ガンダムSEED~オリ主で主要キャラ全員生存ルート爆走記~ え? キラが女の子とか聞いて無いんですけど   作:とーふ@毎日なんか書いてる

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PHASE-43『示される世界』

(第三者視点)

 

 

 

ミネルバへと帰還したシンは、命令違反の罰として営倉へと入る様に命じられた。

 

そして、キラが入っている牢の隣の牢へと入ると、膝を抱えて顔を埋める。

 

「シン」

 

「……はい」

 

「今、少し話をしても良いかな」

 

「……はい」

 

「ごめんね。退屈でさ。外の事とか、聞かせて欲しいな」

 

シンはキラのその言葉に、歯を食いしばって、涙を流した。

 

それもそうだろう。シンに話せる事など何も無いのだから。

 

ステラが敵に奪われた事も。

 

その敵がアークエンジェルに通じている可能性があるという事も。

 

キラが信じていると言っていたアスラン・ザラやカガリ・ユラ・アスハがキラを利用している可能性がある事も。

 

セナは戻ってきたが、まだ意識が戻っていないという事も。

 

何も、話せる事など無いのだ。

 

だが、沈黙していれば、キラはきっと何かあったのではないかと気づいてしまうだろう。

 

だから、シンは必死に嬉しそうな声を出しながらキラに語り掛けた。

 

「シン?」

 

「あっ、すみません! ちょっと疲れてて、ウトウトしてました」

 

「そうなの? 無理はしちゃ駄目だよ。ちょっとくらいサボっても良いんだからさ」

 

「そんなの、怒られちゃいますよ」

 

「大丈夫。僕が許可します。シンは凄く頑張っているんだから、休んでも良いんだよ」

 

キラの優しい声にシンは笑顔を作りながら、涙を流し、それを乱暴に腕で拭う。

 

そして、言わなければいけないと、必死に明るい声を出した。

 

「でも、隊長のお陰でステラも無事に届けられたんです。助かったかどうかは分からないですけど」

 

「そっか……。でも、ユーレンさんなら大丈夫かな。戦争が終わったら会いに行こうか」

 

「……はい」

 

「でも本当に良かった」

 

「それと」

 

「うん?」

 

「セナも取り戻しました」

 

「っ!? 本当に!?」

 

「はい」

 

「そ……っか。凄いね。シン。流石だよ。もう僕より強いんじゃないかな」

 

「そんな事は!」

 

「ううん。僕はここでこうして話を聞く事しか出来ないからさ。シンが活躍してるのを聞くのは嬉しいよ」

 

「……っ」

 

シンはもう笑う事すら出来ず、声を上げて泣いてしまった。

 

その声を聞いて、キラはシン。と声を掛けるが、シンはただ首を振るばかりだ。

 

「たい、ちょう、いえ。キラさん」

 

「なぁに? シン」

 

「この戦争が終わったら、一緒にプラントへ帰りましょう。プラントには父さんと母さんとマユが居ますから」

 

「ふふ。そうだね。久しぶりに会いたいな」

 

キラの嬉しそうな声にシンは拳を強く握りしめた。

 

この先、何があろうとこの人とセナだけは必ず守ろうと。

 

セナがまた目覚めるか、それは分からないけど、この約束だけは決して違えないと自分に誓うのだった。

 

 

 

そして、シンは翌日営倉から出され、そのままの足で医務室に居るセナの元へと向かった。

 

セナは相変わらず眠っている様だが、一度目を覚ましたらしい。

 

「それで、だな。非常に言いにくいのだが、セナ嬢は……記憶を失っている」

 

「記憶を!? どうして」

 

「連合のエクステンデッドと同じさ。何らかの装置でそうされたのだろう」

 

シンは軍医の言葉に右手を強く握りしめた。

 

怒りを表に出さない様にと必死に抑え込んで、静かに話を聞く。

 

「だが、君の事は覚えている様だ。先ほども君の事を探している様だった。時間がある様だったら、ここでセナ嬢が起きるのを待っていて貰っても良いか? 艦長には許可を貰っている」

 

「分かりました。ではなるべくここに居ます」

 

シンは静かに寝ているセナの手を優しく包み、セナを見つめた。

 

そしてそのままいつまでも見つめ、目覚めるまで祈り続けるのだった。

 

シンが医務室へ来て、どれくらいの時間が経っただろうか。

 

セナの指が僅かに動き、ゆっくりとセナは目を覚ました。

 

「……?」

 

「セナ」

 

「シン、君?」

 

「そうだよ。俺だ。シンだ」

 

「シン君……良かったです。何か凄く怖い夢を見ていた様な気がしていましたが……ここにシン君が居るという事は、本当に夢だったのですね」

 

「あぁ、全部夢だよ。怖い物は全部。夢なんだ」

 

シンは震える声でそうセナに言って、ここはもう安全なんだと告げる。

 

その言葉にセナは微笑んだが、シンの笑顔はどこか歪であった。

 

「ここが安全で良かったです。ではステラも安心ですね」

 

「っ、すて、ら」

 

「はい。……? シン君?」

 

「い、いや。何でもないよ。ただ、ステラはここには居ないんだ」

 

「そう、なんですね」

 

「うん。ここよりも、ずっと安全で、幸せで、辛い事なんか何も無い世界に居るんだ。だから……」

 

シンはセナの手を両手で包みながら、涙をその手の上に落とした。

 

セナはそんなシンをジッと見つめた後、目を閉じて一筋の涙を流してからシンの頭を撫でて、微笑んだ。

 

その手の感触に思わず顔を上げたシンが見たのは、いつかの時、プラントでシンが初めてセナと出会った時に見つけた天使の様な微笑みと同じであった。

 

そして、そんなセナにシンは再び涙が抑えられなくなり、セナを抱きしめた。

 

「……あぁ、本当に、こんな事は早く終われば良いのに」

 

セナはシンに抱きしめられながら天井を見て、そんな事を呟いてから、何かが頭で引っかかった様な感覚に首を傾げた。

 

しかし、今はシンの事に集中しようとシンに意識を戻すのだった。

 

 

 

ひとしきり泣いた後、シンは艦長から呼び出され、艦長室へと向かった。

 

そして、一つの命令を下される。

 

「……貴方が営倉に入れられている間にね。デュランダル議長から一つのメッセージが世界中に発信されたわ」

 

「……」

 

「ディオキアで貴方も聞いたでしょう? ロゴスの話。議長は遂にそのロゴスを討つと世界中に宣言したの。この映像については後で確認しておきなさい」

 

「はい」

 

「それでね。私たちミネルバにはエンジェルダウン作戦を支援せよ。という命令が下ったわ」

 

「エンジェルダウン作戦、でありますか?」

 

「そう。議長が先に発表されたロゴスメンバーの一人、ムルタ・アズラエルの引き渡しを要求し、それが拒否された場合、アークエンジェルを撃墜せよ。との命令よ」

 

「そんな!」

 

「驚くのも分かるけどね。これは本国の決定なの。貴方には出撃してくるであろうMSの撃破をお願いするわ」

 

「……」

 

「私もこんな事は言いたくないけどね。貴方が出撃しないとミネルバは最悪沈む事になるわ。何せ相手はあのアークエンジェルとフリーダムだからね」

 

シンは拳を強く握りしめながら、歯を食いしばり、タリアを睨む様に見据えた。

 

そして、ハッキリとその言葉を口にする。

 

「分かりました。出撃します」

 

「……そう。ありがとう。話は以上よ。後はその時が来るまで待機していて」

 

「はい」

 

シンは静かに頭を下げると艦長室から出て、外で待っていたレイを見る。

 

レイもまた静かにシンを見据え、小さく頷いた。

 

「ロゴスのメンバーがアークエンジェルに居たって」

 

「あぁ。俺も聞いた」

 

シンは医務室で記憶を奪われ、眠るセナを想う。

 

冷たい営倉の中で笑っていたキラを想う。

 

デストロイの崩壊に巻き込まれて命を落としたステラを想う。

 

自分とミネルバを庇って海の藻屑になったトダカとユウナを想う。

 

「……フリーダムは、俺が討つ」

 

シンは小さくそう宣言すると、燃える瞳で自室へと向かうのだった。

 

フリーダムに勝つ為に。

 

愛する全てを守るために。




はい。
DESTINY編書きながら思っている事、№1
アズラエルがマジで便利。

アズラエルが味方陣営に居るだけで、話も進みやすくなるし、説明役をやってくれるし、敵の標的にもなってくれる!
一家に一台アズラエルですわ。

まぁアズラエルって実質前作であるSEEDのラスボスの一人だからね。
そりゃ有能だよなって。
……。
ふと思い出しましたが、三人いるラスボスの内、一人はプラントで全力隠居してましたね。

他二人は平和の為に戦っているというのに。
いや、まぁ前議長と前々議長は動かれるとプラント的にも、私的にも面倒なので
悠々自適な隠居をしててもらう方が良いんですけど。

まぁ、書くにしてもギャグになるし。とりあえず放置やな。
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