ガンダムSEED~オリ主で主要キャラ全員生存ルート爆走記~ え? キラが女の子とか聞いて無いんですけど 作:とーふ@毎日なんか書いてる
(第三者視点)
ミネルバはエンジェルダウン作戦の為にアークエンジェルへと連絡を取り、その山脈で待ち伏せた。
周囲に部隊を潜ませて、いつでも攻撃出来る様に準備をして……だ。
「艦長……本当によろしいのですか?」
「本国からの命令よ」
「しかし! あの艦は我らの」
「分かってるわ! その程度の事! アークエンジェルとフリーダムが前大戦を終わらせた英雄だって事も! ミネルバを何度も助けてくれた事も! 全部ね! でも、私たちは軍人で、命令は絶対なの。分かるでしょ?」
「……はい」
アーサーはそれ以上何も言わず、黙って副長としての仕事に戻っていった。
その姿にタリアは歯を食いしばりながら、アークエンジェルが条件を飲めば戦闘は無いと自分に言い聞かせる。
しかし。
アークエンジェルに向けられた言葉は拒否された。
ムルタ・アズラエルは本艦には乗っていない。
また、乗っていたとしても彼は今、オーブの一国民であり、国民を正当な理由もなく引き渡す事は出来ない。
という物だった。
理屈の通ったその言葉に、タリアはため息を吐きながら、そうでしょうねと呟く。
そして、戦闘が開始された。
「ジャミング弾発射! インパルス! グフ発進!」
タリアの言葉を合図として、シンのコアスプレンダーとハイネのグフが空へと飛び立つ。
アークエンジェルからも、フリーダムとストライクが出撃してきている様だった。
シンはミネルバから出撃して、フォースインパルスに合体すると、真っすぐにフリーダムへ向かって飛翔する。
『シン!』
「俺は、フリーダムを! ハイネはもう一機をお願いします!」
『……あぁ。分かった』
シンは集中しながら、たった数日であったが、レイと共に繰り返したフリーダムの……アスラン・ザラとの戦闘シミュレーターを思い出しながら、恐れず前に進んでゆく。
『シン。無理はするなよ。何。向こうは伝説のフリーダムと、ヤキンの英雄アスラン・ザラだ。逃がしちまっても……』
「大丈夫です! 俺はやれます!! 例え相手がアスラン・ザラだって! 俺は!!」
『良いのか? シン。それで。お前だって本当は』
「ハイネだって、議長の言葉は聞いたんだろ! 戦争はロゴスが起こしてる! それで! アークエンジェルにはブルーコスモスの親玉が居て! アークエンジェルはそれを守ってるんだ!! アイツは、アスラン・ザラだってそれは知ってる! なのに! 庇ってるんだ!!」
『……分かった。俺はもう何も言わねぇよ。悪かったな』
シンはハイネの言葉に何も返さぬまま一気にフリーダムへと近づき、ビームサーベルで切りつけた。
何故かシミュレーションで戦った時よりもフリーダムの動きが鈍いが、関係ない。
シンには、何も関係が無いのだ。
『シン! 止めろ! どうして俺達が戦わなければならない!』
「……」
『聞こえていないのか!? シン!』
通信で聞こえてくるアスランの声に、シンは強い怒りを瞳に灯しながら、進む覚悟と共に口を開いた。
「なんで、セナを落とした」
『セナの機体に爆弾が仕掛けられていたと、連合の機体が言っていたんだ。それで……』
「落とさなくても、助ける方法はいくらでもあっただろ!!」
シンは言葉と共に、インパルスを突撃させると、フリーダムのビームライフルをビームサーベルで破壊する。
「いっぱい血が出てたんだ! 死ぬかもしれなかった!! アンタが、そうしたんだ!!」
『聞け! シン!!』
「アンタが悪いんだ!! 隊長を! セナを裏切るから!!」
『シン!』
「ステラの事だって……助けようとしたのに!!」
『くっ! この力は!!』
シンは頭の中で何かが弾けた感覚を素直に受け取って、フリーダムを落とす為に、あらゆる手段を講じる。
武装が破壊されれば、その部分を切り離して、フリーダムにぶつけて爆発させ、代わりの部分をミネルバから射出して貰い、それに換装する。
どれだけ破壊されようが、構わず、破壊された分だけ破壊して、フリーダムを、アスラン・ザラを倒そうと進んでゆくのだった。
そして、シンの猛攻と同じ様にミネルバもまた、自身の迷いを振り切る様に攻撃を重ねてアークエンジェルを追い詰めていた。
アークエンジェルがミネルバへ直撃させるつもりが無いと分かっていても、攻撃を止めない。
ハイネのグフと敵のストライクが互いに被弾し、帰還しても、変わらない。
今出来る全てを積み重ねて、アークエンジェルに一手、また一手と迫るのだった。
「インパルスのパワー危険域です!」
「デュートリオンビーム照射準備! ウィラード隊に打電! シンが抜ける間の支援を!」
「はい!」
『メイリン! デスティニーシルエット! 射出準備!!』
「はい!」
「間もなく海岸線です! アークエンジェル離脱します! 艦長!」
「タンホイザー起動! 目標、アークエンジェル!」
慌ただしく変わっていく戦況に、ミネルバのブリッジクルーはそれぞれが自分の仕事に集中しており、周囲を見ている余裕がない。
だから、それは起こった。
医務室から人が居なくなる瞬間に、激しい頭痛と共に聞こえる誰かの声と、頭に映し出される知らない記憶。
それの答えを求めて、セナがふらつく体でブリッジに入ってきてしまったのだ。
そして、流れ落ちる汗をそのままに、モニターに映る戦場を見て、目を見開く。
荒い呼吸を繰り返し、ここには居ない者達の記憶を頭に映し出しながら。
セナがブリッジに居る事など知らず、考える事も無いまま、パワーを最大まで戻したインパルスは満身創痍のフリーダムへと最後の攻撃を仕掛けるべく、空中でその武装に換装した。
インパルスの最後の換装システムでありながら、欠陥武装であるデスティニーシルエットに。
そう。この武装はエネルギーの消費が激しくまともに運用できないと欠陥扱いされていたのだが、シンの為にとセナがミネルバで改修を行っていたのだ。
シンが誰かを護りたいと強く願った時、使える様にと。
そして、シンにとってその時が今である。
「あんたは俺が討つんだ! 今日! ここで!」
エクスカリバーレーザー対艦刀を両手で構え、ミラージュコロイドが生み出す分身を空中に描きながらフリーダムへと迫る。
「はぁぁあああああああ!!!」
『くっ!!』
そして……。
デスティニーシルエットを装備したインパルスはフリーダムへと急接近するとその対艦刀を腹部に突き刺し、ミネルバもまた、海中へと潜ろうとしているアークエンジェルにタンホイザーを放った。
そのどちらが原因かは分からないが、海水を巻き上げる大爆発が起こった。
そんな荒れた海面近くで、たった一回の攻防で全エネルギーを消費し尽くし、フェイズシフトがダウンしたインパルスは暴走に近い速さで特攻した為、ボロボロとなってしまった。
しかし、そんなインパルスのコックピットの中でシンは、笑う。
涙を流しながら。
「ふふ、はは、やった……ステラ、セナ。俺、やったんだ」
笑っているというのに、涙は止まらず、苦しさも止まらない。
それでも、何かを成す事が出来たのだと、シンはただ喜び、悲しみの涙を流した。
そして、シンがフリーダムを撃墜するという光景を見てしまった少女は声にならない声を上げながら、目を見開き、涙を流す。
その頭に蘇るのは、兄と慕っていた青年の顔だ。
「あす……らん、お兄ちゃん?」
「……? セナちゃん!?」
「なんですって!?」
セナは自分を抱きしめながら膝を付き、メイリンに支えられながら嗚咽を漏らす。
苦しみを吐き出す様に涙は落ちるが、その痛みに耐えられず、セナはそのまま意識を失ってしまうのだった。
はい。
大切な人から託された力で強敵を討つ! 王道展開でございます。
なお。
とりあえず本編の話ですが。
冷静に考えて、ハイネが便利ね?
こう、色々と察してくれる兄貴分って本当に素晴らしい。
しかも中の人的にどれだけ格好いい兄貴分になっても、まぁ西川兄貴だしな。
で通れるのが強すぎて笑う。
なんで本編では即退場したんですか???
ちなみに、ブチ切れてるシンとアスランの会話が通じないのは仕様です。
という訳で、今回はここまで!
次回「PHASE-45『混沌の先に』」
また明日時間未定にお会いしましょう!