かくして博麗は透き通る世界に至る   作:回忌

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ブラックマーケット

「あー、ひっどい場所ねぇ」

 

ブラックマーケット

そこは凄まじく危険な場所であり、普通の生徒は近寄らない

こうやって来てみて分かるが、本当に危険な場所なのだろう

 

所々から銃声が聞こえる

争いが絶えない、恐ろしい場所のようだ

 

ちなみに、先生達とは別行動をしている

阿慈谷ヒフミという依頼主を探すなら別々に探そうと適当に言った

実際は妹紅を探す為だけである為、真っ赤な嘘である

 

とはいえ

 

「こっちかしら」

 

探すと言っても勘で動いている

何故と言われても妹紅から焼き鳥屋の場所を聞いていないのだ

だから適当にぶらついて探すしかない、手段他に無し

 

故に適当にぶらつく

 

所々から美味しそうな匂いがするものだが、焼き鳥じゃない

どれもこれもこの世界での料理のようだ

お金はあるが無駄遣いする理由は無いし、お腹は減ってない

食べるならホシノ達と合流してからだろうか

 

「お前!ちょっと止ま」

「邪魔」

「おあああああ!?」

 

こちらに歩いてきたスケバンを適当に投げておく

後ろから鈍い音が響くのが聞こえた

あれば多分骨一本はいってると思う、多分

 

「よくも!?このアバズレが!」

「あー、今日もいい天気」

「無視すんなぁ!」

 

適当に無視すると殴りかかってくる

私は向かってくる拳を受け流した

 

「急に殴りかかってくるなんて、教養がないのね」

「あ"ぁ"!?」

「あぁ、中退だったか退学で学校行ってないのか…そりゃ納得だわ」

「ぶち殺せ!」

 

スケバン達は銃を構え、こちらに引き金を引く

はぁー正論をぶち込んだだけだと言うのにどうしてまぁ…

そう思いながら適当に殴るかと拳を構えようとした時

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…は?」

 

霊夢はいつの間にか、路地裏に居た

構えていた拳はいつの間にか解かれ、普通の直立状態へと体がなっている

何が起こった?何をされた?…いや、スケバンの仕業じゃない

 

「誰」

「ひっどいなぁ、忘れるなんて」

 

声のした方向を睨む

そこには、今にも消えそうな雰囲気を醸し出す少女がいた

帽子を深く被り、その目元は見えない

 

しかし、その姿を私は知っている

 

「古明地こいし、最近は感動の再会が多いわね」

「あははー、私もそう思うよ、死に損ないから博麗のおねえちゃん、凄いね」

 

目が全く笑ってない古明地こいしがニコニコしながら歩み寄ってきた

いつもなら感動の再会なのだが、彼女だとそうもいかない

 

なぜなら、彼女はあまりにも不安定だからである

 

「さっき余計なことをしたのはアンタ?」

「余計だなんて、酷いなぁ」

 

泣いちゃうよ、とこいしは付け足した

にはーっと笑ってはいるがそれが張り付けの笑顔だと霊夢は察していた

しかしどこにも傷を舐め合う趣味はないので指摘しなかった

 

ただ、少しの指摘はしないといけない

 

「いつからここに居るの?危ないでしょ」

「んー、気付いたらいたの、なんか雰囲気似てるじゃない?」

 

こちらの質問にこいしはそう答えた

こことあの地底世界が似てる、か

確かに無法地帯だし、酒とか煙草とか蔓延ってそうだ

あっちじゃあここまで大人が裏で手を回してそうな事は無いが…

 

そこで、霊夢は気付いた

彼女は私の目的の人物を知っている

 

「…それで死に損ないは何処にいるの?」

「あっち、あっちの屋台に居るよ」

 

興味を無くしかけたこいしが石を蹴るのを止め、指を指す

そちらを見てみると、何やら美味しそうな焼き鳥の匂いがし始める

どうやらあちらに妹紅は居るようである、僥倖だ

少し時間を消費したが、それほどマイナスじゃない

 

幻想郷の生き残りと会えたのだからプラス以上だ

もしかしたらこいし以外にも意外といるのかもしれない

 

「ありがとう、じゃあね」

「じゃあね、霊夢」

 

こいしがそう言った瞬間、彼女は消えた

正確には私の意識から外れてしまい、どこかに行ったのだ

この厄介な特性に彼女の姉も悩まされていたという

 

…知ったことじゃないが

 

「さて」

 

背筋を伸ばし、凝った肩を和らげる

グリグリと肩を回しながら屋台の方へ向かうのだった

 

 

なにやら、見覚えのある人達が先客だったようだが

 

 

「店主、二個頼む」

「あいよ嬢ちゃん」

 

焼き鳥を焼く

それはかつての故郷とも呼べる場所でもした事だ

普段は炭を売って生活していたものの、いつの間にか焼き鳥を焼いていた

言ってしまえば炭を作るより"刺激的"であるからなのだが

 

私達不死にとって刺激とは麻薬のようなものだ

無ければ本当に死なない、ただの生きている"だけ"の物になってしまう

それ故に幻想郷の刺激はとても良かったものである

 

「…♪」

 

鼻歌を歌いながら焼き鳥を焼き、客に渡して代金を得る

幻想郷の通貨はもちろんこちらでは通用しない

金を得るためにもこの仕事をしている

最初は客足が少なかったが、今は定期的な客もいる

 

ありがたいものだ

 

そんな日、見知った顔の客が現れる

 

「ん、妹紅さんが居る」

「本当に焼き鳥してる…」

「アビドスの子達か、よう」

 

アビドス対策委員会の連中が現れたのだ

どうも一人トリニティの生徒がい…、……ヒフミ?

もしかして彼女は阿慈谷ヒフミなのか?

 

 

永琳から「頭のネジが13本抜けてる」と太鼓判を押された阿慈谷ヒフミなのか!?

 

 

…まさか、まさかこんな所にいるとは

ブラックマーケットにトリニティの生徒が来る時点でそいつは頭のネジが二三本外れてる

永琳にあれだけ言わせるならば、一体どれだけ…!?

 

「…食うかい?金は取るけど」

「じゃ、人数分、2本ずつで」

「私が払います☆」

 

シロコが注文をしてくれた

先生と呼ばれる人物がヨダレを垂らしながら焼き鳥を見てる

あの人ちゃんとしたもの食ってるのか?不安になるな…

 

焼いてあった奴を纏めて彼女達に渡す

出来たてでは無いが、ついさっき出来た奴なので問題は無いだろう

 

「先客がいたわね」

 

そう思っていると、聞き覚えのある声が響く

見てみればそこには博麗霊夢の姿があった

睨むような目付きをこちらに向けてる、私何かしたっけ

 

「あ!霊夢先輩!」

「ん、ようやく合流できた」

「そうね…そこの羽生えたのは?誰?」

 

彼女はメンバーを確認し、見覚えの無いヒフミを見ると臨戦態勢に入る

即座に先生が止めに入った

 

「"彼女は依頼主!護衛の依頼があったでしょ!?'」

「まっさか…本当に?」

 

嘘でしょ?という目で彼女は先生を見ていた

それに対して先生はコクコク頷いた

大きな霊夢のため息がブラックマーケットに響く

 

「無意識の少女からイカれた依頼主、今日は飽きなさそうね」

「ん、焼き鳥」

「ありがとう」

 

額に手を当てて空を見上げる霊夢

そこには僅かながらの疲れと大きな呆れがあった

シロコは労りの気持ちを込めて霊夢に焼き鳥を渡す

霊夢は渡された焼き鳥を受け取った

 

「んで、なんでこんな所にきたのさ?トリニティのガキ」

「ペロロ様の為です!ペロログッズを買う為です!」

 

妹紅はあ、関わるとめんどくせぇ奴だと確信した

そして永琳がネジが13本抜けている理由が察せられた

多分通常時は言うて抜けてないのだろう、優等生らしい行動だ

 

ペロロとかいうグッズに関係することになれば手段を選ばない

絶対にこいつはそうだ、間違いない

 

そう思っていると、ブロロロと車の音がした

 

「また来たか」

「また……あ!?アレは!?」

 

なんてことない、カイザーローンの車だ

またしてもどこからか金を取ってきたようである

しかしアビドスの面々は何かしらの関係があるようだ

様子が少しおかしいようだ

 

霊夢がこちらに質問を飛ばしてきた

 

「妹紅、またってことは毎回この時間に来てるの?」

「あぁ…月一に決まった時間にな、…あぁ、そうだ…どっかの不良に金を渡してるのを見たな」

 

絶句

アビドス対策委員会は全員有り得ない物を見たかのようだった

 

「…あ!降りてきたアイツは…!」

「毎月利子を取りに来る銀行員…?」

 

しかし、彼女が否定したかったものは否定出来ないものへとなってしまった

どうやら彼女達には借金がある様子である…しかも大金の

 

その利子が、ブラックマーケットに流されていたと…まぁ大まかにそんな感じなんだろう

 

手馴れてるな、相手は

こういった子供から搾り取ることに慣れている

なんともまぁ、どこであろうといくら技術が進歩しようと変わらないものである

嘆かわしい現実な事だ

 

「返済が全て現金限定だったのも…」

「こうしてブラックマーケットにばら撒く為ってこと!?」

 

…本当に、徹底してる

相手は一枚上手とかそういう次元じゃあないのだろう

電子決済ではこういった後々のばら撒きに響く

どこぞの部活の手にかかれば即刻情報を抜き取られてしまうのだとか

 

永琳が「ハッカーのクソ野郎、蓬莱の薬飲ますぞ」とキレていた理由がよく分かる

キマリだったかケマリだったか忘れたが、天才ハッカーにやられそうになったとか

 

 

蓬莱の薬が世の中に知れ渡り製造されるのは是非とも止めて頂きたいものである

 

 

そう思いながら、憤るアビドスの面々を眺めたのだった

 




割と死んでないと思います?
幻想郷ってもう両手じゃ数え切れない程のネームドが居るんですよね
その上人里の人々、妖精達、果てにはそこらの雑魚妖怪まで…

まとめあげてしまえば一人の名前なんて埋もれてしまいます

後何かを依代にしてる奴、嫉妬とか夢とか
どうやって殺せと?

…後単純にこいしが死んでるイメージが出来ませんでした
無意識だと攻撃すら…というより認識されないのでね
どう?認識されないが故目の前で姉妹や世話になった人々が殺されるのは?
自分がどうにかして救いたいだけど、何をしようと気付いて貰えないんだよね
当たり前だよね、そこらの砂粒が当たっても気にする人なんていないし、ましてや砂粒が少し動いた程度で気付く人も居ない
助けて、助けてってさとりとかパルシィとか色んな知り合いが言うんだけど、助けられないんだよね
いつかその助けを求める声が恨みを吐き続ける声になっていくんだ
お前がその目を瞑らなければ死ななかったとか、純粋な罵倒だとか
既にサードアイを閉じて、開くことはないから絶対に助けられない
触れても相手には分からないから目の前で罵倒を浴びさせられるんだ
でもさとりは違う、唯一の姉妹だけはこいしを感じられる
助けを求めていたその時にこいしの気配を感じて、安心するんだ
そこに姉妹がいるって、こいしが存在するっていう安心感に包まれるんだ
次の瞬間化け物に食い尽くされて、残るのは衣服の破片だけ

可哀想にね、お前がサードアイを閉じなければ一緒に逝けたのに
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