ガンダムSEED~オリ主で主要キャラ全員生存ルート爆走記~ え? キラが女の子とか聞いて無いんですけど   作:とーふ@毎日なんか書いてる

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コズミック・イラ70
《血のバレンタインの悲劇》によって、地球・プラント間の緊張は一気に本格的武力衝突へと発展した。
誰もが疑わなかった数で勝る地球軍の勝利。
が、当初の予測は大きく裏切られ、戦局は疲弊したまま既に11ヶ月が過ぎようとしていた……
ててててーんてん てんてんてーん



PHASE-12『その名はガンダム』

(第三者視点)

 

 

 

マリューの手によって動き出した最後のG兵器、GAT-X105ストライクの中でキラは激しく動揺していた。

 

友人たちと共にカトウゼミへ来て、ザフトの襲撃を知り、カトウ教授に用があると言っていた少女と共に工場区を走り回って、少女をシェルターに押し込んでからは、逃げ場もなく呼ばれるままに地球連合軍の士官の元へと向かった。

 

そして、出会ったのはどんな運命の悪戯か、かつてキラと共にあった口うるさい幼馴染の少年と、いつだってキラの味方で甘やかしてくれる妹であったのだ。

 

どれだけ会いたいと願っても叶わなかった相手と再会した場所が戦場だというのなら、誰だって混乱するだろう。

 

しかも、少年はザフト軍のパイロットスーツを着ており、妹は地球連合軍の軍服を着ていたのだ。

 

いかに優秀な頭脳を持つキラと言えど、混乱は必然であった。

 

「くっ、通信……通信は」

 

『はい。こちらはストライクセイバー』

 

「マリュー・ラミアスです! 少佐、ご無事ですか!?」

 

『はい。無事です。しかし、これからは、ちょっと分からないですね』

 

通信機から聞こえてくる妹に良く似た声を聞きながら、キラはモニターに視線を移した。

 

そこには、ジンの攻撃を必死に受け止めているМSの姿があり、攻撃を受ける度に通信機から妹と思われる悲鳴と、誰かの悲鳴が聞こえて来ていた。

 

「少佐!? 少佐!」

 

『マリューさんは逃げてください。ここは、何とか抑えますから』

 

『何バカ言ってんのよ! セナ! ちょっとアンタ! こっちは兵隊じゃないんだからね! アンタがちゃんと戦いなさいよ! こんな小さな子に戦わせて、恥ずかしくないの!?』

 

「……言いたい放題言ってくれる」

 

通信機から聞こえてきた罵声に、マリューは舌打ちを返しながら、ストライクに装備されたバルカンを撃つ。

 

しかし、それはジンから外れ虚空に飛んでいくばかりである。

 

しかも、機体は未だにノタノタと歩いており、モニターに映るジンや、ストライクセイバーとは大違いであった。

 

「しょ、少佐! お逃げ下さい! ここは私が!」

 

『ほら、セナ! 早く逃げないと』

 

『駄目ですよ! ここで私が逃げたら……! 私しか戦えないのに!』

 

その通信機から聞こえる声に、モニターに映る追い詰められているストライクセイバーの姿。

 

そして、モニターに映るМS同士の戦いから逃げ惑う人々と、その中にいる友人の姿。

 

たどたどしいマリューの姿に、キラは一つの決意をした。

 

「どいてください!」

 

「え!?」

 

「こんな物に乗っているのなら、早く何とかしないと、セナが! それにまだ逃げ遅れた人だって居るんですよ!?」

 

「なんで、少佐の名前……?」

 

「早くどいてください! 早く!!」

 

「え、えぇ」

 

キラはマリューをどかしてから、すぐさまキーボードを取り出し、システムを確認してゆく。

 

そしてあまりにも未完成なシステムを見てすぐに文句を言った。

 

「無茶苦茶だ。こんなOSでこれだけの機体を動かそうだなんて」

 

「仕方ないでしょ!? 少佐はアークエンジェルの最終調整を先にしていたんだから」

 

「キャリブレーション取りつつ、ゼロ・モーメント・ポイント及びCPGを再設定……チッ!なら疑似皮質の分子イオンポンプに制御モジュール直結!ニュートラルリンケージ・ネットワーク、再構築!メタ運動野パラメータ更新!フィードフォワード制御再起動、伝達関数!コリオリ偏差修正!運動ルーチン接続!システム、オンライン!ブートストラップ起動!」

 

キラは作業を口に出しながら、高速でキーボードを叩き、驚異的な速さで、ストライクのOSをひとまず動ける状態に完成させた。

 

そして、ストライクセイバーに向かって剣を振り上げているジンに走り寄って、その機体を殴りつける。

 

「セナに触るなぁああ!!!」

 

急に動き始めたストライクに動揺していたジンのパイロットミゲル・アイマンはすぐさま落ち着きを取り戻すと、マシンガンでストライクを狙うべく弾丸を発射した。

 

しかし、その全てをストライクはかわし、脚部からアーマーシュナイダーという名の大型ナイフを取り出すと、それを構え、ジンに向かって突き刺すのだった。

 

ストライクがジンに突き刺した二本のナイフはジンの動きを完全に停止させた。

 

戦闘が終わり、息を荒くしているキラにマリューは急いで離れる様に言うが、既に遅くジンは自爆しようとしていた。

 

だが、そんなジンを掴みながらストライクセイバーが急加速してストライクから離れ、数秒後にストライクセイバーを巻き込みながら激しい爆発を起こすのだった。

 

 

 

ジンの爆発に巻き込まれ、地面に叩きつけられるストライクセイバーを見て、キラは大急ぎで、ストライクをストライクセイバーの傍に向かわせた。

 

そして、コックピットハッチを開き、仰向けで倒れているストライクセイバーのコックピットに向かう。

 

しかし、ハッチを開こうとしたキラの行動を止めたのは、先ほどまで同じ機体に乗っていたマリューであった。

 

「その機体から離れなさい!!」

 

「っ!?」

 

マリューに銃を向けられたキラは両手をあげながら、ゆっくりと立ち上がり、不満気にマリューを見据える。

 

そして、マリューはキラをどかしつつ、セナを救い出そうとしたが、ここでさらに予想外な事が起こった。

 

それはキラの姿を見つけたキラの友人たちが、大声を出しながら近寄ってきた事だ。

 

「キラ! やっぱりキラじゃないか!!」

 

「無事だったのね! キラ!」

 

「みんな! 来ちゃ駄目だ!」

 

「え?」

 

サイの呆けた様な声と同時に銃声が周囲に響き渡った。

 

その音にギョッとしたキラの友人である、トール、ミリアリア、サイ、カズイは動きを止めるが、マリューはそんな彼らにも銃を向け、止まる様に言った。

 

「そこで止まりなさい。そして何も見なかったとして、立ち去りなさい」

 

「……っ! わ、分かったよ。おい! キラ! 行こうぜ!」

 

「いえ。この子は駄目よ! 何で少佐の事を知っているのか聞かなきゃいけない」

 

「ちょ、何だよそれ! ふざけんなよ! キラはアンタらと何も関係ないだろ!?」

 

「関係ないかどうかはこちらが判断します! あなた達は早く立ち去りなさい!」

 

「そんな風に言われて、はいそうですかって行ける訳ねぇだろ!」

 

「チッ、面倒な!」

 

言い争いは平行線で、どうにも進まないという時に、ストライクセイバーのコックピットハッチがやや大きな音を立てながら開き、中から一人の少女が顔を出した。

 

それは赤髪の気の強そうな少女で、その評価と同じく少女は怒りを顔に浮かべたまま今まさに叫ぼうとしていた。

 

「さっきから中で聞いてれば何なのよ。アンタ達。こっちは大変なんだから、さっさと手を貸しなさいよ!」

 

「フレイ!?」

 

「あら。サイ。どうしたの、こんな所で」

 

「どうしたはこっちのセリフなんだけど」

 

「まぁ良いわ。ちょっとこっちに来て運ぶの手伝って! 私一人じゃ力が足りなくて」

 

「え? あ、あぁ!」

 

サイはフレイに言われるままストライクセイバーの上に登ろうとしたが、寝ているとは言え、МSの高さはどうにも出来ず、その場で苦戦していた。

 

そんな光景にフレイはため息を吐きながら、すぐ近くで呆然としていたキラを見て、その腕を掴む。

 

「あー、じゃあアンタで良いわ。ちょっと手伝って」

 

「え? えぇ!?」

 

「何よ。人助けよ! 小さな女の子が頭から血を流して気絶してるの! 早くここから出さないと」

 

その言葉は他の誰でもない。キラに銃を向けていたマリューに衝撃を与え、フレイとキラをどかす様な勢いでストライクセイバーのコックピットへ向かい、中を見て、目を見開いた。

 

コックピットの中では頭から血を流したセナが気絶していたからだ。

 

「少佐!!」

 

マリューは急いでコックピットの中に入ると、銃をしまい、セナを抱き上げて、再び外に飛び出した。

 

そして、ストライクのコックピットに入ると、ストライクを動かそうとして……すぐにキラを呼び寄せる。

 

そのままキラに操縦をさせてから近くにある公園の様な場所で、ベンチにセナを寝かせるのだった。

 

 

 

それから、キラはストライクとやや狭いストライクセイバーのコックピットに入り、二機をマリューに言われるまま公園の近くへと運んでから、再びマリューに銃を向けられる事になる。

 

「申し訳無いけど、あなた達をこのまま解散させる訳にはいかなくなりました」

 

「「えぇ!?」」

 

「事情はどうあれ、軍の重要機密を見てしまったあなた方は、然るべき所と連絡が取れ、処置が決定するまで私と行動を共にしていただかざるを得ません」

 

「そんなっ」

 

「なんだよそれ!」

 

「冗談じゃねぇよ! なんだよそれ!」

 

マリューの横暴な言葉にカズイやトールが文句を言うが、マリューの言葉も視線も変わらない。

 

「従ってもらいます!!」

 

「僕達はヘリオポリスの民間人ですよ!? 中立です! 軍とか何とかそんなの何の関係も無いんです!」

 

「そうだよ! 大体どうして地球軍がヘリオポリスに居る訳さ! そっからしておかしいじゃねぇかよ!」

 

「そうだよ! だからこんな事になったんだろ!? 戦争なんてやりたい奴がやれば良いじゃないか!」

 

カズイの言葉がキッカケとなったのかは分からないが、その言葉を聞いて、マリューは苛立ちを顔に出しながら、銃を二発空に向けて放った。

 

「黙りなさい! 何も知らない子供が……! いったい誰のおかげで平穏な生活が出来ているのかを知りもしないで。戦争をしたがっているですって? あの子はね! 一度だってそんな事を望んでやしなかったわ! それでも平和の為に戦っている。その庇護の中で生きている子供が、甘えた事を言うな!! それに私は一度警告したわよ。近づくな。何も見なかった事にして、消えろと。でも今あなた達はここに居る。恨むなら自分の選択を恨みなさい!」

 

「っ」

 

マリューの言葉にキラはすぐ近くにあるベンチで寝ているセナを見つめた。

 

思い出すのは、セナが必死に平和を訴えている姿で。

 

戦う事なんて出来ていないのに、必死に自分たちを逃がそうとしていた姿だった。

 

「……分かりました。それで、貴女は僕達をどうしたいんですか? それに、あの子も」

 

「貴女はやっぱり少佐の事を……いえ、それは後にしましょう。まずは友軍との連絡。それに、戦える準備をしないと」

 

「戦う準備って、もう戦闘は終わったんだろ!?」

 

「いえ。先の戦闘でおそらくは少佐の事がザフトに知られてしまったわ。敵は必ずまた来る」

 

「少佐って」

 

サイはマリューの視線を追い、ベンチで寝ている少女と少女を膝枕しながら心配そうな顔をしている自身の婚約者を見た。

 

そして、何がどうなっているのか分からないと頭を抱えるのだった。

 

しかし、状況はそんな彼らを待ってくれない。

 

既にヘリオポリスの外では新たなる戦いが始まりつつあった。




書きながら思うのは、
アラスカ基地でのファッキン・サザーランド大佐の圧迫査問会議で唯一マリューさんが良い判断だったね。って言われた理不尽マリューさんのシーン。
マリューさん好きだけど、冷静にあのシーン見ると結構無茶苦茶言ってるなと。

ガンダムが軍事機密だって言うなら、市街地で戦闘するなよ……。
まぁ、コックピットの中とかに入ってたのが原因だと思うんですけど。
それを戦闘で気絶してた軍人が言うと、子供相手に何言ってんだコイツ感が凄い。
余裕なさすぎでは……?

この辺りって、ガンダムWの真昼間の荒野みたいな場所に現れて、ガンダムを見たものを生かして返す訳にはいかないって、言ってる無名(トロワ)さんとかと同じレベル感。
ネタか? ネタなのか??

しかし、そう考えると盗んだガンダムで、生身の人間相手にバルカンをぶっ放した挙句、高笑いしているヤバい人をアッサリ自軍に入れたエゥーゴの人たちの懐の深さは異常。


という訳で2話目ですわ。
進んでんだか進んでないんだかよく分からない2話ですが、
原作通り、ほぼ変わりなしだな。っていうシーンはバンバン飛ばしていくので
気になる人は本編を見よう!(ダイレクトマーケティング)
バンダイチャンネルならいつでも見放題ですよ!

という訳で、私も先の予習をする為に、名場面集でも見に行きますかね……。
何故かSEEDはいつもカガリ特集になるけど。

カガリ良いよね。
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