「騒動の中心人物を発見!対処を!」
「オウカ、君が行ってくれ!」
「わかりました、先生!」
混乱の渦中に飛び込んでしばらく。シャーレ部室まであと少しというところで、今回の騒動を引き起こした人物を発見した。
狐坂ワカモ。矯正局を脱走した七囚人の一人で、襲撃事件を複数起こしており、無差別かつ大規模な破壊行為を行う事から「災厄の狐」と呼ばれている。
おそらくかなり厄介な相手だが……どんなデッキを使うんだろうか。
「フフ、連邦生徒会の子犬たちが現れましたか。お可愛らしい事……あら、あなたは確か……」
「私は子犬ほどかわいくないよ。急がなきゃいけないし、遊び無しのデッキで相手するね!」
「それはそれは。久しぶりのお楽しみになりそうですね、ウフフフ♡」
「「
「先行は私から。手札から『ヴォルカニック・トルーパー』を召喚、効果発動!!」
ヴォルカニックか!
テーマ内のモンスターが炎属性・炎族で統一されていて、そのほとんどがバーン効果*1を持っている。また『ブレイズ・キャノン』と名の付く魔法カード群も実質的にテーマ内のカードで、そちらは『ヴォルカニック』の展開をサポートしたりバーンダメージを与えてきたりと、総じて燃え広がる炎のように苛烈なテーマだ。実に彼女らしいと言える……と、今はそんなことを気にしている余裕はないか。
「デッキから『ヴォルカニック・ブレイズ・キャノン』を手札に。そしてそのままもう一つの効果を発動」
「おっと、そこでこっちの『増殖するG』の効果を使わせてもらうよ!これを手札から捨てることでこのターン、そっちが特殊召喚をする度にドローできる!」
「構いません。手札から『ヴォルカニック・リムファイア』を捨て、貴方のフィールドに『ボムトークン』を特殊召喚します。更に今捨てられた『ヴォルカニック・リムファイア』の効果!自身を除外し*2、『ヴォルカニック・エンペラー』を墓地へ送ります。ここでデッキから『ブレイズ・キャノン』を墓地へ送り、『ヴォルカニック・ブレイズ・キャノン』を発動。一つ目の効果を使用し、デッキから『ヴォルカニック・バレット』を墓地へ送ることで貴方のフィールドの『ボムトークン』を破壊。破壊された『ボムトークン』の効果で、500ポイントのダメージを受けてもらいます!」
「ぐっ……!」
ソリッドビジョンで投影されたモンスターが爆ぜ、爆炎のエフェクトが視界を覆う。実際の熱や痛みはないけれど、こうリアルだと本当に至近距離で爆破を受けたかのように感じる。
「まだまだこれからです。500のライフポイントを支払い、墓地の『ヴォルカニック・バレット』の効果を発動。デッキから同名のカードを手札に。『ヴォルカニック・ブレイズ・キャノン』のもう一つの効果により、今手札に加えた『ヴォルカニック・バレット』を特殊召喚。そしてフィールドの『ヴォルカニック・バレット』、『ヴォルカニック・トルーパー』を素材として、『I:Pマスカレーナ』をリンク召喚*3致します!」
私が発動した『増殖するG』をまったく気にしていない展開、既にカードを三枚追加でドローできているが……こちらの行動など知ったことではないとでも言いたげだ。
「もう一度墓地の『ヴォルカニック・バレット』の効果を発動し、その後墓地の『ヴォルカニック・エンペラー』の効果を発動。墓地の『ヴォルカニック』モンスター三体を除外し、このカードを特殊召喚!溢れ続ける焔をここに、『ヴォルカニック・エンペラー』!!!」
現れたのは、全身から絶えず炎を吐き出し続ける人型をしたマグマの化身。黒曜の鎧のような物を身に着けていて、その隙間には赤黒く煮えたぎる溶岩が流れているかのよう。近づかれるだけでこちらの皮膚が溶け落ちてしまいそうだ。
「フフフ、この炎に耐えきれるといいですね?『ヴォルカニック・エンペラー』の効果。除外状態の炎族モンスターの数×500のダメージを貴方に。2000ポイントのダメージを受けてもらいます!」
地面がひび割れ、そこから四つの炎の塊が怪人の背中へ向けて飛び出した。それを受けた『ヴォルカニック・エンペラー』は、増幅した全身の炎をこちらに叩きつけてくる!!
「くぅっ……!!最初から飛ばすねえ!でもいいのかな~?こっちには手札がこんなにあるよ!」
「構いませんと言ったはずです。それも含めて、すべて燃やして差し上げますから。『ヴォルカニック・エンペラー』のその後の効果でデッキから『ヴォルカニック・エミッション』をセットし、手札からもう一枚カードを伏せてターンエンドです」
手札は潤沢にあるけど、相手の伏せカード2枚と『I:Pマスカレーナ』が邪魔だな……まあでも何とかなるか。
なんてったってこのデッキは、"そういう面倒くさい状況"を上から叩き潰すためのデッキだしね!!
メイドミドモモがついに来てしまいましたね……まぁ私は貯金をキララに焼き尽くされてしまったので泣く泣くスルーします……泣