「私のターン、ドロ―!ふふん、手札がいっぱいあるからやりたい放題しちゃうよー?まずはこのカード、『強欲で金満な壺』!EXデッキ*1から六枚除外して二枚ドロー!……おっ、これはいいねぇ、魔法カード『サンダー・ボルト』を発動!そっちの場のモンスターを一掃させてもらうよ!」
「あらら、やってくれますね。ですが『I:Pマスカレーナ』の効果!この瞬間、『I:Pマスカレーナ』を素材にしてリンク召喚致します!本当はもう少し場が整ってからにするつもりでしたが……仕方ありません。私が呼び出すのは、『トロイメア・ユニコーン』!そして『I:Pマスカレーナ』を素材にしたモンスターは相手の効果では破壊されません。これでそちらのサンダーボルトは回避できましたねぇ?」
「まだまだいくよ!手札から、『
今回私が使っているデッキは、所謂メタビートと呼ばれるデッキタイプだ。
特定のテーマのデッキではなく、相手の動きを妨害、無効化するカードを大量に詰め込み、更にほとんどどんなデッキ相手でも火力を発揮できるようなモンスターをフィニッシャーとして入れておけば大体どんな形でもメタビートだ。このデッキタイプはこういう多数を相手にする乱戦では便利なのだ。
ただいくつかの型はあり、今使っている『
そして今、さっきドローを繰り返し増えた私の手札には、既に『
「私は、『
「いいえ!私は罠カード、『ヴォルカニック・エミッション』を発動!デッキから『ヴォルカニック・カウンター』を守備表示*3で特殊召喚します!!」
「壁になるモンスターか。ま、別にいいけどね!バトルフェイズ、二体のモンスターでそれぞれに攻撃!!」
「くぅっ……!!」
これでワカモの残りライフポイントは2000、あと少しだ。
「私はカードを三枚伏せて、ターンエンドだよ」
今伏せたのもワカモの使うカードに刺さる強烈な妨害カードばかり、これを突破するのは相当難しいだろう。さて、ワカモはこの状況を打開できるカードを引けるだろうか……
ん?
「くっ……私がここまで劣勢に立たされるとは……。ですがこの程度、押し通らせていただきます!!」
ワカモがデッキにその指をかける。
その瞬間。
デッキが一瞬光ってはいなかっただろうか?
「私のターン、ドロー!!!!……あら?」
待って。いや、見間違いか?ソリッドビジョンのエフェクトがそう見えただけかもしれない。
「一応聞いてみるけどさ。ワカモ……"何"を引いたの?」
「ウフフ……。なんだかよくわかりませんが、運命は私に味方しているようですねぇ?それで、私が"何"を引いたのか、知りたいんでしたっけ?フフ……でしたら、お教えしましょうか」
「なんですって?」
「私は、今引いたこのカードを、"公開致します"!!」
!!
ドローしたカードを公開する?!それは……まさか……いや、でもおかしい!この場面で発動するなら"アレ"しかない……けど!
だってまだそのカードは!!
私は"つくってない"!!!
「私は手札から、この―――」
「ワカモ、待っ―――」
「オウカ!加勢に来たわよ!!」
とっさに背後を振り返れば、そこにはユウカの姿が。少し後ろに先生の後ろ姿も見える。
「って、すごい顔ねオウカ。やっぱり七囚人の一人、相当に強いみたいね!でも安心して、他の連中もすぐに加勢に来るはずよ!」
「あらら、これは……」
確かにユウカの来た方向の情勢は少し落ち着いたようだった。だが前を向き直すと、ワカモの背後の方からもさらに不良たちが迫って来ている。
「ふむ、少し熱くなり過ぎましたか……私はここまで、後は任せます」
「あっちょっと!!逃げられてるじゃない!?追うわよ!」
「えっ……。ちょ、ちょっと待ってユウカ!私たちの目標はシャーレの奪還だから、このままシャーレのビルまで進もう?」
「……うん、まあいいわ。あいつを追うのは私たちの役目じゃないってことね。じゃあ、行くわよ!」
私たちはその後、不良たちを片付け、無事シャーレビルを奪還。連邦生徒会がサンクトゥムタワーの制御権を確保したことを確認し、そのまま解散となった。
事件は一件落着したが、私の頭は、あの時のことでいっぱいだった。
ワカモの引いた"あの"カード。
私の見た、デッキが光ったというのが見間違いでなければ……。これは、かなりまずいかもしれない。
もしそうだとしたら、もう原作がどうとか、世界観がどうとか、そんなことを言っている状況ではなくなってしまったかもしれない。
おそらくあのカードは、魔法カード『
"世界の崩壊"すら招きうるだろう、呪いのカードだ。
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