最近俺の周りがなんかおかしい。
どこに行くにもシルヴィとソーマ、そしていつの間にか仲良くなったあーちゃんが付いてくるようになった。あーちゃんの事が好きだった高遠は喜んだが、俺にばっかり話しかけるため辺りが強くなった。
最近、投良と高遠の3人で野球を始めた。3人で交代しながら投げて打ってと楽しい。最近はシルヴィが混じるようになった。頑なにソーマとあーちゃんは参加しなかったがとっても楽しかった。
それが終わるとシルヴィのお付きの人?の車が迎えに来るので4人で帰る。その間はソーマが右隣り、あーちゃんが左隣、そしてシルヴィが対面に座る。ソーマを病院に、あーちゃんを家に送り最後に俺の家に向かう。車の中ではベタベタ触ってきて暑苦しいが、それを口に出したり行動で示そうものなら泣きそうな顔になるので、されるがままになっている。母さんに、「ダサいからどんな理由があっても女の子を泣かしてはいけない。」と言われている。ダサい男にだけはなりたくないからこの教えだけは守ろうと思っている。
「カッコいいわ。オウロ♡」
シルヴィにそういわれるのはとてもうれしい。こんなかわいい女の子に好かれて悪い気をする奴なんかいないだろう。ただ、なんでそんなに俺の事が好きなのかがわからなかった。
「なあ、なんで俺の事が好きなんだ?」
「オウロがオウロだからデス♡」
シルヴィは俺の方を笑顔で見ながらまっすぐな目でこっちを見てそう言った。それじゃあ、俺は納得できない。シルヴィは気にしていないようだが。
家に帰ると父さんが家でテレビを見ていたため聞いてみることにした。
「なあ、なんでシルヴィは俺の事を好きだって言ってくれるんだ?」
父さんはこっちを向いて首を傾げた。
「おまえがわからないなら、父さんが分かるわけがないだろ。むしろ何で好かれてんだよ。こっちが聞きたいわ。」
そりゃそうだ。
「ただまあ、お前がシルヴィアさんの事が好きなんだったら、やることやらねえとな。」
何の話だ。
「自信を付けないとな。」
「シルヴィアさんに堂々と好きだって言えるくらい大きな男になれ。俺は母さんの事が好きだって言えるくらいの男にはなったぞ。」
そういった父さんは自信に満ち溢れていた。
「今はわからないかもしれないが、好きな人の横で好きだって自信満々に言える、そんな男じゃないとダサいからな。」
「ダサいのは嫌だ。」
父さんは笑顔になった。
「それでこそ俺の息子だ。」
その言葉を聞いていた母さんは恥ずかしそうに口元を隠しながら父さんの背中を平手で叩いていた。その姿はとてもうらやましいと思えた。シルヴィとそんな事、今の俺ではできないと思ったからだ。
「何を頑張ったらいいと思う?」
「なんでもいいと思うが・・・そうだな。」
父さんは天井を見上げた。
「とりあえず近くの野球教室でも通ってみるか。」
野球は俺も好きだ。噂では聞いていた時から行ってみたいと思っていた。
「何かに打ち込むやつはかっこいいもんだ。」
「それだけじゃないでしょ。」
母さんが急に話に入ってきた。
「ソルティレージュの言葉も覚えないと。」
「シルヴィアさんは日本語が話せるみたいだけど、央路はソルティレージュの言葉は使えないでしょ。」
「それって、あなただけさぼってるみたいじゃない?それに自分に合わせてくれる彼氏ってとっても嬉しいものよ。」
俺は覚悟を決めた。
「おれ、頑張ってシルヴィの事好きって言える男になる!!いろいろ頑張る!!」
ちなみに、このことをシルヴィに宣言したら顔を真っ赤にしてうつむいた。そのままボソッと「オウロ、ありがとうございます♡」と声を震わせながら喜んでくれた。その顔を今まで見たことのない顔でとてもかわいかった。