TSビッキーは少女達に愛される   作:勝機を零した、掴み取れん

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第3話

 

 

 

 任務を終えた響は、個室の部屋のベッドに座って休憩をしていた。

 

「……やっぱりここは落ち着くな」

 

 この部屋は響が二課に配属され、今のアパートに住むまでずっと生活していた場所であり、それなりに愛着もあった。

 

「……珍しく明かりがついてると思ったら……響が居たのね」

 

 そんな時、ふと声をかけられる。そちらに振り向くと、そこには私立リディアン音楽院の制服を着た翼が立っていた。

 

「あっ、翼さん。お疲れ様です」

 

「ええ、お疲れ様」

 

 翼は微笑みながら答える。

 

「今日は任務?」

 

「はい、ついさっき終わって帰ってきました。翼さんは学校帰りですか?」

 

「そうね。今日は特に予定も無かったから……」

 

 そして彼女は響の隣に腰掛ける。その距離は近いもので、肩が触れ合うほどだった。

 

 そんな状態で翼は話を続ける。

 

「……それで? 怪我はなかった?」

 

 心配そうに聞いてくる翼に対して、響は小さく首を振った。

 

「大丈夫です! 今回は全然余裕でした!」

 

 そう答える響だが、翼の表情は優れなかった。それどころか眉間にシワを寄せているようにも見える。

 

 そんな様子に気付いた響は首を傾げた。

 

「えっと……どうしました?」

 

「……響」

 

 翼は真剣な眼差しを向けながら、彼の名を呼んだ。

 

「はい?」

 

「……嘘は良くないわ」

 

「……えっ?」

 

 そう言って翼は、戸惑う響の首筋に触れた。

 

「……これは、なに?」

 

 それは昨日、クリスによって付けられた跡だった。

 

 それに気づいた翼は響に尋ねる。その口調からは怒りにも似た感情が感じ取れた。

 

「えっと……これは……」

 

 響はどう答えるべきか迷ったが、正直に話すことが一番だと判断して口を開いた。

 

 

「……クリスちゃんに、つけられました」

 

 その言葉を聞いた瞬間、翼の顔が一気に曇る。

 

「全く……雪音ときたら……」

 

 そう言って翼は首筋の跡をなぞり始めた。その指の動きはとても優しく、まるで壊れ物を扱うかのようだった。

 

  「んっ……」

 

 思わず声が出てしまう響。そんな様子に翼はクスリと笑った。

 

「……ねぇ、響」

 

 そしてそのまま翼は顔を近づけて耳元で囁いた。

 

「……私にも、つけさせて?」

 

「えっ!?」

 

 響は驚きの声を上げる。まさかそんな事を言われるとは思わなかったからだ。

 

 そして翼は有無を言わさずに、ゆっくりと顔を近づけてきて……そのまま首筋に吸い付いた。

 

「あっ……やめっ……んんっ」

 

 響の口から甘い声が漏れる。翼はその声を聴いて興奮したのか、更に強く吸い付いた。

 

「んんっ!」

 

 響は身体を震わせて悶える。翼はしばらくそのまま吸い続ける。

 

「ぷはぁ……はい……これでお終い」

 

 ようやく口を離した翼は、新しく出来た跡を見て、満足そうな笑みを浮かべる。

 

「うぅ……」

 

 響は顔を真っ赤にして俯く。そんな彼を見て翼は笑った。

 

「ふふっ……可愛いわね」

 

 そんな翼の笑い声を聞いて、響はさらに顔を赤くする。

 

(こんな所……もしクリスちゃんに見られたら……)

 

 きっとクリスに嫉妬されて、また噛み跡でもなんでも付けられる……そんなことを考えていた時だ。

 

「おい……なにやってんだ二人とも……」

 

 部屋の入口から声が聞こえた。

 

 そしてそこには、制服姿のクリスが怒りの表情を浮かべて立っていた。

 

「あら……雪音じゃない」

 

 翼は余裕そうな態度で答える。

 

「……お前ら、何してんだよ?」

 

 クリスは響と翼を交互に見ながら言う。その目は鋭く光っていた。

 

「別に何もしていないわよ? ただ話をしていただけ」

 

 そんなクリスに対して翼は全く動じていない様子だった。むしろこの状況を楽しんでいるようにも見える。

 

「嘘つけ! じゃあなんで、こいつの首にあたしのじゃない跡がついてんだよ!?」

 

 クリスはそう言って二人に近づくと、響の首を指差す。そこには翼につけられた跡がくっきりと残っていた。

 

「それは……私がつけたからよ」

 

 翼は平然と答え、響は自身の方へ抱き寄せた。

 

 その答えを聞いて、ますます怒りを募らせるクリスだったが、それを見かねた響が口を挟んだ。

 

「えっと、落ち着いてよクリスちゃん……」

 

「……っ! 誰のせいだと思ってんだよ!」

 

 クリスは大声で叫んだ。その声に驚いたのか、響は一瞬ビクッとなる。そしてクリスはすぐに落ち着きを取り戻したようで、再び口を開いた。

 

「……とにかく、こいつはあたしのモンだ。いくら先輩でも、それだけは譲れねぇ……」

 

 クリスは翼を睨みつける。その目には確かな敵意が含まれていた。

 

「あら……それは宣戦布告と受け取ってもいいのかしら?」

 

 対する翼も負けじと言い返す。二人の間にバチバチとした空気が流れた。

 

 そんな状況を見かねた響は、慌てて間に入る。

 

「お、落ち着いてください翼さん! クリスちゃんも!」

 

 だが二人は聞く耳を持たないようで、睨み合ったまま動かない。

 

「響は……どっちを選ぶの?」

 

 先に口を開いたのは翼だった。その口調はとても静かで落ち着いているように見えるが、瞳の奥には炎が燃えているように見えた。

 

「えっと……それは……」

 

 響は口籠る。正直言って選べないというのが本音だ。どちらも自分にとって大切な存在であることには変わりないのだから……。

 

 そんな響に対してクリスが言った。

 

「……おい」

 

「……クリスちゃん」

 

 声をかけられた響はクリスの方を向くと、彼女は真剣な眼差しを向けながら言った。

 

「お前はあたしを選ぶよな?」

 

 その言葉に、響は胸が締め付けられるような感覚がした。自分がどちらかを選んでしまえば、選ばれなかった方を傷つけてしまうことになるからだ。

 

「……俺には……選べないです」

 

「……は?」

 

 響の言葉にクリスは怒りを込めた声で返事をする。それはそうだろう。彼女にとっては自分を選んで欲しいのに、曖昧な答えを返されてしまったのだから。

 

 しかし響は続けた。

 

「どちらも俺にとって大切な存在だから……どちらかを選ぶことなんてできないです」

 

 それを聞いて、翼とクリスは何も言えずに固まってしまった。確かに、響の性格からすれば納得はできる答えではあったからだ。

 

 するとクリスが先に口を開いた。

 

「……わかったよ。だったら、勝負で決めようぜ」

 

 そう言って彼女は響の肩に手を置いた。

 

「雪音……?」

 

 翼も驚いてクリスの方を見る。まさかこんな展開になるとは思っていなかったからだ。しかし、クリスの表情を見てすぐに納得した様子を見せた。

 

(ああ……なるほどね)

 

 クリスの目に宿った闘志を見て、翼は全てを察したのだ。

 

「勝負って……何するの?」

 

 響は首を傾げる。するとクリスが答えた。

 

「簡単だよ。どっちがこいつを満足させられるかだ」

 

「……えっ?」

 

 翼も納得したように頷く。しかし当の響は困惑していた。

 

(ど、どうしてこうなるの……)

 

 そんなことを考えているうちに、話はどんどん進んでいってしまう。

 

「決まりだな」

 

 クリスはニヤリと笑いながら言う。翼も同じように不敵な笑みを浮かべていた。

 

 響はその二人の様子に恐怖を覚えたが、拒否権はないようで二人はすでにやる気になっているようだった。

 

「それじゃあ、早速始めましょう?」

 

 翼がそう言うと、二人は響の肩を掴み、そのままベッドへと押し倒した。

 

「ちょ、ちょっと待って! まだ心の準備が!」

 

 響は慌てて抵抗しようとするが、二人はそれを許さなかった。

 

「……お前は何もしなくていいんだよ」

 

「そうよ。響はそのまま、私達に身を任せればいいの」

 

 まるで飢えた獣のような表情をする二人は響の服を無理矢理脱がし、そのまま勝負という名の行為を始めてしまった……。

 

 

 

 

 

 

 

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