学校に来ていた斥候を片付け、市街地に向かっていく
その途中でオートマタやPMCに雇われた奴らを片付けていく
「そこを退け!邪魔よ!」
「ミサイルで蹴散らしてやる」
敵が吹っ飛んでいく
面白いくらいに全員吹っ飛んでいくのだ
しかし、それに対して笑っている暇は無い
アビドスを救う為に
やがて、その"元凶"の元へ辿り着いた
「ほう、こちらから出向こうと思ったが…お迎えが来るとは」
カイザー理事はまるで己が支配者かのように喋った
口調からわかる通り、彼はかなり上機嫌である
皮肉のひとつでも送ろうかと霊夢は思ったが、この先を上手く送るには放置した方が良いと判断した
「……これは何の真似ですか?
企業が街を攻撃するなんて……いくらあなたたちが土地の所有者だったとしても、そんな権利は無いはずです!」
『それに、学校はまだ私たちアビドスのものです!
進攻は明白な不法行為! 連邦生徒会に通報しますよ!』
「スカウトなんて、最初から嘘だったってこと?
……いや、それよりもホシノ先輩はどこ?」
「この悪党め……ホシノ先輩を返して!」
「…どこにも同じような奴が居るわねぇ」
アビドスの学生が、大人を非難する
カイザーを真っ向から責め立てるが、本人は気にすらしてない
「くくくっ…なんのことか…」
それどころか彼は嘲り笑っていた
先生はそれを見て、"彼女"の言った通りだと感じた
ホシノが取引したのは黒服という大人
カイザーと協力しているそうだが、建前だけなのだろう
故にカイザー理事は本当にホシノの居場所を知らない
…"彼女"の言った通り、何もかも言った通りに進んでいる
「生徒会に通報?ハハハ!面白いやってみるがいいさ!
お前達を奴らが救ったことがあるか!?無いだろう!」
大袈裟に手を広げ、理事は笑う
誰であろうとも己を邪魔できないかというような優越感に浸っていた
故に、彼の舌は回る
「……そろそろ分かっただろう? 誰一人、君たちに手を差し伸べる者はいない
そして、アビドスの最後の生徒会メンバー、小鳥遊ホシノが退学した
アビドスの生徒会は、もう存在しないも同然。君たちはもう、何者でもない」
「…………!」
「公的な部活も、委員会も、生徒会も、自治区すらも無いアビドスは、学園都市の学校として自立・存続が不可能だと判断するしかあるまい
──やれやれ、仕方ないな、この自治区の主人である我がカイザーコーポレーションが、あの学校を引き受けるとしよう。
そうだな、新しい学校の名前は『カイザー職業訓練学校』にでもしようか?」
霊夢はよく喋る口だと思った
他のメンバーは仇を見るような目をしているが、霊夢はゴミを見るような目をしていた
彼女はアビドスのメンバー、基シャーレ所属の者なのであまり興味は無い
しかし、この状況は気に食わない
今にも噛みつきそうだが、霊夢は溜息をついて紛らわす
さてまぁ、こういうまるで人の物を自分のモノにしているような奴には言うセリフがある
霊夢と先生は大体、アビドスメンバーの次の言葉が分かっていた
「え……? な、何を言ってるの……!?
生徒会が無くても、アビドスには対策委員会がある!
私たちがまだいるのに、そんな言い分が通じるはずないでしょ!」
『…………それは』
予測できた、というか思っていた通りの言葉で2人は少し失笑が出るところであった
すんでのところで抑え、彼女達を見た
アヤネのホログラムが震えながら、言葉を続ける
彼女の口から出る言葉は、またしても想像通りであった
『アビドス対策委員会は……正式に許可されたされた委員会じゃない…』
「…………えっ?」
『対策委員会が出来た時には、もうアビドスには生徒会が無かったから……』
「え、えっ……!?」
当たり前のことである
先生は、ホシノと別れた後、アビドスについて調べてみたのだ
調べてみれば部活等は消滅しており、生徒会以外"存在していなかった"
リンちゃん曰く、連絡先や名前が存在しなければ、イコール非認可という訳である
昨日知ったばかりだが、"彼女"は最初から知っていたそうである
私が寝ている間に体を借り、色々調べたそうである
……先に言って欲しかった……
そう思っていると、割と会話が飛んでいた
「だが喜べ。アビドス高等学校が無くなれば、君たちはもうあの借金地獄からは解放されるのだからな」
彼は勝ち誇っていた
それに対して、アビドスは絶望していた
特に、アヤネ
ホログラム越しに絶望が伝わってくる
『今も、すごい数の兵力がこちらに向かって来ています……
たとえ、戦って勝てたとしても……その後はどうすれば……?
学校が無くなったら、もう戦う意味がありません
学校をどうにか取り戻せたとしても、私たちにはまだ、大きな借金が残ったまま……』
彼女は今にも膝をついてしまいそうである
それほどに彼女はこの状況に深く絶望していた
というより、今まで押さえ込んでいた感情がこの瞬間、吐き出されたと言うべきか
今まで少しづつ精神的に追い詰められていた、カイザーによって
誰にも、助けは──────────
「"ふふふ"」
「…え?」
先生が肩を震わす
それと声に気付いたセリカが困惑の声を上げる
そして、彼女の異常に気付いた
「"ふふふふふふふ…!"」
彼女が体を抑え込むように腕を回し、体を震わせている
しかし、声はどうやっても抑えられていないようで、笑い声か漏れ出ていた
やがて、それは決壊した
「アッハハハハハハ!!ここまで上手くいくともう大爆笑ものねェ!」
「何…?」
抑えきれぬ歓喜を彼女はさらけ出していた
その予想外な行動に、カイザー理事は困惑していた
そして、先生と同じようになっていた者が1人
「…私ももう抑えられないわ、ふふふふふ…面白いわねぇ…」
「霊夢先輩…?」
霊夢も、また笑いを堪えられなかった
シロコやセリカ達は困惑を隠すことは出来ない
理解をすることも出来なかった…
「ヒヒヒ…ごめんなさいね、カイザー理事さん
思っていた通りの行動をしてくれちゃって」
「なんだと…」
カイザー理事はあからさまに不機嫌になる
それはそうだろう、今までこの戦いに勝ったと思っていたのだ
そのシナリオを今まさに潰したかのような…そもそも前提が成り立ってないかのような…
「いやー、まさか一言一句同じだと思わなかったわ、いやー痛快痛快」
「貴様…何が言いたい?」
「先生…?一体何を…」
『なんで、笑って…』
あまりに結論を言わない先生に対してカイザー理事は苛立ちができ始める
それはアビドスメンバーもそうであり、納得が出来る物では無い
今すぐにでも結論を伝えて欲しいものであった
「あー、そうねぇ、知りたいわよねぇ」
「どーする、言う?私は言わなくてもいいと思うけど」
「貴様、さっさと結論を言え」
あまりに急かしてくるカイザー理事に対して溜息をついた
「な、なんだお前!?」
結論を言えと言うのにため息をつかれた
先程の優越感は無くなり、ある種の焦りが生まれた
ここで何かを見逃した?ありえない
サンクトゥムタワーの監視を解いた覚えは無い
電子的なデータの移動はなかった、確実に無かったのだ
なんだ?何が言いたい…?
そう思っているところだった
彼女は、結論を彼に伝えたのだった
「アビドス対策委員会は昨日を持って承諾されたわよ?」
「…は?」
「え?えええええ!?」
「ハッーwwwwwwwww、その顔を見たかったのよ!カイザー理事!」
「プッーwwwwww」
カイザー理事のアホ顔()を見ながら先生と霊夢は吹き出した
彼は意味のわからないことに対して理解ができていなかった
アビドスメンバーは驚愕の事実を知り、目が飛び出そうな程に驚く
「デ、デタラメを言うな!有り得ない!連邦生徒会にデータが送られた痕跡は無い!
直前まで私はデータを確認していたのだぞ!有り得ない!確実にな!」
「そう確かに…」
「だろう!デタラメを──────────」
「データで、送られたのならば…ね」
「…!!!」
カイザー理事は恐怖した
一瞬先生の口が耳元まで三日月のように裂けていたのだ
しかし次の瞬間にはニヤける怪しい顔になっていた
…なんだったんだ?今のは
そう思っているのも束の間であった
何気なく彼女がありえないことを言っていることに気づく
「まさか直筆の物を送ったと!?有り得ん!車の交通、空からの移動は確認されてない!」
「妖怪の賢者」
「──────────!」
カイザー理事は、有り得いと言わんばかりに1歩下がった
彼はその名前を知っている、知っているのだ
協力者である、彼が言っていた"危険人物"の欄にあった
危険人物は、6人
月の頭脳、八意永琳
白黒裁く閻魔、四季映姫・ヤマザナドゥ
無邪気な無意識、古明地こいし
死を操る亡霊、西行寺幽々子
調停の巫女、博麗霊夢
そして、最たる危険人物…妖怪の賢者、八雲紫
「…クソっ!キサマぁ!」
「えっ?えっ?いつサインなんて…」
「昨日貰ったわ…実を言えば私、もうあの手紙は読んでいたの」
紫がこの状況を打破する為に必要としたのはただ1つであった
それは、現生徒会最後の役員である小鳥遊ホシノのサイン
彼女直筆のサインさえあれば…彼女が、いや、"アビドス生徒会"が認めた委員会を作れる
なんたってアビドスの生徒会なのだから
故に彼女には退学してもらう必要があった
いい方は最低であるが…必要だったものは仕方ないものなのである
というか退学退学言ってるが、顧問である先生がサインしてないので小鳥遊ホシノは実は退学も退会も出来ていないのである
当たり前だ、顧問のサイン無しに辞めることなんて出来ないのだから
退学届けと退会届けにある"小鳥遊ホシノ"の直筆サインを利用した
これが、大人…いや、大人を超えた、"人外の"やること
ちなみに書類をリンに渡した時、かなり睨まれた
いつの間にここに、という驚愕よりも仕事を増やされたことにキレていた
というかそもそも先生がサンクトゥムタワーにいた事に疑問を呈してなかった
…多分仕事が多すぎて気づいてない、可哀想に
そして、メンツが揃う
「待たせたな」
「きゃー!アルちゃんハードボイルドっぽくてかっこいー!」
「…ゲームのやりすぎだよ、社長」
「さすがですアル様…!」
ムツキとハルカがアルを称えながら現れる
アルはタバコ(ココアシガレット)を咥えながらPSG-1を構えた
そんな彼女にツッコミを入れながらカヨコがハンドガンを構える
「"さて、便利屋諸君…アビドス諸君…"」
先生が胡散臭い空気を散らす
今までの、信頼出来る…勇敢な大人が現れる
彼女は、ビシリとカイザー理事に対して指を指す
「"我々の物を返してもらうぞ!"」
へカTや輝夜が危険人物に居ない?
輝夜は永琳が厳重に隠してるので…ヘカテ?知らネ
多分そもそも認知されてないんやろ()