火急の事案だったカタカタヘルメット団の件が片付きましたね。これで一息つけそうです」
「そうだね。これでやっと、重要な問題に集中できる」
「うん!先生のおかげだね、これで心置きなく全力で借金返済に取り掛かれるわ!」
「借金返済って?」
「……あぁっ!?」
「そ、それは……」
あ、そういえばこんなくだりもあったなぁ……。
私と先生は、皆にアビドスの借金について教えてもらった。
……あ。ちょっと良いこと思いついちゃったかも?
「それなんだけどね?私に一個アイデアがあってさ」
「え?」
「アイデア……ですか?」
「うん……実はね?今度ウチでまた、でっかい大会を開こうと思ってるんだ」
「あぁ、オウカ先輩が優勝してたやつ?」
「あの時のオウカ先輩……すごかった」
「そうそう、それ!でね、私が前回優勝しちゃったでしょ?だから優勝賞品が誰にも渡されなかったんだよねー、用意したの私なのに私がもらってもね」
「優勝賞品……?」
「うん。簡単に言っちゃうと、世界に一枚しかないカードと賞金5億円なんだけど」
「……!?」
「「「「「ご、ごおくえん!?」」」」」
「サプライズにするつもりだったから、結局発表すらできなかったんだけどねー」
5億円。一カードゲーム大会の賞金として考えるならあるまじき額だが、ここはカードゲームが銃の代わりになってしまったキヴォトス。カード一枚当たりの価格が元の世界よりとんでもなく高いので、その世界大会ともなれば優勝で5億円もらえても何ら不思議はないと思ったのでこれくらいの金額にした。ちなみに優勝でなくても上の順位であれば賞金が出る。
そんな金がどこから出てくるのか、というのは勿論ウチの会社の売り上げである。銃器の代わりになるものをウチがほぼ完全に独占して売っているので、利益が割ととんでもないことになるのだ。まあ、新商品開発の研究や工場建設など資金が必要になることはあるし、なんなら慈善団体等への寄付や兵器メーカー等で働いていて職を失ってしまった人たちの雇用までしているがそれでもかなり余っているので、大会賞金としてこれくらいの額は出せるのだ。
「で、アビドス高校の借金が9億でしょ?前回の賞金をキャリーオーバーってことにして今回の分に追加しちゃおっかなーって」
「そうなったら……じゅ、10億……?」
「借金返済してもまだ余る……」
「そうなったら学校の設備も直せますし……」
「欲しかったあのカードも……?」
「あはは……。皆さん、優勝できるとはかぎらないですからね?」
「うん。だから、大会に出て頑張ってくれたら、借金が一発返済できちゃうかもねって話なんだけど……」
「オウカ先輩、練習付き合って」
「あっシロコ先輩ずるい!私も!!」
「いや~10億円かあ。おじさんもちょっと本気出しちゃおっかな~?」
「み、皆さん?練習もいいですけど、今は一旦ヘルメット団の倉庫で見つけた物の話を……」
「お二人の後で、私ともデュエルしてくださいね?」
「もちろん!いくらでも付き合うよー!」
「あ、あの……」
「最初は私。こっちきて」
「私からよ、先輩!」
「……は……」
「ん?アヤネ……?」
「話を聞いてくださーーい!!!!」
瞬間、ちゃぶ台が宙に舞う!
「出たー!アヤネちゃんのちゃぶ台返し!」
「きゃあ、アヤネちゃんが怒りました!非常事態です!」
「アヤネちゃんそのちゃぶ台どっから出したの!?」
その後めちゃくちゃ説教された。
いつか大会編はやろうと思っています。いつになるやら……。