かくして博麗は透き通る世界に至る   作:回忌

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黒服(ベアおばが元凶って言ったら今から殺しに行くよな…
  言うの止めとこう、そうしよう)

ゆっかりん(なんでこいつこんな覚悟決まった顔してんだ?)


大人(+人外)の戦い

「へぇ、中々賑わっていそうね、ゲマトリアは」

 

腹の探り合いだと紫は思った

この空気は幻想郷で何度も感じとった空気である

天魔やおっきーな、吸血鬼と名のあるものは頭も切れてかなり面倒くさい

 

一時期自分以外頭悪ければ良いのにと思ったほどだ

 

「それなりには賑わっていますよ?

 貴女の思っている通りか、それ以上かは知りませんが」

「…つれないわねぇ」

 

つれない、それは言葉通りである

もう少し具体的な言葉で答えて欲しいものである

かなりやら程々とかなら規模を少しでも図ることが出来る

 

それなりとかいう微妙な言葉はNG

 

このクソ野郎が

 

「私たちは、観察者であり、探求者であり、研究者です

 貴方と同じ、『不可解な存在』だと考えていただいて問題ございません

 …一応お訊きしますが、私たちと協力するつもりはありませんか?」

「"断る"」

 

彼の提案に対し、先生の答えは瞬間的な拒否であった

ホシノで何がおぞましいことをしようとするやつと協力など出来ない

 

そもそも、先生は紫以外の大人を信用する気がなかった

 

「左様ですか…」

 

黒服は元々断られることは想像できたことのようである

ダメで元々と言うやつだろうか?アホかな?

 

そんなんで先生の意思が揺らぐ訳もあるまいに

 

「真理と秘技を手に入れられるこの提案を断ってまで…

 …貴方はキヴォトスで何を追求するおつもりなのですか?」

 

彼は本当に理解できないといった顔で先生に対して問いかける

先生は彼の質問に何一つ答えない

 

「…あぁ、貴女には既に真理と秘技を手に入れていましたね

 羨ましいです、裏路地に行くのが私であれば良かった」

 

はぁ、と黒服はため息をついた

それは初めて彼から漏れた"本音"のようであった

 

本当に残念そうである、誠に遺憾と言うやつだろうか

 

紫からすればこんなやつと一緒に過ごすとか嫌である

研究者は総じて周りが見えなくなる頭しかない

どこぞのカッパしかり、月の頭脳しかり

 

ヤバい奴しかいない

 

 

紫は話を続けるだけ無駄だと判断した

故にとっとと話を切り、こちらの聞きたいことだけ聞けばいい

 

「ホシノと取引したのは貴方、して、状況を見るにカイザーと貴方の目的は一致していない

 …そうねぇ、貴方が狙っているのはホシノの不思議な力、かしら?」

 

彼女の質問、というより言い当てに対して黒服は唸るような声を上げた

あれは故郷でも聞いたことがいる、天魔が「こいっつめんどくっッッッせぇぇえ」と思った時無意識に鳴らす声だ

 

うん、故郷でろくな腹の探り合いしてないな私

 

そう思っている紫を他所に、黒服は口を開く

 

「…私たちが望むのは、彼女の身体に宿る神秘

 彼女の体にはキヴォトス最高の神秘が宿っているのです

 彼女を実験体とし、解体し…それをくまなく調べる」

「"狂ってる"」

 

先生は無意識のうちに拳を握りこんでいた

大事な生徒に対して、今からそんなことをしようとしているのだ

もう既にしたのか、と叫びそうになるの抑える

 

「"ホシノは何処にいる"」

「クック…確かに私は彼女居場所を知っていますが…彼女は退学し、もはやアビドスの生徒でありせん

 そう、生徒では無いのです…この意味がお分かりですか?」

 

つまり、生徒では無いからお前が気にする必要は無いという意味だ

なんとも舐め腐った理論である、地獄に落とすぞオイ

 

「"君の理論は既に瓦解している"」

「ほう、何故でしょうか?」

「"彼女は生徒、私はアビドス対策委員会の顧問

 …生徒の一存で学校を辞めることなんて出来ないよ"」

「ついでに言うなら正式に認可されちゃったから、正式な手続きをしないと辞めれないわ

 それこそ赤の他人との契約書のためにとか、自分の名前を書いてはいどうぞ、なんてね」

 

黒服の理論は既に崩壊しているのだ

ホシノはアビドス高等学校と対策委員会から正式に退学も退会も出来ていない

 

その時点で、先生の生徒のままなのだ

 

「…なるほど、教師、顧問、先生…厄介な概念ですね」

 

多分、先生と紫がいなければ頭を抱えてそうな声で黒服は言った

紫は殆ど成り行きで先生になったようなものだが…

基本的に授業をすることは無い、それは彼女の仕事だからだ

 

黒服は、少し体を乗り出した

 

「…どうしても、アビドスから手を引いて頂けませんか?」

「"見苦しいぞ、黒服"」

 

先生は黒服の再確認を一蹴した

ここまでアビドスに尽くして、なぜ手を引こうと思う

あと一手、ホシノの居場所さえ掴めればパーフェクトゲームなのだ

 

…いや、全くパーフェクトではないが

 

観念したように、しかし諦め切れないようで

 

 

 

「何故、そこまでするのですか?」

 

 

彼はそう聞いてきた

それは単純な疑問であり、最大の困惑点であった

 

「貴方はあの子たちの保護者でも、家族でもありません

 貴方は偶然アビドスに呼ばれ、あの子たちと会っただけの他人です

 …一体どうして、そんなことをするのですか?」

 

責めるように彼は言った

彼はどうも理解不能なことがあると早口になるようだ

多分"研究対象"の目の前でも同じようなことをしてるんだろうな

 

「貴女は、我々ゲマトリアに敵対すると?」

「"その通りだよ"」

「……どうして? どうあっても、私たちと敵対するおつもりですか?

 貴女は無力です、先生…戦う手段など無いでしょうに!」

 

彼は、"先生に対して"そう言った

摩訶不思議な術を持つ紫はあらゆる戦闘手段を持っているだろう

 

しかし、先生はなんの自衛手段も無い

生徒を傷付けたく無いため、ホルスターに銃すら入れていない

そもそもホルスターをつけてすらない

 

 

しかし、黒服は見落としていた

 

 

 

 

彼女が全くの無防備ではないことに

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 大人のカードを出す。 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「──────────そうか、貴女には…それがありましたね」

 

 

一瞬、彼は息が詰まったようだった

先生は彼に一泡吹かせてやったぜと内心ガッツポーズしていた

 

その心の先生の真横に立つ紫は、大人からの恐怖に少し喜んでいた

 

「しかし、忘れないでください先生

 …それはそんなことのために使うものでは無いのです」

 

諭すように彼は言った

諭すべきはお前の精神だろと思いながらカードを揺らした

 

先生の瞳に一切の揺れを見ることが出来ない黒服はため息をついた

 

 

「…いいでしょう

 ホシノは砂漠のPMC基地の中央にある、実験室にいます

 『ミメシス』で観測した神秘の裏側、つまり…恐怖

 それを、生きている生徒に適用することができるか

 そんな実験を始めるつもりです。そう、ホシノを実験体として」

 

なんと非人道的なことだ

私の生徒になんということをしようとしているのか

今すぐぶち殺したいところだが、無理だ

 

(…あれは、多分私達とはまた別次元の存在ね…)

 

紫の心の声が聞こえてきてしまったからである

ひとつの身体にふたつの魂というある種の矛盾を抱えてるこの私

 

故に、双方共心の声が丸わかりなのである

プライバシーもクソもないが、仕方ない事である

 

 

…え?夜の1Pどうしてるか?死ね

 

 

「そして、もしホシノが失敗したらあの狼の神が代わりに、と思っていたのですが……

 ふう、どうやら前提から崩れてしまったようですね

 そういうことですので、精々頑張って生徒を助けると良いでしょう

 ……微力ながら、幸運を祈ります」

 

黒服はどこか憑き物が落ちたような顔で言った

もはや清々しているのか?知らないが…

 

情報は聞くだけ聞けた

先生と紫は、扉に歩み寄ってドアノブを握る

 

その時、後ろから黒服の声が響いた

 

 

 

 

 

 

「…八雲先生、そして妖怪の賢者様

 ゲマトリアはいつでもあなた達を見守っていますよ」

 

 

「"帰る"」

「同じく」

 

 

ガチャリと先生は扉を開け、ドタン!と大きな音を立てて扉を閉めたのだった

 

 

「ククク…思いのほか、貴女達は"一心同体"なのですね」

 

先生が居なくなったビルの一室にて、黒服は笑う

傍から見ればただの対談に見えるが全くもってそうじゃない

 

黒服と紫よる、"本質"の探り合いが繰り広げられていたのだ

外面は何とかつくろえていたものの、少しでも油断したら真っ裸にされるところであった

 

お互いに情報を掴めたが、しかし相手が上であった

 

「…"ヨウカイ"、という種族であること以外…よく分かりませんでしたねぇ…」

 

分かりきっているのは、摩訶不思議の能力を行使すること

博麗の巫女と風紀委員会が殺しあった事実が改変されたこと、等

その他の能力は不明だが、月の頭脳との対談によれば私が使うワープ技術のようなものを自由自在に使うもの

 

どれも厄介だ、その上彼女は頭がキレる

この黒服は、誰であっても"悪い大人"として振舞っている

大人が搾取するのは当たり前であり、弱者は弱者故に絞られる

 

 

今回も、欲しい情報だけ取ろうと思った

能力馬鹿…話はそう単純なものでは無い

 

1番厄介な相手だ

 

しかも、居る先が先生であることが更に厄介である

 

生徒に先生と言うだけで尊敬され、信頼される

アビドスのメンバーが良い例である…

 

ホシノ?知らない子ですね…

 

「…まぁ、観察していればなにか掴めることがあるでしょう」

 

黒服は楽観視した

相手がその"程度"の能力しか持っていないと思ったからである

 

 

実際は、そんなのが霞む程の能力だと言うのに

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…おや?そんな先生に妖怪の賢者、能力を先生が行使できるか分からないが…

 しかし賢者の意識が割り込んで能力を行使することは可能

 そこに大人のカード…ですか」

 

 

 

あれ?もしかしなくてもチート?




クソグラマラスな体型の先生とスーツを着た人外?
そして密室…何も起きないはずがなく…

起きたとすれば紫を入れて3Pなのか?それとも体で数えて2Pなのか…?







なんで俺こんなクソみたいなこと考えてるんだろ


1Pは夜のシャーレのベッドで百合展開を…?
そこらに激重感情持ってるやつしか居ないんだからそいつらとやれ
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