ガンダムSEED~オリ主で主要キャラ全員生存ルート爆走記~ え? キラが女の子とか聞いて無いんですけど 作:とーふ@毎日なんか書いてる
(第三者視点)
これから忙しくなるから、休暇の時くらいはゆっくりしてきて。というキラの言葉でシンはセナと共にディオキアの街にある海岸線沿いの道をバイクで走っていた。
シンの背中にしっかりとくっつくセナは風を受けて微笑みながら景色を見ている。
「海が綺麗ですね」
「プラントの海も綺麗だけど、やっぱり地球の海だな」
「そうですねぇ」
そして、二人はちょうど崖から海がよく見える場所に向かい、そこで共に海を見ていたのだが、ちょうど少し離れた場所で嬉しそうに踊っていた少女が居なくなっている事に気づく。
「ん? え!? おい……まさか! ああ! 嘘だろ!? 落ちた!?」
シンは慌てて海の下を見て、叫んだ。
そして、セナは急いで救助を連れてくると走って道路へと向かい、シンは海に飛び込んでその少女の救出を行う。
しかし、泳げないのか。海の中で暴れる少女はシンの頬を殴り、ひっかき、シンの体を傷だらけにした。
が、流石に軍人として鍛えているシンは少女を何とか救出し、人が休める程度に広い岩場へと少女を連れてゆくのだった。
「死ぬ気か! この馬鹿!」
「っ!」
「泳げもしないのに! あんなとこ! 何ボーッとして……?」
「ぁ、ぁぁあ! 死ぬのは……嫌……イヤぁぁ!!」
少女はシンの言葉に激しく動揺し、海へ向かって走り出した。
そんな光景を見て、シンは何事かと少女を追いかける。
「おい! ちょっと待て! 一体何!?」
「嫌! う……死ぬの嫌! 怖い!」
「いやだから待てって! だったら行くなって!」
「死ぬの! 誰かが死ぬの!」
少女の狂乱した様子に、シンは少し前に見た地球軍の凶行を思い出していた。
そして少女に、銃で撃たれてしまった人や、オーブで亡くなった人の姿を重ねて、思わずシンは抱きしめる。
「駄目よ……それは駄目……ぁぁ……怖い……死ぬのが怖い!」
「ああ、分かった! 大丈夫だ! 君は死なない!」
「っ!?」
「大丈夫だ! 俺がちゃんと、俺がちゃんと守るから!」
シンの言葉に少女は少しずつ力を抜いてゆき、最後にはシンに体を預けて、安心した様に落ち着いてゆく。
「ごめんな、俺が悪かった。ほんとごめん。もう大丈夫だから、ね?」
それからシンは何度か少女に大丈夫だと、守るのだと言葉を尽くすのだった。
シンは少女が落ち着いたのを確認してから、岩場で少女の足の手当をしたり、話しかけたりをして時間を過ごす。
「君は、この街の子? 名前は? 分かる?」
「名前……ステラ。街……知らない」
「じゃあいつもは誰と一緒にいるの? お父さん? お母さん?」
「一緒はスティング、アウル。お父さん、お母さん知らない」
「そっか。きっと君も怖い目に遭ったんだね」
「怖い目……ステラ、出来ない事があると、ネオに、怒られる。ステラ、駄目な子……だから」
シンはステラのその怯えた様子に、ネオなる存在への怒りを燃え上がらせるが、それを表に出せばステラをまた怖がらせてしまうと、何とか内側に隠した。
「でも、怖い時は、スティング、アウルが居るから」
「そっか。二人は優しいんだね」
「……うん」
ステラが嬉しそうに笑う姿を見て、シンは穏やかに笑いながら、ふと思い出したかの様に呟いた。
「俺もさ。怖い時は一緒に居てくれる子が居るんだ。セナって子なんだけど」
「セナ? セナ知ってる」
「え?」
「セナが居れば、みんな幸せになれるって言ってた」
その言葉にシンはかつて聞いた話を思い出していた。
そう。それはセナが滅びかけた地球を救ったという話だ。
だから、セナを英雄視している地球の人はまだ居るんだなと優しい気持ちになる。
「そっか……」
「うん」
「あ、そう言えば忘れてた。俺。シン。シン・アスカ」
「シン?」
「そう。シン。覚えられる?」
シンの言葉にステラは綺麗に微笑むと、頷く。
そして、綺麗な貝殻をシンに渡すと、また小さく笑った。
「ありがとう。ステラ」
シンがステラと出会っている頃、セナもまた運命的な出会いをしていた。
いや、運命というには人の意思が大分絡んだものであったが、セナ以外の人間からすれば間違いなく運命であろう。
「セナ? どうしたの?」
「……お姉ちゃん。その人たちは」
「あぁ。街から外れてぶらぶら散歩してたらさ。道に迷っちゃって。助けて貰ったんだ」
「そう……なんですね」
セナは決して感情を表に出すまいと気を付けながら、微笑みを浮かべて車に乗る少年たちを見据えた。
まだ表舞台に出てくる筈のない者たちの事を。
「あぁ。貴女がキラさんの話していた妹さんですか。僕はオルフェ。そして」
「シュラです」
「イングリット……です」
車に乗ったキラが降りてきて、笑顔のまま見つめた彼らは、セナがよく覚えている人物たちだ。
何せ前世で最後に見た映画は彼らとの戦いを描いたものであったのだから。
「あの、お姉ちゃんは、大丈夫でしたか?」
そして、彼らの最大の目標であったキラが今ここに居る事にも恐怖を覚える。
何かあって殺されてしまうのではないかという恐怖だ。
「僕? あぁ、大丈夫だよ。何か変な人に襲われそうになったけど。シュラ君に助けて貰ったから。彼。凄いんだよ? こうびゅーんって飛んで行ってさ。あっという間に全員倒しちゃったの!」
「あの程度。大した事はありませんよ。むしろ間に合って良かった。キラさんに傷が付く前に」
「あらまぁ。紳士的で。言葉も上手いんですね。アスランとは大違い」
「……っ! アスラン?」
「あぁ。僕の幼馴染なんですけどね。言葉が足りなかったり、多すぎたりで、最近じゃすぐに手を出すし、困った人なんですよ」
「なるほど。それは良くありませんね。その様な者と共に居て辛くはありませんか?」
「まぁ。悪い所ばかりではありませんからね。それに、何だかんだと信頼出来る人でもありますから」
キラが言った言葉にシュラやオルフェは僅かに苛立ちを示した。
が、それにキラが気づくよりも早く二人は感情を抑え込むと、微笑みを浮かべてセナにも語り掛ける。
「そう言えば妹君は何か急いでいた様ですが……」
「あ! そうです! お姉ちゃん! シン君が大変で」
「シンが?」
「おや。何かトラブルの様ですね。良ければ力をお貸ししましょうか?」
「ありがとうございます。じゃセナ。ちょっと甘えちゃおう。車に乗って。どうすれば良い?」
「……はい。では、ザフトの基地までお願いします」
「お願いできますか?」
「その程度。お安い御用ですよ」
それから何か起こるのではないかとずっと警戒していたセナであったが、結局何も起こらずオルフェたちはキラを送り届けるとそのまま去って行った。
そんな姿にキラは良い人達だったねと笑っていたが、セナにはどこか消えない不安が残る。
しかし、今は気にしている状況じゃないと考えなおし、シンを助ける為にボートを用意した。
そして、ステラとシンを救出した後に、ちょうどよくステラの家族だという人々とすれ違い、ステラはそのまま家族と共に帰ってゆく。
それからセナは、シンとキラが無事であった事に心から喜ぶと同時に、自分が考えているよりも歴史が大きく変わっているのではないかと考えているのだった。
セナ「な、なんてことだ! まさかオルフェ達がもう出てくるなんて!」
セナ「原作と歴史が違う!!」
イマサラタウン
はい。という訳で、シンステ回です。
原作と違って、ムウさんがネオじゃないので、ステラが別にネオ好きじゃないという辺りが違いですかね。
あの毒親が兵器に優しく出来る訳無いやんっていう。
まぁでも逆に三兄妹で仲良く出来るね。
天国でも仲良くしてね。
その内天使様が迎えに来るよ。
ちなみに、そろそろDESTINYの本番が近づいてきておりますね。
ここまでシン君は幸せいっぱいで、幸せしかない感じだったので
その幸せを順番に取り上げていこうと思います。
シン君は喜んでくれるかな! ワクワク