【完結済】稲葉の相棒ポジの美少女に転生した話   作:訥々

2 / 13
0002 回避

 

彼を見た瞬間、思い出したのは彼の死に様。

そして思った。

絶対に死なせない。必ず、護ってみせる───。

 

 

 

彼と出会って1年後。

私達は、付き合うことになった。

最初は「推しの原作キャラを救済したい」というシンプルで、軽い気持ちだった。

でも、彼と接しているうちに───原作キャラがどうとか関係なく、惚れていた。

 

シンプルに、イケメンだったのだ。

顔だけでなく、性格も、言動も。

原作でも、倫理観は意外とキチンとしていたが…。

GANTZミッションに参加していないからだろうか?

彼はあまりにも素敵すぎた。

惚れてまうやろ。というか惚れた。

 

 

だから、私の方から告白した。

そして、全てを告げた。

彼を救うためには、幸せにするためには、必要なことだから。

 

私は転生者であること。

そして、この世界を「漫画」として知っているということ。

半信半疑、といった雰囲気ではあったが、光輝は全部受け入れてくれた。

これまでと変わらず、気安く接してくれた。

親友として───そして、恋人として。

 

 

それから数週間の間を置いて、GANTZの存在についても話した。*1

そして、原作における光輝の死に様も。

 

必死だった。

殆ど泣きながら話した。

頭のおかしい女だと思われてもいい、あなたを死なせたくない。信じて欲しい、と。

 

続けて言った。

今から7年後に、新宿で大虐殺が起こる。

そこで光輝は死に、GANTZミッションに強制参加させられる。

ただ、正確な日時は分からない。

私が知っているのは、あなたが殺されたのは25歳の時である、ということだけ。

だから25歳になったら、新宿には行かないでくれ、と。

 

 

────────────────────────

 

 

彼と出会って8年後。

とうとうこの日がやってきた。

「新宿大虐殺」。

 

実は、このイベントを止めることも考えた。

一番手っ取り早いのは、和泉の殺害。

だが、和泉を殺して虐殺を止めた場合、わたしの持つ情報はその優位を失う。

 

最悪の場合、戦力が足りずに主人公───玄野計が死亡し、巨人族の侵攻を防ぐことが出来なくなるだろう。

このクソ未満のイベントは、非常に業腹だが、戦力増強の役割を担っているのだ。

 

私の中では全人類<家族<光輝という図式が成り立っているが、巨人族に侵攻されてしまえば、優先順位関係なしに鏖殺されるだろう。

 

だから、虐殺の発生は止めなかった。

その上で、虐殺の被害に遭うことを避けた。

 

原作ネームドキャラである稲葉光輝をGANTZミッションから引き離すというのは、かなり重大な原作改変なのではないか?とも考えた。

 

しかし、覚醒前───ラストミッションの以前の稲葉光輝は……正直言うと、殆ど活躍していなかった。

もっと言えば、覚醒後に戦ったラストミッションのラスボスだって、彼は倒せていない。

身も蓋もない言い方をしてしまえば、噛ませ犬のようなポジションだった。

(光輝にその事を伝えたら、少し凹んでいた)

 

光輝には悪いが、いてもいなくても、大勢は変わらないだろう。

 

 

ならば、そもそも光輝をGANTZミッションに()()()()()()()()()()

 

 

 

 

原作改変により、僅かながらも発生するであろう、人類滅亡の可能性。

光輝という、たった一人を救えるという可能性。

 

両者を天秤にかけるまでもなく。

 

私は後者を選択した。

 

 

────────────────────────

 

 

テレビで報される、新宿の惨劇。

罪悪感と安堵が入り混じった複雑な感情で、それを見る。

これからどうなるのか、まだ分からない。

巨人族の襲来で、私達は結局死んでしまうのかもしれない。

それでも───

 

───今この瞬間は、生き残ることが出来た───。

 

 

 

 

だが。

惨劇の襲来は、私が思っていたよりも早かった。

 

 

────────────────────────

 

 

数カ月後。東京駅。

 

 

 

「キャアアアア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙!?」

 

 

突然の叫び声。

何事か、と振り向くとそこには。

血で汚れたナイフを持つ男。

悲鳴をあげる女性。

 

女の人が刺された。

悲鳴の連鎖。

私にもパニックが伝染する。

怖い。

死にたくない。

 

自分の鼓動がうるさい。

落ち着け落ち着け落ち着け

 

 

 

光輝?

行かないで。

逃げて。

 

 

 

あ。

 

 

 

光輝が、刺された

 

 

 

 

────────────────────────

 

 

 

 

我に返って直ぐに駆ける。

跳躍し、通り魔の側頭部を足の甲で思い切り蹴り飛ばして気絶させる。

 

 

「光輝ッ!!」

 

光輝が刺された。心臓?

肋骨の間を一突き───駄目だもう助からない、どうすればいい?

どうすれば───

 

 

 

 

ジジジ───

 

 

 

 

光輝の体が、消えていく。

いや、()()()()()()()

 

 

ああ、結局こうなるのか。

 

GANTZからは、そう簡単には逃げられないのか。

 

ならば、私も行こう。

 

あなたと添い遂げる覚悟は、とうの昔に出来ている。

 

だけど、あなた無しでこの世界を生きる覚悟なんか、私は持ち合わせていない。

 

 

消えていくあなたの体を抱きながら───

 

 

 

 

 

───地獄への転送が、始まった。

 

 

 

 

 

 

────────────────────────

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

愛が重い(Zガン)

 

 

 

 

 

 

Q.なんでオリ主は死んでないのにGANTZ部屋へ行けるの?

A.「転送」されていく人に触れていると、自分も「転送」される仕組みです。原作でも、この仕組みを利用した吸血鬼が大阪編に参加していました。

 

 

 

Q.オリ主がGANTZ部屋へ来れずに死んだ場合、稲葉はどうなるの?

 

A.喪うモノ(オリ主)がなくなった結果、戦闘狂になります。

オリ主の「再生」も、GANTZがオリ主のデータを保有していないため不可能であることを知り、ますます曇ります。

 

結果、ぬらりひょんやダヴィデ星人、カタストロフィ編でレイカと相討ちになった巨大生物兵器にも勝ちます*2。が、しかし。

 

真理の部屋で、神星人に「オリ主再生→即殺」のコンボを喰らい、発狂して斬りかかり、殺されます。*3

 

ただしこれは、()()()()()()()()神星人であった場合の結末です。

 

 

···しかし、稲葉も大概重たい男だな。

 

*1
GANTZミッション参加者は、情報漏洩を防止するために、強制的に頭に小型爆弾を入れられる。

そして、GANTZについて誰かに話すと爆発する。

しかし、この時点ではまだ頭に爆弾が無いため、GANTZについて話すことが出来た。

知識持ち転生者の特権。

*2
これにより、レイカが生存。

*3
「もう一人の玄野」はレイカが生きているのでギリギリ発狂せず、殺されずに済んだ。生存。

ブラックボールによる「再生」は、「オリジナル個体の複製」です。 あなたは、大切な人が死んだら、「再生」しますか?

  • 再生する
  • 再生しない
  • 分からない
  • 神(星人)頼み
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。