ガンダムSEED~オリ主で主要キャラ全員生存ルート爆走記~ え? キラが女の子とか聞いて無いんですけど 作:とーふ@毎日なんか書いてる
(ラウ・ル・クルーゼ視点)
かつて絶望の淵に居た自分を救った小さな手があった。
その小さな手は私と同じ様に、他者の身勝手な欲望に人生を壊された少女のものだった。
彼女はそんな身の上でありながら、多くの者に命を狙われる人生の中で、誰を憎むでもなく、ただ自由を求めていた。
己が己のままで居られる場所を求めていた。
だから、だろうか。
私も彼女と共にそんな場所へ行ってみたいと思ったのだ。
そしてヤマト家で彼女と共に過ごし、これまでにない充足を感じていた。
例え短い人生であったとしても、この時間があれば後悔せずにいられると思る程に。
しかし……。
『どうか憎み合うのは止めてください。憎しみに憎しみで返してしまっては、私たちは互いに滅ぼしあうまで争うものとなってしまいます』
「……ままならぬものだな」
彼女とヤマト家の人々が安らげる場所を求めて世界中を巡り、プラントをその一つにしようとしていた私の所へ届いたのは、義妹であるキラから送られたセナが何処かへ消えてしまったというメッセージであり。
エイプリル・フール・クライシスで苦しむ地上の人間たちへ救いの手を差し伸べる姿であった。
だが、世界中に向けられた彼女が名乗っていた名はヤマトではなく、アズラエル。
ブルーコスモスの盟主の名だ。
何があったか考えるまでも無い。
月にいたまだ幼い彼女は、かの男に捕まり利用されているのだ。
握っていたペンがへし折れるのを感じながら、私はため息を吐いた。
時間がない。
私にはもう時間が無いのだ。
後どれだけこの身が持つかは分からないが、その残り時間を全て使ってでも、セナをキラやヤマト夫妻の元へ戻してみせる。
私はそう誓い。かつて私と共にあった『家族』の写真を見て、思いを確かめるのだった。
(キラ・ヤマト視点)
世界中に広がっていく戦争のニュースを見ながら僕は大きなため息を吐いた。
月に居た頃は全てが僕の近くにあったというのに、今は全てが遠い。
それが酷く悲しかった。
かつて共に居た義兄は、世界を巡りながら僕たちが安全に住める場所を探しているらしい。
たまに連絡を取っているというお父さんは、そう言っていた。
オーブなら安全だと思うんだけれど、ラウ兄さんはもっと安全な場所を探しているらしい。
なんでもこれから戦争が酷くなってきたら、オーブも巻き込まれる可能性があるからと。
戦争と聞いて、体がブルりと震えて、正体の分からない恐怖がどこからかやってきて、僕の心を締め付ける。
セナは、大切な妹のセナは、ある日突然家から居なくなって、ある日突然テレビの人になっていた。
知らない名前を名乗って、知らない場所で、知らない人に銃で襲われていた。
セナの物じゃないって分かってるのに、血で濡れたセナの泣いている姿を見るだけで、怖くてどうにかなりそうだった。
お父さんもお母さんも、酷く驚いていて、僕を抱きしめながら震えていた。
僕は、お父さんとお母さんにセナを連れ戻しに行こう! セナの家族は僕たちだよ。って言ったんだけど。お父さんもお母さんもただ首を横に振るだけだった。
戦争が終わるまでは会いには行けないと、お父さんもお母さんも言っていた。
だから、はやく戦争が終わって欲しいと思うのに、戦争は日に日に酷くなっていくばかりだ。
どうすれば良いんだろう。
考えても答えは出なかった。
こんな時、アスランが居てくれれば、一番良い答えを教えてくれるのに、と考えてしまう。
「……なんで、みんな僕を置いて行っちゃうんだろう」
今の場所にも友達は居るけれど、それでも僕にとって一番大切な物はあの時の、あの場所にあったのだ。
アスランから別れ際に貰ったトリィを撫でても、セナが置いていったぬいぐるみを抱きしめても、ラウ兄さんが送ってくれた手紙を見ても、心は空っぽのままだった。
天井に手を伸ばしても何も掴めない。
「早く戦争が終われば良いのに」
僕はいつもの様に、世界のどこかに居る大切な人たちの無事を祈りながら、そう呟くのだった。
(アスラン・ザラ視点)
ザフトに入隊してから久しぶりに家族で揃って食事をしているというのに、俺はどこか上の空で意味もなくナイフを動かしていた。
「アスラン」
「……」
「アスラン!」
「はっ、はい! 母上!? 何かありましたか!?」
「何かあったか? は私の言葉です。どうしたの? ずっと上の空で」
「あ……いえ。少し考え事をしておりました。申し訳ございません」
「はぁ……あなた。何とか言って下さいな」
「む? うむ。そうだな。アスラン」
「はい」
「その、だな。何か悩み事でもあるのか?」
目の前で母上が額を手で押さえながら大きなため息を吐いており、父上はそんな母上の姿に動揺している様だった。
それが、月で共に生きていた姉妹の姿にどこか似ていて、俺は懐かしさに目を細める。
「アスラン?」
「あっ、申し訳ございません。では、一つ相談をしても良いでしょうか?」
「あぁ」
「実は、セナの事なのです」
俺がセナの名を出した瞬間、二人の顔が僅かに強張った。
どこか怒っている様な気配も感じる。
やはり、二人もセナの事を裏切者のコーディネーターだと思っているのだろうか。
「それで? 相談というのは何だ。アスラン」
「はい。私は……いや、俺は! セナを助けたいのです! セナは、才能はあるけれど、お人好しですぐに騙されるから、地球連合軍の奴らに騙されてるだけなんだ。裏切者のコーディネーターなんかじゃない! だから、俺は」
「はぁ」
必死にセナについて訴えていた俺に返って来たのは母上のため息だった。
父上が話した時と同じ様に、額に手を当てて、呆れた様な空気を出している。
「は、母上?」
「アスラン。助け出した後はどうするつもり?」
「どうすると言われましても、家族の所へ……ヤマト夫妻とキラの所へ返そうかと」
「それでまた攫われたらどうするつもり? またヒーローごっこでもするの? 貴方は。恋愛はヒーローごっこじゃないのよ!?」
「いや、ヒーローごっこという訳では」
「男なら、お姫様を助け出した後は、そのまま守ってやるくらい言いなさい!」
「え」
「いや、しかしな。アスランには婚約者が」
「本人たちの相性は最悪に近いと思いますが、あなたはその辺り、どの様にお考えですか?」
「そ、そうなのか? アスラン」
「いえ。自分はしっかりと婚約者を出来ていると思っております」
「はぁ」
本日三度目のため息である。
母上はどうしたというのだろう。
「アスラン。貴方、セナちゃんをプラントへ連れてきたら、口説き落としなさい」
「は!? 母上!?」
「今のあの子は、ありもしない罪を背負って、世界中の人間を助けるなんて無謀な事をやってるわ。このままじゃ潰れる。分かるわね?」
「それは……はい」
「だから貴方が助けて、落として、縛り付けなさい。良いわね?」
「いや、俺はセナの事は妹の様に思っているだけでして」
「じゃあキラちゃんの方が良いって事?」
「いや、キラも妹の様に」
「アスラン。貴方の恋愛観はどうなってるの? ラクスさんもダメ。セナちゃんもダメ。キラちゃんもダメ。じゃあどういう子なら良いの」
「どうと言われましても、困ってしまうのですが」
俺は母上の言葉に何と返したら良いか分からぬまま、嘆息するが、母上はそんな反応を見て、更にヒートアップしてしまうのだった。
そこで助けを求める様に、父上に視線を送る。
しかし父上は俺の助けなど気にせず、別の話をし始めた。
いや、その話も重要ではあるのだけれど。
「セナ君の件については既に何度か議題に挙がっている。ニュートロンジャマーの情報をどこからか入手していたとは言え、単独で無効化装置を完成させる人材など放置は出来ん。幸い、核ミサイルは奴らの手に戻っていないが……」
「あなた」
「父上」
「む? あぁ、いや。分かっている。セナ君があえて隠したのだろう。強い子だ。例え敵地に居たとしても、罪のない民衆へ向けられる刃を許したくは無いのだろう。そういう人道的な面を含めても、議会の決定は保護だ。そしてこの任務はいずれクルーゼに任せる事になる。つまり……分かるな?」
「はい。ありがとうございます! 父上。必ずや、セナを救い出してみせます!」
「そしてザラ家に迎え入れるのよ? 決して他の議員の子息に負けちゃ駄目よ!?」
「は、母上」
「うむ。そうだな。セナ君を連れてくる事が出来たら、婚約の件は考えよう」
「父上まで!?」
「そういう訳だから、アスラン。分かったわね? 必ずセナちゃんを連れて帰ってくるのよ!?」
「アスラン。頼んだぞ」
「……承知いたしました」
俺はため息を混じらせながら、頷いた。
とは言っても、セナは地球だし、地球連合軍の本部だろう。
ならば、まだまだ時間が掛かる。
しかし、必ず助け出して見せると、拳を強く握りしめるのだった。
遂に、次回から本編なので、ここまでのまとめです。
という訳で各キャラの現状。
何か一人だけギャグやっている人が居ますが、どうやってもギャグにしかならなかったので、諦めました。
今回一番困ったのがコズミック・イラの通信状況なんですよね。
ニュートロンジャマーの電波妨害があるから、通信機器は近距離を除いて、基本的に使えない。
でも、シンの妹であるマユは携帯電話持ってるし。
何かSEEDの一話で、キラが地球のニュース見てたりするんですよね。
流石にニュースは結構な日数差がありそうですけど、それでも電波受け取れるんだ……。という。
そう考えると、何でキラとアスランは時差ありとはいえ、連絡取り合わなかったのかなと疑問が無くもない。
いや、手紙とかは規制されてるだろうけど、電波は通るのでは……?
んー。でも電波の検閲されてるんですかね?
難しい。
と、悩んだ結果。直接会ってのお手紙やり取り以外は出来ない想定で作りました。
まぁ、これはこれで家族でヘリオポリスに居るってちゃんと伝えろよ。問題は残るんですけど。
あえて互いに詮索せず、オーブに居るよくらいの感覚にしてたのかなと。
キラもクルーゼも厄ネタだし。
という訳で、このまま行きまーす(脳死)
後、昨晩は申し訳ございませんでしたーーー!!!
色々テンパって、カナタ君に相談して、結局こっちで載せる事になりました。
感謝しかねぇ。
しかし消えたのは悲しい。たった三日だったとは言え。私のアカウントだったのに。
感想とか書いてもらえてたのに(涙)
でも自業自得なので、ちゃんと反省します。
これから先は自主的には消さないので、よろしくお願いします。
もし消えたら、運営さん判断で削除という事で
二次創作はpixiv辺りに、一時創作は小説家になろう辺りに投稿します。
ではまた、よろしくお願いします!