「いやぁ~、悪かったってば、アヤネちゃーん。ラーメン奢ってあげるからさ、怒らないで、ねっ?」
「怒ってません……」
私たちは、話し合いでふざけすぎて怒ってしまったアヤネちゃんに機嫌を直してもらうために紫関ラーメンに来ていた。
対策委員会のみんなが甲斐甲斐しくアヤネちゃんにラーメンを食べさせている……アヤネちゃんもまんざらでもなさそうだ。
そしてここでは……。
「あ……あのう……」
「いらっしゃいませ!何名様ですか?」
「……あ、まだやってるんですね、お店……!」
「?はい、営業してますけど……」
「よ、よかった……」
店の入り口のところで話している紫の少女、伊草ハルカ。キヴォトスで一、二を争うヤバい性格の持ち主だ。更に……。
「えへへっ、やっとみつかった、まだやってるお店!」
「ふふふ。ほら、何事にも解決策はあるのよ。全部想定内だわ」
「そ、そうでしたか、流石社長、なんでもご存じですね……」
「はあ……」
浅黄ムツキ、鬼方カヨコ、陸八魔アル。この四人が、かの悪名高い(?)便利屋68だ。
彼女たちは今カイザーに依頼されてアビドス高校を襲撃するためにここに来ている。それなら、同じ店で食事をしている対策委員会メンバーと即対立……とは、ならないのが彼女たちだ。
「うふふふっ!いいわ、こんなところで気の合う人たちに会えるなんて。これは想定外だけど、こういう予測できない出来事こそ人生の醍醐味じゃないかしら」
ほら、ちょっと目を離したらもう仲よくなっちゃってる。
この人の好さが彼女の良い所ではあるんだけど……。
「あれ……ラーメン屋さんの……?」
「誰かと思えばあんたたちだったのね!!トッピングも無料でつけてあげたのに、この恩知らず!!」
「あははは、その件はありがと。それはそれ、これはこれ。こっちも仕事でさ」
「残念だけど、公私ははっきり区別しないと。受けた仕事はきっちりこなす」
「誰の差し金?……いや、答えるわけないか。力ずくで口を割らせるしか」
「ふふふ、それはもちろん企業秘密よ?……総員!攻撃!」
「「「
「それで、私の相手はハルカちゃんかぁ」
「あ、あなたがあの遊戯王……わ、私なんかが対戦相手ですみません……でも、皆さんがアル様の道を阻むなら……」
「そんな卑下するほど貴方が弱いとは思えないけど……まあでもとりあえず!」
「死んでください!!!!」
「やろっかぁ!」
「ハァ、ハァ、や、やるね、ハルカちゃん……」
「もうしわけ、ありません、アル様……」
びっっっくりした~~~……まさかガンドラワンキル*1仕掛けてくるとは思わないじゃん……!なんとかできたからよかったけど……。
どうせなら面白いからって封入率めっちゃ低くしてエラッタ*2前のテキストのやつ入れてたけど、ほんとに使える人がいるとは……。
「こりゃヤバいね。まさかここまでやる子たちだなんて……。アルちゃん?どうする?逃げる?」
「あ……うう……こ、これで終わったと思わないことね!アビドス!!逃げ……じゃなくて、撤退するわよ!」
ほかの3人も、先生とホシノちゃんが中心になってどうにかしてくれたみたい。
「詳しいことはわかりませんが、敵兵力の退勤……いえ、退却を確認。皆さん、お疲れさまでした。一旦、帰還してください」
対策委員会の部室に戻って少し調べ物をした後、会議が再開した。
議題は、さっき襲撃してきた便利屋68についてと、ヘルメット団についての話だった。
「うーん、ゲヘナの便利屋かぁ……なかなか本格的だね。お尋ねものってことなら、次は取っ捕まえて取り調べでもするかー」
「そうですね……続きまして、カタカタヘルメット団の倉庫で見つかったものについてです。例のパーツを調査した結果……過去に規制され、現在は取引されていないものだということが判明しました」
「もう生産してないってこと?」
「それをどうやって手に入れたのかしら」
「生産が中止されたものを手に入れる方法は……キヴォトスではブラックマーケットしかありません。それから、便利屋68もブラックマーケットで何度か騒ぎを起こしていたそうです」
「では、そこが重要ポイントですね!」
「はい。二つの出来事の関連性を探すのも、一つの方法かもしれません。」
「よし、じゃあ決まりだねー。ブラックマーケットを調べてみよう……意外な手掛かりがあるかもしれないしね」
「それじゃ、しゅっぱーつ!善は急げって言うし、いまから行っちゃおう!」
「先生としては、あんまり危ない所には行ってほしくないけど……しょうがないかな」
ブラックマーケットは、アビドスからでも電車を使えば簡単に行くことが出来る。名前とイメージの割には一見すると普通の街のようだ。
しかし実態は不良、浮浪者、半グレ集団にヤクザとアンダーグラウンドな奴らの巣窟。故に……。
「いま、拘束アームの射出音がした」
「しかも結構近いね」
「あっちの方ですかね……ん?」
「待て!!」
「う、うわああ!まずっ、まずいですー!!つ、ついてこないでくださいー!!」
「そうはいくか!」
「あれ……あの制服は……」
「わわわっ、そこどいてくださいー!!」
前を見ず走っていたのか、追われていた少女とシロコちゃんがぶつかる。
「い、いたた……ご、ごめんなさい!」
「大丈夫?……なわけないか、追われてるみたいだし」
「そ、それが……」
「なんだお前らは。どけ!アタシたちはそこのトリニティの生徒に用がある!」
「あ、あうう……わ、私の方は特に用はないのですけど……」
「!!思い出しました、その制服……キヴォトスいちのマンモス校の一つ、トリニティ総合学園です!」
「そう、そしてキヴォトスで一番金を持っている学校でもある!だから拉致って身代金をたんまり頂こうってわけさ!」
「拉致って交渉!なかなかの財テクだろう?くくくくっ」
「どうだ、おまえらも興味があるなら計画に乗るか?身代金の分け前は……ん?」
「はい
「うわああああなんだこいつ、逃げろーー!!!!」
「うへ~、エグイねぇ」
「あ……えっ?えっ?」
先行ワンキル久しぶりに見たから私も使いたくなっちゃった。やっぱヤバいね、これ。
キヴォトスにリミットレギュレーションは存在しません。