ガンダムSEED~オリ主で主要キャラ全員生存ルート爆走記~ え? キラが女の子とか聞いて無いんですけど   作:とーふ@毎日なんか書いてる

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本日2回目の行動


PHASE-40『刹那の夢』

(第三者視点)

 

 

 

ミネルバのブリッジで、タリアはため息を吐きながら、アーサーの報告を聞いていた。

 

「メインエンジンに深刻な損傷はありません。ですが火器と船体にはかなりのダメージを負いました。モビルスーツもウォーリアが大破、ファントムが中破、インパルスはコアスプレンダーが損傷し、インパルスは稼働が難しいと厳しい状況ですね」

 

「ジブラルタルまでもうあと僅かだというのに。またここで修理と補給待ちというのは辛いけど、仕方ないわね」

 

「そうですね……」

 

アーサーは困ったなぁ。と言う様な表情をしながら自分の作業に戻り、タリアも処理しなければいけない問題について頭を悩ませるのだった。

 

しかし、だ。

 

今のタリアを何よりも悩ませているのは、そんな荒れた艦内ではなく……。

 

艦内で何も問題を起こさず、静かに過ごしているキラ・ヤマトであった。

 

隊長としての業務も、今までの日々が何だったのか。と言いたくなる程にしっかりとこなしており、提出された書類にも何も問題が無い。

 

隊長という立場で考えればごく普通の事であったが、キラ・ヤマトという人間から考えるならば、酷く異常な事であった。

 

故に、タリアはこれが何かの事件に繋がらなければ良いと考えながらも、警備兵にキラを監視する様にと命令を出す。

 

恨まれても良い。

 

どの様な事になろうと構わない。

 

が、今キラがミネルバから居なくなる様な事になれば、確実にミネルバは沈む。

 

それが分かっているからこそ、タリアはキラをミネルバに縛り付けようと必死なのであった。

 

「……ホント。ろくな死に方しないわね」

 

だが、それがまたタリアの心を追い詰めているのも事実であった。

 

 

 

しかし、そんな風に思われているとも、監視されているとも知らないであろうキラは、シンとステラの触れ合いを見ながら、医務室で先日の戦場でも見た黒いMSについて調べていた。

 

多数のMAに足止めされ、近づく事が出来なかった機体を。

 

ニュートロンジャマーキャンセラー、ミラージュコロイド。

 

そしてエールストライクやフォースインパルスの様な高機動形態に、背部には大型のビーム砲と、腰には大型のビームサーベルを一つとビームライフルが一つ、そして手首からビームサーベルが出てくる。

 

シンプルな機体の様で、かなり面倒な機体だ。

 

近づいても遠のいてもそれなりに動ける。だからこそ、相手の苦手な距離感で戦う様に見えた。

 

「……」

 

キラはこれからこの機体と戦う未来を想定し、頭の中で戦い方を組み立てていたのだが、こういう時に傍に居て欲しい人がおらず、嫌な気分になった為、モニターからシンとステラへと視線を移した。

 

二人の語らいは神聖な儀式の様であり、誰も近寄ってはいけない聖域の様にも見える。

 

「ステラ……どうかな。前に君から貰った貝殻で、ネックレスを作ってみたんだ」

 

「きれい」

 

「ステラにあげるよ。ほら、首にかけてあげるね」

 

「いい、の?」

 

「勿論。君の為に作ったんだから」

 

ステラは日に日に弱っている。

 

だが、ミネルバから降りる事も出来ず、治療には限界がある。

 

このまま死ぬのを待つのかと思うと、キラは苛立つ心を抑える事が難しかった。

 

 

 

キラが静かに怒りの火を灯している頃、医務室に訪ねてくる人が居た。

 

レイとルナマリアである。

 

「隊長。失礼します」

 

「あ、隊長。やっぱりここに居たんですね」

 

「あぁ、僕の事はあんまり気にしないで。ただここに居るだけだからさ。サボりみたいなモンかな」

 

「そんな事言って。分かってますよ。シンとあの子の為でしょ? 誰もあの子には近づきたくないみたいだし。銃持った警備兵がぞろぞろいたらシンもあの子も落ち着かないもんね」

 

「そんなつもりは無いけど。そういう風に思うって事はルナは優しい子だって事だね」

 

「素直じゃないですねぇ。隊長は」

 

ルナマリアのからかう様な声に、キラは呆れた様なため息を吐いて、はいはいとルナマリアの話を流した。

 

「しっかし、意外だったのはレイね。もっと規則がーとか言うと思ったのに」

 

「別に。大した意味はない。ただ、どんな命でも、生きているのならば、幸せであるべきだと俺は思う。どんな形でもな」

 

「……」

 

レイの言葉にルナマリアは目を見開き、意外そうな顔をした後、少しして納得した様に笑うのだった。

 

何故、シンとレイが親友になったのか、そのワケを理解したのだろう。

 

その顔に浮かぶ色には羨ましさも混じっている。

 

「でも、もうそろそろ限界かな」

 

「隊長?」

 

「ステラの体力も、症状も良くはならない。ザフトはあの子を救うつもりがない。それなら僕がやる事は一つだよ」

 

キラはよっこいしょと言いながら、椅子から立ち上がり、ステラの元へと近づいた。

 

聖域の中に足を踏み入れる。

 

「ステラ」

 

「……? きら?」

 

「うん。ちょっと荒っぽくなるけど。ごめんね。本当はもっと穏便に話を進めたかったんだけど、君を失いたくは無いから」

 

「せなと、同じ目」

 

「……僕はセナのお姉ちゃんだからね。だから、僕を信じて」

 

「隊長……?」

 

「シン。大丈夫。全部終わったら、またステラに会えるから。今はごめん」

 

キラはステラに寄り添うシンの頭を撫でて笑う。

 

しかし、そんなキラに銃を向けながら鋭く名を呼ぶ者が現れた。

 

「隊長」

 

「レイ」

 

「え? え!? ちょっと、レイ!」

 

「行かせないと言ったでしょう?」

 

「なら撃ちなよ。そうするべきだって君が思うならさ」

 

「っ! 俺は!」

 

「レイ!! 止めろ!」

 

「シン……!」

 

「何か分かんないけど、隊長とレイが争うのは見たくない」

 

キラはシンの言葉に、そして自分の左手を強く掴むシンに小さく息を漏らすと、ならと代案を口にするのだった。

 

 

 

深夜。

 

ミネルバの艦内で激しく警報が鳴り響いた。

 

タリアは急ぎ、状況を確認すれば、キラが捕虜を連れて艦内を走り回っているという。

 

その報告にタリアは深くため息を吐きながら、居場所を確認し、現在キラが追い詰められて逃げ込んだというブリッジへと向かった。

 

最悪の事態に備えて、銃を手に持ちながら。

 

そして、布に包まれた捕虜を抱えたキラがブリッジに入るのを見たタリアは、警備兵と共にブリッジへと駆け込んだ。

 

「キラ!!」

 

「……はい。なんですか? タリア艦長」

 

オペレーター席で、メイリンに銃を向けながら笑うキラに、タリアは冷汗が流れるのを感じた。

 

平然としているが、明らかに異常事態だ。

 

そう。ありえないのだ。

 

キラとメイリンはそれなりに仲が良く、基地で共に遊びに行く姿を見た者も多くいる。

 

だというのに。キラはそんなメイリンに銃を向けているのだから。

 

「全員動かないで」

 

「投降しなさい! もう逃げられないわ! 捕虜を逃がす事なんて出来ない!」

 

「……それはどうですかね」

 

キラの言葉に違和感を覚えたタリアは警備兵に急いで格納庫へと向かう様に叫んだ。

 

しかし、それと同時に、キラは持っていたタオルを落とし、中から布を丸めて縛った物を見せつけ、同時にメイリンへ指示を出す。

 

「メイリン。セイバーへ発進指示」

 

「止めなさい! メイリン!」

 

「銃で脅されているんだ。仕方ないよ。メイリン。よろしく」

 

「は、はい! セイバー! カタパルトへ!」

 

「止めなさい! メイリン!! 反逆罪に問われたいの!?」

 

「タリア艦長。メイリンを脅し、指示を出しているのは、僕です。罪は全て僕にある。シンへ指示を出しているのも、僕ですよ」

 

「この……! キラ!!」

 

そして、夜の暗闇の中、セイバーはシンとステラを乗せて、飛び立つのだった。




はい。
という訳で問題ばかり起こすヤマト隊長が今回もやらかしました。
タリア艦長の胃薬が増えそう。

ちなみに話には出て来てないですけど、ルナマリアとレイはセイバーの周りにいた警備兵をオラっ! しております。
ヤマト隊長が命じたからね。しょうがないね。
キラが出て行くくらいならシンが頑張る方がマシだからね。

ハイネ?
ハイネは何もしてないですよ。
自室で待機してました。

普段は警報がなると飛び出してくるんですけど、この日は何故かのんびりしたい気分だったので、寝てました。
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