ガンダムSEED~オリ主で主要キャラ全員生存ルート爆走記~ え? キラが女の子とか聞いて無いんですけど 作:とーふ@毎日なんか書いてる
(第三者視点)
セナは地球軍に囚われてから、港に着くまではステラ達と過ごし、港に着いてからはステラ達と離れ、ネオと共にロドニアにあるラボに来ていた。
「これはこれはセナ様。地球の救世主に会えるとは、長生きするものですね」
「……」
「おや、救済の天使殿は少々気分がすぐれないようだ」
「当然でしょう。この様な物を見せられて、気分が良い人間が居ますか」
セナは吐き捨てる様にガラスの向こう側で行われている子供同士の殺し合いを睨みつけた。
「ごく一般的な戦闘訓練ですよ」
「まだ子供じゃないですか! それに戦闘訓練だというのなら、命を奪う必要がどこにあります!」
「仕方ありません。宇宙の化け物共に勝つ為にはより幼い内から教育し、兵器として完成させる必要がありますからね」
「っ、話になりません」
「まぁ。いずれ気にならなくなりますよ」
「……?」
「フラガ様。あぁ、いえ。今はロアノーク様でしたね。では、セナ様はゆりかごで処置をすれば良いですか?」
「あぁ、私の記憶以外は必要ない。全て消してくれ」
「記憶!?」
セナは驚き、逃げようとしたが、すぐにネオによって腕を掴まれ、拘束されてしまう。
「安心しろ。セナ・ヒビキ。知識や経験などは消えん。ただ、お前の中にある余計な物を消すだけだ」
「やめっ!」
「眠らせろ」
「はい」
「やだ! 止めて! お姉ちゃん!! おに……い、ちゃ……ん」
セナは暴れようとしたが、押さえつけられて、そのまま先ほど話をしていた男に何かを注射され、眠る様に意識を失うのだった。
どれほどの時間が経っただろうか。
ゆりかごと呼ばれる装置の中で、セナは目を覚ました。
しかしその表情は以前までとは違い、まるで見た目と同じく子供になってしまった様である。
ゆりかごの上で起き上がって座っている姿はあどけない。穢れを知らない無垢な子供の様だ。
「ふむ。処置が完了したか。思っていたよりも長かったな」
「かなりの抵抗がありましたからな」
「抵抗?」
「意思の力とでも言いましょうか。記憶を消そうとすると、無意識下で抵抗しておりました」
「それで? わざわざ初期設定には必要だなんだと言われ、ここまで来たが、その意味はあるんだろうな?」
「無論、成功しておりますよ。ただ、フラガ様の事はまだ」
「分かった。では教育はこれから行う事にしよう」
ネオは隣に居た男との会話を終わらせてから、仮面を外し、セナと視線を合わせた。
「私の姿が見えるか? セナ。私はお前の……」
「セナ? 私はセナじゃない」
「どういう事だ」
「いえ。私は何も。ただ、強く記憶に刻まれていた三歳よりも後の記憶を消しただけで」
動揺する男をセナはジッと見つめると、まるで地面に転がる虫を踏み潰す様な残酷さで、何かをした。
瞬間、男は目を見開き、頭を押さえながら床にのたうち回るのだった。
「何をしている!? お前は何者だ!? セナ・ヒビキでは無いのか!?」
「私はミア。お前たちの様な愚かな人類を導くために生み出された存在。そうコーディネートされた。次なる人類。アコード」
「アコードだと!? バカな! お前はユーレン・ヒビキの生み出した存在であるハズだ!」
セナ……いや、ミアは酷薄な笑みを浮かべると、口元を釣り上げて笑い、目線をアル・ダ・フラガに合わせて呟いた。
「闇に落ちろ……!」
「ぐっ、ぁぁああああ!!? 何だ、これは!? 何をしている!!」
アル・ダ・フラガは激しい頭痛と幻覚から逃れる様に暴れまわり、そして、その元凶であるミアの頬を殴りつけた。
瞬間、ミアはゆりかごの上に激しく倒れ、アル・ダ・フラガは自由を取り戻す。
そして、荒い呼吸を整えながら、ミアを睨みつけた。
しかし、次に起き上がったミアは先ほどまでの冷たい表情から一転、セナであった時の様な穏やかな、人のいい顔になっており、頬を触りながら痛いと呟くだけで、何ら奇妙な事をする様な気配は無かった。
「……セナ、か?」
「え? なんで、私の名前。貴方は」
「私は、アル・ダ・フラガ……いや、今はネオ・ロアノークと名乗っている」
「アルさん。でも、今はネオさんですか」
それからいくつか会話をして、セナがそのまま記憶を失っただけの状態である事を確認したアルは仮面を被り、再びネオとしての姿に戻る。
そして、床に転がっている男を蹴りつけて、目を覚まさせると、先ほどの事を調べさせるのだった。
ネオはセナを連れてラボを離れると、再び港へと戻り、ステラ達と共に遊ぶ様に言ってから、苛立ちを隠さぬまま仮面を床に投げつけた。
今、ネオの中には激しい怒りが渦巻いていた。
あの時、ミアが見せたヴィジョン。
それはネオの中に刻まれた幼い頃のトラウマであり、憎むべき対象であり、滅ぼす事の出来なかった両親という名の過去の遺物である。
「これが、アコードの力か。アウラめ。この事を私に伝えなかったな」
激しい憎しみを燃え上がらせながらもネオは、深呼吸と共に、少しずつ精神を落ち着かせてゆき、やがて完全に落ち着いてから届いたメールを開いて内容を確認する。
そのメールはロドニアのラボに居た男からであり、セナの症状について書かれていた。
「遺伝子に刻まれた記憶、か。つまり、あのミアという名前の存在が本来のセナの人格であり、セナの人格は後から形成された物。という事か?」
ネオはメールと共に送られた資料に目を通しながら、これからの事について考えるのだった。
ネオがセナの事について頭を悩ませていた頃、セナは呑気にステラ達と遊んでいた。
「セナ」
「はい」
「せな」
「ステラ」
「うん」
「何やってんの? アレ」
「さぁな。波長が合うんだろ」
セナとステラは横に並んで座り、互いに体重を預け合いながら左右に揺れている。
そんな二人をアウルもスティングも、穏やかな目で見ているのだった。
「セナは、なんで、セナって言うの?」
「セナは星の光という意味なので、暗闇に居る人の道しるべになれる様な人に。ってお母さんが」
「お母さん? どんな人?」
「……ちょっと、覚えてないです」
「そうなんだ。ステラと一緒」
「たしかに」
「え?」
「ステラは星という意味なので」
「そうなんだ。ステラ、セナ。一緒」
「はい。一緒です」
セナは目を閉じて、ステラに寄りかかるが、ステラも同じ様に体重を預けてきた為、そのまま倒れてしまった。
「セナ。ステラが守る」
「守る?」
「そう。シンが言ってた。守るって。もう怖くないって」
「……シン。守る」
セナは心の中で何かが引っ掛かったが、結局それが何だったか分からないまま、静かに目を閉じた。
しかし、閉じた世界の中で、『シン』はいつまでも引っ掛かっているのだった。
それから、セナはその小さな箱庭のような世界で、人形の様に過ごしていたのだが、顔色を変えたアウルとスティングが飛び込んできた事で、箱庭の崩壊が近い事を悟る。
「セナ……! ここにステラは来てないか!?」
「来てないです」
「くっ、じゃあ外か。クソ! ネオが居ない時に!」
「何か、あったのですか?」
「あぁ。ステラが、アウルの母さんを守るって言って、ガイアで飛び出しちまったんだよ!」
その言葉の意味をセナは正しく理解していなかったが、とんでもない事が起こったということだけは理解したのである。
はい。
おそらくー。今までにない程色々な事をぶっこんだ回になります。
その為、特殊部隊、ミネルバ、アークエンジェルによるロドニアの制圧、ロドニアの施設で得た物によりニッコリ議長、特攻(ぶっこみ)のステラの三本は全カットとなります。
まぁ、タイミング見て、外伝で書くかもしれないし。書かないかもしれないし。
分かんないですけど。どちらにせよ公開は後々ですね。
議長によるデスティニープラン発表の後かなー。
ちなみに。
ゆりかごの記憶操作に関しては、ステラやネオを見る限り、強い衝撃(物理か精神)があれば記憶は戻ると私は認識してますので。
はい。
記憶、戻れば良いですね。